Personal_radio

画像引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%83%AB%E7%84%A1%E7%B7%9A

一世を風靡したパーソナル無線は昭和57年から始まった資格不要の無線でした。パーソナル無線制度は2015年11月に終了しています。

アマチュア無線のように資格取得のための講習も試験も不要で、無線機を買って付属の申請書を提出し、許可を得るだけで使えた”パーソナル無線“は80年代から90年代初頭、一大ブームになりました。

しかも、アマチュア無線と違って遊びと業務の両方に使えるのが大変魅力です。

また、最大5Wの送信出力を活かして、家や会社の屋根の上にアンテナを上げて「固定無線局」としてのほかに、自動車でも利用できました。一見、制約がなさそうな”何でもできる無線”に思えますが、警察や消防といった人命に関する業務や、船舶・航空・鉄道・バスなどの交通事業には使えません。

また、コールサインも付与されません。さらに無線機の改造、許可されないアンテナは禁止されています。残念ながら、利用者の減少からパーソナル無線の歴史は平成27年11月で終わりを迎え、割り当てられていた900Mhz帯域のいわゆるプラチナバンドは携帯電話会社に再配分となりました。

前述したとおり、見知らぬ人と交信をして楽しんだり、仲間と連絡を取り合ったりするのはアマチュア無線と似ていますが、一般的な仕事の業務連絡に利用できる点が異なっています。

総務省の無線局検索でパーソナル無線の登録局を調べると、登録者は個人のほか企業や、役場などの行政、教育委員会も含まれていたところが、やはりパーソナル無線とアマチュア無線の違いと言えるでしょう。
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903~905Mhzの周波数帯域を使用

パーソナル無線は903~905Mhzの周波数を使用。

900Mhzという周波数は非常に高い周波数で、性質が光と似ており直進性が抜群である一方、反射をほとんどしませんから障害物に弱いのがデメリットで、アマチュア無線の144MHz帯域や430MHz帯域に比べると、飛びが悪いと言えるでしょう。

ただ、電波ですから全く反射しないことはなく、回り込んだりもしますから、ビル街などでも数キロ程度であれば使うことができます。

もちろん見晴らしの良い高い山の上に登れば、200キロもの長距離でもメリット5で交信が可能です。なお、パーソナル無線では5ワット以上の出力を出すことは法律上許されません。

パーソナル無線機を使うにはROMが必要

通常、パーソナル無線機を購入すると、開局申請書とともに、小さなROMも付属します。パーソナル無線を使うにあたり開局申請を提出しますが、その際にロムも一緒に管轄の電気通信振興会に送ります。

すると免許状とともに、ROMには固有コードが書き込まれて返送されてきます。このROMを無線機に取り付けることでようやく、パーソナル無線の運用が開始できます。

携帯電話のSIMカードと似たシステムと考えると良いでしょう。

本来、パーソナル無線はコールサインが付与されない無線ですが、ATISというシステムでこのように無線機それぞれがROMに固有のコールサインを記載することで、キャリア(搬送波)送信時に固有のコードもともに送出されますので、どの無線機から送出された電波か、総務省ではわかるようになっています。

ただ、このROMですが、携帯電話のSIMカードと違って、一度セットすると通常の方法では二度と取り外せません。買ってすぐに誤って無線機にそのままROMをセットしてしまうと困りものです。

抜こうとして無線機を分解することは違法行為ですので、その際はメーカー経由で有償で外してもらわねばなりません。

特徴的な群番号というシステムを採用

決められた「チャンネル」を使って交信するパーソナル無線ではアマチュア無線のように周波数ごとに通信をする周波数を決めるのではなく、機械が自動的に決めたチャンネル、群番号に従って交信するのが特徴です。

このようなシステム上、とくにCB無線で顕著に見られたチャンネルの占有行為が起きないメリットがあります。

開始当初は80チャンネルでしたが、利用者増大に伴って昭和61年になると152チャンネルに大幅増加しています。このため、80チャンネル対応の旧機種と後発の152チャンネル対応の新機種ではつながらないというデメリットもありました。

しかし、一部ではやはり違法に改造する者もおり、不正に改造されたパーソナル無線機でチャンネルを占有する事態も実際に起きています。

走り屋、トラックドライバーの愛好家が多かった

パーソナル無線資格が不要ですから、だれでも気軽に使えたのが爆発的に流行した理由でしょうか。とくに自動車を趣味とする人や、職業ドライバーの愛好者が多かったそうです。

トラックのドライバーでは、それまでCB無線を使う場合が多かったようですが、パーソナル登場後は乗り換えた人も多くいました。

また、いわゆる峠を走る走り屋という者たちもパーソナル無線を多用して、峠の上と下で道路情報や警察の取り締まり情報を共有していたようです。

また、携帯電話もない時代ですから、暴力集団が仲間に集合をかける場合にもパーソナル無線が使用されていました。悲しいオレンジトップの歴史です。

映画にも登場

アマチュア無線の出る映画やアニメはありますが、実はパーソナル無線が出る映画もあります。それが、1984年のメイン・テーマ(薬師丸ひろ子主演)です。海岸で出会ったワケアリ男女が4WDで旅をするという話なのですが、当時普及が図られたパーソナル無線が劇中に登場します。

といっても、物語にはとくにからみません。主人公が、おにぎりマイクで「ハローCQ、ハローCQ」と、CQを出しますが、誰も応答する人がおらず、交信するシーンもありません。

ラストに、オレンジトップアンテナを付けたパソ無線仲間の車たちが集まり、お祭り騒ぎになるくらいが、見せ場かもしれません。

しかしやはり、交信するシーンはありません。なお、クラリオンのパーソナル無線機「シティーコール」のテレビCMでも本作の一場面が使われています。

なんだか電話機のような呼出音が、当時まだ保証金や月額料金などが高価で若者が気軽に手を出せなかった自動車電話をイメージさせますが、それもまた当時の若者を魅了させたのだろうと思います。

参考書籍【早わかりパーソナル無線】梅原敦 著


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