ATISとはAutomatic Terminal Information Serviceと呼ばれるもので、飛行場から自動で送信されている空港情報の放送です。ATISはほかの航空無線とは違って相互に交信する通信ではなく、対空送信と呼ばれる一方的な放送に分類されます。
ただ、周波数帯域は一般的な航空無線と同じで、AMモードです。VHFが受信ができる一般的なアナログ広帯域受信機で何ら問題なく受信可能です。

ただし、航空機から送信される電波と違い、地上局なので、やはり空港の管制塔の電波と同じく、空港から距離があれば、受信は難しくなります。
そこで活躍するのが、当サイトで最も強く推奨しているアイコムのIC-R6(受信改造済み)です。
IC-R6(受信改造済み)の受信感度の良さは断トツですので、遠く離れた地上局のATISも受信できる確率が高まります。
内容は送信元空港名、情報名、visibility視程、雲量、風速、気温といった気象状況、使用滑走路、それにデパーチャーの周波数です。
これらの内容を英語で録音したものが、空港の運営時間中、航空機に対して自動的に繰り返し送信されています。

航空機から受信したAMDARの観測結果が、ATIS(Automatic Terminal Information Service)を介してパイロットにウインドヒアの存在を報告するウインドヒア警告メッセージを自動的に生成するために使用される方法を示す概略図。画像引用元 http://www.hko.gov.hk/prtver/html/docs/aviat/outreach/product/FIRST_AMDAR.shtml
当然、気象情報は逐一変わりますから、送信されるATISの内容も30分ごとに新しい内容に更新されながら、新しい内容ごとにそれぞれAからZまでの記号を割り振られて更新されます。
内容はすべて英語で放送されていることから、ATISはエアバンド受信初心者にうってつけの学習教材になる場合もありますが、空港との距離にもより、受信が難しい場合もあります。
どうしても聞きたい場合は高い山の山頂で複数の空港のATISを受信するか、思い切って空港まで出かけてみましょう。
自衛隊・軍事基地のATISは?
自衛隊や在日米軍基地にも民間空港のATISのような情報を自動で送信する施設がありますが、こちらはメトロと呼ばれています。米軍は日本と方式が違いますが、提供している情報はおおむね同じです。英語のネイティブ発音ですので初心者には聞き取りが難しいかもしれません。
台風など大きな気象の変化が予想されうる場合は受信することで風速などを入手が可能です。一度受信にチャレンジしてみてください。