事件が起これば、パトカーが登場するのはアニメでもドラマでもおなじみの展開。
ただ今回は、いわゆる白黒のパトカーではなく、“覆面パトカー”が登場するアニメ作品に焦点を当ててみましょう。
「警察をテーマにしたアニメ」なんて、今では決して珍しくはありませんし、正直そこまで興味が湧かないという方も多いでしょう。
かくいう筆者も今更そうゆうの見る歳でもないですし、最近のアニメについてはご容赦ください。
『エスパー魔美』とか見てたほうが面白いしな。あのアニメ、覆面パトカーは出てこなかったけど、何と言っても原作の藤子・F・不二雄先生がガンマニアだから、エアガン、モデルガン(中学生の違法改造含む)、さらには警察官の携行けん銃まで、やたらとリアルな銃器が出てくるのが興味深い。
チンピラがコルト・ガバメントを連射して、ホールドオープンしたまま「とったどー!」とか叫んだり、「エアガンなんかじゃ、かまいたちは獲れねえよ」なんて謎セリフも飛び出すし。銃を構える時の効果音もなぜか『シティーハンター』で冴羽獠がコルト・パイソンを抜いて構える時と同じかつ、魔美が危険予知の前に流れる効果音も、冴羽獠が敵に襲われる直前かなんかの時にいつも流れるやつと同じなんで、なおさらカオスなんだよな。まあ、この“やたら多い銃器ネタ”も藤子・F・不二雄のファンタジー世界の二面性だと思う様になったのは大人になってからだな。
そういえば『キテレツ大百科』でも、ブタゴリラがトンガリをコルト・ガバメントのプロップガンで射殺した(※と、ブタゴリラ本人が誤認)シーンがあったな(笑)
ところどころ見逃してた回があったので視聴してたら
ブタゴリラがトンガリ撃ち殺して窓ぶち破って逃走したw pic.twitter.com/zNMhPGlHXW— くろがねぎん@C102新刊委託中 (@kuro_gin3) January 24, 2021
あと、勉三さんがエキストラのバイト中に劇用車のパトカーに乗って、警察の制服姿のまま自宅アパートに帰ってくる回もあったっけ。キテレツすぎるだろ……🫵
子ども向けと思って安心して見てると、突然、私服が現れて、いきなり犯人に拳銃を突きつける…そんな展開がある『釣りキチ三平』なんかも、実はかなり見ごたえがあるんだよね。あれ、コナン並みに地味に死ぬ人が多い。いやまあ、大自然が相手だからな。
そういえば、「アニメ作品でニューナンブM60が登場した最初の作品は?」という問いも出てしまいます。
はっきりと大写しで描かれた例としては、1990年の短編アニメ『そうかもしんない』が有力かもしれません。ただ、確証がないため「そうかもしんない」です。
ともあれ、この潰れたワラジ虫みたいなサムピースの形状だけでも、明らかにニューナンブM60なのは間違いありません。
Wikipediaではちゃんと「流星型サムピース」って書かれてるから、潰れたワラジ虫って言うのやめなさい(笑)
ところが、銃身がどう見ても4インチ近い……ニューナンブは最長でも3インチなので、だいぶ延長されています。
これ、アニメならではの作画のアレンジなのか、それとも別モデルとの混成表現なのか、興味が尽きません。
1988年公開の映画『リボルバー』でも“思春期の少年がピストルを拾ってしまう”という設定が登場しますが、当時の日本の映像作品において「拳銃を拾った少年」がモチーフとして流行していたのかもしれませんね。
一方で、主人公は探偵ながら、裏の顔は非合法な“掃除屋”というハードボイルドな設定を持つ『シティーハンター』に登場する野上冴子刑事、原作ではニューナンブを所持している設定ですが、アニメ版でそれがしっかり描写されていたかは未確認です。
こちらも80年代アニメとしては、リアルな刑事・警察描写が意外に多く、もっこりに抵抗がなければ見応えのある作品です。
大人になってから見返してみたら……下ネタが想像以上にきついわ(笑)今だと深夜枠でもギリギリの内容、よく放送できてたなと感心すらします。
そのほか、定番の「天才バカボン」や「ルパン三世」などでも、警官隊の中にニューナンブらしきものが描かれているシーンはあるんですが、やはりモブ扱いだと断定しにくいんですよね。
なお、バカボンの「本官さん」に関しては「本官のコルトが~」というセリフがあるので、違うようです。日本警察でコルトを使っていたとすれば、かなり旧式の時代か、あるいはネタとしてのオーバーな演出でしょう。
ともかく、今回は銃ではなく、『覆面パトカーが登場するアニメ』が主旨です。
比較的年代が古いテレビアニメという視点で見れば、やはり異色の存在だったのは間違いありません。
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名探偵コナン
「最近のアニメはご容赦」とか言いつつ、これかよ(笑)しかし「覆面パトカー×アニメ」といえば、やはり外せません。放映からすでに30年近く続く、古くもあり新しくもある、由緒正しき警察のプロパガンダアニメ……そう、名探偵コナン。
