デジタル簡易無線機(DigitalConvenience Radio)の登録局制度はアマチュア無線のような従事者免許、つまり資格は不要で総務省への登録のみで使えます。

また、申請手数料と電波利用料がかかる点はアマチュア無線と同様ですが、コールサインが付与されません。そのため、レジャー目的で使用する方は各自で好きなコールサインを名乗る慣習になっています。

デジ簡は一般の企業の業務無線や警備会社のニーズも増えている一方、若い世代にも注目される話題のフリーライセンス無線です。

また、パーソナル無線乗り換え組や、長々と目的の無いおしゃべりをしたり、マニアック過ぎて技術的な会話に付いていけずアマチュア無線になじめなかった人や、何かもっとスマートで良い無線は無いかという、とくに若い世代にとっては新しい魅力を秘めていると言えるでしょう。
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昨今は専門書も発行されると人気が高まり、登録者がじわじわと増えてきているようですが、現状ではビジネスユースの業務局が大半で、レジャー目的や不特定多数と交信を楽しみたいレジャー&ホビー局はまだ多くはないと見られています。

また、業務局と趣味的な局の混在するこのデジタル簡易無線では、お互いの利用目的の違いからトラブルが起きかねない懸念もあります。

現在のところ、デジ簡のチャンネル数は30チャネルとなっており、地方都市では混雑も少ないようですが、やはり東京などの首都圏ではチャンネル数不足が懸念されているようです。

ですから、東京方面でビジネス利用者の合間を縫って、空きチャンネルを確保し、メインで平日の真昼間っから大胆にCQを出す……なんていうのは、アマチュア無線のレピーターCQを出すよりもチョット勇気がいるかもしれませんね。

不特定局と交信を楽しみたい方は、できるだけ業務局の邪魔にならないように充分にチャンネルチェックをしたうえで運用を心がけている方が多いようです。

特徴・・・主流はハンディ機の1Wタイプと5Wタイプ

その名の通りデジタル化されたシステムが売りで、無線機からは固有のコードが送信され、電波がどの無線機から発射されたものなのかがわかるようになっているほか、秘話機能の実装など、高機能でビジネスユースにも対応します。

連続送信時間は最大5分、最大出力は5Wまでです。

1w機で付属のヘリカルアンテナを使うと、交信可能距離は2キロがいいとこですが、別売のロングアンテナで10キロ、さらにハイパワーの5w機でモービルホイップでも使えば、それ以上の交信距離も難なく可能です。利得の高いアンテナに交換したり、高い山に登れば交信距離は300kmも可能です。

ただ、電波がわずかに受信できていれば、雑音交じりでも音声が聞きとれるアナログ無線に対して、デジタル無線は音声として全く復調できません。

また、アマチュア無線よりも無線機が割高だったり、メーカーが違うと一部の機種では方式が違うため、交信できないといったデメリットもあります。※2018年度現在、市販価格についてはだいぶ値下がりしているようです。

なお、警察無線でも近似の帯域が使われており、同じくデジタルですので、似ていなくもありません。

デジタル簡易無線はアナログのアマチュア無線に比べると、とくに市街地では交信距離が短くなります。アマチュア無線と同様に不特定多数の局へCQを出せる呼出専用チャネル(15チャンネル)があり、アマチュア無線と同様の楽しみ方ができます。

デジタル簡易無線機のタイプ

車載型のほか、ハンディもあり、1Wと最大5Wのモデルが各社から販売されています。

なお、念のために書きますと、デジタル簡易無線で受信できるのはデジタル簡易無線の電波のみであり、それ以外のアマチュア無線や一般の業務無線などとの交信はできません。広帯域受信機能もありません。

デジ簡機で人気があるのはやはり、ハンディタイプです。現在、1w機と5w機の二つがありますが、電波の飛びを重視するなら5Wタイプを選んだほうが良いでしょう。

ただし、その分、サイズや重量が増すので、携帯性も考慮したほうが良いでしょう。現在、アマゾンで人気の機種はどちらもアイコムの2機種です。

レビュー数ではハイパワーのIC-DPR6が約2倍でダントツ人気ですが、低価格のIC-DPR3も人気です。筆者はIC-DPR3をAmazonで21,300円で購入いたしました。


1W機のIC-DPR3でも距離を伸ばしたければ、アンテナ(ハンディ用や車載のマグネット式)の交換で十分実用的です。

なお、ハンドマイクはどちらのモデルも別売ですので便利に使いたいならマイクは必須です。

車載(モービル)タイプも発売されていますが、レジャー目的の方は高価なので敬遠する場合が多かったのですが、2017年6月にアルインコ社が新型デジ簡モービル機DR-DPM60を発売しました。実勢価格は43,000円です。

デジ簡の「キャリアセンス」ってなに?

