著名な警察マニアによる衝撃的な事件
深夜、青の交差点を走っていたタクシーが、赤信号を無視した車両とガッチャマン。激しい衝突音が。
乗用車側のルーフには赤色灯。まさかの覆面パトカーとの事故!?
ところが、それは“偽覆面”だった‥‥!
緊急車両を装った“偽の覆面パトカー”による危険運転という極めて悪質な事件です。
一般的に、公道上で「モドキ乗り」として許される範囲の行為といえば、無線用アンテナの装着や‥‥
神社ステッカーの貼付、屋根ピンの取り付け、さらには同じ趣味を持つ仲間とお揃いの釣りベストを着用し、警察車両と同じ最廉価グレードの車両を用いて、安全運転をしながらアマチュア無線やデジ簡を楽しむ程度のもの。
しかし、一部のマニアはそれだけでは満足できず、警察活動への執着が高じて、ついには一線を越えてしまうこともあるようです。
なんと、今回の犯人二人組のうち、一人はフォロワー数6,000人を超える警察マニア界隈のインフルエンサー(!?)でした。
そんな存在が、まさか禁断の行為に手を染め、承認欲求に駆られて“闇堕ち”するとは――。
そのような驚きの声も聞こえてきそうです。
今回のマニア二人が犯した悪質極まる危険な違法行為とは。
見ていきましょう。
Contents
事件の概要…福岡市の天神地区、渡辺通四丁目交差点に赤信号で突っ込み地獄になった
事件が発生したのは、2024年2月17日。発端は福岡県福岡市の天神地区、渡辺通四丁目交差点において起きた、ある重大な交通事故でした。
報道によると、「緊急車両を装った車両」が赤信号を無視して交差点に進入し、タクシーと衝突。これにより、タクシーの運転手や乗客らが負傷。
この事故を受け、警察は事故を起こした原因となった「緊急車両を装った車両」の運転手および同乗者に対し、過失運転よりも重い「危険運転致傷」の疑いで捜査を進め、2024年5月8日、容疑が固まったとして逮捕。
捜査が進む中で、彼らがどのような動機でこのような危険な行為に及んだのか、また背景にはどのような事情があったのか、さらなる詳細が明らかになりました。

画像の出典 九州朝日放送
今回の事件で使用された「偽の覆面パトカー」を走らせて事故起こし、逮捕された2人の会社員は、共に警察関連グッズの収集を趣味としており、その共通の関心を通じて知り合った、いわゆる「警察マニア」でした。

”警察グッズ収集の会社の社員”ではなく”警察グッズ収集の会社員”でした。画像の出典 西日本新聞
事件当日の状況
事故が発生した当時、長崎市在住の会社員が所有するセダン型乗用車のルーフには、着脱式の赤色灯が設置されていました(いわゆる“赤上げ”)。
さらに、彼らはサイレンを鳴らしながら走行し、赤信号の交差点に差し掛かると、助手席に乗っていた北九州市八幡区在住の会社員男性が「交差点に進入します!」とマイクでアナウンスを行ったと報じられています。

正しくは「警察おたく」です!彼ら警察マニアは、過去に10回くらいやったそう。画像の出典 西日本新聞
当該の車両を運転していたのは長崎市の24歳の会社員男性。

長崎ナンバーのモドキを福岡県内で偽緊急走行(ニセキン)させたのは長崎市の会社員。そして赤色灯取り付けのうえで「交差点進入します」というマイクパフォーマンスを行なったのは北九州市八幡区に住む助手席の有名警察追っかけ。画像の出典 FBSニュース
長崎市の会社員の所有するセダン型乗用車のルーフに着脱式赤色灯を載せ(いわゆる”赤上げ”)、サイレンまで吹鳴。

