【衝撃】北海道には自衛隊員が体重120kgのヒグマを小銃で射止め、小銃持参で地域住民を武装送迎した史実があった

現在、ヒグマを含む有害獣駆除を自衛隊が直接やることはないんや。

しかし、過去には「北海道の自衛隊とヒグマ」にまつわる信じがたいエピソードがいくつもあるんや。

今回は北海道とヒグマの歴史、ヒグマと自衛隊の関わりについて紹介するで!

 現在の有害獣駆除は猟友会が担当

ほんなら今、ヒグマ対策はどうなっとるんかっちゅう話やけど、基本的にヒグマを含む有害獣駆除は猟友会が担当しとる。

「大日本猟友会」は、経験豊富なハンターが集まる任意団体で、全国各地の猟友会支部が地元自治体の要請を受けて駆除活動を行っとるのが現状や。

せやから、自衛隊が直接ヒグマを駆除することは基本的にない。せやけど、過去には自衛隊とヒグマにまつわる、ちょっと信じがたい話がいくつもあったんや。

陸上自衛隊北部方面隊員、小銃でヒグマを射止める

北海道の防備を担う陸上自衛隊北部方面隊には、昭和46年(1971年)5月、芽室町の剣山東南山腹(頂上から400m)で遭難したヘリ(北部方面航空隊所属機)を捜索中やった第5特科連隊第6大隊の隊員が、体重120キロのヒグマを小銃で仕留めたっちゅう史実があるんや。なんとも驚きの“昭和史”やな。

この情報については元・陸上自衛隊陸将の山下輝男氏の独自取材「朔東から第 25 号 羆(ヒグマ)を撃った男」を参考文献とさせていただいたことをここに明記する。

なお、射止められた羆ははく製にされ、陸上自衛隊美幌駐屯地(美幌町)に展示保存されているとのことや。

その説明文には以下のように記載されているようやな。

「昭和46年、芽室町剣山東南山腹にて遭難ヘリの乗員を捜索中の隊員が遭遇し襲いかかろうとしたため、隊員が身の危険を感じて所持していた自動小銃で”射止めた”」

出典 山下輝男氏公式サイト「朔東から第 25 号 羆(ヒグマ)を撃った男」http://yamateru.stars.ne.jp/sakutou025.pdf

当時の恐ろしい状況がしっかりと付記されているヒグマの剥製のイメージ図。

せやけど、今の時代やと、たとえ災害派遣で北海道の山ん中を捜索する自衛隊員でも、ヒグマ対策に小銃を持つ可能性は皆無やで。絶対にない。ないんや。

まあ、一言で言うと「国民世論」やな。それと、「動物愛護」の声の高まりもあるんやないやろか?

同じく、公務で銃の所持と使用が認められとる警察官の場合、市民の命に危険が及ぶような状況やったら、猛獣や野生動物に対して拳銃を使うことが許されとる。

実際に1985年には、沖縄県の「沖縄こどもの国」からライオンが1頭逃げ出して、13人の警察官が38口径の回転式拳銃を計15発発砲して射殺したっちゅう事例もある。

都道府県警察では3種類の回転式および、2種類の自動式けん銃が主流

2015年でも、逃げ出した犬が市民を襲った事案で、やむを得ず射殺したっちゅうケースが報道されとる。

せやけど、自衛隊員vs野生生物の状況で「市民の命を守るため」に銃を即応的に使うことが認められとる警察官と同じように扱えるかっちゅうたら、それはまた別の話や。

ネックになるんは、自衛隊に配備されとる装備品と、隊員が野生動物を駆除するための法的根拠やな。

これは2021年に発生した丘珠駐屯地のヒグマ襲撃騒動でも問題になった。

ヒグマみたいな有害鳥獣を駆除するには当然ながら狩猟免許が要る。一般的にヒグマは害獣やけど、その駆除には役場や北海道庁の要請に基づいて、狩猟免許を持ったハンターが対応するのが現状や。

つまり、自衛官は銃の所持と使用が認められとるとはいえ、狩猟免許を持たん隊員が、明確な有害獣駆除のために公用銃を使うことは、法律の壁が立ちはだかるっちゅう話や。

???『ぼくは砂川市では無敵なんだ!警察がハンターからぼくを守ってくれるからね!』

したがって、災害派遣要請された自衛隊員が山中へ入山する場合、ヒグマ対策として必要があれば猟銃を持った猟友会員などの民間人のハンターを同行させるか、ハンターの手配ができなければ、ヒグマ除けの鈴やスプレーなどを携行するしかないんや。

