制式採用された火器に加え、試験・研究用途に留まった未採用銃器の一部も掲載する。
戦後の警察予備隊時代に使用されたM3グリースガンから、現在の20式5.56mm小銃に至るまで、自衛隊小火器の変遷を概観する記事である。
自衛隊では創設以来、国産小銃を基幹装備とする方針が採られており、64式7.62mm小銃、89式5.56mm小銃、そして現行の20式5.56mm小銃が、時代ごとの主力小銃として運用されてきた。
一方で、すべての小火器が国産というわけではなく、拳銃や狙撃銃、一部特殊用途火器については海外製装備の導入例も存在する。
近年では、特殊作戦群をはじめとする一部部隊において、任務特性に応じた海外製小火器の限定運用も確認されている。
小銃
自衛隊において小銃は、曹士隊員を中心とした基本的な個人装備の一つであり、各隊員は部隊配置や職種に応じて射撃訓練を受け、射撃技能検定の各級を取得する体系となっている。
2020年に豊和工業製の「20式5.56mm小銃」が制式化され、従来の89式5.56mm小銃の後継として位置づけられた。
量産・配備は2021年度以降に開始され、まずは陸上自衛隊の第一空挺団や水陸機動団など、比較的優先度の高い部隊から順次導入が進められている。

20式5.56mm小銃

画像の引用元 航空自衛隊公式Xアカウント
20式5.56mm小銃は、豊和工業が開発・製造を担当した国産アサルトライフルであり、近代戦における運用性や拡張性の向上が設計思想の一つとされる。
20式5.56mm小銃の設計思想の中心は「近代的アタッチメント運用への対応」と「将来拡張性の確保」にあり、現代的アサルトライフルとして拡張性能に重さを置いている。
まず、20式はフロントからレーシーバ後部にかけて上部に全面フラット状のピカティニーレールを備えており、光学照準器(ドットサイト、スコープ等)の搭載を前提とした構造になっている。
これは従来の89式に比べ、アイアンサイト依存から光学機器主体へ移行した点が大きな変化である。
なお、「試験用小銃 000007」はFDEモデルである。
ハンドガード部にはM-LOK互換のアタッチメント機構が採用されており、グリップ、バイポッド、ライト等の装着自由度が高い。
また、消音器(サプレッサー)運用も想定されており、銃口部にはフラッシュハイダーと併用可能な構造が与えられており、航空自衛隊の基地警備教導隊で消音器の装着が確認されている。

操作系についても現代的で、セレクター、マガジンキャッチなどがアンビデクストラス(左右両用)設計となっており、利き手を問わない操作性が確保されている。
ストックも伸縮調整が可能で、個人の体格や装備状況に応じたフィット調整が可能。
マガジンは規格面でSTANAG 4179(M16系マガジン規格)のポリマー製弾倉(マグプル製PMAG)を採用している。
弾数は30発が基本であり、残弾確認用のウィンドウを備えた設計となっている。
確実な給弾性能と環境耐性を優先した結果であり、特に砂塵や泥濘環境での信頼性を重視したとみられる。
なお、20式は構造的に分解整備性やモジュール性も意識されているが、完全なクイックチェンジバレル方式の軽機関銃のような運用を前提とした設計ではなく、あくまで分解整備レベルでの交換性向上に留まる。
総じて20式は、「アタッチメント拡張性の標準化」と「運用環境に対する信頼性確保」を両立させた現代型アサルトライフルとして設計されている。
ただし現時点(2026年5月)では、全国の全ての部隊に完全配備された段階ではなく、旧89式小銃との併用状態が続いている。
なお、2025年には東京マルイ製の20式訓練用教材の取得も行われている。

89式5.56mm小銃
89式5.56mm小銃は、陸上自衛隊の普通科部隊を中心に配備された制式小銃であり、64式7.62mm小銃の後継として1989年に制式化された国産アサルトライフルである。
豊和工業によって設計・製造され、NATO標準弾である5.56×45mm弾への移行を前提に開発された点が大きな特徴である。
64式に比べて軽量化が図られ、近代的な小銃運用思想に基づき、連射制御性と携行性の向上が重視されている。