キャリアセンスとは少ないチャンネル数の混信を防止するために設けられている機能で、近い局が交信を行っている場合、同じチャンネルで送信できなくするというものです。

このため、災害時の利便性が懸念されています。ただ、15チャンネルのみはこの仕様が除外されています。

デジ簡にコールサインはありません。ただし・・・

前述のとおり、デジ簡には総務省から付与されないのでコールサインはありませんが、実は自動的に無線機から、個別の識別信号をキャリアに載せて送信しており、総務省の電波監視では登録をした誰が電波を出したのか丸わかり。

アマチュア無線と同様に、イヤガラセや違法な使い方をしている人は監視対象になり、最終的には警告や摘発などがなされるでしょう。

なお、コールサインについては各利用者が勝手に決めた独自のコールサインを名乗っているのが現状です。例えば「札幌AB123」など地名、アルファベット、数字の3種類を組み合わせたものが多いようです。

もちろん公的機関と似たような名称は使えません。

ちょっと待った!その安いデジ簡機、アルインコの独自通信方式では?

無線機に限らず、安いモノには理由があります。 デジ簡に限って言えば、アルインコの一部機種ではメーカー独自のRALCWI通信方式にすることでリーズナブルな価格設定に抑えているタイプもあります。

もちろん、同じ事業所で同じ機種をそろえて運用する場合は交信相手も、おのずと自社の人間となりますから何も問題はありません。

しかし、デジ簡で不特定多数と交信を楽しみたいレジャーユースの場合、上記のような独自通信方式の機種を買ってしまうと、ただでさえ地方ではまだまだ利用者の少ないデジ簡機で誰とも通話ができない・・なんてことが起きる場合も。購入前によく調べたほうが良いでしょう。

人の命を扱う業務には使用不可

消防団などが導入する例もありますが、本来は簡易な業務用として使用されることが想定されており、消防活動など人命にかかわる業務には使えません、とのことです。

典拠元 http://www.hnt.jp/service/shoubou.html

ただし、札幌市消防局をはじめとして全国の消防では消防団員用としてデジタル簡易無線を配備する実例が増えています。

アンテナは技適許可されたものしか使用不可

デジタル簡易無線(登録局)では、技適許可されたアンテナのみが使用できます。アマチュア無線のように、自分で研究して作ったアンテナなどは使用できません。また、アマチュア無線用のアンテナを使うことも許されていません。

現在市販されているデジ簡用のアンテナは複数ありますが、アマチュア無線用のアンテナに比べると大変数が少ないでしょう。

一方、351Mhzではアンテナを比較的短くすることができるので、車載用アンテナもあまり目立たせないで運用できます。

また、面白いアンテナとしてコメットからはドルフィン型アンテナが発売されています。

そのほかの注意点として、室内でPCやブルーレイレコーダーの傍で5w送信すると誤作動を引き起こすと指摘されています。

申請方法は書類申請と電子申請の2種類

それでは、デジタル簡易無線の実際の申請書による登録手続きをご説明いたします。

電子申請と言っても、総務省のサイトからパパッと記入して終わり・・というような簡単な作業ではありません。なぜかアプリをダウンロードし、ローカル上でアプリを使っての作業という手順が必要です。そもそも電子申請の登録をしていない人は住民基本台帳カードやカードリーダーが必要です。

なおこの電子申請ですが、当サイトでご紹介している「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」とは全く無関係ですのでご注意ください。「総務省 電波利用 電子申請・届出システム Lite」はアマチュア無線の無線局免許に関する申請・届出を行う専用システムですので、デジタル簡易無線の登録申請には一切使えません。

