アマチュア無線が出る漫画とアニメ解説

アマチュア無線が登場する漫画作品って、実は意外とあります。

筆者の読んだ各種作品の中でも特に記憶に残っているのが、漫画作品「少年の町zf」です。

現在はアマゾンで電子書籍化されておりますが、今からもう40年前に連載された作品です。宇宙人により人間がバンパイアにされて侵略される世界、そしてそれに対抗する日本の少年たちとの戦いが主軸である一方、たった数名の子供同士(最年長は高校生)で生き抜く様を描いた冒険サバイバル漫画でもあります。

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以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。

ラストシーンで少年たちがアマチュア無線で誰か生き残りを探してCQを出し続けた結果、一人の生き残りの女性研究者が応答し・・物語のクライマックスへと向かっていくシーンが印象的です。

結局は宇宙人の親玉がラスト数ページで涙を流しながら登場し「人間の絆に感動した」という趣旨の発言をして、侵略をやめ、バンパイア化された人間たちと地球を元に戻すのですが、少年たちが唖然としたまま一言もしゃべらず、ポカーンとした表情でラストのページで丸い青い地球を大写しにしてEND。

読者のこちらも、いささか唖然。連載打ち切りだったのでは・・・!?

作中、アマチュア無線技士として活躍していたのが、村地日出男(むらじ ひでお)という少年。物語当初、自転車に無線機をつけた「チャリンコモービル」で颯爽と登場し、もう一人の仲間と「天気がよくてFB、FBですよ~」などと交信するのがイイ。交信といっても自転車同士で1メートルも離れていないのですけれど。 なかなか面白い作品でした。

ほかにアマチュア無線が登場する作品で、矢口高雄さんの「釣りバカたち」に登場する「幻の大岩魚アカブチ」という一本があります。

こちらは1970年代の作品ですが、アマチュア無線で都会と田舎の釣りキ、・・マニアが知り合って 「実はうちの地元にこういう幻の魚がいて・・」「本当ですか!?今度そちらへ釣りに行きます!」 というような、若者同士のコミニュケーションツールとして当時最先端だったアマチュア無線を描いた王道的な内容です。

東京に住むヒロインのピンちゃん(JH1WXY)は自宅の自室をシャックにして、ハム仲間のシゲちゃん、シンちゃんとともに毎晩ラグチューに興じています。そんなある日、ピンちゃんは東北の純朴青年トリプルXくん(JA8XXX)と知り合い、ラグチューを交わすうちに彼に興味がわいてきます。それにしても彼らのコールサイン…。

ついに交信相手の「トリプルXくん」の住む東北のA県(矢口高雄氏の生まれ故郷の秋田県、または青森かも)まで、シゲちゃん、シンちゃんらと共に特急で9時間かけてやってきたピンちゃん。

ピンちゃんはショルダー式のハンディ機を携行してきており、着いた駅で早速、颯爽と呼び出しを行おうとしますが「トリプルX」くんこと中村吾郎くんはすでに駅に到着していたのでした。

そして3人は「トリプルX」くんの自宅に招かれ、彼が所有する当時最新のFT-101というリグに3人は羨望のまなざしを向けます。FT-101は現代でも20世紀不朽の銘作機として伝説化されています。

この作品を今読んで当時の時代背景を伺うと、やはり若者同士のリアルタイム・コミニュケーション・ツールとしてのアマチュア無線は絶大なる力を持っていたんだなと思います。インターネットなんかなくても、都会と地方のリアルタイムな情報の格差などは微々たるものだったのかもしれません。とくにテレビやラジオの電波に載せられないような話題、それに都市伝説の類もこうやって瞬時に広がって行ったんでしょうか。

「幻の大岩魚アカブチ」本編には、アマチュア無線の目的と概要解説、多様なQ符号、カード交換の習わしなど、詳しく解説されていることから、矢口高雄氏もしくはアシスタントさん方にハムがいたのでしょう。

『平成版釣りキチ三平』では、魚紳さんがパソコンとネットで魚を調べあげ、三平くんも携帯電話(魚紳さんのではあるが)で通話するなど、文明の利器にどっぷりはまっていましたが、矢口高雄氏にはアマチュア無線と防災のマンガなんてのも描いて頂ければ…。氏といえば、日本海中部地震を描いたドキュメンタリー的漫画『激濤(げきとう) Magnitude7.7』が知られています。