作動方式はガス圧作動式(ロングストロークピストン方式)を採用しており、これは自衛隊の運用環境である泥濘地・積雪・砂塵環境における作動信頼性を優先した設計で全体として堅牢性の高い外観を持つ。
射撃モードはセミオート、3点バースト、フルオートの切替式であり、特に3点バースト機構は弾薬消費の抑制と制圧射撃のバランスを意図した設計である。
ただし、実運用においてはフルオートの使用は限定的であり、主にセミオートと短いバースト射撃が中心となる。
照準装置は標準装備のアイアンサイトが基本である。
制式化当初は光学照準器の常用を前提とした設計ではなかったため、現代的な小銃と比較すると拡張性は限定的であり、後年になってから部隊レベルで各種マウントや改修が部分的に追加されている。
運用面では、陸上自衛隊の主力小銃として長らく標準装備の地位を占めてきたが、20式5.56mm小銃の導入開始以降、順次更新が進められている。
海上自衛隊においては警備隊などを中心に限定的に配備される例がある一方、航空自衛隊では基地警備隊の装備体系が長らく64式であったため、89式の広範な配備は行われず、20式への新規更新となった。
総じて89式小銃は、冷戦末期から現代に至るまで長期運用を前提として設計された国産小銃であり、日本の環境条件と運用思想に最適化された堅牢性重視のアサルトライフルとして位置づけられる。
64式7.62mm小銃
64式7.62mm小銃は、1964年に豊和工業で開発され、自衛隊で制式化された戦後初の国産制式小銃である。
陸海空の三部隊に広く配備され、長期間にわたり、89式制式化後も標準小銃として運用されてきた。

本銃は7.62×51mm NATO弾を使用し、当時の戦闘環境における有効射程と制圧力を重視した設計となっている。
一方で、反動抑制のためにガス圧調整機構を備えている点や、フルオート射撃時の制御性など、運用上の特徴も持つ。
陸上自衛隊では64式にスコープ、チークパッドを装着して狙撃銃としても運用された。


その後、陸自では89式5.56mm小銃への更新が進められたことにより、第一線部隊からは順次退役が進み、後方支援部隊や教育用途などへと運用の重心が移行している。
海上自衛隊および航空自衛隊においても長らく使用されてきたが、2026年現在、海自では89式や20式、空自では20式への更新が進行しており、64式はすでに限定的な用途へ移行している。
また、海上保安庁や警察の特殊部隊SATにおいても配備されてきた事例はある。
ただし、現行装備としての配備状況は部隊ごとに異なり、すべての組織で同一の運用状況にあるわけではない。
現在は20式5.56mm小銃の配備拡大に伴い、自衛隊全体として国産小銃の世代交代が進行しており、64式はその初期世代を担った歴史的装備として位置づけられている。
HK416
HK416 はコルト社の M4 系を出自とする設計思想を受け継ぎつつ、独 Heckler & Koch 社が独自の短行程ピストン機構などを組み込んで改良した小銃である。
ピカティニー(MIL-STD-1913)準拠のフルレングスレールを標準装備し、各種光学機器や補助装備を容易に取り付けられる構成となっている。
銃身はコールドハンマーフォージド加工で製造され、仕様上「銃身寿命約2万発」としている資料がある。
日本における動きであるが、2000年代以降の調達予定表や公表資料の断片から、海上自衛隊が研究・評価目的で HK416 関連の弾薬(フランジブル弾等)を取得した旨が記載された調達項目が存在したとする報告がある。
しかし当該防衛省ページは現在リンク切れであり、入手できる一次公表資料が限定的であるため、「海自における正式配備」を断定することはできない。
契約や技術指導に関する金額や業者(例:JALUX としての記載)についても、二次情報が散見されるが、一次公表資料の現物確認が不可欠である。
したがって「海上自衛隊での試験取得が判明した」と表現する場合は、出典の現物(防衛省の調達公告等)を明示できるかどうかが判断基準となる。
防衛省によると株式会社JALUXの技術指導の契約金額が2,265,795 円となっている。
典拠元 https://www.mod.go.jp/gsdf/gmcc/hoto/hzyo/hzyo210722.htm (リンク切れ)
配備先に関して、国内の公開資料や報道を総合すると、特殊部隊(例:海上自衛隊の特別警備隊 SBU)や各種治安部隊での使用が指摘される報告が散見される。
SBU が国内の公の場で HK416 を明確に公開したという一次公表写真・文書は限定的である。
これは、防衛省に公開したくない思惑があることが理由である。
しかし、多国間演習(例:RIMPAC)で外国軍によって撮影された写真に基づき「SBU と見られる装備・人員が HK416 を携行しているように見える」とする事例はあるため、ほぼ確定的な公的配備証拠となっている。
装弾の一つである「フランジブル弾」は一般に「硬い物体に当たると破砕し、跳弾や貫通による二次被害を抑えやすい」特性を有すると説明される弾薬である。
このため、航空機内や狭所での運用を想定した警備用途や特殊部隊向けの弾薬として言及されることがある。
日本国内ではスカイマーシャル(航空機警乗警察官)に関して、航空機の機体損傷を避ける観点からフランジブル弾を装備している旨が言及された記録がある(2004年の報道等)。
コルトM4カービン
対外有償軍事援助(FMS)で日本政府が米国政府から購入した米国製カービン銃。
日本人米兵によるダットサイト不正輸出事件で陸上自衛隊特殊部隊への配備が明らかになるも、自衛隊は同事件自体を「事実無根」と否定。

