航空無線を聞くことができる『広帯域受信機』ってどんなもの?オススメは?

さあ、航空無線について、ひととおり解説をしてきましたが、これらの航空無線を聞くためにまず必要な機材が広帯域受信機(ワイドバンド・レシーバー)と呼ばれるものです。広帯域受信機資格・免許が一切不要です。

広帯域受信機航空無線のみならず、アマチュア無線や簡易無線など多くの電波を受信して傍受できますが、現在主流のアナログ広帯域受信機で受信できるものはアナログ無線のみですので、昨今普及が進んでいるデジタル無線については傍受できません。

しかし、AORやユニデン製品など各種デジタル無線に対応しているレシーバーも出そろいはじめており、日本の警察無線や消防無線の市町村波などのデジタル無線を除く、マスコミ用デジタル無線、351デジタル簡易無線、米国警察や在日米軍も使うPublic Safety(公共保安)P25規格などは受信して復調できます。とはいえ、まだまだ価格は高く、防災マニアや受信マニアに普及しているとは言いがたい状況です。

この記事では航空無線を受信できるアナログ広帯域受信機についてご説明していますが、航空無線のみならず、一般的な事業者や公的機関のアナログ無線を傍受するアナログ広帯域受信機について以下の記事でもより詳しく解説しています。

免許不要の広帯域受信機で各種無線を聞こう!

さて、広帯域受信機もアイコム、アルインコ、YAESUなど国内大手無線機メーカーのほか、以前はマルハマ、ユピテルも出していました。そして国内メーカー製品では飽き足らず、ユニデンのような海外ユーザー向けの受信機を買って使うマニアもいます。

受信機のタイプには持ち運びが容易なハンディ・タイプ(2万円前後から)のほか、室内に置く据え置き型タイプ(いわゆるハイエンド機では50万円を超えるものも)があります。

それでは、航空無線を聞きたい場合、いったいどの受信機を買えばいいのでしょうか?結論をズバリ。

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オススメの広帯域受信機はアイコムIC-R6。ただし普通のIC-R6を買ってはいけない!

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結論を言いますと、多くの航空無線マニアが使っていて航空無線を受信するのに最も適した広帯域受信機アイコム社のワイドバンドレシーバー『IC-R6』です。

アイコム 【受信改造済】 IC-R6 広帯域レシーバー
アイコム 【受信改造済】 IC-R6 広帯域レシーバー  | アイコム | 
これ一台で航空も業務もバスも鉄道も消防署のショカツ系無線もアナログならすべて制覇!迷わず選んで損はなし!

IC-R6は前機種『IC-R5』をより高性能化させた受信機として2010年に発売され、現在でも広帯域受信機のベストセラー機です。ハンディ受信機としてはサーチ&スキャン速度、受信感度、バッテリー持続性などライバル機に比べてとっても優秀で多くの愛好家から支持されており、航空無線受信機としては最高の性能を持っているほか、アマチュア無線や一般の業務無線も受信可能です。同機は初心者から中級者までおすすめの広帯域受信機です。

ですから、当サイトでは航空無線受信機として定評のあるICOM(アイコム)社製のIC-R6についてご紹介し、筆者のオススメは『IC-R6』一択です。

ただし、ノーマルのIC-R6は絶対にお勧めしません。筆者がおすすめするのは「IC-R6 受信改造済み」モデルです。お間違えなきように。

後述いたしますが、受信改造されたIC-R6は0.100~1309.995MHzまで歯抜けなくフルカバーされます。

実勢価格は約2万円。ノーマルモデルと受信改造済みモデルとの価格差は2,000円程度なので、やはり受信改造モデルがお得ですし、基本的に本サイトでは受信改造モデルを解説しています。

