画像の引用元 【緊急通報】タクシーの〇〇を見つけたら即110番してください。【モトブログ】
街中で見かけるタクシー。その屋根には車名の入った「行灯(あんどん)」が設置されており、空車時は点灯し、賃走時は消灯しています。
タクシーは行灯をつけることが法律で定められており、一般の車はつけることができないようになっています。
ところが、もしその行灯が「赤く“点滅”」していたら、それは通常の状態ではありません。実はこれ、運転手が緊急事態に陥っているサインなのです。
タクシー業界では、防犯の一環として、強盗や暴行などに巻き込まれた際、乗務員がさりげなくSOSを発信できるよう、タクシーの行灯に点滅機能を備えています。しかし、この仕組み、あまり知られていないのが現状です。
今回は、防犯目的で設けられている「行灯の点滅」の意味と、実際に目撃した際に私たちがどう行動すべきかを、具体例とともに解説します。たった一人の通報が、命を救うかもしれません。
● 点滅する行灯=異常事態のSOS
通常、タクシーの屋根にある行灯は、営業中は点灯、乗客が乗っていないときは消灯、といった具合に動作します。ところが、まるでパトカーのサイレンのように「点滅」している場合、それは運転手が危険にさらされている可能性があるという緊急サインです。
実際、多くのタクシー車両には「防犯装置」が設けられており、運転席付近にある隠しスイッチを押すと、屋根の行灯が一定のリズムで点滅を始めます。また、同時にタクシー会社の無線室や警備会社に通報が入る仕組みも導入されています。
● 架空の事例:ある日の夕方、都内にて
ある日の夕方、都内の大通りを歩いていたAさんは、信号待ちのタクシーの行灯が点滅しているのに気づきました。中を覗くと、運転手は助手席の乗客に目を向けることなく、直視を避けるような姿勢。何かおかしいと感じたAさんは110番に通報しました。
その通報がきっかけとなり、近くのパトカーがタクシーを停車させ、調べた結果、運転手は刃物を持った乗客に脅されていたことが判明。幸いにも事件は未然に防がれました。
● どんな状況で点滅させるのか
点滅のきっかけとなるのは、以下のような状況が想定されています。
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刃物や銃のような凶器を見せられ、脅迫されている
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支払いトラブルから暴力沙汰に発展した
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明らかに精神的に不安定な乗客による危害の可能性
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女性ドライバーが痴漢行為や性的暴行の恐れを感じた場合
特に最近では女性ドライバーも増え、防犯対策の重要性が増しています。
一部の車両では、行灯の点滅だけでなく、ハザード点滅や警報音発信機能を併せ持つシステムも存在します。また、タクシー業界全体で共通の運用マニュアルがあるわけではなく、会社によって細部は異なりますが、「行灯が不自然に点滅している=非常信号」という認識は広まりつつあります。
まとめ
タクシーの行灯の点滅は、ただの光ではありません。それは「助けて」のサインです。
もしこの「点滅サイン」を見かけたら、迷わず110番してください。
「タクシーの行灯が点滅しています」と伝えるだけで、警察は緊急対応の必要性を判断します。
通報は決して過剰ではありません。何もなければそれでよし、何かあったなら人命救助に繋がります。疑わしいサインを見逃さない、社会の一員としての行動が求められます。
強盗、暴行、危険運転…タクシードライバーは日々リスクと隣り合わせに業務をこなしており、見慣れた景色の中にも、緊急事態は潜んでいます。
私たちができることは、その小さなサインに気づくことです。それが、被害の拡大を防ぎ、大切な命を守ることに繋がります。
参考文献
タクシーの行灯・提灯の役割!点滅表示の意味や地域差について徹底解説! https://p-chan.jp/taxi/column/taxi-light
タクシー・バスの非常時防犯対策