拳銃
自衛隊装備品における拳銃は、主として幹部自衛官や特定職種の隊員に対して配備される個人防護用の火器であり、長らく任務内容に応じた限定的な支給体系が採られてきた。
従来は、幹部自衛官や警務官のほか、陸自では車両・装備運用に従事する一部職種(例:機甲科の搭乗員や火砲運用要員)、海自では立入検査隊など、任務上小銃よりも拳銃携行が適切とされる隊員を中心に配備されていた。
一方で、2000年代以降は任務形態の多様化や海外派遣任務の増加などを背景に、とくに閉所戦闘を担う普通科の曹士隊員を含め、拳銃の配備対象は段階的に拡大している。
ただし、全ての曹士隊員に一律で支給されているわけではなく、依然として職種・任務に基づく選定配備である点は変わっていない。
現用拳銃としては9mm拳銃(SIG P220の国内ライセンス製造)が長らく主力として運用されていたが、後継としてH&K SFP9を制式化。更新が進められている。
米軍において拳銃は、個人防護用の副次火器として位置づけられているが、その配備範囲は比較的広い。現行の制式拳銃はSIG SAUER M17/M18(モジュラー・ハンドガン・システム)であり、陸軍を中心に各軍種へ展開されている。
これらは将校のみならず、車両乗員、砲兵、航空要員、憲兵など、小銃を常時携行しない兵科にも広く配備される体系となっているとされる(米陸軍の制式装備体系およびMHS採用資料)。

総じて自衛隊の拳銃運用は、米軍歩兵科にみられる一般的な歩兵火器というよりも、特定任務における補助的な個人防護火器として位置づけられている。
9mm拳銃
1982年に11.4mm拳銃から更新され制式配備された。オリジナルは『SIG SAUER P220』で、国内精密大手のミネベアミツミ(旧・新中央工業)にてライセンス生産されている。
口径9mm普通弾を使用し、装弾数9発の半自動式拳銃。単列弾倉であり、複列弾倉が標準的な現代オートに比べ装弾数が少ない。

新・9mm拳銃 SFP9

2019年、防衛省は9mm拳銃(P220)の後継として3種の拳銃からトライアルを行い、2020年にドイツH&K社のSFP9(欧州およびカナダ市場での名称はVP9)の制式化を決定。
ライセンス生産ではなく、オリジナルの完成品を日本へ輸入する。
なお、自衛隊とは別に警察庁でも2,500丁あまりのSFP9がドイツから輸入されらというソースがある。
これは東京オリンピックの警備用とされ、同オリンピックのマラソン競技開催地である北海道内で警察官が装備している姿が目撃されている。

