アマチュア無線技士従事者免許証の取得方法の解説

無線従事者免許証の概要と取得方法について

アマチュア無線を運用するためには従事者免許証(従免)と無線局免許状(局免)が必要です。・・って、これは令和5年までの話で、現在は『アマチュア無線の交信体験制度(体験運用)』があり、無資格のどなた(年齢不問)でも、有資格者の監督のもとで一定の操作(交信体験)が行えます。

このうち、本項で解説する従事者免許証(従免)は俗に言う「アマチュア無線の資格」そのものです。なお、業務無線の一部資格にはアマチュア無線技士の操作範囲が含まれているものもあります。

昭和33年以前の従事者免許には有効期限が設けられていましたが、現在は一度取ると一生涯有効(書き換え不要)の終身資格となっています。

アマチュア無線技士の受験資格は?

著しく心身に欠陥があって無線従事者たるに適しない者、電波法上の罪を犯し罰金刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は受けることがなくなった日から2年を経過しない者以外の方であれば、学歴、年齢、性別、国籍などを問いません。

アマチュア無線技士の従事者免許証を取得する方法

従免の取得には下記の二通りの方法があります。

  1. 国家試験に合格して取得
  2. 養成課程講習会で講習を受け、修了試験に合格して取得

このように、アマチュア無線の国家資格、すなわち従事者免許証の取得には国家試験合格、または養成課程講習会での取得のいずれかです。養成課程講習会の概要もご紹介しています。

講習と簡単な修了試験で4級と3級の国家資格が取れる養成課程講習会とは?

第三級および第四級アマチュア無線技士、2アマeラーニングの修了試験はCBT試験にて受験が可能

CBT試験とは、全国各所にある民間運営の「テストセンター」にて、パソコン画面に投影される試験問題をキーボードとマウスを使って受験する方式です。ご自宅に最も近いテストセンターはもちろん、お好きな地域のテストセンターでの受験を自由に選べます。

申込み方法等は株式会社CBT-Solutions公式サイトでご確認ください。https://cbt-s.com/examinee/examination/nichimu.html

2024年現在、第三級および第四級アマチュア無線技士の資格、さらに2アマeラーニングの修了試験がCBT試験方式に対応しており、受験開催日は比較的多くあり、年間を通して試験が受けられますが、毎日行われているわけではありません。

テスト終了後、ただちに印刷され発行される試験結果レポートに点数が記載されており、自身で合否判定が可能です。

またアマチュア無線技士以外にも、プロ用資格である陸上特殊無線技士(二級および三級、一級養成課程選抜試験)や海上特殊無線技士(二級および三級)もCBT受験が可能です。

プロの無線従事者の資格とは?アマチュア業務とプロの業務はどう違う?

受験当日は本人確認のため、顔写真付きの本人確認書類(有効期限内の運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、学生証など)が必要です。

※受験票(CBT試験では発行されません)、筆記用具は不要です。

従事者資格の国家試験の受験申請方法

日本無線協会の電子申請システムから簡単に申請可能です。日本無線協会はアマチュア無線や特殊無線技士などの業務無線資格に関する国家試験を実施する団体です。

日本無線協会の電子申請システムの申請手順

まず、日本無線協会のHPにアクセスしてください。

財団法人 日本無線協会 無線従事者育成機関。業務概要、試験・講習案内、養成課程の紹介。
http://www.nichimu.or.jp/

次に無線従事者国家試験申請システムに進んでください。

https://shinsei.nichimu.or.jp/

※ご注意 インターネットによる申請受付期間は、毎月1~20日までです。

フォームに必要事項を記入して送信したあとは、同協会からのメールに従って日本無線協会の指定する口座に指定の受験料を期日までに振り込みましょう。そうすると、一ヵ月後にハガキの受験票が送られてきます。

この受験票には自分の氏名や受験する級の区分、受験日と、受験会場などが記載されていますので、記載に相違がないか確認してください。そして、受験票には氏名と生年月日などを記入し、顔写真を貼りましょう。

あとは、指定された受験日に受験票と筆記用具を持って、指定された受験会場に向かいましょう。筆記用具は貸してくれますが、くれぐれも受験票を忘れずに。

東京近郊にお住まいの方は、毎月第3日曜日に当日受付による国家試験が東京都中央区晴海三丁目の日本無線協会本部で実施されていますので、ぜひ利用してみてください。日本無線協会本部での試験の場合、合否結果も当日に開示され、合格すると、その場で免許申請もOKなので、申請手数料のお金や写真も同時に持って行くと良いでしょう。

