IC-R6(受信改造済み)では“どうしても聞けない無線”があります。
それが、洋上管制(HFエアバンド)です。
原因はシンプルで、IC-R6はSSB(Single Side Band)モードに対応していないため、HF帯の音声を正しく復調できません。
では、高価な受信機やHFアマチュア無線機が必要なのかというと、そうではありません。
実は、IC-R6の半額程度で、SSB受信に対応したコンパクトな受信機が買えてしまいます。
それが、中国メーカー製のSSB対応BCLラジオです。
この記事の要点と結論
・IC-R6では聴けないSSBを低価格で手軽に聴ける高性能SSB対応短波ラジオの紹介
・人気の7MHz、18MHz、洋上管制、その他各種HFも聴ける
・VHF帯エアバンドも受信可能。大口径スピーカーで聞きやすい
・HF用アンテナ不要。付属ワイヤーアンテナで極めて感度良好
・HF&エアバンド受信の入門機に最適
SSB受信が手軽に可能!─中華SSB対応BCLラジオ
HF無線愛好家のニーズに応える「中華SSB対応BCLラジオ」とは?
「BCLラジオ」とは、AMの短波放送が受信できる「短波ラジオ」のことです。家電量販店で数千円で購入できます。

AMとFMのみに対応している短波ラジオの例
しかし、このような安価な短波ラジオの多くはAMやFMモードのみで、SSB(Single Side Band)モードには対応していません。
そこでHFアマチュア無線愛好家や短波航空無線(HF通信)ファンの一部では、中国メーカー製のSSB対応BCLラジオを利用しています。
Amazonなどで「SSB ラジオ」と検索すると、1万円前後の比較的手ごろな機種も多く見つかります。
これらの受信機は、USB(Upper Side Band)およびLSB(Lower Side Band)モードに対応しており、アマチュア無線のSSB交信、海外気象通報、洋上航空路のHF通信など、通常のAMモードでは正常に受信しにくい通信を聞くことができます。
なお、「SW(Short Wave)」は“短波帯”を意味する用語であり、「SSBモード対応」を意味するものではありません。短波対応ラジオでも、SSBに非対応の機種は多数存在します。
購入時には、仕様欄に「SSB」「USB」「LSB」などの表記があるかを確認すると安心です。
大ヒット『XHDATA D-808』その実用性は?─高評価レビューと実際の使い勝手
SSB対応ラジオである『XHDATA D-808』は、多くの製品レビューが寄せられており、全体として「コストパフォーマンスの高さ」や「感度の良さ」が高く評価されています。
特に、海外放送やアマチュア無線のSSB受信に初めて挑戦する方にとっては、手軽に始められる入門機です。
ただし、広帯域受信機やハイエンドの通信型受信機と比較すると、細かい操作性の面ではやや劣る部分もあり、ヘビーユーザーには物足りなさを感じることもあります。
それでも、1万円前後という価格を考慮すれば、性能は十分に優れていると言えるでしょう。
実際、日本製のSSB対応HF無線機や高級受信機と比べると、価格は5分の1から10分の1程度に抑えられています。
今回、筆者は数あるSSB対応BCLラジオの中からベストセラー機である『XHDATA D-808』を購入し、実際の性能を検証しました。
実際に使ってみると、ヒットする理由が十分に理解できる製品であることが分かります。
SSB対応BCLラジオには多くの製品がありますが、その中でも大ヒットとなっているのが『XHDATA D-808』です。
AM・FM放送に加え、HF帯の1711~29999kHzでSSBモードに対応し、VHF帯の118~137MHzのAMエアバンドも受信可能です。
価格も手ごろで、洋上管制や人気の7MHz帯アマチュアバンドもカバーしており、日本語の説明書も付属しています。
なお、中華製品には同じ筐体・性能・型番でメーカー名だけが異なる製品が見られ、XHDATA D-808にも『SIHUADUON D-808』というそっくりなモデルがあります。
複数のレビューでは、XHDATAの方が感度や反応に優れていると評価されています。
「7MHzや洋上管制の受信感度が非常に良い」との声もあり、実に気になる機種ですが、実際に使用してみると、その高い性能に驚かされるました。
1kHzステップ+ファインチューニング─実用性重視のインターフェース
価格帯を考えれば、『D-808』はSSB受信にも対応できる簡易受信機としては非常に高い柔軟性を持ちます。
1kHzステップを含む周波数ステップ設定が可能であり、SSB受信時にはダイヤル操作などによる微調整で復調周波数をかなり深く合わせることができます。
ただもちろん、高額なHFアマ機と同等の安定性や選択度を持つものではありません。