H&K USP(タクティカル)
H&K USP(タクティカル)は、ドイツのヘッケラー&コッホ社が開発したUSPシリーズの派生型であり、消音器の装着を前提とした延長バレル(スレッド付きバレル)などを備える特殊戦向け拳銃である。
オリジナルのUSPシリーズは1990年代初頭に登場したポリマーフレーム拳銃で、標準型のほかUSPコンパクト、USPタクティカル、競技用モデルなど複数のバリエーションが存在する。
作動方式はショートリコイル方式で、ポリマーフレームと金属スライドを組み合わせた構造を持つ。
口径は9×19mmパラベラム弾を基本とし、派生として.40 S&W、.45 ACP仕様などが存在する。これにより、用途や運用国の弾薬体系に応じた柔軟な展開が可能となっている。
ドイツ連邦軍では、かつてのP1(ワルサーP38系)の後継としてH&K P8(USPをベースとした軍用仕様)が1990年代後半より制式採用されており、現行拳銃体系の中核の一つとなっている。

自衛隊においては、標準拳銃としてはSIG P220(9mm拳銃)が主力であり、USPシリーズについては一部の部隊で限定的に使用されているとされるが、制式拳銃として全面採用されているわけではない。
この情報の出所は元・力士の水戸泉氏のブログの2004年12月16日の記事である。個別写真からの推定に留まる部分はあるが、それによれば、サプレッサー対応型・タクティカル仕様とみられるモデルを自衛官とみられる人物が手にしている。
ダットサイト(小型光学照準器)の搭載も確認できる。
また、その背景には「特戦」と表記のある高機動車が写っている。水戸泉氏によれば「本物の銃を見せてもらった」としている。
一方、警察組織では、警視庁SATSATや神奈川県警SATなどの特殊部隊においてH&K USP系拳銃の使用が知られており、さらに発展型であるH&K P2000が警護要員(SP等)に配備されている事例がある。
ただし、これらの配備状況も組織ごとに公開範囲が異なるため、全体像としては「一部部隊での採用が確認されている」という表現が最も正確である。
9.65mm拳銃
コルト・ディティクティブ38口径回転式拳銃。私服刑事用に開発された銃で、自衛隊では80年代まで警務隊用の拳銃として配備された。

狙撃銃
H&K MSG90
H&K(ドイツ)が開発したMSG90は、PSG-1を軍用向けに簡素化・強化したモデルである。
PSG-1に対して軽量で比較的廉価な選択肢として位置づけられることが多い。
なお、MSG90は軍用狙撃銃として設計された経緯があり、警察向けに設計されたPSG-1とは設計目的に違いがある。
H&K社の日本総代理店は株式会社JALUXだが、アジア太平洋企業株式会社(法人番号:5020001057000)という企業によって納入された可能性もある。
海自特殊部隊である特別警備隊への配備の可能性が高いものと見られている。
M24 SWS
平成14年度から陸上自衛隊のみに配備されているボルトアクション式対人狙撃銃。
本銃は「自衛隊のスナイパー」のページで詳しく言及している。

HK G28 E2
HK G28 E2は、ヘッケラー&コッホ社が開発した7.62×51mm NATO弾仕様のセミオート式対人狙撃銃であり、陸上自衛隊の普通科部隊等において運用される新たな制式装備である。

防衛省の公表資料において、「現有の対人狙撃銃(M24)の後継」と明示されており、従来の狙撃銃体系を更新する新型装備として導入される位置づけである。
HK G28 E2は、遠距離からの精密射撃能力を重視した設計であり、従来の対人狙撃銃であるM24 SWSの後継装備として位置づけられている。
現代的なセミオート式対人狙撃銃であり、普通科部隊における精密射撃能力の向上を目的としている。
これはボルトアクション方式であるM24に対し、G28 E2が半自動(セミオート)方式を採用することで、状況変化に応じた迅速な再射撃能力と、継続的な目標対応能力を向上させている点に特徴がある。
運用面では、長距離精密射撃を主目的としつつも、状況に応じた複数目標への対応能力を持つ点が特徴であり、従来型ボルトアクション狙撃銃とは異なる即応性が付与されている。
M95
バレット・ファイアアームズ社(米国)が開発した12.7×99mm NATO弾(.50 BMG)を使用するボルトアクション式対物ライフルである。