航空自衛隊の一部無線周波数は通常の受信機では受信できない機種もありますので、必ず「受信改造済み」と明記されている受信機を選ばなければなりません。

なぜ『受信改造済みのIC-R6』が航空無線受信機として威力を発揮するのか

さて、IC-R6は優れた受信機ですが、無改造(ノーマル状態)のIC-R6と、受信改造がなされたIC-R6の具体的な違いとは何かをご説明いたします。

アイコムをはじめとするメーカーで作る業界団体の「日本アマチュア無線機器工業会」ではプライバシーにかかわる周波数を傍受できなくさせる取り組み、つまり自主規制を定めており、アイコムはそれに参加しています。

アイコムの公式サイトにはこう書かれています。

 

0.100~1309.995MHzの広帯域をAM/FM/WFMでカバー。(一部周波数帯を除く)

引用元 アイコム公式サイト
https://www.icom.co.jp/products/amateur/products/receiver/ic-r6/

ただ、アマチュア無線機メーカーでも八重洲無線株式会社などは「日本アマチュア無線機器工業会」に加入していないので『VR-160』などではプライバシーにかかわる周波数帯域の自主規制はしていません。

ともかく、ノーマルのIC-R6では0.100~1309.995MHzの広帯域をAM/FM/WFMでカバーしているものの、フルカバーはされておらず、歯抜け部分があるということです。

この周波数の一部歯抜け仕様のノーマルIC-R6の困るところは411.895MHz~415.1005MHzが削られるので414MHz付近のJR無線(Cタイプ)、役所の水防関係、そして民間では建設、運輸、商店などの簡易無線が聞けなくなってしまうことなのです。

なかでも航空無線を受信したいエアバンダーにとっては261.895MHz~266.100MHz、そして379.895MHz~382.100MHzを使用する旧規格であるアナログコードレス電話を受信させない自主規制によって、同じUHF帯域を使う航空自衛隊の一部周波数が聞けなくなってしまうことが致命的なデメリットです。

別の項目『 自衛隊周波数その2・・・非公開GCI周波数!』で解説しているGCIと呼ばれる航空自衛隊の特殊な周波数が聞けないのではせっかく受信機を手に入れてもエアバンド受信の興奮が半減。

「ぼく、飛行機の無線好きだけど航空自衛隊には興味ないもん!」という子には関係ないのかもしれませんが、受信をなりわいにする人、とくに航空ミリタリっ子には由々しき問題です。

ですから、UHF帯航空無線が傍受不可能なノーマルのIC-R6では損をするので、航空(自衛隊)無線ファンは絶対に買ってはいけないのです。

専門店でもノーマル状態と受信改造済みの二種類を並行して販売していますので購入時は注意が必要です。

また、比較的低く広範囲に飛ぶVHFに比べると、UHFでは電波の減衰が激しく、基地から近いか、よほど高い高度でなければ、自衛隊のUHF帯域受信は難しいものですが、ご心配は無用。

もともと、200~300MHz帯の受信感度には定評のあるアイコム。IC-R6の受信性能の高さはUHF帯域でもしっかり活きています。

外部サイト「ラジオライフ」による記事各種も参考にされてください。

IC-R6のユーザー評価が高い理由は電池の持ち
IC-R6は総合性能が高くて航空祭に向いている

AmazonJapanで現在販売されている受信改造済みのIC-R6各種。

とくに公共の場所で受信機を使う場合は必ずイヤホンをつけて聴取し、その内容は自分自身のみで聴取するように努めて下さい。 プロ仕様のアコースティックイヤホンの付属セットをお勧めいたします。

さらに航空無線の受信に特化したアンテナも購入すれば、受信環境は良くなります。

IC-R6(受信改造済み)を買ったら別売アンテナでさらに耳をよくしようぜ!高性能な受信機に高性能なアンテナを付けることで、さらに感度がグーンとアップ。

おっと、IC-R6(受信改造済み)を購入しただけでアナログ無線ならナンでも聞けると思ってるそこのあなた。まだまだムフフなコトが待っているお部屋のドアを開いただけにすぎません。その先はあなたのテクニックとオプションです。対災害情強スペシャリストの道は決してアマクはありませんぞ。

さて、IC-R6(受信改造済み)は受信機単体でも優れていますが、本機に限らず、広帯域受信機を購入したならば、必ずアンテナメーカー製の別売アンテナに換装するコトはもはや必然!