さて、冒頭でも書きましたが、国家試験のほか、養成課程講習会を受講することで資格を取得することも可能です。

国家試験や養成講習会で合格したら早速、従事者免許証の申請手続きをしましょう。

国家試験または講習会、どちらの場合も合格通知が届いたら、自分で従事者免許証の申請を行わねば、総合通信局は免許証を発行してくれませんので、忘れないうちに早めの申請をしてください。

まず、「総務省電波利用ホームページ 」にアクセスして従事者免許証申請書を入手しましょう。

総務省電波利用ホームページ

http://www.tele.soumu.go.jp/j/download/radioope/index.htm

上記ページで従事者免許証の申請書はPDF形式で手に入りますから、プリントアウトして記載しましょう。申請書への記載は総務省の説明を見れば、何も難しいことはありません。じっくり読んでからリラックスして書き込みましょう。

http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/operator/01B.pdf

自宅にプリンターがない場合は、上の総務省のHPからダウンロードしたPDFファイル形式の申請書をUSBメモリに保存し、そのメモリをお近くのコンビニなどに持ち込んで、複合機のプリンターに挿して印刷しましょう。

最後の2ページ目が申請書ですから、2ページ目のみ指定し、サイズはA4、白黒で印刷してください。練習用、失敗時の予備用に3枚くらい取っておくと良いでしょう。

従事者免許証の申請時に必要なもの

    1. 無線従事者免許証申請書
    2. 氏名および生年月日を証する公的な書類
    3. 手数料(1,750円分の収入印紙)
    4. 写真(縦30mm&横24mm)
    5. 切手をちょう付した返信用封筒 (免許証の郵送を希望する場合のみ)

大切なのが、“氏名と生年月日を証明するための公的な書類”です。総務省では運転免許証や住民票、印鑑登録証明などが公的な身分証明として有効であるとしていますが「コピー」は不可ですので、いずれも実物が必要です。

つまり、車の運転免許証をあなたが身分証明として使いたいのであれば、運転免許証そのものを申請書と一緒に封筒で送らなければなりません。しかし、これでは車の運転免許証が手元を離れ、運転できなくなってしまい不便です。

筆者は役所に印鑑を登録してありますので、印鑑登録証明にしました。証明発行手数料として400円かかりましたが、市役所に出向いて住民票や印鑑登録証明などを発行して使うのが一番無難だと思います。

そして写真1枚、1750円分の手数料の収入印紙を用紙に貼り、返信用封筒(82円切手も忘れずに。書留の場合はその分の切手を) 一枚も忘れずに入れましょう。

そして、自分の住む地区を管轄する総合通信局へ送付すれば、数週間後に従事者免許証が無事に届くはずです。なお、免許証は総合通信局で直接受け取ることも可能で、その場合は返信用封筒は不要です。

無線従事者免許証vs運転免許証……どちらが身分証明の効力が強いの?

私たちが日常、役所や金融機関の窓口で身分証明書として使うのは自動車の運転免許証が多いのではないでしょうか。ではアマチュア無線の従事者免許証を車の運転免許のように身分証明として同じように利用できるのでしょうか。その答えは顔写真付きの官公署発行の身分証明書ではあるものの、本人の住所が記載されておらず、運転免許証と同等の効力がないため「ケースバイケース」です。主に使えない場面は郵便や銀行の貯金・保険関係などです。ただし、多くの市町村役場の窓口では本人を確認するための公的身分証として使える場合が多いでしょう。

資格を取ったら今度は無線局の開局申請!でも、ちょっとひとやすみ

さあ、国家試験の受験から合格、従免の申請手続きと、ここまでとても面倒と思われたのではないでしょうか。

しかし、アマチュア無線を運用するにあたって、まだまだ面倒なことは待っていますから、めげないでください。従免の申請に引き続いて、今度は無線局の開局申請という手続きにとりかかります。つまり、無線局免許状の申請です。

でもそれは、従事者免許証が手元に届いてからでなければできないので、申請書の封筒をポストへ投函したらとりあえずコーヒーブレイクのひと休みをしましょうよ。

従事者免許証が届くまではとくに何もすることはありませんので、アマチュア無線の基本的なルールなどを勉強しておくのが良いでしょう。

このように手続きはとても煩雑で、また免許の発行までに地域差もありますので、アマチュア無線をやりたいと思い立ったら、できるだけ早めに受験して合格し、即申請しましょう。

従事者免許証が届いたら

こうして数週間すると従事者免許証がついに手元に届くはずです。ここではじめて「開局申請」、つまり無線局免許状の申請という大仕事に取り掛かれます。

開局申請の手続きと、受け取りまで詳しい解説については以下のページにて解説しています。

新制度発足!アマチュア無線の局免申請から受け取りまで

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