本銃はブルパップ方式を採用し、銃全長を抑えつつ長銃身を確保することで、対物ライフルとしての高い初速と有効射程を維持している。
これにより、携行性と射程性能のバランスを両立した設計となっている。
作動方式は手動ボルトアクションであり、セミオート方式のM82シリーズなどと異なり、発射ごとに手動での装填操作が必要となる。
その代わりに機構が単純化され、整備性や信頼性の面で利点を持つ構造である。
一般論では対物ライフルの主用途は装甲車両、通信機材、軽装甲目標などの破壊・無力化であり、いわゆる「対物射撃」を目的とした火器として運用される。
また長距離における狙撃任務にも使用可能であり、対人・対物兼用の運用も想定されているものとみられる。
出典は自衛隊公式SNSアカウントだが、配備先は一般部隊ではなく陸自武器学校とみられるため、詳細は不明である。
分隊支援火器
62式7.62mm機関銃
1962年から配備された。以下の記事で開発者の推した独特の趣向と製造元企業の問題点を解説している。

5.56mm機関銃MINIMI
1993年から自衛隊で配備された「5.56mm機関銃MINIMI」は米軍も採用するベルギーFN社のM249″MINIMI”を住友重機で国産化したもの。
口径は5.56mmと、それまで自衛隊で配備されていた62式の7.62mmから小口径化。

短機関銃(機関けん銃)
11.4mm短機関銃 M3A1
画像の出典 陸上自衛隊北部方面隊第7師団公式サイト
米軍から陸上自衛隊に供与され、主に機甲科隊員に自衛用として配備された。
戦車の乗員と言えど、徒歩で前線へ向かい、敵情偵察(リコン)を行う場合もあり、その際は自衛用にM3A1を抱えての出撃となる。
当時、自衛隊の制式拳銃であった11.4mm拳銃と同じ45口径で、弾薬の融通が効く利点があった。
1982年に制式拳銃が9mm拳銃に更新されたため、M3A1もいずれ用廃になると見られていたが、9mm拳銃調達後も長らく現用装備であった。海上自衛隊でも配備されている。
昭和32年には安倍晋三元首相の祖父である岸信介首相(当時)が陸上自衛隊駐屯地内において、背広に紳士帽を被った姿でM3を手に取り構えるという、ギャングみたいな姿を披露している。
M3はジョージ・ハイドおよびフレデリック・シンプソンが開発した簡易なメカニズムと形状で大量生産が容易な短機関銃で、その特異な形状からアメリカ本国ではグリースガンという俗称がある。
M3では弾丸装填のため、レシーバーに外付けハンドル型の回転式コッキングレバーを備えていたが、M3A1ではこれを廃し、機関部内のボルトを直接コックする仕様に変更されたことでメカニズムをより単純化させた。
通常は機関部への異物混入と安全装置を兼ねた蓋で閉塞され、閉塞状態下では発射不能となる機構が組み込まれている。
その後、陸自機甲科隊員の護身用銃器は次第に折り曲げ式銃床の89式に順次更新されて激減。
MP5
法執行/軍事作戦向け9mm口径サブマシンガンの最高傑作であるMP5を海上自衛隊特別警備隊が配備。

2000年代初頭には同部隊における何者かが撮影した「海上を疾走する11メートル級RHIB・特別機動船(SB)に乗り込む全身真っ黒のアサルトスーツで身を固めたSBU隊員のうちの一人が、MP5を胸の前で保持している写真」が存在した。
その後、サバイバルゲーム用のエアガン改造部品を製造販売し、警視庁交通執行課暴走族対策係などへ発射装置も納入しているPDI株式会社が「平成21年3月に海上自衛隊第一技術科学校へMP5型シミュレーター(ペイントボール発射タイプ)を納入」している事実を照らし合わせるなどして、その背景に実銃配備の可能性が高いと推定されてきた。
出典 株式会社PDI会社案内
http://www.pdijapan.co.jp/pdi-new/kaisya.html
出典 入札情報
http://www.njss.info/bidders/view/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BEPDI/
現在では、米軍による共同訓練時の写真の公表により、配備が裏付けられていたことが判明している。

警察や軍の特殊部隊向けの製品として成功を収めたMP5は世に出て50余年だが、現在では9mm口径の威力不足が指摘されるなか、MP7といった新ジャンルの銃器も開発されている。

4.6mm短機関銃(B)