標準付属のアンテナは短くて使いやすいけれど、より受信感度を上げたいならば、別売のアンテナメーカー製の長いアンテナ、そして金属製のロッドアンテナがベスト。

交換アンテナには数多くの種類がありますが、最も人気なのが伸縮式金属ロッドのダイヤモンド SRH789 95MHz-1100MHz帯です。

SRH789はエアバンダーのみならず、他の業種の無線を聞いている方やアマチュア無線家にも人気です。こちらの記事で4種類のアンテナについて詳しくご紹介しています。

受信機を買ったら高性能アンテナも絶対買おう!

ただ、やはり航空無線にしぼったアンテナのほうが、より受信効率が高いと言えます。そこで航空無線受信に最適な専用アンテナをおすすめします。

一般的にエアバンド専用アンテナは航空無線の周波数である118~130mhz、それに加えて300mhzを中心に感度が良く作られていますが、150mhzの一般業務無線やそれ以外の周波数帯域も聞けないわけではありませんので安心してください。

なお、IC-R6のアンテナ接栓はSMA-Pですので、SMAタイプのアンテナを必ず購入してください。

IC-R6をリセットしたら受信改造が元に戻った……という場合は。

さて、IC-R6には標準で各種メモリーがプリセットされており、特定小電力、鉄道、バス、国際VHF、消防救急アナログ(署活系は便利)などたくさん入っています。しかし、航空無線だけ聞きたいのであれば、エアーバンドスペシャルを購入すればいいですし、航空以外は消したほうが使いやすいでしょう。

ただし、全国の空港別に周波数があらかじめプリセットされたショップオリジナルの『エアバンド・スペシャル』でも『受信改造済み』と明記されていない場合は受信改造がなされていませんので、注意が必要です。

そこで、オールリセットをかける場合があります。しかし、受信改造がされたIC-R6はリセットすると本来の歯抜けの部分まで元に戻ってしまいます。これを知らずにリセットすると一瞬、恐怖新聞の主人公みたいな顔になってしまいますが、大丈夫です。

IC-R6(受信改造済み)をリセットした場合、歯抜けを元に戻すために必要な作業

『FUNC』、『SQL』、『BAND』ボタンを同時に押しながら、電源ボタンを押して起動させます。すると液晶表示が左端から右端まで全パターンでゆっくりと表示されます。すべて表示されたらボタンから指を離すと受信改造された状態に戻ります。液晶がすべて表示されるまで指をボタンから離さないでください。離すと失敗します。起動したら、試しに261.895MHzからダイヤルを回してみましょう。ノーマルでは選択できずに聞けなかった261.895MHz~266.100MHzまで選択できるはずです。

なお、オールリセットを行うと、プリセットメモリーが完全に削除されますので、入れなおすには純正のクローニングソフトとケーブルが必要です。元のメモリーも少しは使いたいという人は安易にリセットを行わないように注意しましょう。

IC-R6の受信改造機のデメリット

IC-R6の受信改造は裏ぶたを開けて内部の基盤についている抵抗チップを外したうえでコマンドを入力することで行われる意外と簡単なもの。

小さなプラスネジを二本外して裏カバーを開けると基盤が顔を出しますが、よく見ると不自然な跡が。これが抵抗チップをはんだごてで外したアトですが、この抵抗チップを外して秘密のコマンドを入力することで自主規制された周波数が受信できます。メーカーの「ここ外せますよ」というわざとらしさが否めないのは何故でしょう。

受信改造機のデメリットはメーカーの保証を受けられない

基盤をいじって抵抗チップを取り除くというメーカー非推奨の改造を各販売店独自に行なわれている受信機は、メーカーの修理保証をほぼ絶対に受けられないと思って間違いないでしょう。ただ、IC-R6に限って言えば、受信改造が施されていても半年や1年で壊れることは皆無。筆者としては2年持ってくれれば、例え壊れてもジャンクでオークションに3000円でパーツ取り用に投げ売りすれば十分に元は取ってくれる代物だと思います。だからみなさんも将来の売却を考えて、元箱や取説、付属品は絶対にとっておきましょうね。