ただ、矢口氏は7年前に東日本大震災による津波被害の作品化を考えていたものの、体調を崩していて果たせなかったとのことです。

上に挙げた『少年の町zf』や本作『釣りバカたち』はAmazonの『キンドル・アンリミテッド』に入会すれば、月額980円で読み放題で無料で読むことができます。

Amazon Kindle Unlimitedに入会すると、ライセンスフリー無線完全ガイド Vol.2 三才ムック vol.962のキンドル版など三才ムックが出版している多くのアマチュア無線関連書籍をはじめとして、キンドル本として販売されている本(小説、コミック、雑誌、写真集など)のうち、100万冊の電子書籍がでどれも無料で読み放題です。Kindle本体がなくても、Kindleの電子書籍はパソコン(ブラウザやアプリ)やスマートフォン(アプリ)で読むことができます。この機会にぜひ入会しませんか。

筆者も同氏の作品は本作『釣りバカたち』のほか、『釣りキチ三平』、『ふるさと』、『蛍雪時代』、『9で割れ!』などを読んでいますが、同氏の漫画でアマチュア無線が出てきたのはこの作品ぐらいでしょうか。

この当時、漫画家にもアマチュア無線が流行しており、コミック版 最新ハム問題集 (CQ comics)でおなじみの、すがやみつる氏などは漫画の制作中も無線をやっていたそうで、両手が作画作業で塞がってしまうときは足元にマイクのフットスイッチを設置し、足でスイッチを踏んでQSOしていたと、以前ご自身のブログで言及されていました。

さて、まだ続きます。お次は手塚治虫氏の名作、ブラックジャックのなかの一本。日本と外国の少年ハムがアマチュア無線のDXで知り合う、その名も「ハローCQ」という一編です。ラグチューから友好を深めた二人は、ある日アイボールをすることになったのですが・・・・。

このお話は、2005年のテレビアニメ版の際にも題材に使われていたそうで、アマチュア無線はさすがに今の時代にそぐわないため(だって、BJ先生がパソコンを得意げに操作するくらいですから!)、インターネットのチャットに置き換えられたそうです。

チャットで「CQ」とやるシーンがあるそうですが、ただそれはいくらなんでも・・・と思いました。

漫画作品の最後は「メインチャンネルで待ってて」という少女漫画。恋愛ものです。

アマチュア無線の出るアニメ作品

一方、アマチュア無線が出るアニメはどうでしょう。

アメリカのテレビアニメですが、ザ・シンプソンズという有名な作品にてアマチュア無線が登場しています。原子力発電所に検査官として勤務する主人公のホーマーがライセンスを持っているようです。

そして、日本のアニメでおそらくもっともアマチュア無線を詳しく描いた作品は意外ですが「ちびまる子ちゃん」でしょう。

同作の1997年に放映されたseason2の133話にその名もずばり「まる子、アマチュア無線にあこがれる」という回があります。かなり詳しく突っ込んだ内容になっています。

筆者はAmazonプライムに入会しており、付加サービスとして動画見放題が使え、ちびまる子ちゃんの本エピソードを無料で視聴できましたので、お話を少しだけご紹介します。

クラスの秀才、長山君がアマチュア無線の免許を取得したことに興味を持ったまる子たちが、長山君の家でアマチュア無線の運用を実際に見せてもらうという内容です。

「養成講習会でも免許が取れるよ」との長山君のアドバイスで、まる子たちもいったんはハムの道を目指そうとするものの、長山君に見せられた講習会のテキストの難しさ(そもそも学校で習っていない漢字があった)に断念し、顔面蒼白で帰路に着く・・というラストですが、”偶然”通りかかった野口さんも実はアマチュア無線の免許を取得しており、長山君の交信をワッチしていた・・というオチが面白かったです。

そもそも、原作者のさくらももこさん(JI2EIT )が従事者免許所持者だそうです。つまり、現実のちびまる子ちゃんはアマチュア無線家なんですね。『(現実の)ちびまる子ちゃんはアマチュア無線の資格を持っている』って言葉にすると、言葉の破壊力がすごいですよね・・・。タモリさん(JA6CSH)がへーを連打しそう。電鍵でな。