| 機能項目 | 仕様・特徴 |
|---|---|
| 受信周波数帯 | FM / AM / 長波 / 短波(HF)/ エアバンド(118〜137MHz) |
| 電波形式 | AM / FM / SSB(USB / LSB)対応(CWはLSBで受信可能) |
| 最小ステップ幅 | 1kHz(ファインチューニングで更に細かく調整可能) |
| SSB対応 | USB / LSB切り替え可能、LSBでモールスも明瞭に受信 |
| フィルター選択 | 1 / 1.8 / 2 / 2.5 / 3 / 4 / 6kHz(7段階) |
| スケルチ機能 | OFF / 1〜9の段階調整可能 |
| エアバンド性能 | 高感度&大型スピーカーで良音質 |
| バンドスキャン機能 | あり |
| メモリースキャン機能 | なし |
| メモリー | 10チャンネル × 10バンク(各バンド) |
| 電源 | 外部電源 DC5V(USB)対応、リチウムイオン受電池付属 |
| サイズ・重さ | 157mm(W)× 92mm(H)× 32mm(D)/ 約307g |
もちろん、SSBモードでは、USB(上側波帯)とLSB(下側波帯)の切り替えに対応しており、アマチュア無線の標準的な通信モードに幅広く対応します。
一方、IC-R6等の広帯域受信機ではSSB受信機能を持たないため、HF帯の単側波帯通信の受信には対応していません。

なお、『D-808』にはSSBよりもさらに狭い帯域で運用できるCW(Continuous Wave)に対応する『CW専用モード』は非搭載ですが、LSBモードにて十分に実用的な復調が可能です。
音のクリアさも申し分なく、“ラジオ”とは思えないレベルでのCW受信が楽しめるのは特筆に値します。
各種バンドを瞬時に切り替え─“ラジオらしさ”を失わない設計
FM放送、LW(長波)/MW(中波)、SW(短波)、そしてAMエアバンド──これらのバンドはすべて、バンドキーの短押しによって、ほぼ瞬時(数秒かかります)に呼び出しが可能。
加えて、周波数の直接入力、ならびにメモリ機能によるプリセット呼び出しにも対応しており、ラジオとしての基本操作性は極めて優秀です。
『D-808』は“広帯域受信機”ではなく、あくまで“ラジオ”だということを一瞬、忘れていました。
特に、AMエアバンド対応は評価が高く、HF+航空無線受信を楽しむファンにとっては嬉しい仕様。

HF帯受信性能を検証─注目は7MHz帯(40mバンド)
当サイトでも、HF帯域を重点的に傍受しており、その一通りの周波数は以下で紹介しています。

その中でも、やはり最も身近なのが7MHzです。では、実際のHF帯での受信感度はどうなのでしょうか。
HF帯はその特性として、周波数や季節、さらには時間帯によって伝搬状況が大きく変化する曲者シグナリーであること。
たとえば、14MHz帯や18MHz帯は主に日中に開ける一方、3.5MHz帯は夜間に良好なコンディション傾向です。

まずはSSBで7MHz帯へ──国内交信が賑わうHFのメインストリート
D-808の初期設定では、操作音(ビープ音)がON状態になっており、操作のたびに「ピッピッ」という大きい音が鳴ります。電源がオフの状態で「5」キーを長押しして、OFFにするのがおすすめです。
まずは、HFアマバンドの定番人気バンドである7MHz帯(40mバンド)にて『D-808』の受信性能を検証。
7MHz帯は一般に、昼は国内短距離~中距離(E層・F層の影響)、夜は国内+近距離~中距離DXが開けやすいという特性があり、「時間帯で性格がはっきり変わるバンド」です。
特に日中やコンディションが開いているときはEスポット的な伝搬で意外と距離が伸びます。夜間は国内スキップ距離が伸び、アジア圏の局が聞こえることも普通にあります。
そこが魅力であり、国内外のアマチュア局が最も多く集まる人気バンドの一つです。7MHzはモービル運用を行う局も多く、週末や祝日の昼間には国内通信で大変な賑わいを見せます。