ただでさえ北海道では演習場での演習中、ヒグマと出会うことも多く、その際はヒグマが去るまで状況中止っちゅうわけや。

いずれにせよ、芽室町剣山東南山腹で自衛隊員がヒグマを射止めたケースでは、山岳地帯での捜索活動中に自衛隊員が実弾を装てんした小銃を携行していたという点は史実として大変興味深いもんがあるで。

自衛隊の小銃はヒグマに有効か

仮にヒグマに対して自衛隊の銃器が向けられた場合、それらは有効か?

今の陸自で主力小銃とされとるんは89式小銃、それに精鋭部隊には最新の20式小銃が配備されとるけど、どっちも口径5.56mmや。

世界のハンティングの常識として、5.56mmクラスの弾は小動物の狩猟には適しとるけど、ヒグマみたいな大型で獰猛な獣を1発でノックアウトするには威力不足やとされとる。

下手に撃って手負いにでもなったら、当然のごとく反撃される。せやから、大型動物(ビッグゲーム)を狩る場合は1発あたりの致死的な威力が必要なんが常識や。

では、7.62mmの64式小銃ならどうや?

64式小銃(7.62mm×51やけど弱装弾仕様)は、後方部隊では今も配備されとるけど、これでもヒグマ相手に確実とは言えん。

それなら、陸自の狙撃手に配備されとるM24(7.62mm NATO)ならどうや?M24は民間ハンターも使うレミントンM700を軍用に発展させたもんやし、狩猟にも適しとると思うかもしれん。

しかし、それでも不十分

実際に北海道でハンター向けの銃を製造販売しとる男性によると、「.308(ウィンチェスター)でヒグマを撃たんほうがええ」っちゅう意見や。

彼が推すのは、.308と同じ30口径やけど、火薬量がちょっと多い「.30-06(スプリングフィールド)」のほうや。

(※出典:文春オンライン

それなら陸自の『小銃以上の銃』を使うしかない?

小銃より威力のある銃器としては、対物狙撃銃が配備されとる「特殊作戦群」を除けば、次に強力なのは50口径(12.7mm)の「M2重機関銃」になるやろう。

せやけど、M2は重すぎるし、山中に持ち込むのは非現実的や。

現実的な選択肢は?

ヒグマに対して小銃を使うなら、複数名で同時に自動小銃を連続射撃することで、ある程度の殺傷力は期待できるかもしれん。

もっと現実的な案としては、複数の狙撃手がM24でヒグマの急所を同時に狙撃するほうが、M2を山中に持ち込むよりもええんちゃうか?とも考えられる。

陸上自衛隊の狙撃手

そのほかの自衛隊とヒグマの逸話

然別(しかりべつ)演習場は、十勝平野の北西部、鹿追町から東へ約20kmほどの場所にある。北海道内でも広大な演習場のひとつで、矢臼別(やうすべつ)演習場と並び、迫撃砲などの砲撃訓練にも使われとる。

当然ながら、ここにはヒグマの来訪も多い。特に昭和54年(1979年)7月頃から昭和58年(1983年)5月頃にかけてがピークやったらしい。

昭和55年(1980年)9月には、自衛隊員とハンターの共同作戦でヒグマの駆除が行われた。この時、駆除されたヒグマは**「熊鍋」にされ、猟友会のメンバーや第二師団長らが賞味**したという。いやもう、ワイルドすぎる話やな……。

???『世論がうるさくなった現代で自衛隊が僕を撃てないってこと知ってるくま♪』『ひいいいいっ!!』『わあああっ!!』熊は「クマーっ!」って鳴くからクマっていうんです。※本当です。

他にも、

  • 熊を特定の場所に誘導するための餌付け方法
  • 演習に疲れた隊員が「熊出没」を報告して状況中止を狙う という策士的な話

など、演習場ならではの興味深いエピソードが多い。

出典:「―演習場に関する余談(2)―演習場での諸々について」(元防衛庁事務官・大森 明)参考リンク

標津町では自衛官が小銃持参のうえで「住民の護衛送迎」を実施(1962年)

