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広帯域受信機で傍受したとっておきの航空無線を録音したいんだけど、どんな道具を使えばいいの……?
大丈夫。実は無線交信を録音するのはとーっても簡単です。
現在、広帯域受信機には録音機能が搭載されているIC-R20(アイコム)やDJ-X8(アルインコ)といったモデルもあります。しかし、IC-R20は製造終了ですし、DJ-X8の録音機能はおまけに近く、制約された最低限の短時間録音しかできません。
でも、実は簡単に録音できます。
航空無線を録音する方法その1 受信機とICレコーダーを繋ぐ(お手軽留守録!)
用意するものは広帯域受信機とダイソーの100円(税別)のオーディオケーブル、それに数千円程度のICレコーダー。
方法は広帯域受信機のイヤホンジャックとICレコーダーのマイクジャックにオーディオケーブルを挿して繋ぐだけ。これが最もお手軽な録音方法なのです。
朝、会社に出かけても、受信機とICレコーダーだけキチンとスイッチを入れてセットしておけば、帰宅したころには数時間分の交信の記録がICレコーダーに魚が網にかかって大漁のごとくドッサリのはず。電池残量は忘れずにチェック!
もちろん受信環境や周波数にもよりますが、8時間ほど録音状態にセットしておいて、実際に録音されている交信は合計で約2時間程度なのでそんなにレコーダーの容量を喰うこともないでしょう。
航空無線受信ファンの中にはATCやカンパニーラジオ、それにミリタリーエアバンドといった各種ジャンルごとに受信機を複数台用意してそれぞれで録音している人もいます。
ただし、用意するICレコーダーは必ず音声を自動検知して録音を開始・停止する「VOX機能」のあるものを選ぶことが重要。VOX機能がないと、音声が流れていないときでも録音が続いて電池の消耗も激しいし、録音時間がかさんであとで聞くときに困るよ。
また、パソコンに音声データを写す際の事を考えると、やはりICレコーダーの記録方法はメモリーカードタイプが便利。
さて、この手法のデメリットは、周波数や正確な時刻までは記録されないのでわからないこと。大体の時刻のあたりを付けるため、防災同報無線で毎日お昼や夕方にチャイムが流れる地域なら、その周波数をセットしておくという手法もあります。
それに当たり前だけど、内部発信や何らかのノイズを拾って止まってしまった場合も録音されてしまうため、他の価値のある交信を逃してしまうので、事前にノイジーの可能性のある周波数は、留守録する場合思い切ってサーチから除外するほうが無難かもしれません。
でも、利便性で言えばこの方法が最もお手軽。録音が完了したらあとは胸ポケットにICレコーダーを入れてトイレや散歩時に聞くもよし、枕元に置いておやすみのBGMにしてもいいでしょう。

航空無線を録音する方法その2 レコーダー機能のある”ID-51″を使う(アマ無線資格が必要!)
アイコム デジタルトランシーバー 144/430MHz デュアルバンド
GPSレシーバー内蔵 ID-51 PLUS B00B4MVLM4 | アイコム
最近マニアに人気なのが、2013年に発売されたアイコムのデジタル・アマチュア無線機「ID-51」です。本製品はアマチュア無線の144と430MHzに対応したアマチュア無線機であり、広帯域受信専用機ではないものの、広帯域受信機能が備わっています。
しかも録音機能が充実しており、音声のみならず、受信したその周波数、正確な受信時刻もSDカードに記録してくれます。これはとても賢い機能で、航空無線以外にも普段はあまり交信が行われない防災関係部署の周波数の検証をする際にも便利。
音声ファイルはWAV形式で保存されるのでパソコンでの管理も楽。
デメリットはアイコムの自主規制により、陸上自衛隊ヘリが使う140MHz付近のAMモード選択ができない事。

それに加えて「380MHz自主規制」のため、UHF帯の周波数の一部付近に割り当てられたUHF帯の航空自衛隊無線、一般業務、官庁無線が選択できないこと。

なんとも惜しいけれど、ID-51に限ってはデジタル対応アマチュア無線機の技術上あるいは法律上の制約なのか、受信改造がされたモデルは各ショップでも未だ販売されていないみたい。
それに最も注意が必要なのは、ID-51はアマチュア無線機なのでアマチュア無線の資格、それに無線局免許が無ければ所持や使用ができない事。
無資格でアマチュア無線を操作・使用することは電波法で禁止されていることは今更言うまでもなく、総合通信局の覆面パトカーに追っかけまわされた上で、通報で駆けつけたお巡りさんに連行され、無線機の没収同意書にサイン、指紋とDNA採取、そのうえで書類送検され数十万円の罰金などの行政処分を受けるのでご注意を。トラックの運転手さんはお金持ちですね。
アマチュア無線の資格自体は少しの勉強とわずかな受験料で誰でも取れるので、持っておくとアマチュア無線機を使用して広帯域受信機能を試したりできるから楽しいよ。
情報参考元 ラジオライフ「ID-51は魅力の録音機能で留守録サーチができる」
航空無線を録音する方法その3 Zelloで録音&スマホに常時送信!
リアルタイムに待ち受けするにはZelloという海外のアプリを使うのが便利。音声がホワンホワンするのがちょっと耳障りだけど、会社でもスマホさえ持っていれば、自宅にセットした広帯域受信機で受信した交信をパソコンとネット回線を通してリアルタイムで送ってくれるのだ。
しかも、VOX機能があるから送信は無線交信を受信したときのみ。
さらに送るだけでなく音声は常時、スマホに録音されてファイルとして保存される。
デメリットは、当たり前だけどリアルタイムに常時聴取はできるけれど、任意の周波数でサーチをとめるなど受信機側の操作がスマホからは一切できない事。それと音声が開始される際に頭切れが多いこと。受信機だけでなくパソコンの常時起動も必要。
でも、自宅のロケが良くて高いアンテナが上がっているなら、わざわざ受信機を持ち歩かずとも自宅に置いておき、Zello経由でスマホで聞くというスタイルも今は楽ちんかもしれません。とりあえず無料なので使ってみて。
アプリケーションソフト「Zello」をダウンロードしてインストールすることで誰でも簡単に自分のスマートフォンに送ることができます。
1、まずはPCにインストールしてください。
Zello. Live conversations.
https://zello.com/
2、次にスマホにGoogle Playからダウンしてインストールしてください。
Zello PTT Walkie Talkie – Google Play の Android アプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.loudtalks&hl=ja
3、PCとスマホ、両方のZelloでそれぞれアカウントを作成し、セットする。
4、PCと広帯域受信機をオーディオケーブルでつなぐ。
5、広帯域受信機が交信をキャッチしたら自動的にPC側のZelloがスマホ側のZelloに対して送信を開始。以下繰り返し。
航空無線を録音する方法のまとめ
このように広帯域受信機とICレコーダーを繋ぐのが一番手軽ですが、アマチュア無線の従事者資格と無線局免許があれば周波数まで記録してくれるID-51(アマチュア無線機)を使った録音もいいでしょう。
しかし、録音と同時にリアルタイムでスマホに受信した音声を送ってくれるZelloも捨てがたいでしょう。
それぞれ一長一短があるので自分に合った手法を試してみてください。