『D-808』の正面パネルにある[SSB]キーを短く押し、電波形式を『NORMAL(AM)』からLSB(下側波帯)へ切り替え(なお、USB/LSBのいずれかのモードの場合はそれぞれの表示が出ますが、AMモードの際は『AM』表示はなし)。
その後、チューニングダイヤルを回して7.130MHzおよびその周辺に合わせてみましょう。
この近辺の周波数に誰かが出ていれば、その日その時間帯のコンディションは“アタリ”です。
北海道在住の筆者の環境では、100キロ以上離れた道内のローカル局(普段のV/UHF帯では届かない距離)をはじめ、1エリア(関東・甲信越)内でのアマチュア局同士の明瞭な交信が確認できました。ちなみに、7MHzで口笛を吹くのは嫌がらせじゃないですよ(笑)
さらにダイヤルを下へ回していくと、今度は関西弁や博多弁など、全国各地の方言が飛び交う楽しいオンエアに遭遇。
まるで無線版の“旅番組”のような感覚で、ローカルカラー豊かな交信や受信を楽しめるのも、HFアマチュア無線の魅力です。

7.000MHzから7.045MHzはCW帯ですが、モールスも心地よい音色で強く入感!
夜が更けてくると、HF帯特有のフェージング(信号の強弱変動)による雑音が目立ち始めますが、それと同時に韓国語やロシア語、さらに東南アジアの言語による交信も入感。一気に国際色を帯びた“DXバンド”としての顔を見せ始めました。
『D-808』にてこの7MHz帯をワッチした結果、感度は非常に良好でした。
3.5MHz帯を受信
3.5MHz帯(80メートル帯)はHF帯の中でも比較的低い周波数に位置し、主に夜間の国内交信が活発です。電離層の状態によっては安定して国内局が聞こえる一方、コンディション次第で信号強度が変動することもあります。
今回もいくつかの局を受信でき、本州の山間部など比較的遠距離のローカル局の交信を確認できました。
低い周波数帯では、アンテナの設置環境が受信結果に大きく影響します。付属のワイヤーアンテナでも受信は可能ですが、できるだけ長く展開することで受信状態が改善しやすいです。天井から垂らす、窓際に沿わせる、机上で垂直に展開するなど、設置方法によって受信の傾向が変わる点も特徴です。
また、外部アンテナ端子を使用してHF対応アンテナを接続することで、受信の安定性が向上する場合があります。
XHDATA D-808では、チューニングダイヤルに加えてファインチューニング機能を用いることで、SSB信号の音声をより聞き取りやすい状態に調整できます。受信周波数に対して微調整を行い、音声が最も明瞭になるポイントを探すことで復調が安定します。
洋上管制を聴いてみる─太平洋の空の上との通信にロマンを感じる
さらにD-808を使って楽しめるのが、洋上管制の受信です。
こちらはUSB(上側波帯)で運用されており、LSBからの切り替えはINFOボタンの短押しで簡単です。
洋上管制の特徴として、運用周波数は複数存在し、電離層の状態や時間帯によって切り替わる点が挙げられます。

筆者がよくワッチしているのは、『東京レディオ』の北太平洋エリア(NP)5.628MHzです。
ここでは、地上局の通信官による明瞭な音声と、航空機側とのやりとりをしっかりと受信できました。

ほかにも、10.048MHzで感度良好な受信が可能でしたが、セカンダリー周波数として案内された8.951MHzについては、筆者の環境では残念ながら受信できず。
また、もう一つの注目は、米空軍の戦略核指揮通信HF-GCS(一例として11175kHz)です。

この周波数では、内容の真偽は不明ながら“答え合わせのできない謎のコード”が送信されており、ミリタリーファンにはたまらない魅力を放っています(笑)

