【航空無線受信テク】なぜ『受信改造済みIC-R6』が航空無線受信機として人気なのか

航空無線を聞くことができる『広帯域受信機』ってどんなもの?オススメは?

航空無線についてひととおり解説をしてきましたが、これらの航空無線を聞くためにまず必要な機材が広帯域受信機(ワイドバンド・レシーバー)と呼ばれるものです。広帯域受信機は資格・免許が一切不要です。

航空無線はAMのアナログ通信なので、広帯域受信機で簡単に傍受が可能です。

この記事では航空無線を受信できるアナログ広帯域受信機についてご説明していますが、航空無線のみならず、一般的な事業者や公的機関のアナログ無線を傍受するアナログ広帯域受信機について以下の記事でもより詳しく解説しています。

広帯域受信機とは何か?基本的な使い方は?

 

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当サイトが推奨している広帯域受信機は、下記の製品になります。

オススメの広帯域受信機はアイコムIC-R6。ただし・・・


結論を言いますと、『多くの航空無線マニアが使っていて航空無線を受信するのに最も適した広帯域受信機』はアイコムの『IC-R6』です。

アイコム 【受信改造済】 IC-R6 広帯域レシーバー   
これ一台で航空も業務もバスも鉄道も消防ショカツ系無線もアナログならすべて制覇!迷わず選んで損はなし!

IC-R6は前機種『IC-R5』をより高性能化させた受信機として2010年に発売され、現在でも広帯域受信機のベストセラー機に君臨しています。

【IC-R6の基本仕様】

・ハンディレシーバーとしては最速のサーチ&スキャン速度!
・どの周波数においても高感度で受信できる
・メモリーがプリセット済みなので購入して即、実戦投入可能
・バックライトつきで夜間も快適使用(5秒後に自動消灯)
・アルカリ単三電池×2本で約19時間、付属のニッケル水素充電池で15時間の受信が可能

ハンディ型受信機としてはサーチ&スキャン速度、受信感度、バッテリー持続性など、ライバル機と比べてとっても優秀。多くの愛好家から支持されており、航空無線受信機としては最高の性能を持っているほか、アマチュア無線や一般の業務無線も豊富に感度よく受信可能です。同機は初心者から中級者までおすすめの広帯域受信機です。

ですから、当サイトでは航空無線受信機として定評のあるICOM(アイコム)社製のIC-R6についてご紹介し、筆者のオススメは『IC-R6』一択です。なのですが……。

ノーマルのIC-R6は絶対にお勧めしません。筆者がおすすめするのは「IC-R6 受信改造済み」モデルです。お間違えなきように。

なぜ『受信改造済みのIC-R6』が航空無線受信機として威力を発揮するのか

さて、IC-R6は優れた受信機ですが、無改造(ノーマル状態)のIC-R6と、受信改造がなされたIC-R6の具体的な違いとは何でしょう。そして、なぜ受信改造されたモデルのほうが、航空無線の受信で役立つのでしょう。じっくりとご説明いたします。

受信改造されたIC-R6は0.100~1309.995MHzまでフルカバーされる

アイコムをはじめとするメーカーで作る業界団体の「日本アマチュア無線機器工業会」ではプライバシーにかかわる周波数を傍受できなくさせる取り組み、つまり自主規制を定めており、アイコムはそれに参加しています。

アイコムの公式サイトにはこう書かれています。

0.100~1309.995MHzの広帯域をAM/FM/WFMでカバー。(一部周波数帯を除く)

引用元 アイコム公式サイト
https://www.icom.co.jp/products/amateur/products/receiver/ic-r6/

ただ、アマチュア無線機メーカーでも八重洲無線株式会社などは「日本アマチュア無線機器工業会」に加入していないので『VR-160』などではプライバシーにかかわる周波数帯域の自主規制はしていません。

ともかく、ノーマルのIC-R6では0.100~1309.995MHzの広帯域をAM/FM/WFMでカバーしているものの、上述の理由からフルカバーされず、歯抜け部分が生じてしまうのです。

この周波数の一部歯抜け仕様のノーマルIC-R6の困るところは411.895MHz~415.1005MHzが削られるので414MHz付近のJR無線(Cタイプ)、役所の水防関係、そして民間では建設、運輸、商店などの簡易無線が聞けなくなってしまうことなのです。

なかでも航空無線を受信したいエアバンダーにとっては261.895MHz~266.100MHz、そして379.895MHz~382.100MHzを使用する旧規格であるアナログコードレス電話を受信させない自主規制によって、同じUHF帯域を使う航空自衛隊のGCI『 自衛隊周波数その2……非公開GCI周波数!』と呼ばれる周波数が聞けなくなってしまうことが致命的なデメリットです。GCIが聞けないのではせっかく受信機を手に入れてもエアバンド受信の興奮が半減です。