北海道にはまだまだ、自衛隊とヒグマにまつわる史実があるのが実情や。

昭和37年(1962年)の秋、十勝岳噴火の影響で降灰がひどく、木の実などの食料が不足。これにより、道東の標津町の人里に大量のヒグマが出没した。

この時、古多糠(こたぬか)地区では、自衛隊員が小銃を持って住民を護衛する「護衛送迎」を実施。

知床半島の基部にある標津町は、開拓の時代からヒグマと人間との関係が強い町です。昭和37年(1962年)6月に起きた十勝岳噴火の降灰により、木の実等の成りが悪く、秋に人里に多くのヒグマが現れた経緯が存在します。この時、古多糠地区では自衛隊が、小銃持参の護衛送迎を実施しています。この秋には、1ヶ月足らずの期間で二十数頭のヒグマが捕獲されています。

典拠元 『NPO法人 南知床・ヒグマ情報センター』 活動概要の『標津町とヒグマ』より
http://shiretoko-higuma.com/gaiyou/index.html(※リンク切れ)

残念ながら上記の「NPO法人 南知床・ヒグマ情報センター」のページはリンク切れになっとるけど、標茶町役場公式サイトの開拓史のページに、昭和37年当時の十勝岳噴火とヒグマ被害に関する記述が残っとるで。

その記録によると、昭和37年のヒグマ被害では、

  • ハンター2名が死亡
  • 3名が重傷
  • 牛48頭、綿羊23頭、馬2頭がヒグマに襲われた

と具体的な記録がある。

さらに、標茶町では熊害対策本部が設置され、自衛隊に出動要請。学童の登下校時の護衛輸送まで行ったということが記載れとるね。

市町村からの要請ですぐに小銃持参で出動できた当時の自衛隊の行動力には驚かされるで…。

これを見て思い出すんが、漫画家あさりよしとお氏が1983年に発表した作品『中空知防衛軍』やな。中空知地域の住民を外敵から守るためだけに存在する行政機関「中空知防衛軍」の活躍が描かれるんやが、当時の自衛隊の対応はまさにそれ並みの手際の良さと頼もしさやったと言えるやろな。

せやけど、現実には函館空港ミグ強制着陸事件などのように直接的な脅威が起きても、自衛隊は北海道警察に妨害されて、出る幕なかったな。

自衛隊によるヒグマ以外の野生動物の駆除も

なお、現在では北海道庁と陸上自衛隊北部方面総監部がエゾシカの有害駆除に関する支援協定を締結。

道内でエゾシカ被害対策に自衛隊が活用されとるわけや。

この支援協定では自衛隊のヘリで上空からエゾシカの位置を監視、追い込みなどをして、民間のハンターと連携し、ハンターが猟銃で駆除を行うちゅう仕組みで、自衛隊は直接的に駆除しないんや。

せやけど、こちらも北海道内の話だが、新冠町の海岸では漁場を荒らすトド対策として自衛隊の協力が要請され、空自は戦闘機を出動させて上空から機関砲で射撃して駆除。

さらには、地上から陸自の対空機関砲の水平射撃、さらに海上からは海自の魚雷艇に搭載された機関銃によって駆除を行っとった過去もあるで。

自衛隊とヒグマのお話しのまとめ

北海道内における自衛隊と野生動物、とくにヒグマをめぐるお話にはこのような史実があったんや。射殺に護衛送迎…驚きやな。

なんちゅうかね。自衛隊以前に、現代は駆除にあたるハンターへの世間の風当たりが強いのもあるし、肝心の北海道の市町村役場自体がハンターを蔑ろにしてるのは不思議やな。

結果的に、砂川ハンター事件とか、奈井江町役場の舐めた態度とかが原因で、ハンターにヒグマ駆除をボイコットされとるで(笑)

北海道開拓時代の開拓民とヒグマとの闘い

おのれら、『中空知防衛軍』を100回読めや、ハゲッ!

中空地防衛軍 (少年キャプテンコミックス)

そして、おおらかな昭和の時代のように自衛隊はもう二度とヒグマを撃つことはできなくなったんや。

自衛隊員によるクマ撃ちは昭和史の中に埋もれてゆくのみ。

せやけど、見たかったなあ。「自衛隊版・クマ撃ちの女」

今後も北海道ではヒグマの事故が相次ぐやろな。砂川ハンター事件とか、奈井江町役場の舐めた態度のせいやで(笑)中国より先にヒグマに占領されるで(笑)