さらに、海上自衛隊厚木基地(神奈川県綾瀬市)から6.727MHzで洋上飛行の自衛隊機へ送信される『厚木オーシャニック』です。

こちらは上述の洋上管制より交信頻度が少ないため受信チャンスは低めですが、お昼に太平洋上を警戒活動中の航空機と地上局側の交信が。

SSBモードの自衛隊HF救難系については、以下の記事で周波数を詳しく解説しています。

アマチュアバンドの18MHz(USB)
アマチュアバンドの18MHz帯(17メートルバンド)を受信します。モードはUSB(上側波帯)です。

この18MHz帯はHF帯の中でも比較的高い周波数に位置し、主に電離層のF層反射による長距離通信(いわゆるDX通信)に適したバンドです。特に日中から午後にかけて、太陽活動の影響を受けて北米・オセアニア・アジア圏との交信が開けることが多く、コンディション次第で急激に遠距離局が入感するという面白い特徴があります。
周波数範囲としては18.068MHzから18.168MHzがアマチュア無線用に割り当てられており、この中で主にUSBによる音声通信が行われています。HF帯では10MHz以上の周波数帯において、搬送波の上下の特性上、USBが標準的に使用されるため、このバンドでもUSB運用が一般的です。
実際の受信では、千葉や九州(鹿児島・福岡など)の国内局に加えて、コンディションが良い場合は海外局も入感することがあり、短時間のうちに受信状況が大きく変化するのも特徴です。これは電離層の状態変化やサイクルによる影響を強く受けるためで、同じ周波数でも時間帯によってまったく異なる聞こえ方になります。
この18MHz帯は短波放送帯とは異なり「常に安定して聞こえるバンド」ではありませんが、コンディションが開いたときの一気に広がる面白さが魅力であり、個人的には7MHzに次いでHF受信の面白さが分かりやすく現れる帯域と思います。

このように、D-808のHF帯受信性能はすこぶる高いことは事実でした。
つまり、筆者がD-808で受信を実際に体験し、良好だったHF帯の周波数はそれぞれ以下のようになります。
| バンド / 周波数 | 周波数帯 / 周波数 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 3.5MHz帯(80m) | 3.5~4MHz | 夜間に良好。ワイヤーアンテナ受信がお勧め |
| 7MHz帯(40m) | 7~7.3MHz | 定番人気バンド。昼も夜も日本全国楽しい。深夜は国外も。 |
| 14MHz帯(20m) | 14~14.35MHz USB | 日中に良好。 |
| 18MHz帯(17m) | 18.068~18.168MHz USB | 日中に良好。洋上管制も聴ける |
| 洋上管制 東京レディオ(NP) | 5.628MHz USB | 北太平洋エリア管制 |
| 洋上管制 セカンダリー | 8.951MHz / 10.048MHz USB | 電離層状態で切替。10.048MHzは良好受信を確認 |
| 海自 厚木オーシャニック | 6.727MHz USB | 太平洋上の対潜哨戒機との通信が行われている |
| 米軍 HF-GCS | 11175MHz USB | 核指揮統制通信。2025年6月16日、中東危機で長文メッセージ送信。911以来。 |
どうですか?元は取れそうですか?(笑)バッチリ取れます!

なお、8MHz帯は漁船間通信があり、マグロ漁船の漁師さんたちの余暇の濃いラグチューが聞こえてくるのも乙ですね。IC-R6ではHF系の船舶無線(海上通信)に弱いので、これもD-808のお勧めポイントです。

『D-808』のポップノイズは?
評価の低いレビューを見ると、複数台購入者数名による『ポップノイズが気になる』『個体によって感度にばらつきがある』というものが。
ポップノイズといえば、筆者も過去にアルインコのDJ-X8とDJ-X11の大きい『ポッ・・ポッ』音にひどく悩まされましたが、D-808にはあのような酷いものは全くありません。
『D-808』のVHFエアバンド受信感度や音質は?
XHDATA D-808のもう一つの特徴として、118〜137MHzのVHFエアバンド受信性能があります。この帯域は航空無線の周波数帯であり、AM変調による音声通信が行われています。

D-808は付属ロッドアンテナでも一定の受信感度は高く、条件が良い場合には100km先の低高度の航空機の送信波を明瞭に受信することが可能です。特に航空機の高度や位置関係、地形条件が揃うと、比較的遠距離の通信が入感することもあります。
ただしVHF帯は基本的に見通し伝搬が中心であり、受信距離は航空機の高度や地球曲率、地形の影響を強く受けます。そのため、受信距離や安定性は状況依存です。
ICOM IC-R6と比較すると、用途や設計思想の違いはあるものの、条件によっては近いレベルの受信体験が得られる場面もあります。

