アマチュア無線機のハンディ機のオススメと使い方

ハンディ機はモービル機と比較して送信出力が低いという不利な面がある一方、携行性は抜群。

現在、アマチュア無線機のハンディ機はほとんどは5ワット程度が最大出力となっています。

周波数帯域の主流は144MHzや430MHzどちらかのシングルバンド機、それに両方使えるデュアルバンド機、さらには50MHzや1200MHzが使えるトリプルバンド機もありました。

また、アマチュア無線だけでなく、広帯域受信機能を持った便利な機種まであります。

それでは具体的な機種を挙げてみましょう。

ハンディ機の種類

高出力なハンディ機

ICOM   IC-T10&IC-S10(最大5w)

IC-T10とIC-S10はそれぞれシングルバンド機ですが、どちらも最大5Wです。

IC-S10 144/430Mhz イヤホンマイクセット

IC-T10は144MHz機、IC-S10は430MHz機となっています。

YAESU FT-65(最大5w)

FT-65は最大5wです。

FT-65 144/430Mhz スピーカーマイク セット 充電池充電器付属 YAESU (外部電源端子無し)(乾電池非対応)

144/430MHz デュアルバンドFMトランシーバーです。後述のFT-60と共に人気の機種です。

ハンディ無線機でも『広帯域受信機能』で航空無線などを楽しみたいならYAESU FT-60(最大5w)

アマチュア無線のみの運用なら広帯域受信機能の無い機種でも良いのですが、せっかくですからエアバンドや各種ユーティリティ無線の受信も楽しみたいところ。それなら、広帯域受信機能つきのハンディ機がおすすめ。

当サイトの広帯域受信機のご紹介ページでも触れている通り、災害時の各種ユーティリティ無線、とくに防災航空系無線の傍受は災害時において、もはや常識。なお、災害時に役立つ周波数はこちらにまとめています。

【2023年版】災害・有事に活発になるサバイバル無線の周波数解説

YAESU スタンダード FT-60 (STANDARD)144/430MHz FM 帯 デュアルバンドトランシーバー

八重洲無線のYAESU FT-60は安価かつシンプル操作で高性能を追求した、最大5W出力の144/430MHz帯FMデュアルバンドハンディ機です。4アマから使用可能で入門用としても最適です。144/430MHz帯の両帯域で最大5Wの出力を確保しつつ、さらに最大1000個のメモリチャンネルを搭載した広帯域受信機能(108から999MHz※一部周波数を除く)付きと、実はベテランハムも20年にわたって愛用する静かな人気機種です。

ノーマルのFT-60では108MHz以下の防災無線やFM放送、それに253~276MHz、380~383MHz、412~416MHzなどの例の帯域が受信不可ですが、受信改造方法は既に判明しており、ラジオライフ2004年10月号に詳しい情報が掲載されていますので興味のある方は一読を。

ラジオライフ2004年10月号

ラジオライフ2004年10月号(電子書籍版)

大容量1400mAhのニッケル水素充電池を使用し、別売の単3乾電池6本用ケースFBA-35を使えば、どこでも手に入りやすい単3乾電池で運用できるので、災害時の心強い味方となります。ただ、ハンディ機としては重く大きいのでポケットに入れての運用は多少難しいでしょう。

なお、アンテナ接栓が逆SMA型のため、通常SMA型が主流の一般的なアンテナはそのままでは装着できないので、オス⇔メス変換コネクターを同時に購入することをお勧めします。

leeyovk SMAキット SMA 端子 同軸変換 コネクタ SMA オス⇔メス ーさまざまなSMAデバイスコネクタに適しています WIFI fpv 変換アダプタ RCドローンアンテナ対応 変換コネクタ 便利な18個セット

