ねえちょっと聞いて!自衛隊の射撃訓練は基本的に自衛隊の施設内や郊外の演習場、訓練場、基本射撃場で行うんだけど、陸自には「体力検定」、「格闘検定」、そして「射撃検定」など、各隊員の基本的な技能を格付けする代表的な検定があるのよ!
このうち射撃検定では隊員それぞれの射撃技術に応じて特級、準特級、1級、2級、3級まで各級位が付与されてるのね。
まれに確かに撃ったはずなのに、標的に弾痕が見当たらないことがあるの!心霊現象?四次元空間?ううん、射手が的を外しただけよ!
これは”弾痕不明”と言って”級外”認定よ!
基本射撃における実弾訓練では基本射場などで200mから300m先の紙的、金属や木製の的を89式小銃で狙ってんのよ。
射撃場のうち、屋内射撃場は都内の一部駐屯地などに設置されている屋内型の拳銃・小銃射撃場で、近隣に配慮して全く発射音が外に漏れないのよね。
一方で陸自が配備しているM24対人狙撃銃は有効射程が1000メートルあるため、それに見合った距離での射撃訓練が行われてるわ。
警察の機動隊でも自衛隊の演習場で7.62mmおよび5.56mm口径の各装備品を用いて、射撃訓練を行うこともあるわね。北海道のSATは千歳の秘密施設でやってるわ!
海上自衛隊の艦艇乗員も、やはり長い航海の間、船上で射撃訓練を行ってて、空に揚げた風船を小銃や散弾銃(Benelli M3T)で撃つ訓練を行っているの。気晴らしでいいわね!
小銃分解結合
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もちろん、射撃訓練の前には小銃を取り扱うための基本教育が前期教育課程の中で行われてるわ。
銃の通常の分解整備を普通分解と呼ぶのだけど、分解の手順を覚え、部品名称も頭と体で暗記する座学で、何回も小銃をバラして早く正確に組み立てていくの。
いろいろな射撃姿勢
もっとも基本的な姿勢に近い立ち撃ち、腹ばいになり両足を広げて体を安定させ、両肘を地面に立てて狙いを定め撃つ伏せ撃ち、さらに立てた片足の膝に肘を立てて小銃を構え撃つひざ撃ちの3つは、射撃姿勢が安定的で命中率が良く、自衛隊での小銃射撃における基本的な射撃要領なのよ!
こちらはけん銃射撃のスタイル。本来、けん銃は幹部自衛官や砲手などに貸与される装備品で片手撃ちによる射撃訓練が行われていたわ。
しかし、昨今では直面すべき対テロ戦争の現実性から、閉所戦闘など左右どちらの敵にも咄嗟に対応できるように、また、より安定した姿勢であることから両手撃ちスタイルに変更されているのよ。
9mm拳銃の有効射程距離はたったの30メートル。しかも移動しながらの射撃では、なおさら当たらないわよ!
陸自の特殊部隊「特殊作戦群」では歩きながら、あるいは走りながら標的をけん銃で撃つ訓練をしてて、たぶん、当時の安倍総理はこれを見て感動したらしいわ!
ただ、2015年に公開されている警視庁・神奈川県警察特殊部隊SATの公開訓練動画ではSAT隊員が、MP5からP226Rけん銃へスイッチングする際に、両手射撃のほか、片手での射撃も披露してるから、この業界から片手撃ちが完全に廃れたわけではないわよ!
小銃に取り付けられる光学照準器とは?
自衛隊の小銃には、狙撃用のスコープ、それに近接戦闘用のダットサイトが搭載される場合もあるわ。
通常の照準用スコープが高倍率であるのに対して、ダットサイトは無倍率か低倍率なの。見え方の違いは通常のスコープが十字のクロスで、ダットサイトは赤や緑色の光点(ドット)を電池駆動や放射性物質、あるいは太陽光でレンズの中央に投影させる仕組みなの。
このような仕組みで、ターゲットを素早く狙えるのがダットサイト、高倍率で遠くの目標を正確に狙うのがスコープと、それぞれ役割があるわ。
高倍率のスコープでサイティングした際の見え方。狙撃銃に搭載ならば、数百メートル先の目標を狙える。
ダットサイトのACOG(Advanced Combat Optical Gunsight)でサイティングした際の見え方。赤いドットがレンズ中央に浮かび上がっている。比較的近距離での交戦を考慮されて開発された光学照準器。
陸自では過去、 隊員が自費あるいは部隊単位で買ったタスコ(サイトロンジャパン)のMD-33型ダットサイトを小銃に載せ、研究を行ってきた実績があるわ。
その結果、自衛隊の戦闘訓練においてもダットサイトが有効であることがわかり、現在では正式に官給品としてダットサイトの配備を行っているのよ!
