自衛隊のレンジャー訓練で行う『生存自活訓練』では『驚くべき食材』が有効活用されている

陸自のレンジャー教育訓練が苛烈を極めるっちゅうんは、前にも伝えたとおりやな。

今回は、そんなレンジャー教育で学生が食べる“飯”について紹介するで。

普通の陸自隊員ならためらうような、隊員食堂の飯や野外炊具で作られた温かい飯とは、まるでちゃうもんを彼らは食うてるんや。

ご当地メニューが多い自衛隊食堂のメシ!駐屯地や基地のごはんが美味しい理由、教えたげよっか♪

レトルトタイプの戦闘糧食2型

レンジャー学生は、訓練中に配給された少量の戦闘糧食を持ち歩いとる。以前は缶詰、今はレトルトの白米やおかずを頬張るんやけど、ほんまは湯煎して食べるもんなんや。

自衛隊の演習で喫食される「戦闘糧食」って?陸自ではカンメシのI型がついに廃止へ!自衛隊の次世代野戦携行糧食を徹底解説!

せやけど、戦場を想定した過酷な状況やと、湯煎する余裕はあらへんやろ?そないなときは、冷たいまんま食うのも当たり前。

数十キロの爆薬を背負い、夜通し走り続け、木の根っこを枕にして束の間の休憩を取る潜入訓練中。頭にはテリヤキバーガーがよぎるけど、目の前にあるんは冷えた戦闘糧食や。

せやけど、配給めっちゃ少ない。時には、たった一枚のカンパンをバディ(相棒)と分け合うこともあるんや。

レンジャー教育における生存自活訓練

なんでそこまで過酷なんかって?

そら、レンジャー訓練はただの体力勝負やなく、精神力をも鍛えるもんやからや。

陸上自衛隊のレンジャー課程教育とは?

携行食糧をあえて少なくしている理由は「食糧を現地調達し、潜伏しながら生存する」という生存自活の技術習得を兼ねてのものなんや。

生存自活とは?

『生存自活』とは過酷な環境下に潜伏しながら自らの生命を維持し、生存する能力を養う陸上自衛隊の訓練。主にレンジャー訓練において行われ、フィールドにおける野生生物の狩り方、食用可能な植物の見分け方と採取など、山野での食料調達までの実践技術を任務完遂のための不屈の精神力を養いながら習得する。

つまりはサバイバル訓練や!

ほら、『ザ・ファブル』 でやっとるアレや!「あー、あれかー!」ってなるやろ?

駐屯地の隊員食堂事情~陸自の糧食班制度~

ちなみにちょっと余談やけど、前に紹介した駐屯地の隊員食堂の話な。
陸自には「糧食班勤務」 っちゅう伝統があって、隊員全員が駐屯地で数カ月ごとに交代制でメシを作る経験を積むんや。

実際に食事を作ってるのは、業務隊糧食班の常勤隊員とパートのおばちゃんらやけど、そこに臨時派遣で糧食班以外の隊員が入ることもある。

せやから、陸自のメシ作りは「調理専門の隊員」だけやなくて、普段は調理と関係ない一般隊員も関わっとるっちゅうわけや。

でもな、海自や空自はちゃうで。

「給養隊員」 いう専門職が調理しとるから、陸自みたいな「数か月限定の臨時糧食勤務」なんかないんや。

ほんなら、なんで陸自だけ一般隊員にメシ作らせるんや?

実はそれも『生存自活訓練』の一環!

