無線通信では、自局の呼出符号(コールサイン)の明示が基本ルールです。これは、自局が正規に免許を受けた無線局であることを示すために重要な識別手段です。
固有の呼出符号の付与
アマチュア無線局が無線局免許を申請し、許可されると、無線局免許状(局免)が交付されます。
2025年10月から完全電子化になっています。免許状には、その局専用の呼出符号(コールサイン)が記載されており、世界に唯一のものです。
このコールサインによって、各無線局が国から正当に免許を受けた局であると識別されます。

呼出符号の構成
アマチュア無線局のコールサインは、国際電気通信連合(ITU)が定める「国際呼出符号字列分配表」に基づいて構成されています。一般的には次のような要素で成り立っています。
国際識別子(プリフィックス):日本の場合は「JA」「7K」など。
エリア番号:全国の総合通信局管内ごとに割り当てられた0から9までの数字。
サフィックス:2文字か3文字のアルファベットで構成され、局ごとにユニーク。
これにより、それぞれのアマチュア局が世界中のどこにいても一意に識別できるようになっています。
コールサインのはじめの三ケタをプリフィックスと呼び、コールサインの下三ケタをサフィックスと呼びます。現在交付されるサフィックスは3文字ですが、交付された年代が早いと2ケタの場合もあり、つまりかなりの大先輩であることを表しています。
Q符号(QRAなど)やSOSやOSOなど電信略符など混同される可能性があるものは原則として発給されず、また日本ではQRAからQTZのサフィックス(末尾の3文字)も発給されません。

エリアナンバーとコールサインの仕組み
アマチュア無線局のコールサインに含まれる数字は、エリアナンバーと呼ばれています。これは0から9の数字で構成されており、免許申請者が居住する地域の総合通信局の管轄区域によって決定されます。
| エリアナンバー | 管轄総合通信局 | 該当区域(都道府県) |
|---|---|---|
| 0 | 信越総合通信局 | 新潟県、長野県 |
| 1 | 関東総合通信局 | 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県 |
| 2 | 東海総合通信局 | 静岡県、愛知県、岐阜県、三重県 |
| 3 | 北陸総合通信局 | 富山県、石川県、福井県 |
| 4 | 近畿総合通信局 | 大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県 |
| 5 | 中国総合通信局 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
| 6 | 四国総合通信局 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
| 7 | 東北総合通信局 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
| 8 | 北海道総合通信局 | 北海道 |
| 9 | 九州総合通信局 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
例えば、
北海道 → 8
関東 → 1
東海 → 2
といった具合に、全国がそれぞれの番号で区分されています。
コールサインは選べる?
通常、コールサインは申請者の住所地を担当する総合通信局によってランダムに付与されます。免許状が届くまで、どんなコールサインが与えられるか分からないため、まるで「くじ引き」のようなワクワク感があります。
なお、自動車の希望ナンバー制度のように任意のコールサインを選ぶことはできません。ただし、過去に自分が使っていたコールサインであれば、免許失効後であっても再取得を希望できます(一定の条件あり)。
コールサインの検索と過去の「コールブック」
現在では、総務省のウェブサイトを通じて、割り当てられたコールサインを検索できます。免許状の発行からおおよそ3週間程度で反映され、表示される情報は以下のとおりです。
コールサイン
送信出力
電波形式
※個人の氏名や住所などは非公開となっており、プライバシーは守られています。
かつては、CQ出版社から発行されていた「コールブック」という書籍があり、全国のアマチュア局のコールサインを電話帳のように一覧できました。これは無線愛好家にとって大変重宝されていた資料です。
無線局のコールサインにまつわる小話
コールサインは放送局にも
テレビ局やラジオ局などの放送局も、電波を用いる通信局として正式なコールサインを持っています。たとえば、NHK東京は「JOAK」というように、放送業務用の専用コールサインが割り当てられています。
「ハドソン」のマスコットキャラ「ハチスケ」は北海道エリアの「8」から
1980年代、ファミコンソフトの開発会社として一世を風靡した「ハドソン」といえば、札幌に拠点を構えていた北海道発のゲームメーカーです。現在ではコナミに吸収合併され、企業としてもブランドとしても姿を消していますが、実はこのハドソン、もともとの出発点はアマチュア無線ショップでした。
そして同社のマスコットキャラクターである「ハチスケ」は、北海道のアマチュア無線におけるエリアナンバーが「8」であることにちなんで、当時の社長が名付けたものだといわれています。こうした背景からも、ハドソンが無線文化にルーツを持つ企業だったことが伺えます。
フリーライセンス無線とコールサイン
これに対し、免許や資格が不要な無線、いわゆる「フリーライセンス無線」(例:デジタル簡易無線など)では、正式なコールサインは発給されません。
そのため、ユーザーは各自で自由に名前や通話名を名乗るスタイルが一般的です。アマチュア無線のように国から発給される正式な呼出符号とは異なりますが、その自由度の高さがフリーライセンス無線の魅力の一つでもあります。
アマチュア無線でカード交換(QSL)
「アマチュア無線で交信(QSO)を行う際には、相互にカードを交換する習わしがあります。
これがいわゆる『受信証の交換(QSL)』と呼ばれるものです。
QSLカードには、無線局のコールサイン、交信した日時、周波数、モード(電波形式)などの情報が記載されます。
特に海外のアマチュア局との交信(DX ペディション)で QSLカード を交換できると、その喜びはひとしおです。
QSLカードに記載しなければならない内容
QSLカードに記載しておくべき内容については、以下の項目が原則です。
たとえば、自局のコールサイン、交信地、局名、相手局のコールサイン、「貴局と交信したことを証明します」という文言、交信日時、周波数帯、電波形式、RS/RSTレポート、交信の御礼とカード送付依頼の文言などが挙げられています。
| 記載項目 | 説明 |
|---|---|
| 自局のコールサイン | カードを送る側の無線局の識別符号。 |
| 交信場所 | 運用した場所(QTH)を明記。 |
| 局名 | 無線局の名称や運用者名。 |
| 相手局のコールサイン | 交信相手の無線局識別符号。 |
| 交信確認文言 | 「貴局と交信したことを証明します」などの定型文。 |
| 日時 | 交信した日付と時刻(UTC推奨)。 |
| 周波数帯 | 交信に使用したバンドや周波数。 |
| 電波形式 | モールス(CW)、音声(SSB)、デジタルなど。 |
| RS/RSTレポート | 信号の強さ・明瞭度を示す報告値。 |
| 交信の御礼・カード送付依頼 | 礼状やQSLカード返送の依頼文。 |