また、購入したショップでは独自の保証があるかもしれないので、そこは各自で確認してみましょう。

とりあえず、デメリットはこれくらいでしょうか。

航空無線の周波数を紹介している冊子や各種ホームページ

各空港・飛行場、航空会社や防災ヘリの使うカンパニーラジオといった無線の周波数を知るには、周波数バイブルといった冊子のほか、各種サイトが便利です。

冊子なら、ポケットサイズの周波数バイブルも便利ですが、持ち歩くのもスマートじゃないし少しおっくう。それならスマホに当該ページをコピーして入れておこうかと考える人もいるでしょう。

現在、便利なアイテムとしてアマゾンにて三才ブックスの『ラジオライフ手帳ワイド 三才ムック vol.806 Kindle版』がダウンロード販売されています。価格は648円で、ポイント が129pt還元されるので実質500円ですので一冊購入しておくと便利です。筆者も購入しました。

最初の消防関係のみサンプルページを閲覧できるので、興味があれば購入されてみてください。そのほかに、周波数を紹介しているサイトも便利です。

AI-Aviation HP -管制部周波数
http://ainet.bent.jp/aviation/airband_acc.html

航空無線周波数メモ
www.geocities.jp/jg7ubp/freqmemo.html

最後に、傍受した通信を録音した音声や詳しい内容を他人に公開することは電波法によって禁止されているのでご注意ください。自分だけで楽しみましょう。

広帯域受信機とIC-R6(受信改造済み)および、買ってはいけない受信機まとめ

  1. IC-R6はメモリーした100個の周波数を約1.2秒で一周する。
  2. IC-R6はノーマル版を買ってはいけない。必ず受信改造済みモデルを買うこと!
  3. IC-R6(受信改造済み)は最強じゃ。
  4. IC-R6(受信改造済み)はオールリセットすると受信改造も戻る。直すにはもう一度コマンド入力が必要。
  5. IC-R6(受信改造済み)は基盤いじって抵抗取ってるからメーカー補償受けられないよ。大事に使おう。
  6. IC-R6(受信改造済み)のみが航空無線をより楽しむためのベストな選択です!
  7. 古くて安い中古の歯抜け受信機は受信趣味や受信のお仕事にはまったく不適。

というわけで、いかがでしたか。航空自衛隊の一部周波数を受信したい場合、当サイトで推していない『歯抜け受信機』『安い昔の受信機』を買ってしまうと、あとあと後悔するかもしれませんヨ。

えっ?ビットコインのインチキ相場操縦による暴落に騙されて狼狽売りして全財産を失ったのでオークションで聞いたことのないメーカーの古い歯抜け受信機を買ってしまった?ほらー。だから言ったでしょ!狼狽売りしたら、奴らの思うツボなんだって!いや、そうじゃない。2万円出してIC-R6(受信改造済み)を買ってね!と。

とくに、オークションで安く買えるマルハマの鳴物入シリーズは90年代に発売された低価格広帯域受信機のベストセラー。バンク管理方式をとっており、使いやすく、筆者も過去に2機種使ってきましたが、旧規格アナログコードレス帯域は受信可能で、音声反転秘話を解読する機能もありながら200MHz台は受信不可と歯抜け(上位機種を除く)となっており、購入時は注意が必要です。これでは自衛隊GCIのほか、国際緊急波243Hzも聞けません。もっとも、90年代の受信機は2010年発売のIC‐R6とは比べ物にならないほど受信感度が劣っています。安くてもおすすめできません。

2010年発売のIC-R6は今でもアイコムの稼ぎ頭として売れ続けている定番のベストセラー。それは受信感度、サーチおよびスキャン速度に裏付けされた確かな信頼だからです。そして、間違えないで。ノーマルのIC-R6は絶対にダメ。おわかりいただけたでしょうか。


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