なお、VHF帯エアバンド受信の評価についてはラジオライフなどでも比較レビューが行われており、「エアバンド受信において、一部周波数ではIC-R6を超える耳の良さを感じることもある」との評価です。
なお、VHF帯受信では理論的にもアンテナが長いほど感度が良くなる傾向にあり、体感的にもその通りです。外部アンテナを使用すれば、さらに安定した受信が可能になるでしょう。
使い勝手の面で「決定的な機能の欠如」が惜しい!
使い勝手の面ではやや難点も。というのも、D-808には「メモリースキャン機能」がなく、複数の周波数を自動で順にチェックしてくれる機能がないのです。
裏コマンドでも入力したら解放されるとか期待しましたが、ないようです。
一応、遅めの「サーチ機能」はありますが、エアバンドの周波数を複数モニターしたいユーザーには物足りなさを感じるでしょう。
その代わり、10チャンネル×10バンク(各バンド)という豊富なメモリー機能が用意されており、事前登録した周波数をナンバーキーの短押しで呼び出す“人力メモリースキャン”は可能です。
これは少々手間がかかるものの、慣れればそれなりに実用的です。また、メモリー呼び出し中に上下キーやダイヤルを使って近接周波数にすぐ移動できる点も便利です。
総合的に見ると、D-808のエアバンド受信性能は高く、固定局や民間航空機の交信を楽しむには十分。
ただし、GCIなど、UHFは不可。複数の周波数を一括して受信したい場合は、D-808より価格は上がりますが、IC-R6(受信改造済)といった専用機の方がストレスなく使えるでしょう。
音質について
DJ-X100でエアバンドを聴くと「サー」という耳障りなバックノイズでとても耐えられませんが、IC-R6での受信同様、耳が楽です。
しかもIC-R6よりスピーカーが大きいので迫力。
交信量の多い一波に固定してBGM的な使い方をするという場合でも、プロの受信機材としてもD-808のエアバンド受信機能は優秀です。
上記の部分、声を大にしておすすめです。しかし、慣れとは恐ろしいものです。
エアバンドの音質に関してはIC-R6と比べると音のこもりがやや気になってはいたものの、今ではIC-R6よりも聴きやすいのですから。なお、HFでLSBモードで聴くCW(モールス)の受信音も心地良いです。
『D-808』のAM、FMラジオ放送受信感度とその他
■ ラジオ放送の受信感度と音質
D-808は、さすが「ラジオ」です。AM・FMどちらのラジオ放送も感度良好で、不満はありません。IC-R6でAMを聞いたときに比べると、はるかに良好です。
ただし、約8万円クラスのIC-R30でNHKのFM放送を聞いたときのような、「まるでNHKのアナウンサーが部屋に来てニュースを読んでくれているかのような臨場感」―そういったレベルの音の生々しさは、さすがにD-808にはありません。
■ バッテリーの持ちは?
D-808は、付属の「18650型リチウムイオン充電池」1本で駆動。USB充電で約2時間の充電を行えば、なんと25時間以上の連続使用が可能。この電池持ちは、防災用ポータブルラジオとしては申し分ありません。
D-808の付属ワイヤーアンテナと金属ドッドアンテナの使い分けは?
HF受信入門者が意外と迷いやすいのが、「付属ワイヤーアンテナ」と「本体ロッドアンテナ」の使い分けです。
D-808には、本体上部に伸縮式の金属製ロッドアンテナが標準装備されています。これはもっとも基本となるアンテナで、FMラジオ放送、VHFエアバンドを受信するためのアンテナを考えると良いでしょう。
特に市街地やマンション環境では、強力な短波放送局や昼間の国際放送、近距離の航空無線程度であれば、ロッドアンテナを最大に伸ばしただけで、十分受信可能です。
一方、付属の細いワイヤーアンテナは、主にHF用の受信に使用します。
XHDATA D-808は本体側面に「外部アンテナ端子」が標準装備されていますが、3.5mmミニジャック形式の外部アンテナ入力機能を搭載しており、市販の3.5mmプラグ接続型のワイヤーアンテナや簡易ロングワイヤー、リール式短波アンテナなどを接続できます。D-808付属のワイヤーアンテナも、この3.5mm端子に接続して使う構造になっています。

