福岡って昔から暴力団絡みの事件が多くて、証人が「怖くてしゃべれない」みたいな事態も少なくなかったはず。
そんな暴力団から証人などを専門的に警護する「対暴力団警護の専門部隊:暴対SP隊」が発足したことを1994年の朝日新聞で報じていました。
記事によれば、「暴力団からの警護専門のSP」として正式名称、「暴力団事件における被害者等保護対策専従員」(通称・暴対SP隊)を福岡県警察が新設したとのことです。
記事によれば、警察庁でも同種の任務を担う専門部隊は「聞いたことがない」としています。
詳しくみていきましょう。
暴力団事件の被害者を守れ――福岡県警が全国初の「暴対SP隊」を新設(1994年)
記事によれば、以下のような概要です。暴力団による事件の被害者や証人、脅迫を受ける企業幹部などを「お礼参り」から守り、安心して警察に協力してもらう体制を整えるため、福岡県警察本部は1994年5月11日、全国でも例を見ない対暴力団警護の専門部隊「暴対SP隊」を創設することを決定したとのこと。
暴力団事件の証人や被害者、脅されている企業の幹部を「お礼参り」などから守り、安心して被害を訴え、捜査にも協力してもらおうと福岡県警は5月11日、対暴力団護専門のSP部隊を新設することに決めた。登録隊員は総勢3百数十人になる大部隊。
政府関係者や外国の賓客などVIPの警護組織としては警視庁のSPが有名だが、警察庁によると「暴力団からの警護を専門とするSPは聞いたことがない」という。
引用元 1994年5月12日付 朝日新聞より
この部隊は、いわゆる警視庁のSP(要人警護専門)とは異なり、暴力団がらみの事件に特化した被害者警護任務を担う点で独自性が高いです。
ああ、これは身辺警戒員(Protection・Officer=PO)の元祖やな・・と思った人、正解です。
POは2011年に警察庁が全国の警察で正式に発足させた新たな取り組みですが、1994年にはすでに福岡県警で日本警察史上初の試みとして導入された歴史があったわけです。
朝日新聞は、警察庁のコメントとして「暴力団からの警護を専門とするSPは聞いたことがない」と紹介しており、福岡県警による全国初の試みであったことがうかがえます。
そして、報道ではさらに詳しい背景が読み取れます。
次のページで解説します。