パトカーの緊急走行にはマイクを使った注意喚起が行われるが、彼らの偽覆面もまた同じ仕草を。画像の出典 FBSニュース
しかし、赤信号を突破しようとしたものの、青信号で通行していたタクシーと衝突。運転手と乗客計4名が負傷する事故となりました。
この状況から、無法者による不適切な行為の末に発生した避けがたい迷惑な事故だったことがわかります。
事故直前まで新型プリウスのタクシー車内では乗客と運転手が楽しく会話していたものが、彼ら2容疑者の行為により暗転。
なぜか、キャンピングカーの横風横転動画で仲良く車内で吹っ飛ぶ微笑みデブとメガネを思い出しました。
逮捕と報道の反応
この悪質な行為により、“偽覆面パトカー”の男2人は自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の容疑で御用。
報道では「過失運転よりも重い危険運転致傷」という点が特に強調されており、ふっけいくんからの指示があったのではないかとも推測されています。
また、捜査関係者によると、2人は今回の事故以前から同様の「危険なパトカーごっこ」を繰り返していた疑いがあるとのこと。
“モドキ愛好家”は、法の範囲内で雰囲気を楽しむ者が圧倒的ですが、一線を越えてしまえば重大な犯罪へと発展することを示す事件となりました。
「車内には回転赤色灯はもちろん、センターコンソール付近には本物のパトカー同様、ハンドマイクやサイレンのスイッチ、スピーカーの音量を調整できる機器まで取り付けられていた。被害者にケガをさせたことから過失運転ではなく、危険運転致傷となった。2人はこれまで同様の危険なパトカーごっこを繰り返していたというから、悪質です」(捜査事情通)
日刊ゲンダイのオハコである“捜査事情通”によると「二人はこれまでも同様の危険なパトカーごっこを繰り返していた」とのこと。
事故から1日後、タクシーのドライブレコーダー映像が公開
事故の翌日、タクシー側のドライブレコーダー映像が報道で公開されました。
その映像によると、衝突する直前、助手席に乗っていた男が窓から手を伸ばし、今まさにルーフ上へ赤色灯を載せようとしている様子が確認できます。

くおおっぶつかる!ここでマイクパフォーマンスがド派手に!引用元 https://www.youtube.com/watch?v=t4FWPv-bInc
つまり、交差点への赤信号進入時にはまだ赤色灯が完全に設置されておらず、直前になって慌てて装着しようとしていた可能性も。
さらに、男の運転する車はサイレンを吹鳴させ、助手席の男が拡声器で「緊急車両、交差点に進入します!」と叫んでいる声も動画から伺えます。
「パトカーですかぁ!?」——ヘルプネットの自動通報が捉えた驚きの瞬間
事故の直後、タクシーに搭載されていた衝撃感知型の自動通報システム「ヘルプネット」が、すぐさま作動。
オペレーターの女性が「相手は乗用車ですか?」と確認すると、タクシーの運転手は「パトカーだと思います」と返答。
この言葉を聞いた女性オペレーターの驚きは隠せず、「パトカーですかぁ!?」と、ひきつった声で問い返しています。
その時点で、誰もがその「パトカー」を本物だと思っていたのです。事故の衝撃と共に、真相が明らかになります。
納車されたばかりの新車タクシー、修理費200万円超で買い替えへ
被害に遭ったタクシーは納車されたばかりの新車のプリウスで、修理費は200万円以上に及ぶと試算されています。
そのため、修理ではなく買い替えが必要となる見込みです。
マッコイ爺さんの「シン・・・買い換えたほうが早いよ・・」ですね。
タクシーの運転手は「車がないと仕事にならない」と嘆いており、事故の影響で首どころか体全体が痛そう。強い衝撃を受けたことは想像に難くありません。
吹っ飛ばされちゃってますからな〜。
運転手ら車内篭城→周囲の人『お前ら警察官の前に人としてどうかしてるやろ!』とは?
なんと、この偽覆面を運転していた男と助手席の男のコンビ、事故直後、そのまま自分の車に籠城。
事故に気づいた周囲の人々がタクシー側の乗員の救助などを行なっている際も自分の偽覆面から5分ほど降りてこなかったようです。
普通なら事故直後に車を降り、相手方の運転手に、何か話しかけたりするはず。もっとも、偽物なので降りられるわけがありません。
周囲の人々はタクシーの乗員を救助しながらも、車内の二人を不審そうに見つめていたと思われます。