『ちびまるこちゃん』原作者のさくらももこさん逝去

平成30年8月15日、ちびまるこちゃんの原作者であるさくらももこさんがお亡くなりになられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

お買い物でもさまざまな特典を受けられ、人気映画や最新作や昭和のアニメも見放題のAmazonプライムは絶対に入会することをお勧めいたします。

ほかにもテレビアニメでは、City Hunter3の11話で悪役がアマチュア無線の430で悪巧みの連絡をして悪用していました。こちらは定額制動画サイトのfuluで視聴が可能です。

そして東日本大震災が起因の福島第一原発事故を仄めかしていた問題のアニメがこれ。

1985年に放映された科学教養テレビアニメ「ミームいろいろ夢の旅」は、忌まわしい福島県の福島第一原子力発電所の構造と原発事故の恐ろしさを作中で詳細に紹介したことで近年ネットで『恐ろしい予言アニメ』として話題になった作品ですが、このアニメの第二シーズンのメインヒロイン、薬師寺ひろ子という少女、さらに博士という少年がアマチュア無線の免許を取得しています。

なぜこんな素晴らしいアニメがDVDにならないかは大人の事情なのでしょう。なおスポンサーは東京電力ではなく、電電公社でした。

さらに、近年のアニメ映画では「崖の上のポニョ」でアマチュア無線が登場。主人公・宗助とその保護者、リサが内航船の船長のパパへ、8メーターバンド(50MHz)で呼びかけるシーンがありますが、リサによるアンテナ設置と交信の描写がリアルです。ハム(Ham)といえば、おなじみ”アマチュア無線家”のことですが、「崖の上のポニョ」では、お肉の「ハム」と無線家の「ハム」をコラボさせた高度なギャグが話題になりましたよね。

リサ役の山口智子といえば、アニメではありませんが「もう一人のリサ」のお話を一つ。

アマチュア無線の登場する映画「七人のおたく」

どうせなのでアマチュア無線や受信趣味が描かれた興味深い日本映画もご紹介したいと思います。ネタバレ注意です。

宮崎アニメ「崖の上のポニョ」にて、宗助の母親・リサの声を演じる山口智子ですが、彼女はポニョ公開の16年前にも同じ「りさ」の名前でアマチュア無線と密接なかかわりのある実写映画「七人のおたく」に出演しています。

「七人のおたく」はサバゲーおたくで警備会社勤務の主人公・星(演・ナンチャン)にコミケでスカウトされたカンフーオタクの近藤(演・ウッチャン)をはじめ、マックを愛するIT会社の社長でりさ(ふつう)の恋人である江口洋介、アイドルオタクの武田真治、そして無線オタクの女子中学生・浅野麻衣子ら、それぞれの分野のオタク(スペシャリスト)たち、さらには”敵”でありながらも正義の心を忘れない特撮ガガガ(!?)な丹波(たんば)さんなど、いずれ劣らぬ濃いキャラたちが所狭しと暴れまわるコメディ・アクション映画です。

常に迷彩服の男、星は実直そうな人間ですが、ミリタリーオタクという、どちらかというと世間から嫌悪されそうな趣味のため、同好の士以外は友達がいません。

密漁で財を成した静岡某島の網元・高松は不良漁師集団のボス。彼らは漁師でありながら他の漁場を荒らしまわる密漁団です。どうやら島に警察機能は働いておらず、海上保安庁がかろうじて島の周辺で密漁船取締りのパトロールを行っていますが、密漁集団のしっぽをなかなかつかむことはできません(無能すぎなのか、タブーなのか・・)。そんな高松は外国人女性のティナとの間に子・喜一をもうけますが、ティナは高松のDVに嫌気が差し、島を脱出し、東京のアパートで静かに暮らしていました。しかし、それも束の間。ある日、乗り込んできた高松にティナは喜一を奪い去られます。