平成24年ごろ、『4.6mm短機関銃(B)(ヘッケラー&コッホ社製)』として、陸上自衛隊特殊部隊へ少数が配備された可能性を、防衛省の公告が示唆している。
公告には“試験用”との記載は存在せず、取得先も富士学校ではなく「陸上自衛隊関東補給処」となっている。
このため、陸上自衛隊特殊作戦群への将来的な配備を見据え、同部隊において実運用に近い試験が行われていたのではないかと推測されている。
MP7の参照元(防衛省公式サイト)
公告 第 輸調-343号 平成24年9月14日
公告 第 輸調-350号 平成24年9月14日
さらに、2016年11月7日に公示された公告によれば、防衛装備庁により『4.6mm短機関銃(B)用普通弾15,000発』が取得された模様である。
ただし、自衛隊の公開情報には具体的なモデル名の記載はなく、あくまで『ヘッケラー&コッホ社製の4.6mm短機関銃(B)』とのみ公表されている。
防衛省としても、秘匿性の高い装備品を積極的に公表したいわけではない一方、情報公開の透明性を確保しなければならないという事情があるのだろう。
そのため、装備名称を曖昧にしたり、納入ルートを直接の配備先部隊ではなく別部署を経由させたりする措置が行われていても不自然ではない。
もっとも、名称や口径から推測されるのは、同社の高性能PDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)である『MP7』である可能性が極めて高い。
・「ヘッケラー&コッホ社製」
・「4.6mm」
・「短機関銃」
・取得時期が2010年代前半
という条件がすべて一致する火器が、当時ほぼMP7しか存在しないからである。
MP7はコンパクトな構造ながら、セミ・フル切替射撃機能、伸縮式ストック、折りたたみ式フォアグリップ、各種アクセサリー装着用レイルシステムを備えた近代的火器である。
命中精度も高く、警察や海上自衛隊特殊部隊などで採用されているMP5を上回る性能を持つと評価されることもある。
ただし、MP7は従来型の短機関銃とは異なり、FN社のP90と同様、「PDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)」という新しいカテゴリーに属する火器である。
PDWは、主に軍の後方支援要員や車両搭乗員などが携行する個人防衛火器として開発された。
サプレッサー装着時にはMP5SD6に匹敵、あるいはそれ以上の消音性を持つとされ、反動も比較的少ないとされる。
重量は本体のみで約1.2kg、装弾時でも約1.8kgと軽量で、携行性と秘匿性にも優れる。
MP7は、MP5の単純な後継機種として開発されたわけではない。
その背景には、アメリカやNATO諸国において、従来主流であった9mm拳銃弾の貫通力不足に対する懸念が存在した。
このため、各国の大手銃器メーカーは、新世代個人防衛火器としてPDWの開発に着手した。
まず、この分野で注目を集めたのが、MINIMIでも知られるFNハースタル社である。
同社が開発したP90は、高威力の5.7×28mm弾を使用し、上部水平配置式の樹脂製ボックスマガジンという独特の構造を採用した。
同弾薬は、拳銃弾を想定した防弾装備に対して高い貫通性能を有するとされた。
一方、ヘッケラー&コッホ社も、MP5で成功を収めた9mm口径を離れ、新たに4.6mm小口径高速弾を開発。
こちらもP90同様、防弾装備を装着した敵兵への対抗を重視した設計思想であった。
このような経緯から、MP7は従来のMP5とは用途もカテゴリーも異なり、使用弾薬の性格も大きく異なる。
MP7は現在、各国の軍隊や法執行機関で採用されている。
ドイツ連邦軍をはじめ、イギリスの一部警察部隊ではセミオート限定モデルが配備されているほか、アメリカ海軍特殊部隊DEVGRUによるウサマ・ビン・ラディン急襲作戦に関連して使用されたとの逸話も知られている。
こうした背景を踏まえれば、各国特殊部隊で高い評価を受けるMP7が、陸上自衛隊特殊部隊で運用されていたとしても不思議ではない。

9mm機関けん銃
99年から配備された自衛隊初の国産短機関銃。機甲の戦車乗員や指揮官用として配備されたが「従来の9mm拳銃や折り曲げ銃床式の89式の方がはるかにマシ」という意見が元自衛官から……。