「警察官のコスプレも・・」って・・・。画像の出典『Mrサンデー』
その態度に呆れたギャラリーも激怒。このモドキに乗っていた男二人を誰もが純粋に本物の警察官だと思っていたシュールな状況…。
「おいおい、警察やったらちゃんとせえや!」
「人助けもできんのか!?」
「警察官のくせに、助けもせんと何ばしょうとや?」
などと呆れた声が飛び交ったであろう事故現場。
偽覆面を見て、本物の覆面パトカーだと純粋に思い込んでいた、事情を知らない通行人たちは、彼らを「警察官」だと信じ、「警察官が事故現場で何もしないこと」に怒りを募らせ、困惑と苛立ちが混じった視線をカムリに向ける中、ついに鋭い叫び声が夜の天神にドシーン!と響きます。
「お前ら警察官の前に、人としてどうかしてるやろ!!」
シュールすぎます。偽物です。
報道によれば、駆けつけた“本物の警察官”に「あの人たちは警察の人ですか?」と確認したタクシーの運転手さん。
ところが“本物”は一言。
「違いますね。警察のまねをしている一般人です」
タクシーの運転手さんは絶句したそうです。
「警察に興味があって職質を追いかけていた人物」とは?SNSでの承認欲求の様子は?
逮捕された人物について報道では「警察に強い興味を持ち、職務質問の様子を追いかけていた」とされています。
その正体は?
X(旧Twitter)を確認すると、助手席に乗っていた男と同じ氏名を自ら開示しているアカウントが存在。
その人物は、偶然にも福岡エリアで積極的に警察や緊急車両の取材活動を行っていた様子。
きゅいまるの本名は
仰木 康汰 オオギ コウタ (*’ー’*)
そう。きゅいまる要素なんてない。
— きゅいまる (@kyuimaru) November 25, 2015
事故後のマニア活動・・事件後のSNSの動きと“偶然”の一致
事件が発生したのは2月17日。そして2人が逮捕されたのは5月8日。
興味深いことに、同姓同名を名乗るXアカウントは5月7日を最後に更新が途絶えています。
しかし、それまでは普段通りの投稿が続いていた模様。
コンビニで寝てたら急にLEDカムリが緊走してきてカメラワークめちゃくちゃよ。
機捜か特遊かしらんけどやっぱ白カムかっこいいな。
無意味なモザイクだけど許してね! pic.twitter.com/NDCRHFcuH9
— きゅいまる (@kyuimaru) April 21, 2024
出向後すぐに市内ラーメン店へ
京都府警 機動捜査隊
"京都機捜9"端末は走行中もバンダナで隠しています。
警察とは思えないほど運転がヘタクソだと思えば、早速新車にキズが😭
食事休憩の後は分駐へ休憩に。 pic.twitter.com/hzXjVV9uNs
— きゅいまる (@kyuimaru) April 29, 2024
さらに、彼らが憧れていたであろうカムリ捜査覆面の緊急走行についても言及していたことが確認されています。
なお、長崎市在住の会社員に該当するアカウントは特定されていません。
警察マニアによる事件、特集まで組まれるほどの過去最大級の報道
警察マニアによる事件がここまで大きく報道されるのは、あの「アンテナ泥棒事件」以来ではないでしょうか。
いや、もはやそれを超えている可能性も。特集が組まれているのです。
偽りの権威をまとったうえ、法を逸脱し、一線を超えた行為がどのような結末を迎えるのか、今回の事件はその重大さを改めて世に示したといえます。
「お前が言うな」と言いたくなる矛盾
もしこのアカウントの持ち主と逮捕された人物が同一であれば、故意性のある違法行為を繰り返しながら、一方で緊急車両を追いかけ、警察の活動を記録していたことになります。
志免町の重大交通事故
右折しようとした普通車と直進してきた二輪車の右直事故。
この事故でバイクに乗っていた2人と乗用車に乗っていた女の子の計3名を搬送したが、そのうちバイクを運転していた少年が搬送先で死亡した。
県内では今年に入って82件の交通死亡事故が発生している。明日は我が身。 pic.twitter.com/lCwCk03sqh
— きゅいまる (@kyuimaru) November 12, 2023
まさに「お前が言うな」という状況ですが、そう感じるのは筆者だけでしょうか?
偽覆面の車種は?
今回の「偽の覆面パトカー」の車種は実際に機動捜査用車として全国で配備実績のあるカムリ。覆面の皮カムリ。70系カムリ。
彼らのモドキ車内には着脱式赤色灯、センターコンソールにはサイレンアンプとハンドマイクなど、一般車両には公道での使用が認められていない緊急用デバイスが装備されていた様子。

ニセ覆面の車内には禁断のヨンパチ・アンプも……。実際に公道で使う人いるんですね〜。びっくり。画像の出典 九州朝日放送
所持や車両への取り付けは合法でも、公道上でそれを行えば、途端に違法。
赤色警光灯(HKFM)に関しては厳密には認可を受けていない車両が車内に備えるだけでも違法行為。
そのため、モラルがあり、本職に揚げ足取られたくないモドキ乗りはバルブを抜いたり、配線を施さないなど「作動しない」対策を取るのが以前から一般的。