1.5Wだけど抜群の携帯性!YAESU VX-3(4アマから使用可能)もおすすめ

VX-3 STANDARD(スタンダード) 144/430MHz FMデュアルバンドトランシーバー 3W

2023年2月19日、メーカーから生産終了の正式告知がありました。

もし、送信出力が落ちてもコンパクトサイズかつ、広帯域受信機能付きの144MHzと430MHzのハンディ機が良いならば、YAESU(バーテックス・スタンダード・ブランド)のVX-3が最適です。こちらもノーマルでは例の帯域が削られた歯抜け仕様ですが、一部のショップにて受信改造品が販売されています。

IC-R6でもそうであるように、筆者は間違いなく、受信改造済みのVX-3をオススメいたします。最強の防災ツールという呼び声も高いVX-3はFT-60同様、入門者から上級者まで人気のヒットモデルとなっています。

 

IC-R6と比べたVX-3

『AFデュアル機能』はラジオ放送を聴取しながら各種無線もバックグランドで同時受信し、受信すると自動で切り替えてくれる便利機能。とくに災害時の情報収集に役立ちます。

先に紹介した同社のFT-60が比較的大型のハンディ機だったのに対して、本機種はリチウムイオン充電池を採用したことで小型軽量化。通常は付属バッテリーで最大1.5W、別売の単三アルカリ電池3本用ケースも用意されています。

さらに、別売のシガープラグで車から電源を取れば、144Mhzで最大3W、430MHzで最大2W運用が可能です。したがって、もし自動車でのモービル運用を考えているならシガープラグの同時購入がおすすめですよっ。

また、モールス練習機能や温度計、それに夜間に車内や足元を照らすのに十分な明るいLEDライト機能、さらにアラーム機能などもあり、災害時にとても役に立ちます。

VXシリーズ遊び方ガイド (アマチュア無線の本)

いいトコロばかりではありません。VX-3の広帯域受信性能は筆者がお勧めする受信専用機であるアイコムIC-R6に比べると『スキャン速度』で圧倒的に劣ります。IC-R6は100chのメモリーを1秒で一周しますが、VX-3では10ch/秒です。

また受信性能に関していえば、20MHzなどの短波帯が弱いと言えます。

しかし、送信可能なアマチュアバンドの144MHzと430MHz各帯域はもちろんのこと、航空無線、一般の業務無線消防無線の署活系の帯域ではIC-R6と遜色なしで、必要十分なレベルで問題はありません。

ハンディ機の放熱対策

モービル機ではファンが搭載されており、空冷させることができますが、ハンディ機は本体が熱くなると自動的に送信出力を低下させます。

リチウムイオン充電池の無線機は放電に注意

リチウムイオン充電池を使用する無線機はバッテリーを放電させてしまうと、充電が正常に行えなくなる場合がありますので、できるだけ放電(バッテリーが完全に消耗するまで無線機を稼動させるような使い方)は避けてください。充電が正常に行えなくなった場合はバッテリーを一旦、本体から外し、端子をティッシュペーパーで軽く拭き取るなど清掃をした上で、充電器にセットし、再充電を行ってください 。

なお、アンテナを社外品のSRH789もしくは、モービルホイップにすると、感度がぐぐんと確実にアップしますので、絶対に交換がオススメ。VX-3の純正アンテナは他のハンディ機の純正付属アンテナ同様に、良い物ではありません。筆者はダイヤモンド SRH789【全方向折曲機構付】 をお勧めいたします。

受信機を買ったら高性能アンテナも絶対に買ったほうが良い理由とおすすめアンテナ!

また、VX-3は独立したラジオ放送受信機能のおかげで、ラジオ放送を聴きながら、航空無線やユーティリティ無線各種、それにアマチュアバンドのスキャンやサーチも可能。ラジオ放送を楽しみながら、無線を受信すれば自動的に切り替わってくれちゃうのです。NHKのニュース放送を聴いて自治体からの避難指示などの災害情報を入手し、安全な地域へ避難をする一方、孤立してしまい、救助要請が必要な万が一の場合には144/430Mhz帯域での非常通信で救助要請もできるので、災害時絶対に頼りになるアマチュア無線機です。