散弾銃
Benelli M3T / M4 A.I. Drone Guardian
Benelli M3はイタリアのメーカー「ベネリ」が開発した半自動式ショットガン(散弾銃)。
散弾銃の装てん方式として一般的なそれまでのポンプアクション方式と発射の反動を利用して次弾を装てんするショートリコイル方式の二つを併せ持つ特殊な散弾銃で、世界各国の軍や警察の特殊部隊でも採用されている。
オリジナルモデルのM3は固定式ストックだが、海上自衛隊がチョイスした「M3T」は閉所でも扱いやすい折り畳み式のストックタイプ。
平成27年度調達予定品目(中央調達分)のなかに「散弾銃 M3」の記載がある。
典拠元 http://www.mod.go.jp/epco/supply/jisseki/choutatuyotei_pdf/27_yuchou.pdf
海上自衛隊の艦艇乗組員は航海中、銃の訓練を艦艇の上で行っており、標的として揚げた風船をベネリ散弾銃で狙う射撃訓練を行っている。
なお、海上自衛隊ではフカ警戒員という係りを配置させ、救助訓練中などの際には64式小銃を手にサメの警戒を行っているため、M3Tがサメにぶっ放される可能性もある。
また、海上自衛隊下総航空機基地でも別のモデルの散弾銃を配備している。
参考URL「下総航空機基地の装備」
http://plaza.rakuten.co.jp/simohusakai/7000/
また、部隊配備ではないが、ドローン対策用に『M4 A.I. Drone Guardian』が試験用に取得されている。

ウイルソン・コンバット社の散弾銃
陸上自衛隊ではウイルソン・コンバット社の散弾銃(モデル不明)を特殊作戦群で取得している。
グレネードランチャー(榴弾発射筒)
20式自動小銃とともに配備となったベレッタ製のGLX160を配備。

その他の銃器(退役・試験用・試作)
11.4mm拳銃
ジョン・M・ブローニングが開発した口径は45ACPで装弾数7+1発。マンストッピングパワーに優れた軍用拳銃。いわゆるコルト・ガバメントM1911。
コルト社がパテントを持っていたが、戦時中はコルト社だけでは生産が追いつかず、同業他社でライセンス生産も。
日本では戦後の国家地方警察と自治体警察の2警察時代、拳銃不足の事情から米軍に供与され、その後の都道府県警察再編まで使用された。
機動隊のサイドアームとして使用されたほか、愛知県警察の一部では昭和50年代まで制服の地域警察官がコルト・ガバメントをフタ無しホルスターに入れて携行していた。
参考文献 http://heiwadou.militaryblog.jp/e390344.html