タスコに代わり、辰野や東芝電波プロダクツが製造を受注しており、正式名称を89式小銃用照準補助具と言うそう。
アメリカ軍では以前から広く配備されているけど、現在では陸自普通科連隊でもダットサイトはかなりポピュラーね。
自衛隊のみならず、現在、警視庁などでも刑事部特殊捜査班がベレッタM92バーテックに、警備部のSATがMP5に搭載して運用しているわ。
自衛隊では小銃の側面にバケット状の袋を取り付けて薬きょうを回収
自衛隊では受領した弾丸と同じ数の空薬莢を返納しなければならないため、必ず撃ち終えたすべての弾丸の薬きょうを回収してんのよ。
通常は袋状のカートキャッチャーが小銃側面に取り付けられて、そこにブババッ!って薬きょうを回収するの。
想定中に気がつかず外れるなどして、万が一にも薬きょうを紛失した場合は部隊全員での大捜索よ!たまったもんじゃないわね。
これは自衛隊の厳格な官給品管理を象徴する出来事として、時折ニュースになるわよ。
熊本県で陸上自衛隊が薬きょうを紛失し、1000人を超える態勢で捜索する事態となりました。 紛失したのは89式5.56ミリ小銃弾射ち殻薬きょうです。 第42普通科連隊は、25日午前、熊本県内の駐屯地から演習場まで木箱に入れて運んでいた薬きょうが、車両の荷台で散乱しているのに気づき、輸送した1万発のうち7発足りないことがわかりました。 その後、25日午後10時までに、3発を演習場の敷地内で、3発を一般道で発見し回収しました。 そして、26日午前6時から最終的に1300人態勢を組み探したところ、最後の1発を一般道で発見、延べ14時間で7発全てを回収しました。
引用元 TBS
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2526338.html
薬きょうをなくして大捜索があったことを日米合同演習の米兵と自衛隊との飲み会で言っても、信じてもらえないこともあるらしいわ。
員数合わせは日本の伝統よ!
自衛隊員の射撃技術は低いの?高いの?
以前、週刊誌でこんな記事が出たことがあるの。「国際射撃大会でブービー賞だった自衛隊精鋭部隊」って話ね。2012年の週刊文春に掲載されたこれ、オチは「武器の選択を誤った」のが原因ね。
この大会への派遣では中央即応集団(現在の陸上総隊)の精鋭が選ばれたんだけど、本来なら平成14年に採用されたM24SWS対人狙撃銃で臨むべき長射程の種目をダットサイトつきの89式で挑んだのよ!自衛隊が持っていった銃はけん銃と89式小銃とMINIMIだけ。なぜM24を持っていかなかったのかは定かではないけど、せめてスコープつきの64式でもあれば少しは結果が違ったかもしれないわね。
でも、これは2012年の結果。2013年度の結果はなんと陸自が世界の軍隊と競合の中、9位になっているわ!自衛隊員の射撃技能を世界の軍隊の兵士と比べてみた場合、決して低くないみたいよ。
安全な”射撃訓練”
自衛隊では以下のように、安全な射撃訓練も行っているわ。
一つはGICSSと呼ばれるビデオシミュレーター訓練。
もう一つは弊所における戦闘訓練でエア何がを使う訓練ね。
まとめ
- 自衛隊は射撃訓練を多様な課程で行ってるわ!
- ビデオシミュレーターを使った仮想訓練も行うのよ!
- 自衛隊は東京マルイ製で市販品とほぼ同じ89式電動エアガンで閉所戦闘訓練をしているわ!
- マルイのエアガン以外にもペイントガンを訓練に導入しているわ!
なるほど、実銃ではないイミテーションの89式も自衛隊にとっては立派な”訓練資材”ってわけね!
オモチャを学習に取り入れる動きは公立学校でのニンテンドーのゲーム機導入が目新しいけど、実は自衛隊や米軍のほうが一歩先なのね。
というわけで、エアガンやビデオシミュレーター訓練は現代の自衛隊では普通にやってんのね!