『俺ぐらいになるとただのサバイバルゲームでは満足できないんだ』

たまたまティナと同じアパートに住んでいた星はどちらかと言うと義侠心ではなく、自身の満足感のために子供を奪還すべく、多方面の分野に精通したそれぞれのオタク系男女たちをスカウト。それぞれのオタク的知識と技術を以って”任務”を達成すべく、静岡の旅館に集結し、星の作戦が開始されます。

当サイト的には非オタの山口智子よりも、「無線傍受おたく」の女子中学生・水上令子(演・浅野麻衣子)を詳しく紹介すべきなので、まずは令子から。

水上令子は都内の学校に通う女子中学生ですが、男の子や流行には興味がないようで、昼休みは学校の屋上で同級生がダンスなどに興じる中、一人静かにアマチュア無線機とイヤホンで今日も街のあちこちから聞こえてくる様々な電波を傍受しつつ、テレホンカードを削ってスルーカードを作っています。彼女の興味の対象は消防無線やコードレスホンなどまで幅広いようです。そんな電波の合間に、彼女は奇怪な微弱電波をキャッチします。

『渋谷区松涛3の2の5・・・渋谷区松涛3の2の5・・・』

ただ住所を読み上げる男の不気味な声と時報だけが繰り返されます。発信源を探査するため、ポシェットにハンディ機を入れ、放課後一人で当該の住所を尋ねた制服姿の少女が見たものは、草木に覆われ、朽ちた洋館のような廃墟でした。

『キミが欲しい』

恐る恐る、ほの暗い建物内に足を踏み入れ階段を上る令子。すると突然、迷彩服で覆面の男・星(南原清隆)が通路の奥から飛び出してきます。悲鳴を上げて逃げる令子ですが、星に微弱電波のキャッチ能力を褒められ、戸惑いながらも悪くない気分です。しかし『キミ(の能力)が欲しい』という星の言葉を額面どおりに受け取った令子は今度こそ、自分の肉体が弄ばれるかもしれないと覚悟を決めますが、むしろ星のほうが純情でした。『ち、違うっ!そういう意味じゃない・・・』。なりゆきで、令子は星のスカウトを受け入れ、メンバーとなります。

りさ『(消防無線なんか聞いて)楽しい?』令子『とても』

一方、山口智子の役回りはPCオタクの彼氏役・江口洋介にバカンス気分でついてきた同じ会社のOLのりさですが、彼女自身はオタクとは正反対の、旅行好きなOLでディスコが似合いそうな快活な女性です。公式設定で、りさは「レジャーおたく」とされているのですが、映画の広告でのテロップでは「ふつう」になっています。確かに、このメンバーの中では彼女は至ってノーマルで、唯一の常識人かもしれません。

そんなおたくの彼らは前進基地である静岡のある旅館にて作戦決行前の束の間の休息時間を取るのですが、当然それぞれの趣味に没頭しています。格闘技オタクの近藤は肉体鍛錬に汗を流し、令子は一人、テーブルに向かい、分厚い周波数帳を開き、メモを取りながら静岡県内のアクションバンド事情をハンディ型アマチュア無線機の広帯域受信機能で傍受、検証しています。

※この映画に協力したのはラジオライフではなく、ライバル誌のアクションバンド電波のようで、スタッフロールにクレジットが入っていました。

令子の無線機は浜松市消防局の消防無線を傍受しています。救急隊が搬送する患者の容態が刻々と通話コードで浜松市消防局へと伝えられ、緊迫した状況を伺わせます。

りさは救急浜松の無線通話コード『944』の数字の意味を令子に尋ねると、令子はノートに「倒れた人」と「天使の輪っか」を描き、りさは唖然とします。りさは呆れつつ、令子に「たのしい・・・・・・?」と尋ねると、無線オタク少女・令子は明るい声で「とても」と答えるシーンには筆者も何だか気恥ずかしくなります。

『まったく・・・ローカルは宝箱だ』

隣の部屋ではアイドルオタク青年・国城役の武田真治が静岡ローカルのTVCMに推しのアイドルグループが出ていることを見逃さず、間髪を入れずにビデオ録画しつつ、アイドルもの同人誌の編集作業に没頭しています。『まさかCoCoが静岡でコンビニ、パブってるとは思わなかったな・・おっまだ瀬能あづさがいるもんな。まったく・・・ローカルは宝箱だ』

