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自分が聞きたいジャンルの無線を受信・復調できることを前提に受信機を選ぶのは当たり前。たとえば、アナログAMの航空無線やアナログFMの業務無線、アマチュア無線などの受信なら、アナログ受信機のIC-R6(受信改造済み)、そしてタクシー無線やマスコミ無線などのデジタル無線を受信したいならデジタル対応のDJ-X100(受信改造済み)が現在のベストチョイスです。
もちろん、これは誰でも知っている基本中の基本ですが、実は上に挙げた2機種も、気をつけないと『買ってはいけない版』を買ってしまうので、初心者は注意が必要です。
では買ってはいけない受信機とは一体どんな受信機でしょうか。詳しく解説していきます。
買ってはいけない受信機 その1 『受信範囲の狭い受信機』
先述のとおり、2024年現在、ベストセラー受信機はアイコムのIC-R6、アルインコのDJ-X100。しかし、実はどちらもノーマル状態では全く使い物になりませんので買ってはいけません。買うと泣く理由は以下の記事で解説しています。
実は上に挙げた2つの機種、ノーマル版と受信改造版ではどちらもあまり価格が変わりません。したがって、せっかく買うのに受信改造済みではなく、ほぼ同じ価格でノーマル機を買うメリットはなく、損をします。特別な理由でもない限り、ノーマル機は避けるべきです。だからノーマルではなく「受信改造済み」という特別なモデルを当サイトでは嫌になるほど繰り返しお勧めしているわけです。
ともかく、ノーマル版のIC-R6では航空無線で最も人気のジャンル、航空自衛隊のGCIのほか、国際緊急周波数243MHzが聞けません。
さらに、300MHz帯や400MHz帯の一部も選択できず、JRの鉄道無線や業務無線が受信できません。やはりIC-R6は受信改造済みモデルが絶対にオススメです。
一方、アルインコのDJ-X100のノーマル版も歯抜け受信機となっております。なお、裏コマンドを入力することでタクシー無線のT61(TYPE1~4)と電気、ガス事業者の使うdPMRが追加されるほか、さらにデジ簡、事件事故情報が流れるマスコミ無線などの秘話コードの解析機能と消防署活系などの反転秘話解読機能が追加されます。
ただし、これらの裏機能解放後もデジタル警察とデジタル消防は非対応。過剰な期待は禁物です。
なお、DJ-X100受信改造済みモデルは防水保証が無効になりますのでご注意ください。
買ってはいけない受信機 その2『古い中古の受信機』
フリマやオークションで投げ売りされている”20年から30年以上前の受信機”にもご注意。すべてではありませんが、簡単に言えば、フラッグシップ以外の廉価な古い受信機は現代の受信機と比べると受信感度が悪く、またサーチやスキャン速度が遅いため、使いにくいのです。
また、古い中古品は買って即日壊れる可能性もあり、修理する技術があれば別ですが、結果的に高くつくかもしれません。
90年代に発売された低価格広帯域受信機のベストセラー、マルハマの『鳴物入シリーズ』はバンク管理方式をとっており、使いやすく、筆者も過去に2機種使ってきましたが、旧規格アナログコードレス帯域は受信可能で、音声反転秘話を解読する機能もありながら、200MHz台は受信不可の歯抜け仕様(上位機種を除く)となっており、いくらオークションで投売りしていても注意が必要です。
もっとも、90年代の受信機は2010年発売のIC‐R6と比べてしまうと受信感度の差が大きく、安くてもおすすめできません。技術の進化を素直に甘受したいところです。
買ってはいけない受信機 その3『スケルチが開いたときにポップ音が大きな受信機』
これは製造終了となったアルインコの『DJ-X11』と『DJ-X8』という特定の機種のことですが、この両機種はスケルチが開いたときに耳障りなポップ音が強烈でした。それに耐えられそうにない方は中古で購入される場合はご注意ください。DJ-X11はSSB受信対応、デュアルワッチなど基本性能自体は(高いだけあって)良いのですが、『ポッポッポッ・・・』というポップ音は苦行そのもの。
下記のページにて『受信改造済みIC-R6』のライバル機種となるそれぞれのメーカーの機種を紹介していますが、お勧めできない理由として上述の理由を挙げています。
まとめ
筆者はアナログ受信機であれば、IC-R6(受信改造済み)、アナログ&デジタル受信機であればDJ-X100(受信改造済み)、さらにSSBモードの洋上管制や7MHzの受信用には下記のSSB対応短波ラジオをお勧めします。