「アマチュア無線で交信(QSO)を行う際には、相互にカードを交換する習わしがあります。
これがいわゆる『受信証の交換(QSL)』と呼ばれるものです。
QSLカードには、無線局のコールサイン、交信した日時、周波数、モード(電波形式)などの情報が記載されます。
特に海外のアマチュア局との交信(DX ペディション)で QSLカード を交換できると、その喜びはひとしおです。
QSLカードに記載しなければならない内容
QSLカードに記載しておくべき内容については、日本アマチュア無線連盟(JARL)の公式サイトに説明があります。
以下の項目が原則です。
たとえば、自局のコールサイン、交信地、局名、相手局のコールサイン、「貴局と交信したことを証明します」という文言、交信日時、周波数帯、電波形式、RS/RSTレポート、交信の御礼とカード送付依頼の文言などが挙げられています。
| 記載項目 | 説明 |
|---|---|
| 自局のコールサイン | カードを送る側の無線局の識別符号。 |
| 交信場所 | 運用した場所(QTH)を明記。 |
| 局名 | 無線局の名称や運用者名。 |
| 相手局のコールサイン | 交信相手の無線局識別符号。 |
| 交信確認文言 | 「貴局と交信したことを証明します」などの定型文。 |
| 日時 | 交信した日付と時刻(UTC推奨)。 |
| 周波数帯 | 交信に使用したバンドや周波数。 |
| 電波形式 | モールス(CW)、音声(SSB)、デジタルなど。 |
| RS/RSTレポート | 信号の強さ・明瞭度を示す報告値。 |
| 交信の御礼・カード送付依頼 | 礼状やQSLカード返送の依頼文。 |
QSLカードのサイズは、一般にハガキと同じくらい(148 mm × 100 mm程度)が標準とされており、デザインは自由です。
自分のシャック風景や地元の風景、自作イラストなどを用いても差し支えありません。公序良俗に反しない範囲であれば、デザインは自由です。」
QSLカードの詳しい書き方については、JARLの公式サイトに説明があります。
QSLカードの印刷方法
カードの印刷には専門業者を利用する方法もありますが、最近は自宅のプリンターで作成する方も多くいらっしゃいます。
QSLカードは単なる記念品ではありません
QSLカードを集めることで、アワード(賞)を狙うこともできます。そのため、虚偽の情報や記入ミスがあるとアワードの申請ができませんので、正確に記載することが重要です。
📜 QSLカードは単なる「記念品」ではありません! 📜
QSLカードを集めることで、アワード🏆(賞)を狙うことも可能です。そのため、虚偽や誤った内容を記載したり、記入ミスがあるとアワードの申請ができませんので、正確に記入することが大切です。
📨 QSLカードの交換方法 📨
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JARL経由(ビューロー交換)
JARL会員であれば、数か月に一度まとめて送ってもらえる便利な方法です。 -
ダイレクト交換
ビューローを通さず、直接局同士でカードを交換する方法です。 -
電子QSL
インターネットを使った電子的なQSLカード交換もあります。
💬 QSLカードを交換できない場合、交信できませんか? 💬
QSLカードを交換できない場合でも、交信自体は可能です。カードの発行は義務ではありませんので、希望しない場合は「ノーカードでお願いします」と伝えれば支障はありません。
経験則・慣習の印象ですが、多くの局はカード交換の有無にかかわらず交信に応じています。
したがって、JARLに入会していない初心者でも、費用をかけずに無線を楽しむことは可能です。
3. 実例
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実例1:海外DX局
海外の DX 局では QSL カードの受領を希望しない局も存在し、「No QSL please」と明示している場合があり、その場合でも交信は問題なく成立します。 -
実例2:JARL 非会員局
日本国内の初心者局でも、JARL 会員でなくても交信は可能で、カードのやり取りを希望しなければ問題ありません。
ただし、会員向けサービスやコンテスト参加資格は利用できない場合があります。
📖 交信記録(ログ)の重要性 📖
QSLカードを交換する際には、交信の記録(ログ)をつけることが非常に重要です。かつては『無線業務日誌』の記録が法的に義務とされていましたが、現在の法律改正により必須ではなくなっています。
それでも、ログを残すことで『以前にこの方と交信したことがある』とすぐに確認でき、当時の電波伝搬状況や気象条件なども把握できます。
そのため、今日でも多くのアマチュア無線家(ハム)がログを記録しています。
記録方法は自由で、市販のログブックを使用しても、自作のノートに線を引いて作成しても構いません。
パソコンを利用する場合は、無料のログ管理ソフト『ハムログ』なども便利です。
つまり、交信記録を残すことは、QSLカード交換に必要な情報を整理・記録するという意味でも非常に重要です。























































































