もう完全に趣味に人生を捧げるADHD青年・国城を演じる武田真治の怪演は鳥肌が立つほど見事です。彼が最もステレオタイプ的なおたくを表現していたかもしれません。

りさは国城にドルオタ同人誌を980円で売りつけられた挙句、星のエアガンの射撃練習に巻き込まれ、目の前をBB弾がかすめます。りさはもうウンザリとした顔で「私だけはオタクじゃない。この場で私だけが普通!」と言いたげな様子。恋人である田川(江口洋介)に早く帰ろうと縋るも、田川もまたレッキとしたパソコンオタク。IT会社社長の肩書きは伊達じゃありません。星から与えられた『PCによる偽造音源製作』のミッションを嬉々としてこなしています。

『これは・・・誘拐なのか?』『誘拐じゃない!』

深夜。作戦はついに決行され、斥候の令子がアマチュア無線のハンディ機で旅館の星に状況報告。しかし、消防無線の通話コード(暗号)を使ったり、そもそも目的外通信のため、かなりグレーな運用です。ところで、令子はともかく、星は従事者免許を持っているのだろうか!?

令子の報告で星らは敵である密漁団のボス・高松の邸宅へ進撃します。星はエアガンで電灯を撃ち抜き、近藤が門戸を蹴破り突入します(門戸を破らなくても入れた)。

星は目的である幼児・喜一を”奪還”し、他のメンバーと共に漁港へ向かいますが、これは誘拐なのか・・と、パソコンオタクの田川は不安になり、星に真意を問います。

失意の撤収

しかし、高松や手下ら不良漁師らの追っ手が迫ります。密漁団に漁港へ追い詰められ、幼児を奪い返され、アジトに連行されそうになりますが、りさはとっさに機転をきかせ、星からエアガンを奪い、海上保安庁の巡視艇にBB弾を連射して海保を介入させ、からくも窮地から脱出します。しかし、その直後、国城の車の中でメンバーが安堵しつつ作戦の継続可否を話し合ってるのも束の間、再び漁師らから今度は本気の襲撃を受けます。角材で国城のクルマを襲撃しようとする漁師の一人は運転席に飾られたアイドルのフィギアを見つけると、なぜか戸惑い、襲撃せず、結果、国城はクルマを急発進させて逃れることに成功。しかし、メンバーは戦意喪失。作戦継続が不可能になり、東京へいったんは撤収します。

しかし、星と近藤のみは感傷に浸りながらも反撃、奪還の機会をうかがうため、現地に残ります。

一度は散ったおたくたちですが、実生活でもトラブルが続きます。田川は利益より趣味を優先する自身のワンマン的な商品開発の姿勢から会社の経営難を社員に指摘され、ドルオタの国城は同人仲間に全国183人の読者の定期購読料を持ち逃げされ、高橋由美子の写真集ロケにネパールまで追っかけるために使い込まれ回収不能となり、次号の同人誌が出せなくなっています。

『あいつは肝心なときにびびる。・・負けボシ』

一方、令子はサバゲーフィールドを訪ね、星のサバゲー仲間兼上司からパワーアップしたスタンガンを貸してくれるように頼むなど、星のために奔走。そこで令子は星が仲間から『あいつは肝心なときにびびる。あいつがチームに入ると必ず負けるんだ。だからアイツ、いつも一人チームでさ・・負けボシ』と愚痴を聞かされます。サバゲの衣装や考証協力はホビージャパンのアームズマガジンが担当していますが、たぶんこのゲーマーの皆さんは編集部員かな。無関係の親子がフィールドを通り過ぎてるのにゲームを中断しなかったり、ゴーグルしてない令子をゲーム中に入場させたり、そこはそもそも専用のフィールドなのか?という疑問もあります。まあ、この時代のサバゲーのマナーってあってなかった時代ですからね。