覆面パト偽装セット!じゃあ僕はカバチタレセット(笑)引用元 https://www.youtube.com/watch?v=t4FWPv-bInc
余談ですが、類似事件例で元・愛知県警巡査部長の自宅からは、色んなもんが出てきて再逮捕されていました。いい加減にしてください遠藤さん(笑)
警察車両を偽装するとどんな罪になる?
緊急車両にしか認められていないデバイスを車に装備すると、各種法令に引っかかる場合も。
例えば道路運送法の保安基準。赤色灯の備え付けがこれに該当します。
そして道路交通法の整備不良にも該当する可能性が。
ではなぜ、今回の事件では危険運転致傷罪”だけ”なのでしょうか。
RKBのニュース報道に出演した弁護士の見解ではその理由として、明白だからとのこと。
今後の捜査次第では上述の各種法令違反での立件もありうると述べていました。
弁護士の先生によると、今後はそれらの違法行為も立件される可能性があるんですね。
被疑者はなんのために緊急走行(偽)していた?
警察マニアがゴロニャンから闇堕ちする過程の背後には一体何が。
今回の事件の核心は、「彼らはなぜ偽の緊急走行を行ったのか?」という点にあります。
報道によれば、福岡の彼らが偽覆面を違法に走らせた目的は「警察に興味があり、パトカーを追いかけて職務質問を見たかったから」というもの。
「規制線の向こう側」へ近づくための“偽”緊急走行
報道によれば、彼らの目的は「警察に興味があり、職務質問の現場を見物すること」だったとのこと。
つまり、実際の警察車両が緊急走行で出動する場面に追従するため、彼らは自らの車にサイレンや赤色灯を装着し、不法に「偽装緊急走行」を行ったというわけです。
模倣したのは「交通覆面」ではなく「捜査覆面」
過去の類似事件では、「警察車両を偽装し、反則金名目で金銭を詐取する」ケースがありました。
しかし、今回の事件ではそのような報道はなく、あくまで彼らの行動の目的は警察活動の“追跡”だったようです。
報道によれば、彼らの目的は「警察に興味があり、職務質問を見物する目的」だったとのこと。