有事のとき、隊員一人ひとりの「食の自活力」を上げる っちゅう狙いがあるんやろな。

メシを作るんもサバイバルの一部や!っていう考え方やで。

ほんで、レンジャー教育の『生存自活訓練』では、山中で食える野草や山菜、栄養のある植物なんかを徹底的に叩き込まれるんや。

教官がしっかり教示してくれるから、その知識が生き残るための武器になるっちゅうわけやな。

水の確保

清潔な水を見つける方法や浄水の方法を知ることが生存自活には不可欠や。

山林奥深くで行われるレンジャー訓練では水の確保も容易ではあらへんで。雨水の採取などの方法をとるわけや。

自衛隊レンジャー、野草や山菜などを採取して食う

軍事におけるサバイバル訓練では栄養のある戦闘糧食が配給され、自衛隊や米軍など先進国の軍隊ではレトルトパックの形態のものが一般的やで。

軍隊のサバイバル訓練において推奨される野戦携行食糧

一般的に軍隊におけるサバイバル訓練で推奨される食事は高エネルギーの食事で、基本的にはこんな食事が配給されています。

  1. 高エネルギー食品: 野外での活動ではエネルギーの消費が大なり。よって高カロリーの食品が必要。ナッツ、乾燥果物、エネルギーバー、缶詰の肉や魚等を推奨。
  2. たんぱく質源: 筋肉が必要とする栄養素はたんぱく質。よってレトルトパックの肉や魚、乾燥豆類、ナッツ、乾燥ミルクなどを推奨。
  3. ビタミンとミネラル: 野菜や果物はビタミンやミネラルの重要な源ですが、野外訓練状況では新鮮なものは不可。よってビタミンCを含むドライフルーツ、カロテンを多く含む乾燥野菜を推奨。
  4. 水分: 生存でもっとも重要なものは実は水。飲料水が手に入らない場合、携帯浄水器や滅菌錠剤を使用し適切に水を処理したうえで補給する。
  5. 持ち運びやすさ: サバイバル用携行食(野戦糧食)は、携行容易かつ長期保存できるものが基本。レトルト、乾燥食品、エネルギーバーなどを推奨。

以上のように、高エネルギーで栄養価の高い食品を重視し、長期保存が可能な要素を考慮したサバイバル用の野戦糧食(レーション)として、米軍兵士に現在配給されているのが『MRE』です。

MRE 米軍戦闘糧食

上記の条件に6番目を付け加えるなら『風味の良さ』すなわち、味が良いことも入れたいところですが、これは実は厄介な条件です。上述の米軍が兵士に支給しているMREという戦闘糧食、実は意図的に風味悪く作られています。その理由は美味しくしてしまうと普段から兵士がおやつ代わりに食べてしまうから。『米軍のレーションはわざとマズい』。これは残念ながら事実です。

つまりや、どんな状況でも生き抜くために、野草から動物まで現地調達でなんとかせなアカンっちゅうことや。

山野で手に入る食材は何でも使え!その1、滋養強壮効果のある野草の例『松葉茶』

まずは「松葉茶」やな。これはサバイバルの世界ではド定番の滋養強壮ドリンクやで!

冬でも枯れへん松の葉を擦りつぶし、煎じて飲むとビタミンや必須アミノ酸などが豊富な滋養強壮効果があるんや!

しかも、リラックス効果もあるから、極限状態のストレス下でもええ仕事してくれるねん。

松は冬季でも葉を青々とさせた常緑針葉樹。まさに極限状態でも手に入る食材やな。

 

山野で手に入る食材は何でも使え!その2、動物性タンパク質

ほんで次は、動物性タンパク質の確保や。レンジャー訓練では筋肉を作るためのたんぱく質の確保は重要や。

本来であれば、肉、魚、卵、豆類などのタンパク質源がバランスよく食事に含まれまるやんか?

せやけど、それはあくまで隊員食堂や家庭での話や。せやけど、ここはカマドのない山の中。山ん中で都合よく肉や魚があるわけないで。

いやいや、なかったら狩ればええやん。現地調達するんや。

そんで登場するのが、サバイバルセットに入ってる釣具やな。魚釣りは貴重なたんぱく源を確保する手段のひとつや。

こちらは自衛隊における『生存自活セット』の開封動画やで。

せやけど、レンジャー訓練ではそれだけで済むわけないやろ?もっとガチな調達方法もあるはずや。

ヘビ、カエル、虫…まあ、なんでも食えるもんは食うってことやな。これこそまさに「生存自活」や!

よう、待たせたな。レンジャー訓練における生存自活でのメイン・タンパク質補給源は持続可能なカエルやヘビなどがメインや。

画像は陸上自衛隊公式Xより引用。

レンジャー訓練のヘビ喰い、調達、下処理、喫食まで

まず、ヘビを帽子のツバに噛ませて、キバを引っ張って折る。ほんで、一気に皮をはいで内臓を捨てる

あとは、長い木の枝に巻きつけて焚き火で焼く んや!

ただな、ヘビの血管を破ったら血だらけになってめっちゃ生臭くなるらしいで。

でも、ちゃんと処理したら、身は淡白で美味いって話や。

せやけどな、ヘビやカエルを生で食うのは厳禁や!

