画像の出典 ドーナツショップにダイナミック入店をした警官
映画を見ていると、アメリカの警官がいつも制服姿でドーナツを食べている――そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
さらに、「アメリカでは警官がドーナツ店に行くと、ドーナツが無料でもらえる」という話もよく耳にします。これは本当なのでしょうか?
実は、「ダンキンドーナツ(Dunkin’ Donuts)」に限って言えば、かつて警官へのドーナツの無料提供や割引を行っていたのは事実です。
一部の店舗では、制服を着たパトロール中の警察官がパトカーで来店した場合に限り、ドーナツを無料で提供するサービスが実際に行われていたそうです。
ただし、日本の「ミスタードーナツ」(ダスキン運営)では、そうしたサービスは実施されていません。
警察官が常にドーナツを食べているという噂を知っていますか。でもピザも好きです。でもそれ以上に、警官は市民との出会いが好きです。
出典 http://www.freeportnewsnetwork.com/cities/and-all-this-time-we-thought-police-only-liked-donuts/
なぜアメリカの警官といえば「ドーナツ」なのか――それには理由があります。
アメリカでは、24時間営業している軽食店の多くがドーナツ店です。これは日本における牛丼チェーンのような存在かもしれません。
そして、日本でも同様ですが、24時間営業の店舗にとって一番の悩みは深夜の強盗です。
そのため、制服姿の警官たちが立ち寄ってくれる“溜まり場”になれば、防犯効果も期待できます。
強盗にとっても、警官が集まる店には近づきにくいですよね。実際、それこそが「ダンキンドーナツ」が狙った戦略だといわれています。
以下は余談です。
映画『ロボコップ2』では、まさにそのシチュエーションをユーモラスに描いています。深夜営業中のドーナツ店で、市警の警官10人以上がドーナツとコーヒーを楽しんでいると、突然、強盗が押し入ります。
「みんな動くな、金を出せ!」と店主に銃を突き付けた瞬間――パトカーを裏に停め、店内奥でくつろいでいた警官たちが一斉に立ち上がり、レーザーサイト付きのグロック17を強盗に向けてホールドアップ。女性警官ルイスだけが、我関せずと新聞を読んでいる姿も笑いを誘います。店主はドーナツを頬張りながら「ヘマをやった感想は?」と、余裕の表情で強盗に一言。
もちろん、アメリカの警察にも利益供与を防ぐための内部規定は存在します。しかし、「警官が店で飲食している」ことにクレームをつけるような市民は、アメリカではそう多くないのかもしれません。
どこかの島国のように、制服公務員を過剰に神格化したり、村社会的な空気でモノを言いにくくする国民性とは、少し違うようです。