非常にめんどくさいので、製品に同梱されている申請書類を使って郵送での申請をお勧めします。

紙の申請のほうが無難です(ただし手数料に大きく違いがあり、電子申請は2,150円、書類申請は2,900円です)。

申請する区分は「個別申請」または「包括申請」の2種類のうちの一つ。絶対に包括申請がおすすめ。

デジタル簡易無線(登録局)の登録申請には無線機を1台ずつ申請する「個別申請」と2台以上を一括して登録を行う「包括申請」の2種類がありますが、包括申請のほうがおすすめです。

ただし、包括申請の場合は登録状が到着して実際に運用を始めてから15日以内に『開設届』を提出する必要があります。包括申請の場合は登録状が到着したあとに『開設届』の提出を絶対に怠らないでください。

以上の注意点に気を付けて包括申請をしてください。

なお、申請から一週間程度で登録状が届いたという方もいるそうですが、総務省の公式回答では登録申請書が総合通信局に到着してから約15日で登録状が交付されます。

典拠元 総務省|関東総合通信局|デジタル簡易無線局(CR)登録局のページ
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/ru/kani/cr_touroku.html

登録が済んで登録状が発給される前に電波を発射すると電波法違反になり、最高100万円の罰金が科せられます。デジタル簡易無線(登録局)機は、電波を発射した際に固有のIDが同時に送出されていますので、アマチュア無線などよりも簡単に特定されます。

アイコムのIC-DPR3には申請に係る書類が同梱されていました。

  1. 無線局登録申請書
  2. 開設届

このこれらを使って届け出を行います。書き損じた場合は総務省のサイトから書類をダウンロードもできます。

登録申請書の無線局の目的欄には「友人知人家族との連絡」で良いようです。

書類申請の手数料は2,900円ですので、郵便局やコンビニエンスストアなどに出向いて「2900円分(ぶん)の収入印紙ください」と言って購入します。収入印紙は申請書類の指定の場所に貼り付けてください。割印は不用です。※収入証紙ではありません。

総合通信局に提出するものは上記の2枚の書類と返信用封筒です。少々厚さと重さが増しますが、切手代は82円で大丈夫です。なお、あて先はお住まいの地域を管轄する各総合通信局です。

北海道の場合、宛先の例は下記です。

〒060-8795 札幌市北区北8条西2-1-1 札幌第1合同庁舎

北海道総合通信局御中 デジタル簡易無線局の登録申請担当様

申請が済んで受理されると、約15日前後で登録状が手元に届きます。筆者の場合、ポスト投函から16日目で登録状が届きました。封筒の中には無線局登録状のほか、開設届の書き方の懇切丁寧な見本が同封されていましたが、
開設届の用紙自体は未同封ですので、無線機に同封されているものか、総務省のサイトからダウンロードして使用しましょう。また、アマチュア局の様に無線機に備えるためのシールは発行されないので入っておりません。

これがデジタル簡易無線局の実際の登録状。アマチュア局の無線局免許状がB5サイズなのに対し、デジ簡の登録状はA4サイズです。

さらに今度は、運用開始日から15日以内に開設届を提出します。筆者は登録状が届いたその当日に、開設届を提出しました。ただし、開設届については受理されても総合通信局からは「受理しました」との連絡はありません。

その代わりと言ってはなんですが、デジタル簡易無線(登録局)も年間の電波利用料が徴収されますので、電波利用料の振込票が送られてきます。

電波利用料の納付
 開設届を提出すると、開設した月の翌月末に電波利用料の納付書が申請した住所
 に郵送されるので、納付期限内に金融機関等にて納付すること。

7月に開設届を出すと、8月末に納付書が送られてきます。現在、デジタル簡易無線(登録局)の電波利用料は、個別登録局の場合が年600円で、包括登録局の場合が年540円です。振込票が届いたら、納付期限内にコンビニなどで納付してください。

デジタル簡易無線のまとめ

  1. 業務やレジャー、どちらでも使用できる
  2. 15チャンネルは呼び出し専用になっており、アマチュア無線のメインチャンネルと同じ使い方をする
  3. 包括登録の電子申請は2,150円、書類申請は2,900円(82円切手が3枚で計246円。封筒代も)
  4. 電子申請は住民基本台帳カードやカードリーダーなど事前に用意が必要
  5. 個別申請と包括申請の二種の区分がある
  6. 包括申請は登録状が届いて運用開始した日から15日以内に開設届を提出する
  7. 年間の電波利用料は個別登録局の場合は600円で、包括登録局の場合は540円

以上です。


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