式典における警察予備隊の様子。幹部隊員の腰に米軍から供与されたと思われるホルスターに納められたM1911らしき拳銃が確認できる。出典 冷戦・第3次世界大戦―1946-1956 (毎日ムック―シリーズ20世紀の記憶)
自衛隊では前身組織である警察予備隊創設時から保安隊を経て配備されており、82年にP220の国産ライセンス生産品である後継の9mm拳銃が配備されるまで使用された。
一部では9mm拳銃配備後もなお配備されていた。
米国では『フォーティー・ファイブ』や『1911』の愛称で実に70年もの間、米軍で使用されてきたM1911だが、1985年にベレッタM92Fが米軍の新制式拳銃に採用されたことで一線を退いたかに見えた。
しかし、海兵隊や特殊部隊では今なお継続使用されており、アメリカ海兵隊の精鋭部隊ではM1911を原型とする「MEU(SOC) pistol」をオフィシャルで使用していることから、45口径の絶大なる信頼性は今日でも不変であることが伺える。
またM1911はパテントが切れたことも相まって、史上もっともバリエーションが多い拳銃で、幾多のカスタムメーカーや有名銃器メーカーから独自に改良されたM1911モデルが発売された。
陸上自衛隊でも大口径拳銃の必要性を研究しており、平成24年にはモデル不明ながら「11.4mm大口径拳銃」なる銃を試験的に調達したことを公告にて公表している。
ただ2016年になると、アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(MARSOC)では9mm口径のグロック19を45口径の現用拳銃に代わる形で配備を開始。
これは予算の問題と、連邦捜査局が近年になって.40S&Wから9mmへ回帰したことも影響しているものと見られている。
M&P
かつてウェブ上で公開された防衛省の調達情報に、S&Wの「新拳銃」を試験用に購入した旨の記載があった。
これは9mm拳銃の後継を選定するためのトライアル用に取得されたものと見られる。
近年、同社が軍や警察向けに発売した新型モデルとして該当するのはM&Pのみであり、自衛隊が試験取得したのは同モデルである可能性が高い。
2019年に防衛省が公表した評価試験の最終選考モデルは「ベレッタAPX」、「グロック17(Gen5)」、「ヘッケラー&コッホ SFP9」の3種であったため、M&Pは評価段階で早期に選考から外れたものと推測される。
M&Pそのものではなく、S&Wというメーカーと日本政府の関係で連想されるのは警察系機関との取引である。
海上保安庁ではM5906が採用されているが、自衛隊との直接的な取引実績は乏しいと理解される。
M&Pはポリマーフレームを採用した現代的な自動拳銃で、全米の多くの警察機関に導入され、グロックの優位を揺るがしつつある。
一方で、テキサス州のある法執行機関ではM&Pを大量導入したものの、2014年に多数の不具合が発生したため、従来使用していたSIG製P226に戻した事例が報告されている。
ニューナンブM66
自衛隊の採用を当て込んで作られた新中央工業の試製短機関銃。
ニューナンブM57
自衛隊の採用を当て込んで作られた新中央工業の試製自動式けん銃。試作に終わる。
AR-18
アーマライトが1960年代に開発した短ストローク・ガスピストン式の自動小銃で、5.56×45mm弾を使用する。
設計は量産性を重視し、打ち抜きやプレス加工の部品で構成できるようになっている点が特徴であり、その作動系は後続の多数の小銃に影響を与えた。
日本における生産は豊和工業(Howa)がライセンスを得て1970年頃から1974年まで実施した。
豊和製のAR-18/AR-180は当時の量産ラインで製造され、防衛庁(現・防衛省)にも少数が納入された記録がある。
生産は日本政府による軍需品の輸出規制強化などを背景に中断された。
BAR自動小銃
M1918 Browning Automatic Rifle, BAR。自衛隊創設間もないころに導入されていた自動小銃。
M1
第二次大戦期に米国で開発された軽量半自動カービンで、.30カービン(7.62×33mm)弾を使用する。
短銃身・軽量で携行性を重視した設計であり、歩兵の主力小銃ではなく、車両乗員・砲兵・通信兵などの準装備あるいは副武装として配備された。
基本型のM1(セミオート)、選択射撃可能なM2(セレクティブファイア)などの派生型が存在する。
第二次大戦から朝鮮戦争、ベトナム戦争にかけて広く使用され、戦後も各国で継続運用・供与が行われた。
軽量で扱いやすい反面、弾薬の威力は一般的なライフル弾に劣り、近距離用や副武装としての位置付けで用いられた。
戦後、日本に対してM1カービンは供与・流入し、警察予備隊やその後の自衛隊で使用例がある。
資料によれば、1950年代〜1960年代にかけて警察予備隊向けに多数が供与され、その後、1963年頃には自衛隊向けに数千挺が供与されたとの記述が確認できる。
50年前、北海道で自衛隊がヒグマを撃つのに使っていたらしい。

信号拳銃
信号拳銃は厳密には武器ではなく、陸上・海上用の21.5mm信号拳銃と、航空機搭載を主目的とする55mm信号拳銃の二種が自衛隊で運用されている。
いずれも装弾数は1発で、発射された弾は約6秒間強烈に燃焼して発光するため、昼間でも視認しやすい。
発光色は赤・青・緑などがあり、稀に誰かがその光をUFOと誤認して動画投稿する例も見られる。
自衛隊ではあくまで信号用機材として位置付けられているが、歴史的には米軍や独軍で武器として運用された例があり、ドイツ軍の「カンプピストル(Kampfpistole)」のように擲弾(グレネード)を発射できる派生型も存在した。
自衛隊の小火器まとめ
このように3自衛隊では過去から現在まで、幅広い種類のけん銃や短機関銃、小銃、散弾銃を配備している。








































