航空無線受信機としてベストセラーのアイコムIC-R6に関して、2021年5月18日、驚愕の情報が飛び込んできた。製造販売元であるアイコム株式会社 | Icom Inc.がIC-R6を公式に擬人化(萌えキャラ化)したというのだ。どーん。
アイコムによるプレスリリースは以下の通り。
2021.05.18 擬人化キャラクター誕生のお知らせ https://www.icom.co.jp/news/6320/
上記プレスリリースに拠れば、今回同社から公式にデビューしたのはいずれも年齢不詳の女性で『Kira』、『Akane』、『Sora』の3人。
その名も無線ガールズ。
3人はそれぞれ黒、青(メタリックブルー)と赤(メタリックレッド)の服を纏っている。これは『IC-R6』に現在ラインナップされている各色をモチーフとしているようだ。
2017年、突如として登場した「メタリックブルー」と「メタリックレッド」の2色のIC-R6。すでに無線通信がアナログからデジタル化へ進み、斜陽となりつつある『おもしろ無線受信』と、減り続ける我々愛好家人口。
アイコムではその巻き返しを図るため、新たな層を取り込もうとした。おりしも、それまで登山や鉄道といったオトコの子の趣味に女性が浸透しつつあるなかで話題になったのが、飛行機の撮影に萌える女子「空美ちゃん」なる新しい顧客層である。
そんな彼女たちに訴求したい営業戦略がアイコムにあったのか、全日空(ANA)を「メタリックブルー」、そして日本航空(JAL)を「メタリックレッド」でイメージしたエアバンダー向けのIC-R6が登場。
アイコムでは彼女ら無線ガールズを『エアバンダーキャラ』にしたい意図があることは、キャラのバックに旅客機を配置、また客室乗務員を思わせるスカーフを3人に着用させていることからも推測できる。
さらに彼女らの頭部にはIC-R6のダイヤル、耳にはアンテナを装着。そして、スカートはIC-R6の大型で音声明瞭なスピーカーをイメージしたデザインとなっている。もう全身を使ってIC-R6をアピールしちゃってるわけ。おっと、彼女らの着ている上着の胸に『ICOM』の文字も見逃せない。社員なの?
というわけで、今回の『無線ガールズ』デビューも、男の子だけでなく、女性エアーバンダー取り込みに向けた戦略の一環と考えても差し支えないのでは?
もちろん、IC-R6は航空無線以外にもアマチュア無線、業務無線、消防署活系、さらにはあーんなムフフな電波まで受信できちゃう超高性能受信機だ。ムフフな電波ってアンタねえ……。
余談だが、無線ガールといえば30年ほど前の映画『7人のおたく』に登場したオタクの一人、受信マニアの女子中学生・令子を思い出す。
また、二次元の世界で美少女×おもしろ無線受信趣味といえば、ラジオライフ誌上で長年連載された横山公一氏の描くアマチュア無線部の女子高生のユルい日常を描いた4コママンガ『NORI子ちゃん』が元祖なんだぞっ!と主張する人も多いはずだ。
だから二次元美少女×おもしろ無線受信のコラボはこの界隈で別に目新しいわけではないが、アイコムが公式で投入してくるあたりは『時代だな・・・・・・』と思う次第だ。
なんだか、アマチュア無線を主題にしたアニメ製作の布石にも思えるが、この会社、ハンディ型IPR警察無線機も作ってるんだよなあ・・・…と思うと心情は複雑である。
おっと、アマチュア無線のアニメといえば、1984年放映の以下の作品も必見だ。
ともかく、アイコムでは彼女たち3人の無線ガールズを今後、等身大パネルの展示や様々なイベントに出演させる企画を行うとしており、受信マニアの間で話題になりそうだ。
ただ、ツイッターでは早々に『無線ガールズじゃなくて受信ガールズだろ・・・』というようなツッコミも見られた(まるで当サイトみたいである)。
また、ツイッターといえば彼女たち無線ガールズのアカウント(ICOMオフィシャル擬人化、無線ガールズプロジェクト公式アカウント)も同時進行しており、キャラクターの紹介や、今後のイベント情報などを届けるとしている。
ただ、現在は復旧している同アカウントだが、一時運用停止となっていた期間があり、その理由について一部では『頭の固いおじさん連中からクレームがあったのでは?(※筆者ではありません)』とか『13歳以下の設定だったのでは?(twitterは規約上13歳以上の利用者のみ)』などの憶測が見られた。
いずれにせよ、彼女たち無線ガールズが薄い本で『サークルオリジナルの受信改造』されないか、おじさんは心配である。心配なのはお前の頭だろ。
そしてもちろんお約束として、より多くの帯域の電波が受信できるように販売店で改造された『受信改造済み』のIC-R6を購入しましょう。
≫ 航空無線を受信するためにはまず広帯域受信機を購入しよう!