受信改造済みIC-R6をオールリセットしたら受信改造が元に戻ってしまった!でも復活方法は簡単!

当サイトが推奨しているアイコムのベストセラー受信機『IC-R6』には工場出荷時から特定小電力、鉄道、バス、国際VHF消防無線(署活系の周波数は現在も有効)など多くのメモリーが、あらかじめプリセットされています。

また、航空無線の受信であれば、はじめから各地域ごとにメモリーがまとめられたエアーバンドスペシャルを購入したほうが使いやすい場合もあります。

全国の空港別に周波数があらかじめプリセットされたショップオリジナルの『エアバンド・スペシャル』でも『受信改造済み』と明記されていない限り、受信改造がなされていませんので、購入の際は注意が必要です。当サイトでは受信改造済みIC-R6のみを推奨しております。

■関連記事■

 ≫  広帯域受信機とは?基本的な使い方は?

 ≫  無線の周波数はどこに載っている

 ≫  広帯域受信機の同価格帯の機種比較

 ≫  航空無線を受信するためにはまず広帯域受信機を購入しよう!

 ≫  広帯域受信機ではスキャンとサーチを使い分けて効率的に受信しよう!

 ≫  受信機を買ったら高性能アンテナも絶対に買ったほうが良い理由とは?

IC-R6はそのままだと使いにくいので自分でメモリー編集すべし

『エアバンドスペシャル』であってもプリセットされたメモリーは全国の大規模空港の周波数に偏っており、ローカル飛行場の飛行援助局などは未メモリーが多いもの。

そこで、IC-R6をより使いやすくするため、自分にとって不要なメモリーやバンクを消去して、敢えて本体をまっさらな状態に戻す作業、通称『オールリセット』を行う場合があります。

IC-R6は本体横のFUNCボタンと本体正面のV/Mボタンを同時に押しながら電源ボタンを押して起動させるとオールリセットが完了します。

へぇ、そうなのか。じゃあ、消すか。人生オールリセット……

がああああああっ!うるせーよ。

ちょっと待ってください!アイコム公式サイトのIC-R6取扱説明書において、以下のように記載されています。

【ご注意】
オールリセットすると、出荷時にプリセットされたメモリーチャンネルがすべて消去されますので、ご注意ください。

【ご参考】
プリセットメモリーのデータは、弊社ホームページよりダウンロードできます。CS-R6(別売品:クローニングソフトウェア)を使用すると、ダウンロードしたプリセットメモリーのデータを本製品に書き込みできます。

引用元 アイコム公式サイト IC-R6取扱説明書

http://www.icom.co.jp/support/download/manual/pdf/IC-R6_JPN_2.pdf

そう、オールリセットをかけてしまうと、工場出荷時にプリセットされていたメモリーはすべて削除され、受信機単体で戻すことは極めて困難です(※延々と手作業でひとつずつメモリーを再入力しバンクを作り直して復旧させることは可能です)

さらに、受信改造済みIC-R6であった場合、リセットすると本来の歯抜けの部分まで元に戻ってしまうのです。つまり聞けていた周波数が聞けなくなります。

  • IC-R6(ノーマル機)の受信可能範囲

IC-R6(ノーマル機)では以下の範囲のみ受信が可能です。

0.100 ~ 252.895MHz  255.100 ~ 261.895MHz
266.100 ~ 270.895MHz  275.100 ~ 379.895MHz
382.100 ~ 411.895MHz  415.100 ~ 809.895MHz
834.100 ~ 859.895MHz  889.100 ~ 914.895MHz
960.100 ~ 1309.995MHz

  • IC-R6(受信改造済み)の受信可能範囲

0.100 ~ 1309.995MHzまで連続受信

例えば、無改造のノーマル機では252.896MHzから255.099MHzの間は受信ができず、飛んで255.100MHzから受信できます。その理由は以下のページにて解説しています。

『受信改造済みじゃないIC-R6』を買って泣く人が続出!その理由は『○抜け』だから!

さて、元に戻ることを知らずにIC-R6をオールリセットすると一瞬、恐怖新聞の主人公みたいな顔になってしまいます。

でも、戻すことはできるので大丈夫です。

IC-R6(受信改造済み)をオールリセットした場合、歯抜けを元に戻すために必要な作業

まずはじめに、IC-R6の電源を切りましょう。

そして、本体左横の『FUNC』、『SQL』、『BAND』の3つのボタンを同時に押しながら、電源ボタンを押して起動させます。

すると液晶表示が左端から右端まで全パターンでゆっくりと表示されます。すべて表示されたらボタンから指を離してください。これだけで受信改造された状態に戻ります。液晶がすべて表示されるまでの数秒間、ICーR6のボタンから指を離さないでください。離すと失敗します。

さきほどの「復活の呪文」をコマンド入力して起動したら、確認作業のため、メーカー団体が自主規制している範囲のうち、261.895MHzからダイヤルを回してみましょう。ノーマルでは選択が出来ないはずの261.895MHz~266.100MHzまで選択できれば、歯抜けのノーマルから受信改造状態へ無事に戻っています。

安易にIC-R6をオールリセットしないで

このようにIC-R6はオールリセットをかけてしまうと、工場出荷時にプリセットされたメモリーが完全に消去されるうえに、受信改造も元に戻ってしまいます。受信改造は上の手段で簡単に元に戻せますが、プリセットメモリーを入れなおすには以下の純正クローニングソフトiCOM CS-R6と純正ケーブルが必要となります。

 

ICOM CS-R6#11 クローニングソフトウェア USBメモリタイプ

iCOM CS-R6

手作業でも復旧させられますが、簡単ではない作業です。IC-R6の元のメモリーも少しは使いたいという人は、安易にオールリセットを行わないように注意してくださいね。