QSLカードのサイズは、一般にハガキと同じくらい(148 mm × 100 mm程度)が標準とされており、デザインは自由です。
自分のシャック風景や地元の風景、自作イラストなどを用いても差し支えありません。公序良俗に反しない範囲であれば、デザインは自由です。」
QSLカードの詳しい書き方については、JARLの公式サイトに説明があります。
QSLカードの印刷方法
カードの印刷には専門業者を利用する方法もありますが、最近は自宅のプリンターで作成する方も多くいらっしゃいます。
QSLカードは単なる記念品ではありません
QSLカードを集めることで、アワード(賞)を狙うこともできます。
そのため、虚偽の情報や記入ミスがあるとアワードの申請ができませんので、正確に記載することが重要です。
📜 QSLカードは単なる「記念品」ではありません! 📜
QSLカードを集めることで、アワード🏆(賞)を狙うことも可能です。
そのため、虚偽や誤った内容を記載したり、記入ミスがあるとアワードの申請ができませんので、正確に記入することが大切です。
📨 QSLカードの交換方法 📨
JARL経由(ビューロー交換)
JARL会員であれば、数か月に一度まとめて送ってもらえる便利な方法です。ダイレクト交換
ビューローを通さず、直接局同士でカードを交換する方法です。電子QSL
インターネットを使った電子的なQSLカード交換もあります。
💬 QSLカードを交換できない場合、交信できませんか? 💬
QSLカードを交換できない場合でも、交信自体は可能です。
カードの発行は義務ではありませんので、希望しない場合は「ノーカードでお願いします」と伝えれば支障はありません。
経験則・慣習の印象ですが、多くの局はカード交換の有無にかかわらず交信に応じています。
したがって、JARLに入会していない初心者でも、費用をかけずに無線を楽しむことは可能です。
3. 実例
実例1:海外DX局
海外の DX 局では QSL カードの受領を希望しない局も存在し、「No QSL please」と明示している場合があり、その場合でも交信は問題なく成立します。実例2:JARL 非会員局
日本国内の初心者局でも、JARL 会員でなくても交信は可能で、カードのやり取りを希望しなければ問題ありません。
ただし、会員向けサービスやコンテスト参加資格は利用できない場合があります。
交信記録(ログ)の重要性
QSLカードを交換する際には、交信の記録(ログ)をつけることが非常に重要です。
かつては『無線業務日誌』の記録が法的に義務とされていましたが、現在の法律改正により必須ではなくなっています。
それでも、ログを残すことで『以前にこの方と交信したことがある』とすぐに確認でき、当時の電波伝搬状況や気象条件なども把握できます。
そのため、今日でも多くのアマチュア無線家(ハム)がログを記録しています。
記録方法は自由で、市販のログブックを使用しても、自作のノートに線を引いて作成しても構いません。
パソコンを利用する場合は、無料のログ管理ソフト『ハムログ』なども便利です。
つまり、交信記録を残すことは、QSLカード交換に必要な情報を整理・記録するという意味でも非常に重要です。







































































