「飛行機の無線は好きだけど航空自衛隊には興味がない」という方には関係ないのかもしれませんが、受信をなりわいにする人、とくに航空ミリタリっ子には由々しき問題です。

ですから、UHF帯航空無線が傍受不可能なノーマルのIC-R6では損をするので、航空(自衛隊)無線ファンは絶対に買ってはいけないのです。

専門店でもノーマル状態と受信改造済みの二種類を並行販売していますので購入時に間違えないように注意が必要です。

また、比較的低く広範囲に飛ぶVHFに比べると、UHFでは電波の減衰が激しく、基地から近いか、よほど高い高度でなければ、自衛隊のUHF帯域受信は難しいものですが、心配無用。

もともと、200~300MHz帯の受信感度には定評のあるアイコム。IC-R6の受信性能の高さはUHF帯域でもしっかり活きています。

外部サイト「ラジオライフ」による記事各種も参考にされてください。

IC-R6のユーザー評価が高い理由は電池の持ち
IC-R6は総合性能が高くて航空祭に向いている

このように受信改造されたIC-R6は0.100~1309.995MHzまで歯抜けなくフルカバーされます。そして、広帯域受信機の受信感度の良さと、自分が聴きたい無線の周波数帯域を自主規制で削られているか否かはそもそも別問題ということがおわかりいただけましたか。

IC-R6のノーマルモデルと受信改造済みモデルとの価格差は僅かなので、やはり受信改造済みIC-R6がお得ですし、基本的に本サイトでは受信改造済みのIC-R6推しです。

また、IC-R6以外の受信機を選ばれるという場合であっても、やはり航空自衛隊の一部無線周波数を狙いたい場合は必ず「受信改造済み」と明記されている受信機を選んだほうが良いでしょう。

IC-R6の受信改造機のデメリット?

こんなに優れた『受信改造済みIC-R6』ですが、デメリットもあります。

一般的に広帯域受信機の『受信改造』は裏ぶたを開けて内部の基盤についている抵抗チップを外す『ハードウェア改造』と、コマンドを入力する『ソフトウェア改造』の二つで行われるものです。

小さなプラスネジを二本外し、IC-R6の本体裏カバーを開けると基盤が顔を出しますが、よく見ると不自然な跡が。これが抵抗チップをはんだごてで外したアトですが、この抵抗チップを外して裏コマンドを入力することで自主規制された周波数が受信できるようになるのです。メーカーの“ここ外せますよ”というわざとらしさが否めないのは何故でしょう。

ともかく、このような、各販売店独自に行なっている”基盤から抵抗チップを取り除く行為”はメーカー非推奨の改造ですから、『受信改造済みのIC-R6』は、メーカーの無償修理期間中に壊れたとしても、無料で修理を受けられない可能性があります。有償修理も受けられない可能性もあります。

ただ、IC-R6に限って言えば、筆者が約10年間使用している間に数台乗り継いできましたが、受信改造が施されているからといって、物理的にもソフトウェア的にも壊れたことは一度もありません。

また、実際に故障した場合は購入したショップにて独自の保証があるかもしれないので、購入店に確認してみましょう。

とりあえず、『受信改造済みIC-R6』で思いつくデメリットはこれくらいしかないのです。とはいえ、筆者の使用経験ではなにぶん『壊れたことがない』ので、実際にはデメリットとして挙げて良いものなのか複雑な気持ちです。

IC-R6(受信改造機)でも受信できない無線は?

念のために申し上げますが、こちらはIC-R6のデメリットというより、同価格帯の受信機全般に言えることです。IC-R6をはじめとする2万円台の広帯域受信機で受信できるのはアナログ無線のみ。デジタル無線には非対応です。さらに電波モードはAM、FM、WFMの三種類のみです。

HFと呼ばれる3-30MHzの低い周波数帯(いわゆる短波)ではAMのほか、USBやSSB、電信のCWといった色々な電波形式が使用されています。これら各種モードは弱い送信電力でも電離層に反射させることでより遠くへと届くため、世界中と交信できるのが魅力ですが、IC-R6ではUSB、SSB、CWに対応しておらず、受信できません。

航空無線に関して言えば、太平洋等の大海原を飛行する旅客機や貨物機が使用する『洋上管制』がまさにHF帯域かつUSBモードによる交信です。このため、IC-R6では受信不可。さらに、別の理由も原因でIC-R6では受信ができません。詳しくは下記の記事を参照されてください。

【航空無線受信テク】「洋上管制」を受信できる広帯域受信機は?