こいつらは『マンソン裂頭条虫』いう寄生虫にやられとる可能性があるから、火を通してしっかり加熱処理 せんとえらいことになるで。

ほな、ちょっと視点を変えてみよか。

実は、アメリカ海兵隊も『コブラゴールド』っちゅう合同軍事演習 で、サバイバル技術の訓練をやっとるんや。

その内容がまた衝撃的でな、「サソリを食べて、コブラの血を飲み、その肉を口にする」 っちゅう、なんともワイルドな生存自活訓練や!

ほら、動物の血には糖・脂質・アミノ酸・タンパク質 なんかが含まれとるから、極限状態やと貴重な栄養源になるんやで。

まあ、ほんまのサバイバルやったら、ヘビもその場で捕まえて食うのが基本やけど、都合よく野生のヘビが現れるはずもない。

せやから、レンジャー学生たちが自分で飼育しとるヘビを食料として使うこともあるし、教官が事前に買うたヘビを山に放つこともあるんや。

せやけど、レンジャーでも、毎日ヘビばっか食うわけやない。普通に野外演習のときは温食も食べるんやで。

せやけど、食事中も常に戦闘態勢!

気ぃ抜いとったら、敵の襲撃(訓練やけど)で食事は中止や。

長々とメシ食うとったら、オラついた助教が食ってるもん、地面に叩き落とすなんてこともあるらしいわ…。

鶏も放つで。

レンジャー訓練の生存自活訓練、通称「トリダッシュ」。この日、訓練生らは極限の空腹と戦いながら、ヘリの音を聞いとった。上空を低空飛行するヘリ。ドアが開くと、教官がニヤリと笑う。

「ほな、お前らの晩メシ、投下するでぇぇぇ!!」

次の瞬間、バタバタと羽ばたく鶏が数羽、空中に放り出された。訓練生たちは一斉に地面を蹴り、鶏めがけてダッシュ!

「逃がすかいっ!!」
「待てコラぁぁぁ!!」

必死で追いかけるも、鶏は想像以上にすばしっこい。ぴょんぴょん跳ねながら草むらへ突っ込んでいく。泥まみれになりながら飛びついたやつが「よっしゃぁぁ!!」と叫ぶが、次の瞬間、バサバサと羽ばたかれて顔面直撃。

「ぐわぁぁぁ!クチバシが目に入ったぁぁ!!」

それを見ていた教官、ヘリの上から爆笑。

「アホかぁ!鶏に負けてどないすんねん!お前ら、そんなんで敵地で生き延びられる思とんのか!!」

訓練生たちは歯を食いしばりながら、再び鶏を追いかける。誰よりも速く捕まえ、誰よりも腹を満たすために――!

ヘトヘトになりながら捕らえられた鶏は鍋にぶち込まれる。

伝説の『レンジャー鍋』とは?

ほんで「小松さん、ちょっ、それ食うんすか!?」みたいな展開になるのが…

レンジャー飯のトリを飾る伝説の『レンジャー鍋』や!

「雑草、木の芽、カエル、ヘビ、山の仲間たち」 をぶち込んで煮る、カオスな『レンジャー鍋』。

この『レンジャー鍋』、いろんなとこで語られとるんや。

まあ、かえるとかヘビとかならまだ良心的やけどな・・・。

元自衛官の著書『逃げたい辞めたい自衛隊』には、レンジャー鍋で○○を煮て食べる記述があるし、劇画家・小林源文さんの著書にも、元自衛官の息子(中村正徳さん)さんの話として「○○を煮て食ったけど、煮込みが足らずに腹を下した」ってエピソードまであるんやから…ほんまヤバいでえっ!にゃおーん!ああ、にゃん来ちゃダメ!逃げて!

レンジャーご飯のまとめ

こうやって、レンジャーの生存自活訓練 っちゅうのは、極限状態を想定したメシで精神力を鍛えるわけや。

このスキルと根性があるからこそ、災害時や非常事態にも冷静に対応できる。

「自己の生存確保」「被災者の救命」「災害支援」 にも活かせるんや。

そやけど、やっぱり…

レンジャー訓練中のメシは、普通の食事とはかけ離れとるわ!

なんか、一時期、日本国民いじめ大好きの日本政府が日本人にコオロギ食わそうと画策しとったことあるけど、ワイらはレンジャーでもないのに極限状態なんか!?