【航空無線受信テク】管制機関や民間事業者が運営する非公共用の小規模飛行場が設置した飛行援助用航空局を受信したい!


飛行援助用航空局(フライトサービス)とは?

紛らわしいのですが、ここでいう飛行援助用航空局の「航空局」とは役所の航空局ではなく、無線局を指しています。

飛行中の滑空機(グライダー)は滑空場のフライトサービスから指示を受けて飛行する。

そして、飛行援助を目的としたこの無線局は国が航空法に基づき設置した無線局ではなく、主に民間事業者が運営する小規模飛行場が設置している管制サービスなのです。

例えば、グライダーの滑空場など小さな場外離着陸場などに設置されており、この無線局を一般に『フライトサービス』と呼んでいます。

主な場外飛行場とフライトサービス

現在、日本国内には常設のフライトサービスが数十カ所あり、滑空場の場合は主に河川敷内に設けられ、その場合は河川の氾濫に備えるため、固定式の管制塔ではなく、車両でけん引して移動できるようなコンテナ・ハウス型の管制塔になっています。

主な場外飛行場のフライトサービスには北海道では美唄農道空港(美唄フライトサービス)、たきかわスカイパーク(滝川フライトサービス)、当麻滑空場(当麻フライトサービス)、美瑛滑空場(美瑛フライトサービス)などがあります。北海道の場合は降雪時期は運行できないためフライトサービスも休止されます。

関東・甲信越地方には岐阜県に大野滑空場(大野フライトサービス)、長野市滑空場(長野フライトサービス)、日本航空学園が運営する山梨県の双葉滑空場(双葉フライトサービス)、群馬県には板倉滑空場(板倉フライトサービス)、群馬ヘリポート(群馬フライトサービス)、千葉県には以下に紹介させていただく歴史のある関宿滑空場(関宿フライトサービス)などがあります。

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フライトサービスの主な通信は管制許可(クリアランス)、指示(インストラクション)、そして情報提供(インフォメーション)の三つ。

例えば、長い歴史を持つ関宿滑空場(千葉県野田市)では複数のクラブが共同でグライダーの操縦訓練を行っていますが、関宿フライトサービス(130.650MHZ)によって、滑空場および周辺のトラフィックを安全のため統制しています。

また、関宿フライトサービスをはじめとする一般的なフライトサービスでは通信要領を航空交通管制(ATC)にならっており、手短かつ、相手に確実に伝わるように努めて運行しています。

とくに関宿フライトサービスではフライトサービスが出す許可や指示といった発信内容もATC同様に航空機が緊急事態でもないかぎり従うべき命令に近いものとしています。

一方、フライトサービスの業務には周辺を低高度で飛ぶ外来の航空機からのトラフィック情報の求めに対して情報提供を行うインフォメーションというサービスがあります。

とくに周辺を通過する非所属の航空機では流ちょうな英語で尋ねてくるサンデーパイロットもおり、その際は本職の管制官ではないフライトサービスの担当者がしどろもどろになりながら片言の英語で答える場合もあります。

フライトサービスの交信では英語が基本ではなく安全の最優先のため『理解しやすく明快な日本語』が推奨されているので、ほとんどの交信が日本語で行われ、航空無線受信初心者にお勧めです。

例えば、実際の交信ではありませんが、飛行援助局付近を通過していく他の飛行場に所属する航空機からトラフィック情報を求められた場合、以下のような交信をする場合があります。

航空機「○△フライトサービス、こんにちは。こちら陸上自衛隊 ヒリュー359、現在○×市上空1500フィートで札幌飛行場へ向けて飛行中です。○◆市上空のトラフィック情報お願いします」

飛行援助局「ヒリュー359こんにちは。現在、○◆市上空、2000フィート以下で軽飛行機およびグライダー3機訓練中。なお追加情報として××農道空港でセスナが一機、訓練中。さらに北西より▼◆市立病院へ向けてドクターヘリが3000フィートで飛行中です」

航空機「了解。ありがとうございました。この空域を離れるまでこの周波数モニターします。ヒリュー359」

飛行援助局「了解。お気をつけてどうぞ」

航空機「サンキュー、グッデイ」

このように一般的なインフォメーションでは、その飛行場に所属する航空機の運航状況や、近隣を飛行中の航空機の情報を提供するほか、場合によっては『高速道路より東側を飛行してください』などと具体的に周辺を飛ぶ航空機に通過空域を指定することもありますが、あくまで協力要請であり、空港の管制の様な絶対的な管制権は無く、自飛行場や場外離着陸場に属したり、または利用する外来機に対しての指示が主であり、周辺空域を通過する他所の航空機に対しては要請に応じてトラフィック情報(インフォメーション)を提供するのみです。

ただ、関宿フライトサービスでは本来は許可、あるいは指示と違って命令するようなものではなく、また法的な服従義務があるわけではないとしながらも、実質的には指示命令に近いもの(ようなもの)として扱っていると明言しています。そのうえで、通常はフライトサービスの指示に従うことが前提としながらも、万が一の非常事態は操縦者の判断で危険の回避に努めることが大前提であるとも明言されています。

これらのことから、関宿フライトサービスでは一般的な管制官の行う管制とフライトサービスは別物であることに留意が必要であるとしています。

典拠元 関宿滑空場(NPO法人)http://www.sekiyado-gf.jp/images/kitei/tuusin.pdf

フライトサービスの周辺で大規模な災害や事故が発生した場合

ですから、飛行援助用航空局(飛行場など)の周辺で大規模な事件事故が発生すれば、ドクターヘリやマスコミのヘリ、警察、防災ヘリが一気に集まり、航空交通(トラフィック)情報の提供(インフォメーション)を多数求められ、当該飛行場フライトサービスの周波数、それに加えて航空機同士の近接交信周波数122.600MHzがたいへん騒がしくなります。

飛行場自体が臨時のヘリポートとなるなどすれば、グライダーやセスナ機の訓練飛行、スカイダイビングもその日はお開きになってしまうこともあります。

災害発生時に聴取すべき周波数として、別のページでもまとめていますが、できればフライトサービスの周波数も普段から傍受に努めてください。

参考サイト

総務省総合通信局公式サイト フライトサービスによる飛行援助通信 (イメージ図)

www.soumu.go.jp/soutsu/shinetsu/sbt/hodo/h24/120927_betten.pdf


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