このワイヤーアンテナを窓際やカーテンレール付近に伸ばすことで、本体だけでは弱かった海外短波放送や遠距離局が聞こえやすくなる場合があります。
特に夜間の短波帯では効果が大きく、
- 海外BCL放送
- HFアマチュア無線
- 洋上管制
- 漁業無線
などを狙う際に有効です。
このような簡易的なワイヤーアンテナはロッドアンテナの先端などにクリップで接続して使います。
ただし、実はワイヤーアンテナは「長ければ長いほど万能」というわけではありません。
都市部では、LED照明、USB充電器、パソコン、Wi-Fi機器などから発生するノイズも一緒に拾いやすくなるため、かえってザーッというノイズが増えることもあります。
そのため実際には、
- 普段使い → ロッドアンテナ
- 弱い短波局を狙う → ワイヤーアンテナ
- ノイズが増える → ワイヤーを外す
という使い分けになることが多いです。
また、D-808は比較的小型なDSPラジオであるため、大型外部アンテナを直接接続すると強すぎる信号で混変調を起こす場合があります。
そのため、付属ワイヤー程度の“控えめな外部アンテナ”が、実はバランスが良いとも言われています。
短波受信では、「高性能アンテナ=信号もノイズも同時に拾う」ため、受信環境やノイズ状況との相性が非常に重要です。
まずはロッドアンテナで受信し、物足りないと感じたときにワイヤーアンテナを追加する――という使い方が、D-808ではもっとも扱いやすい方法と言えるでしょう。
3.5mmイヤホンプラグ型のSMA(メス)変換ケーブルを差し込むことで、SMA端子を持つ一般的なアンテナが使えるようになります。
さらにMP変換コネクターを用いれば、モービルホイップなどの大型アンテナにも対応できます。
アンテナ次第ですが、エアバンドに対しては非常に効果があります。筆者が使用している製品は以下の変換ケーブルおよびMP変換プラグです。


ただ、本体のロッドアンテナにモビホのケーブルをくっつけるだけでも効果ありますよ(笑)
『D-808』の販売ショップは?
筆者はアマゾンの上記ページからプライム配送で購入しました。
日本語説明書、ワイヤーアンテナ、リチウムイオン充電池(18650)が付属したセット品で即日使用可能でした。
なお、星が一つのレビューには『スピーカー部が凹んでいた』というものが。
これは中国製品の品質管理なのか、返品された商品をそのまま再販してるのか不明ですが、筆者の個体は外装の気になる傷はありませんでした。
『D-808』総評
何でもかんでも一台で完璧にこなしてほしい―そんな筆者の欲張りな願いは、この価格帯の機種に対しては酷かもしれません。
しかし、それでもなお、「もう一歩だけ帯域が広ければ」「メモリースキャンがあれば……」と、つい惜しさを感じてしまうのが、このSSB対応BCLラジオ『D-808』の実力と魅力です。
AM、FMラジオ放送はもちろん、29.999MHzまでのHF帯をAM・SSB(USB/LSB)で受信可能。さらに118〜137MHzのVHF帯エアバンドまでカバーするこの“ラジオ”は、まさに「受信機」と呼びたくなる完成度なのです。
もちろん、D-808は140MHz帯の陸自エアバンドや、UHF帯の空自GCI波はカバーしておらず、筆者としてもエアバンド受信のメイン機は受信改造済みのIC-R6。
しかし、一波固定での航空交通の監視、近隣での災害発生時の防災・報道ヘリの細かなオペレーション把握など、D-808のサブ機としての使い道は広がります。
さらに、日中の18MHz帯アマチュアバンド、夕刻以降の5MHz/10MHz帯の洋上航空通信、3.5MHz/7MHzの国内HFアマチュア局、そして6MHz帯で運用される自衛隊「厚木オーシャニック」など、HFのSSB受信ではむしろ本領発揮ともいえる領域。
そのうえ、時間と興味があれば、20MHz帯の漁業無線などをワッチしてみるのもまた一興。
業務用・通信機器としての信頼性や、完全な受信環境を求めるなら、それに応じたハイエンド機の出番。
しかし、高価な受信機を持っていても、気軽に枕元で楽しめるこの1台。それがD-808。実に奥の深い一台でした。








































































































