マグネット基台はなかなか使い勝手は良いのですが、簡単に取り外せるうえに目立つためか、制服からの声掛け率は異様に高くなります。
ハッチバックに基台で取り付けるタイプに比べ、マグネットは簡単に付けはずしできるのを理由に彼らは「無免許の不法局がよくやる秘匿手法」とでも考えているのかは定かではありませんが、パトカーと出会いがしらに目が合うと追いかけてきて、出会って10秒で免許拝見となるでしょう。
アマチュア無線のアンテナを車内に付けたらどうなる?
アマチュア無線技士の国家試験に合格し、局免も取得し、国から正当に許可を得て、電波利用料だって払ってるのに制服からの声かけは嫌ですよね。では、アンテナを車外に露出させなければよいのでは?と考えたことはありませんか?そこで「車内アンテナ」の出番です。
一般論で言うと、車という鉄の箱の中にアンテナを入れるわけですから、電波が飛ばなかったり、反射波で無線機にダメージを与える問題など、さまざまな弊害があります。しかし、まったく飛ばなかったり受信できないかといえば、そんなことはありません。
実際、アマチュア無線用の車内アンテナは20年以上前にダイヤモンドから販売されていますし、現在も別のメーカーから出ています。ただ、さすがに車内アンテナで20W送信なんて、頭がフットーしそうで怖い気がします。
ただし、一般的に車内アンテナは通常の車外に設置するモービルホイップに比べると受信感度はやはりガクンと落ちますから、受信に命をかけている拗れた人は、やはりルーフに垂直にモビホを立てたほうが良いでしょう。
それでも、アンテナを立ててるのが他人に見つかると命の危険性があるというマジヤバイ人は一度試してみてください。洗車も雨も盗難の心配も、ラブホテルの入り口も、制服も、何も気にしなくて良いのです。エレメントが長いので車種とリアガラスの貼り付け位置によっては目立ちますが、変態マニアでもない限り、誰もアンテナとは思わないでしょう。
総合通信局も車内アンテナ!?
ちょっと驚いたのですが、以前、総務省総合通信局の不法無線局探査車(DURAS-M)もフロントの車外アンテナとは別に、ホイップアンテナを車内に”秘匿”装備していました。
https://www.hamlife.jp/2016/06/01/kanto-soutsu-deuras-m/
上記記事によれば、後部座席の搭載機器に金属ブラケットの基台を介して”150MHz帯らしきホイップアンテナ”が設置されています。なお、フロントのアンテナ自体もフェンダーポールを模しており、”偽装されたアンテナ”に見えます。そこまでして、アンテナを隠したかった総合通信局の不法無線局探査車。その名の通りの任務を担うわけですから、できるかぎり、秘匿したい思惑があったことは想像に難くありません。
なお現在、中国総合通信局で配備されているアルファードでは車外に広帯域受信対応のダイヤモンド『NR950M』を装着しています。これ、受信性能は半額のNR-770Rとあんまり変わらなかったんだよなあ・・。
https://twitter.com/JO4NAO/status/1688332321664139264
ちなみに、その総通自身はトラックなどの営業車による不法無線局の手法として『荷台をアンテナにする』という”取り締まり逃れ”の摘発例を紹介しています。これは、トラックの荷台のパネル部分を空中線整合器を使ってアンテナのエレメントの役目にしてしまうというもので、違法CB無線の使用者が使う手法だそうです。
したがって、総通や制服にしてみれば、”アンテナを隠す”行為はすこぶる心証が悪いでしょう。はい。
というわけで、「車にアンテナを付けるのを隠したいなら云々(誰?)」などという辛辣な意見も一部であるようですが、筆者個人の考えは正当な免許所持者であれば、秘匿して楽しむのも技術的研究です。
ただ、研究には代償がつきものとは言え、皆様も車内アンテナで無線を運用する場合は無線機や人間の脳みそへのダメージなどを考慮しながら研究されてください。