大手民間航空会社のカンパニーラジオはターミナルとエンルート用の二種。効率よく聞き分けよう!
エアライン大手ではそれぞれカンパニーラジオを使って運行管理部門と飛行中の航空機との間で運行に関する簡易な連絡を行っています。
防災ヘリなどの場合、使うカンパニー波は基本的に一波ですが、大手航空会社では空港内で離陸前に使う「ターミナル」用、航空路まで上昇したのちの運行で主に使用する「エンルート」用の二波があります。たとえば、129.850MHzはエアーニッポンのカンパニー周波数(ターミナル用)です。
航空無線ハンドブック 2017 (イカロス・ムック)
4802202318 | イカロス出版 | 2016-09-28
現在大手ではJALグループとANAグループ、それにスカイマークがこの二種のカンパニー波を使い分けて使用しています。
当然、空港で使うターミナル用の周波数は空港から遠ければ受信は難しいので、まずは航空機が空の上から発射するエンルート用周波数を主に受信してみましょう。もちろん、空港に出向いた際に受信するため、ターミナル用周波数も受信機にメモリーしておきましょう。
また、同じ会社でも地域や空港ごとに周波数が異なります。例えば、北海道で受信する場合は道内に加えて、青森空港の各社カンパニー周波数をメモリーしておくと、数百kmは余裕で飛ぶVHFの特性上、意外と受信できます。地元だけでなく、遠方地域の周波数もメモリーしておくとよいでしょう。

総務省 電波利用ホームページ内の無線局免許状等情報で公開されている情報によると、新北九州空港‐羽田などに定期便を就航する2002年創立の「スターフライヤー」のカンパニー周波数は128.975MHzだ。
この周波数も総務省公式サイトのほか、航空無線ハンドブックなどに掲載されていますから一冊購入しておくと便利です。

地上の整備部門との調整も重要
場合によっては声こそ冷静でも、地上職員の不手際に絡む機材運行のトラブルでは、パイロットがディスパッチャーに嫌味を言ったり、いらいらした感じが伝わってきて思わず苦笑させられたり、人間味を感じさせます。
気象と到着予定時刻に関する事項
エアラインのカンパニーラジオで最も多い交信が到着先空港周辺のウェザー、つまり気象状況と到着予定時刻の連絡でしょう。着陸時に悪天候が予期される場合は、より密な連絡が必要です。
整備に関する事項
エンジンの油圧、ブレードのピッチに起因する異音など旅客機の運航トラブルに直結する機材関連の不具合も、地上クルーとの間で連絡を密にしなければなりません。
乗客に関する事項
やはりVIP、さらにクレーマーが乗り込むとそれに関するやり取りが多くなります。タクシーの手配などの要請が行われます。
これらカンパニーラジオの交信は、当サイトがオススメしているIC-R6(受信改造済)で受信可能です。
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カンパニーラジオのまとめ
このように、日本語での交信が基本となるのがカンパニーラジオです。気軽に受信できる航空無線なので、初心者にはとくにオススメです。
- カンパニーラジオは防災ヘリや大手航空会社が業務連絡に使う無線
- 日本語かつ、ゆっくりとした口調での交信が基本のため、航空無線初心者の受信に最適
- 管制波に比べると交信頻度は高くないので、大手航空会社のカンパニー周波数は残さずメモリーしよう
- 大手航空会社はエンルートとターミナル用の二種の周波数を使い分ける
- 地元以外のカンパニー周波数も入れておけば受信のチャンスが増える
- なお、外国の航空会社には無線局免許が与えられないため、日本空港無線サービスを使用する
ほかにも、防災ヘリなどもカンパニーラジオを使用しています。