ただ、誤解して欲しくないのですが、IC-R6でHF(短波)が聴けないというわけではありません。むしろ、アンテナ次第でとても高性能です。『短波ラジオ』という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、この短波帯では世界中のラジオ局が短波放送をAMでオンエアしており、深夜にこれらAM短波放送をIC-R6で受信できるのは大きな魅力です。国内では3.920MHz(夜間)でオンエアされている『ラジオ日経第1』などが有名です。また、アマチュア無線では28MHzバンドはHF帯で唯一、FMモードによる運用が許可されていますが、Eスポによってはとても明瞭に受信可能でした。

買ってはいけない広帯域受信機は?

航空無線を楽しみたい方が『買わない方がよい受信機』はあるのでしょうか?あります。

もうおわかりでしょうが、上述した理由の通り、”聴ける帯域がフルカバーされていない歯抜け受信機”です。これは当然、IC-R6(ノーマル)も含みます。むしろ、せっかくIC-R6を買うのに、ほぼ同じ価格でノーマルを買うのはもったいないと思います。

次に、”サーチやスキャン速度が遅い受信機”です。これは受信機として致命的です。

さらに、”信号受信時、スケルチが開いたときに耳障りなポップ音を発生させてユーザーを苦しめる特定メーカーの受信機”です。メーカーに恨みはありませんが、このような受信機を日常的に使用することは苦行そのもので残念です。

下記のページにて『受信改造済みIC-R6』のライバル機種となるそれぞれのメーカーの機種を紹介していますが、お勧めできない理由としてまさに上述の理由を挙げています。

広帯域受信機の同価格帯のライバル機種比較

また、フリマやオークションで投げ売りされている”20年から30年以上前の受信機”もおすすめはできません。すべてではありませんが、多くの場合、古い受信機は現代の受信機と比べると受信感度が悪く、またサーチやスキャン速度が遅いと言えます。とくに廉価な製品は受信感度がやはり低いでしょう。

また、古い中古品は買って即日壊れる可能性もあり、結果的に高くつくかもしれません。

広帯域受信機とIC-R6(受信改造済み)および、買ってはいけない受信機まとめ

このように、IC-R6(受信改造済み)は航空無線および航空自衛隊専用無線『GCI』の受信に最適な、”足が早くて耳が良い”レシーバーです。

 

  1. IC-R6はメモリーした100個の周波数を約1.2秒で一周する。
  2. IC-R6はノーマル版を買ってはいけない。必ず受信改造済みモデルを買うこと!
  3. IC-R6(受信改造済み)は最強じゃ。
  4. IC-R6(受信改造済み)はオールリセットすると受信改造も戻る。直すにはもう一度コマンド入力が必要。
  5. IC-R6(受信改造済み)は基盤いじって抵抗取ってるからメーカー補償受けられないよ。大事に使おう。
  6. IC-R6(受信改造済み)のみが航空無線をより楽しむためのベストな選択です!
  7. 古くて安い中古の歯抜け受信機は感度も速度も劣り、受信趣味や受信のお仕事にはまったく不適。

というわけで、航空自衛隊の特別な周波数を受信したい場合、当サイトで推していない『歯抜け受信機』『安い昔の中古受信機』を買わないようにしてください。

とくに、90年代に発売された低価格広帯域受信機のベストセラー・マルハマの鳴物入シリーズはバンク管理方式をとっており、使いやすく、筆者も過去に2機種使ってきましたが、旧規格アナログコードレス帯域は受信可能で、音声反転秘話を解読する機能もありながら、200MHz台は受信不可の歯抜け仕様(上位機種を除く)となっており、いくらオークションで投売りしていても注意が必要です。これでは自衛隊GCIのほか、国際緊急周波数243MHzも聞けません。もっとも、90年代の受信機は2010年発売のIC‐R6とは比べ物にならないほど受信感度が劣っていますから安くてもおすすめできません。

2010年発売のIC-R6は今でもアイコムの稼ぎ頭として売れ続けている定番のベストセラー。それは受信感度、サーチおよびスキャン速度に裏付けされた確かな信頼だからです。そして、ノーマルではなく、受信改造済みのIC-R6を買いましょう。おわかりいただけたでしょうか。

最後に

傍受した通信を録音した音声や詳しい内容を他人に公開することは電波法によって禁止されているのでご注意ください。交信内容を批評研究目的で公表する場合はフィクションを織り交ぜ、実際に存在しない交信にしましょう。また、公共の場所で受信機を使う場合は必ずイヤホンをつけて聴取し、その内容は自分自身のみで聴取するように努めてください。