自衛官の結婚に制限はあるのか?
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結論から言えば、自衛官の結婚に法的な制限はありません。日本国憲法第24条により、婚姻は両性の合意のみに基づいて成立し、その自由は保障されています。つまり、自衛官であることを理由に結婚が制限されることはないのです。
外国人との結婚も自由
現在、自衛隊には結婚相手の国籍に関する制限は設けられておらず、どの国の人とでも結婚は可能です。実際、韓国人や中国人など外国籍の配偶者を持つ自衛官も存在しており、報道によれば以下のような人数が報告されています。
自衛隊の種別 | 外国籍配偶者を持つ隊員数(推計) |
---|---|
陸上自衛隊 | 約500人 |
海上自衛隊 | 約200人 |
航空自衛隊 | 約100人 |
合計 | 約800人 |
結婚にあたっての調査と手続き
他国の軍隊では、結婚に厳格な規定がある場合があります。たとえば、アメリカ軍では外国人と結婚するには上官の許可が必要で、国務省への事前届出や厳しい身辺調査も義務づけられています。
自衛隊でも結婚に際しては上司への報告義務があります。さらに、自衛官やその配偶者に対して「身上調査」が行われることもあり、特に配偶者が共産圏の国籍を持つ場合には、昇進や配置に影響が出る可能性があるとされています。
情報保全を担う部隊(情報保全隊)は、自衛官本人だけでなく、その家族についても調査対象とする場合があります。
経済的な観点からの留意点
また、自衛隊では隊員の借金(借財)も重視されています。防衛省は、借財の早期把握と指導を上司に求めており、金銭的な問題が未解決のまま結婚を進めることには慎重な姿勢を取る傾向があります。結婚式の費用などに関しても、上司の判断が影響するケースがあるようです。
実例紹介:自衛官と外国人の国際結婚
空挺団員とアメリカ人女性の結婚
CNNによる報道では、陸上自衛隊第1空挺団の男性隊員がアメリカ人女性と結婚したケースが紹介されています。報道によれば、女性は交際後に結婚へと進んだものの、自衛隊側に多くの個人情報(資産、職歴、家族情報など)を提供しなければならず、結婚の許可を得るまでに時間を要したとされています。
日本とアメリカは同盟関係にあるにもかかわらず、実際には自衛官がアメリカ人と結婚するには一定のハードルがあることがうかがえます。
海上自衛官と米海軍兵士の夫婦
一方で、女性自衛官とアメリカ兵との結婚も報告されています。海上自衛隊の三等海曹・百合子氏は、米国海軍の宗教プログラム専門家であるブランドン氏と2012年に結婚し、2児に恵まれました。2人は岩国基地で出会い、その後、横須賀海軍基地で生活を共にしています。
両者はそれぞれの国で軍務を続けながら家庭を築いており、国際結婚と軍務の両立という面で注目されました。
出典:Stars and Stripes
https://www.stripes.com/news/american-japanese-couple-juggles-marriage-with-service-to-their-respective-nations-1.479849
自衛官の結婚には法的な制約はありませんが、職務上の特性から一定の確認手続きや調査が行われる場合があります。とくに国際結婚の場合、本人や配偶者の身元調査がより慎重に行われる傾向があります。とはいえ、それらを乗り越えて結婚生活を築いているカップルも多数存在しています。