日々運行されているすべての航空機は、民間機、軍用機問わず、安全および効率化のため、常に地上の管制当局から航空管制を受けています。そのやりとりの内容は位置・高度や飛行方向、航空路等さまざまです。
これらの航空通信はもっぱら近距離用のVHF帯、さらに洋上を航行する航空機との遠距離通信用としてHF帯ならびに衛星系の周波数を使って行われています。つまり、パイロットと管制官のやり取りが、航空交通管制通信と呼ばれる管制波です。
一方、民間航空会社、あるいは警察や消防といった行政機関の運行管理部門と、それぞれの所属航空機との間で業務連絡を行う通信、これがいわゆる運航管理通信と呼ばれるカンパニーラジオ(カンパニー波)です。
この項目では航空交通管制通信とはヒトアジ違う、一種の”航空事業者版業務無線”とも言える運航管理通信としてのカンパニーラジオについて基本的な解説を行います。
カンパニーラジオは日本語での交信が基本
前述した航空交通管制通信(管制波)が管制官とパイロットとの交信であり、非常に早口かつ英語が基本であるのに対し、カンパニーラジオはパイロットと航空会社、各行政機関の地上運航スタッフ(ディスパッチャー)が、より正確に”じっくり詳しく”状況や指示を説明するため、日本語で交信します。
つまり、航空無線の中でもとくに理解しやすく、親しみやすいのがカンパニーラジオなのです。

北海道のテレビ局『STV』ではこれまで北海道航空がヘリ運航を受託していた。速度に勝るジェットヘリ『ドーファン』は、ファイターズが優勝パレードをすれば飛び、クレーンがダムで倒れれば飛び、飲酒運転カーレースが起きれば飛び、事故・事件現場に真っ先に駆けつけ、高倍率のカメラでナマ撮りされた画(え)は自局の『どさんこワイド179』やNNN系列のニュースで全国に速報される。現在では朝日航洋が受託運行している。
各航空機のカンパニーラジオ
カンパニーラジオは大手民航以外にも、防災ヘリ、警察ヘリも使用しており、周波数は幅広く、これらを全部ひっくるめて、カンパニーラジオと呼称されています。

防災ヘリや消防ヘリも地上の航空隊基地と業務連絡には当然カンパニー波が欠かせない。ただし、デジタル消防無線を使う例も増えており、その場合は当然ながら傍受できない。
民間の旅客機では気象情報(ウェザー)、到着予定時刻、機体の状況、乗客からの要望に関すること、行ってきまーすのあいさつ、その他の社内連絡が主ですが、防災ヘリはまさに人命救助の最前線。位置と残燃料の報告、天候悪化での一時帰投、要救助者ピックアップ開始の合図、刻々と情勢が変わるその緊迫した交信のやり取りには、思わず息を呑みます。
空港が近くになくても、カンパニーラジオの受信は比較的容易。1万フィートより上の旅客機はもちろん、3000フィート以下を飛行するヘリコプターからの電波でも、100キロ以上離れた場所で受信できるのはザラです。