広帯域受信機で受信した航空無線を録音するには?

広帯域受信機に録音機能があれば、航空無線を録音できます。しかしながら、それまで販売されていた録音機能付きのアルインコのDJ-X8や、アイコムのIC-R30などが相次いで製造終了となり、2024年現在、ハンディ型受信機で録音機能がついたものはAORのAR-DV10、それに新発売となったアイコムのIC-R15のみ。

では、録音機能が標準で搭載されていない受信機では録音できないの?いいえ、大丈夫。実は広帯域受信機で無線交信を録音することは難しくありません。

航空無線を録音する方法その1『受信機とICレコーダーを繋いで録音』

用意するものは広帯域受信機とダイソーの100円(税別)のオーディオケーブル、それに数千円程度のICレコーダー。方法は広帯域受信機のイヤホンジャックとICレコーダーのマイクジャックにオーディオケーブルを挿して繋ぐだけ。受信機本体に録音機能がないなら、これが最もお手軽な録音方法なのです。受信機とICレコーダーだけキチンとスイッチを入れてセットしておけば、帰宅したころには数時間分の交信の記録がICレコーダーに魚が網にかかって大漁のごとくドッサリでした。電池残量は忘れずにチェックしてきましょう。

航空無線受信ファンの中にはATCやカンパニーラジオ、それにミリタリーエアバンドといった各種ジャンルごとに受信機を複数台用意してそれぞれで録音している人もいます。もちろん受信環境や周波数にもよりますが、8時間ほど録音状態にセットしておいて、実際に録音されている交信は合計で約2時間程度なのでそんなにレコーダーの容量を喰うこともないでしょう。

ただし、用意するICレコーダーは必ず音声を自動検知して録音を開始・停止する「VOX機能」のあるものを選ぶことが重要です。VOX機能がないと、音声が流れていない無音状態でも録音されてしまい、あとで聞くときに困ります。

また、パソコンに音声データを移す際を考えると、やはりICレコーダーの記録方法はメモリーカードタイプが便利です。

さて、この手法のデメリットは周波数や正確な時刻までは記録されないのでわからないこと。その点、音声と同時に周波数と録音日時も記録されるアイコム の『IC-R30』が絶対的な神機と言われた所以でもありました。2022年に製造終了となり、後継機も出ない現状は本当に悲報なんです・・・。

【悲報】神機 ICOM IC-R30が生産終了!『IC-R30の後継機はない!?』SNSなどで衝撃広がる

 

でも、利便性で言えばこの方法が最もお手軽。録音が完了したらPCに取り込んでからスマホにうつして聞くもよし、枕元に置いておやすみのBGMにしてもいいでしょう。

航空無線を録音する方法その2『録音機能のあるアマチュア無線機を使う』

アイコム デジタルトランシーバー 144/430MHz デュアルバンド GPSレシーバー内蔵 ID-51 PLUSアイコム デジタルトランシーバー 144/430MHz デュアルバンド

GPSレシーバー内蔵 ID-51 PLUS B00B4MVLM4 | アイコム 

2013年にアイコムから発売された144MHzと430MHzデュアルバンドのアマチュア無線機『ID-51』は広帯域受信機能も備わっています。しかも録音機能が充実しており、WAV形式による音声録音のみならず、受信したその周波数、正確な受信時刻もSDカードに記録してくれます。

情報参照元 ラジオライフ「ID-51は魅力の録音機能で留守録サーチができる」

ID-51は魅力の録音機能で留守録サーチができる

デメリットはアイコムの自主規制により、陸上自衛隊ヘリが使う140MHz付近のAMモードの選択ができない事。それに加えて380MHzのUHF帯に割り当てられた航空自衛隊GCIが選択できないこと。なんとも惜しいけれど、ID-51に限ってはデジタル対応アマチュア無線機の技術上あるいは法律上の制約なのか、受信改造がされたモデルは各ショップでも未だ販売されていないみたいです。

また、同社のモービル機『ID-4100』も同様の録音機能を有しています。こちらも陸上自衛隊の140MHzをAM受信不能、航空自衛隊GCIの300MHz後半を一部受信不能という自主規制仕様になっています。ただし、ID-4100は一部ショップにて『受信改造済み』仕様が販売されており、UHFの歯抜けは改善されています。

なお、アマチュア無線機を受信のみに使用する場合は、無線局ではない(=無資格・無免許で使える)という電波法の解釈ですが、総合通信局によれば”電波が容易に発射しえる状態”の場合は不法無線局となるそうですので、アマチュア無線の資格、それに局免を申請してから使ってください。当サイトでは『受信のみ』であっても、無資格・無免許でのアマチュア無線機の使用はおすすめしておらず、無資格の方は広帯域受信機の使用が最適解という立場を表明しております。

詳しくは以下の総務省見解を参照した記事をご確認ください。

原則として、無線局免許を受けていない場合、電波発射の有無にかかわらず電波を出せる状態となっていれば、電波法第4条違反になり不法無線局の開設罪にあたる

無資格でアマチュア無線を操作・使用することは電波法で禁止されていることは今更言うまでもなく、総合通信局の覆面パトカーに追っかけまわされた上で、通報で駆けつけたお巡りのかたに連行され、無線機の没収同意書にサイン、指紋とDNA採取、そのうえで書類送検され数十万円の罰金などの行政処分を受けます。アマチュア無線の資格自体は少しの勉強とわずかな受験料で年齢や学歴に関係なく誰でも取れるので、持っておくとアマチュア無線機の広帯域受信機能も安心して試せます。

航空無線を録音する方法のまとめ

このように広帯域受信機とICレコーダーを繋ぐのが一番手軽ですが、アマチュア無線の従事者資格と無線局免許があれば周波数まで記録してくれるID-51(アマチュア無線機)を使った録音もいいでしょう。ただし、特定の周波数は受信できません。それぞれ一長一短があるので自分に合った手法を試してみてください。