おすすめ3、YAESU VX-8D(3アマから使用可能)※生産終了品

VX-3の上位機種にはVX-8Dがありましたが、すでに製造終了となりました。VX-3より高出力でモービル機に比べても引けを取らない高機能ハンディ機でした。

  1. 50/144/430MHz全域が本体のバッテリー単体で5W送信可能(50MHz帯のAMのみ最大1W )
  2. 広帯域受信機能付属で地域の事件事故防災情報の収集が可能(消防署活系、官庁ヘリ、防災無線、バス無線などにより)
  3. AM/FMラジオを聞きながら2バンド同時のデュアルウオッチ

3アマ資格が必要ですが、これさえあればモービル機にも匹敵する機種です。生産終了となりましたが、後継機の登場に期待したいところです。

山に登れば1w運用でも40キロ、50キロ先まで届く

さて、アマチュア無線を始められる皆さんの一番の関心事は「自分の買った(買う)無線機はどのくらいの距離まで電波が飛んで交信できるのか」だと思います。

こればかりは周波数の帯域、無線機の出力、アンテナの性能、ロケ、高さによって異なるので、安易な答えは出せませんが、一般的な市街地でハンディ機ですと、5キロから10キロ未満が良いところでしょう。

もしハンディ機の出力が不安なら、積極的にレピーターを使用してみよう!

そこで交信距離を延ばしたいときに使用してみたいアマチュア無線の設備が『レピーター』です。レピーターとは、山や建物などの障害物で直接交信できない局との交信を可能にする自動無線中継局ですので、もしハンディ機の出力の弱さに不安があるなら、遠距離交信ができる中継局『レピーター』を使用してみましょう。

レピーターの使い方のページでも説明していますが、半径数十キロ以内に430MHzのレピーターがあったなら、ちょっとばかり離れていても諦めず、まずは試しにカーチャンク。信号音が返ってきたならば、そのレピーターにアクセス可能です。

アマチュア無線のレピーターの仕組みと使い方

430MHzで1Wという低出力のハンディ機でも、レピーターにアクセスすれば、決して「使えない」ことはありません。ただし、レピーターを使いたい場合は430MHzレピーターに対応した無線機を必ず使用してください。144MHzの国内レピーターはないため、144MHzのシングバンド機ではレピーターが使えませんのでご注意を。

 

アイコムのIC-P7は、オートレピータ機能を搭載し、周波数を439.000MHz∼440.000MHzに合わせるだけでレピータ運用モードに。430レピーター対応機を選んでね!

アマチュア無線のハンディ機まとめ

例えば広範囲なアウトドアレジャー、エクスペディションでなくとも、普段から携行するアイテムは最小限にまとめたいもの。アマチュア無線にも同じことが言えます。その場合には『ハンディ機』と呼ばれるトランシーバータイプのアマチュア無線機がおすすめです。広義では『トランシーバー』という単語自体は『無線機』そのものを指しますが、狭義ではとくに『携帯型無線機』あるいは『可搬型無線機』の呼称として使われています。

また、相手局の無線設備に左右はされますが、とくに登山の際に山頂で運用すると、驚くことに1.5wのハンディ機で50km先の局と交信できることも意外と少なくありません。

そして、万が一の災害時にはポケットやカバンの中の小さなハンディ機が心強い味方になってくれるかもしれません。本来のアマチュア無線としての運用、それに非常通信にも使えるアマチュア無線機のハンディ機、その主流やおすすめの機種について詳しく迫ってみましょう。

このようにハンディ機は1Wの小型軽量機、5Wの高出力機でやや大型機、使えるバンドの多さ、それに広帯域受信機能がついたモデルなど多数ありますので、ロケーションやアンテナの工夫に面白さを見出せる自信がある人は運用スタイルに合わせてぜひ選んでみてください。もちろん、自分の資格に応じたものを選んでくださいね。

このようにハンディ機はお手軽ですが、車載用のモービル機などと比べると、とてもパワーが微弱です。しかし、レピーターにアクセスできる環境ならハンディ機が『使えない』ということは決してありません。

なお、CQオームさんによると、一般的にモービル機よりもハンディのほうが、受信感度が高いそうです。