引用元『NHK 福岡 NEWS WEB 覆面パトカー装い信号無視し衝突事故の疑い 20代の2人逮捕 05月08日 19時12分』 https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20240508/5010024228.html
「警察に興味があり」https://news.yahoo.co.jp/articles/625f95688772c2c1e510ca1688a7fc1c98b423ab
「職質が見たくて、パトカーを追いかけていた」https://news.yahoo.co.jp/articles/c40ba31a73bda957f07ce62df9b82c52eda8eca9
彼らが模倣したのは「交通取り締まり用の覆面パトカー」ではなく、「捜査用の覆面車両」。すなわち、捜査に関わる警察車両になりきることで、事件現場や捜査活動により近づこうとした可能性が高いのです。
「パトカーのおっかけ」——常識を超えた承認欲求
警察車両に追従するため、わざわざ違法行為に手を染める——
「パトカーを追っかけて現場へ一緒に臨場する」という実際の警察活動に近い体験を違法に行う時点で、一般的な感覚からすれば到底理解しがたい行為と言えるでしょう。
「俺は異常なのか?」と自問自答——パパラッチ化するSNS活動型一部警察マニアたち
こうした行為が「警察マニア」という趣味そのものに対する一般の人々の疑問を生じさせるのも、無理のない話でしょう。
もしかすると、「警察マニア」という趣味自体が、普通の趣味の範囲を超えているのではないか?個別の誰々ではなく、「警察マニア」という趣味が、ひょっとしたら、もしかして、実は…警察署の駐車場で覆面のアンテナを…みたいな疑問が浮かんでは消え。
実際に、警察の動きを追跡し、その瞬間を記録することに情熱を燃やす人々がいます。
単純に、興味や娯楽、そして金銭のために警察を“追いかける”人々も存在しています。
彼らは自らのYOUTUBEチャンネルやSNSで情報を発信するだけでなく、メディアに映像を提供することもあります。
いわば、彼らの気分は映画「ナイトクローラー」に見られるような“ストリンガー”、あるいは“パパラッチ”といったところでしょうか。
もっとも、本人たちがストリンガーを認識しているかは別の話ですが。
ところが90年代、日本テレビの「世界丸見え!テレビ特捜部」で米国のストリンガー密着取材が放映された際、興味深いことが描かれていました。
福岡の犯人と同様、彼らアメリカのストリンガーも自分の車に警光灯とサイレンを取り付けた「偽覆面パトカー」仕様にして、ライバルを蹴散らして偽緊急走行で違法に現場に駆けつけて撮影するという行為が“ネタ的”に紹介されていたのです。“もちろん違法である”というオチのナレーションで、冷ややかに笑うスタジオの客とタレントたち。
これが「世界丸見え!テレビ特捜部」による演出・嘘・ヤラセでないなら「事実」と受け取るしかありません。実際、ストリンガーがニセキンしてた映像も流れてたしな。
ともかく、今回の事件は単なる「痛いマニアの暴走」では済まされないほどの悪質な事件。
緊急車両の偽装という行為が、いかに危険か——改めて考えさせられる事件といえるでしょう。
裁判と判決
懲役2年2カ月・執行猶予としては満額の5年が下されたそうです。
福岡地裁で開かれた判決公判で、田野井蔵人裁判官は「浅はかにも緊急車両の真似事をした被告人の運転が危険極まりないことは明らかだ」などと指摘。
偽装した覆面パトカーで信号無視して事故、2被告に有罪判決…福岡地裁「趣味続けるならルール守って」説諭
覆面パトカーを装った車で信号無視をして事故を起こし、4人にけがを負わせたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致傷)などに問われた長崎市のアルバイトの被告(24)と北九州市八幡西区の無職の被告(26)の判決が3日、福岡地裁であった。田野井蔵人裁判官は「緊急車両のまねごとをして、結果は重い」として、アルバイトの被告に懲役2年2月、執行猶予5年(求刑・懲役2年2月)、無職の被告に懲役2年、執行猶予5年(求刑・懲役2年)を言い渡した。
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20241004-OYTNT50039/
ニセの覆面パトカーで本物のパトカーを追跡する“緊急走行ごっこ”を約10回も繰り返していたとのこと。
その上で裁判官は「周囲の迷惑や警察活動への悪影響も顧みない自己中心的な犯行」と判決。
ただ、裁判官は「(パトカー追っかけ撮影行為)趣味を続けるならルールを守って」と説諭。この一言が意外な方向に。
お気持ち表明
判決後、助手席の男性が自分のXアカウントにてお気持ちを表明。
ところが、その内容が挑発的だとして緊車マニア界隈では強い反発が起きています。
https://x.com/kyuimaru/status/1841724086369837549
助手席の男性のポストによれば、「今後も活動を続けていく。自身に対する誹謗中傷には法的な対応を行う」とのこと。
これが“法を守っているモドキ乗り”や、同じく法の範囲内で警察車両を覆いかけて撮影している人々の反発を招いたようです。
なお、理由は判然としませんが、助手席の男性による上記の声明文のXポストは現在削除されており、被害者に対する謝罪表明などもない様子。
ただ、「執行猶予 覆面」と検索した結果には同声明に対する多くの人々の反発の声が今なお反映されているほか、判決を下した裁判官に対しても「なぜ執行猶予?」とか「甘い」とか「真似する奴が出てくる」との批判の声も多い様子です。
いずれにせよ、公道で禁制品を使って無関係の人を巻き込んで大怪我を負わす罪を犯し、5年もの執行猶予縛りのついた中でのマニア活動継続表明は界隈に波紋と衝撃を広げたようです。
総論
筆者が記憶している「偽覆面事件」の報道で一番古いのは80年代後半ごろの事件でしょうか。
ナンパ目的で刑事を装って愛車を覆面仕様にしていた男の事件をワイドショーが伝えていました。
警察の駐車場でマイクを持ったレポーターのお姉さんは、スタッフが用意したであろう「明らかに流線型ではない形の赤色灯」を手に持って「男はこのような赤色灯を自分の車に積み、偽の覆面パトカーを装って・・・」と説明していました(笑)
こーゆう、風俗店とか個室ビデオ店の看板とかで光ってそうなやつ。
いや〜、それにしてもお前、アホのくせに本当に昔の番組をよく記憶しているな(笑)
当時は「あぶない刑事」が流行ってた影響があったので、刑事を装えば女にモテると考えてる人は多くいたのでしょう。現代でもいる(笑)
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余談ですが、この趣味界隈で唯一無二の天才漫画家・横山公一先生による作品の中に、「本物の刑事が、本物の捜査車両と勘違いし、意図せず乗り逃げされるマニアのモドキ」というエピソードがあります。
この作品のマニアは、“一応モラルを守った”マニア。つまり、見た目こそ本物そっくりに仕上げたモドキでも、赤色灯もサイレンも配線されておらず、作動しません。
その結果、緊急走行など不可。
さらに、刑事たちが基幹系で情報収集しようとスイッチを入れた無線機はアマチュア無線機。
おかげで145MHz帯域のアマチュア局の「メリット(信号強度)交換」しか受信できないという、まさかの事態に。
刑事たちは交信不能に陥り、状況を把握できずに困惑・動揺する様子が描かれており、読者を爆笑の渦に巻き込みました。
このエピソードは、マニアのこだわりと現実のギャップを巧みに描いた傑作であり、同時に「形だけ真似ても、本物にはなれない」という痛烈な皮肉も込められています。
まさに横山先生らしいユーモアと風刺が詰まった一編ですな〜。ぶはは(笑)