不良漁師集団でただ一人の正義漢・丹波さん『ジオラマは・・愛だ。作るぞ・・きっちり!』

星と近藤は反撃の機会を得るべく、再び島へとバナナボートでネイビーシールのように隠密上陸します。山中の廃屋を発見した二人はそこをサバイバル生活の拠点として篭りつつ、星は夜間にナイトスコープで敵情視察を行いますが、番屋で魚を焼いていたところをある男に発見されてしまいます。『こんなところじゃ、すぐ見つかるぞ』番屋に入ってきた男に星と近藤は身構えます。しかし、男の顔を見た星と近藤は驚きます。『丹波さん・・!?あのホビージャパンのジオラマの・・』と星。近藤も『フィギアの神様だ・・コミケで買いました。ウルトラマン、ゴレンジャー・・』と、男を知っていたのです。丹波達夫。彼は島の漁師で、高松の手下ですが、実は今でこそ妻子ある身の彼も5年前まで元おたく。フィギアおたくで伝説の原型師です。僻地の30男が嫁を獲得するべく、オタク趣味を封印していたのです。先日の漁港での襲撃で国城の車に飾られたフィギアに目を奪われ、襲えなかった漁師は実は彼。しかもそのフィギアの原型製作者が丹波だったのです。この番屋は丹波の隠れ作業小屋。隠し棚には無数のフィギアが飾られています。丹波は二人の作戦を支援するため、ジオラマによって島の全景を作成。3人は明け方までジオラマつくりに没頭します。丹波は(丹波達夫として)自分のできる協力はここまでだと言い、高松は予想以上に強敵だと二人に言い残し、去ります。

『第二次作戦開始だー!』

星と近藤はついに撤退を決め、浜津駅にて東京行きの電車を待っていました。しかし、彼らの想いとは裏腹に、散っていたオタクたちはそれぞれの理由から静岡に戻ってきました。オタクではないため戦力外だったりさも、星が行おうとしている”人道的救出ミッション”に賛同し、彼らを手伝います。

しかし、令子が戻ってきた理由はいまいち不明です。スタンガンを借りれなかった令子は自分が自作するからと、星に再参加を懇願します。星も『おまえ・・なんで・・!?』と不思議がります。ここは視聴者が妄想をしましょう。どうも令子のほうは星にまんざらでもない様子です。『キミが欲しい』が効いたんでしょうかねえ・・。星当人は当初からりさにぞっこんで、”女としての令子”は眼中にありません。彼は令子をあくまでも作戦のためのメンバーだと思っています。

この、令子と星の微妙な関係の描き方は上手いなあと思います。無線傍受おたくとミリタリーおたくってやっぱり波長が合うんでしょうかねえ。

そんなこんなで第二次作戦開始です。美貌を活かして敵にハニートラップを仕掛けるため、高松らのたまり場であるスナックに化粧をして向かう令子。しかし、彼女には役不足でした。女性的魅力が少ないためか、ハニトラに失敗。代わりにりさが登場し、歌と踊りで高松を魅了します。令子はりさに魅力で負けた嫉妬からハイヒールを軽トラのフロントガラスに無言で投げつけて割る演出が笑えます。

おっと、アマチュア無線の出番は後半でも。ただし、この無線機の使い方もかなりグレーです。令子は用意しておいた遠隔操作式発煙筒をハンディ無線機からの電波送信によって作動させます。

こうして、星は満足感達成のため、近藤は本当の正義のために、田川は自身が開発したシミュレーションソフトの実証実験のため、国城は同人誌を刷るお金のため、令子は星のため(!?)、仮面男ダン(丹波)は・・なんだろう、日ごろの高松への不満かな。とにかく、喜一奪還のため奮闘し、第二次作戦を開始します。あとは本編をご覧になってください。

総評

日本では珍しい最後にほろりとさせるバランスの取れたアクションコメディの金字塔です。

ともかく16年後、りさ(山口智子)は息子の宗助の前でアマチュア無線機(しかもHF機)を華麗に扱う立派なオタクになるとは彼女自身も思わなかったでしょうね。

なお、無線はとくに関係ありませんが、山口智子は1993年に日本テレビ開局40年記念作品のアニメ映画でも声優で出演しています。

役どころは地球上で最も過激なDirectAction系環境保護団体として知られるグリーン○ースのメンバーで、フランス海軍特殊部隊に狙われた日本人親子の命と恐竜の生き残りを守るため、FA-MAS小銃片手に戦うという、とても凛々しい日系人女性・キャシー野崎の役でした。子を守る強い女ばっか。

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