子どもが警察の捜査現場に出入りするのは異様で、その時点でギャグアニメのジャンルと捉えるべきですが、警察組織自体の掘り下げた描かれ方はやはり特筆すべきもの。
覆面パトカーの登場頻度も高め。とは言え、ファンでもない筆者がいまさら取り上げるのも野暮かと思っていたところ……。
2025年3月に放送された第1155話「追跡!探偵タクシー2」は衝撃的でした。この回は『TVオリジナル』とのことで、原作にはない様です。
この回では、なんと「毛利小五郎名探偵オタク」のタクシー運転手・石川元気が、自車に赤色灯を搭載し、覆面パトカーに偽装するというトンデモ展開に。
もちろんコナンくん自身がツッコミを入れてました。「道路交通法違反だ」と(笑)
ところが笑い話では済まされないのが現実。実際にこの放送の前年、2024年には福岡県で「偽装覆面パトカー事件」が発生。
ある男が車に赤色灯を装着し、赤信号の交差点をサイレン鳴らして進入、タクシーと衝突するという大変悪質な“警察マニア”による事件が報じられています。
まさかアニメで現実をなぞってくるとは……時代ですね。
【衝撃】覆面パトが緊急走行!?→交差点で一般車と事故→運転手ら車内篭城→周囲『警察官の前に人としておかしいやろ!』→本物警察さん『あれは偽ものです…』
いや、さすがにそれは深読みしすぎでしょう。いやいや、こっちが元ネタでしょう?NY市警のタクシー覆面。
筆者としては赤色灯で覆面パトカーに偽装するタクシーというプロットだけでもだいぶ怪しげで、「警察プロパガンダアニメなのに、やってること大丈夫?」と思いもするのですが、ファンからはそれよりも、トリックが雑すぎる、セオリー無視といった批判も散見されるようです。
で、そんな“偽装覆面パトカー”の系譜、振り返ってみると、案外、アニメでは前例がありました。
逮捕しちゃうぞ(1996)
藤島康介原作の人気コミックをアニメ化。交通課の女性警察官ながら、なぜか交通事件以外にも介入しまくるというツッコミどころ満載の作品で、実写ドラマ化もされるほどの人気作。
アニメ版では、ニューナンブM60(3インチ)の描写はもちろん、覆面パトカーの内装や、助手席のカーメイト製ミラーまで細かく描き込まれ、マニア受けも上々。
なんと、こちらも偽覆面の話。すいません、さっきからモドキばっかで(笑)。ブームですもんね。乗るしかない、このカムリの偽覆面に。乗るなよ(笑)
筆者が強く覚えているのは、原作で描かれたある回。それは、パトカーの整備士が抱える「警察官への嫉妬と暴走」をテーマにしたエピソード、「廻れ!炎の回転灯」です。
(再)
特装車・消防車・部品の見本市行くとメーカーの技術者がブースで説明。コンパニオン雇うのは一部上場位。クルマの見本市は完成車メーカー主体だけど。こういう事態を予期し?『逮捕しちゃうぞ』「FILE.70 廻れ炎の回転灯」という整備士が警官に化け鬱屈を晴らす作品が35年前に上梓。偉大。 https://t.co/DaHL02fE3V pic.twitter.com/N2H0mV7mWi
— いわみこうぞう(💉P x7+MJ+他10種類) (@MasaruKoga1975) February 24, 2025
「自分が汗水流してパトカーを整備しても、それで違反者を捕まえて褒められるのは警察官だけ。こっちは誰にも評価されない。」
という自分勝手な鬱屈と妄執から、パトカーの整備担当が、なんと自作の覆面パトカー(Z32)で勝手に交通取締りを始めてしまう——という切ない物語。
ただし、アニメ版では、違った展開に。
第38話 廻れ! 炎の回転灯【後編】 あらすじ
墨東署全員の必死の調査と捜査で浮かび上がった実行者像。それは本庁内の一部エリートたちだった。警察のやり方に甘さを感じた彼らが独自に懲罰行動に走ったのだ。彼らのゆがんだ正義感に怒りをおぼえた夏実と美幸たち。墨東署員全開のパワーと知性で実行犯を追い詰めにかかる!
なんと、偽覆面は車両整備係の個人的犯行ではなく、本庁のエリート警察官らによる組織的犯罪にグレードアップ。
その犯行理由も「パトカー整備士の個人的な鬱憤ばらし」から「一部エリートの歪んだ正義」という大掛かりな陰謀めいたものに。
仮にも現職のエリート・キャリアなら、タクシーを覆面パトカーにして取り締まるとか他に姑息なやり方があるのでは(笑)子どもかよお前(笑)
彼らの思想は警察権力による実力を伴った“暴力的交通取り締まり”にあり、「交通機動隊版ワイルド7」を作りたかった、あるいはそのための予算を得たかったんでしょうね。
単なる“整備士の個人的な鬱憤ばらし”で完結する話以上の、もっと大きな陰謀的展開を描きたかったんでしょうね。
機動警察パトレイバー(1989〜)
原案・ゆうきまさみ、原作・ヘッドギアの警察×ロボットアニメ。
1990年7月18日放送のTVアニメ第37話では、高速道路交通警察隊の覆面パトカーが登場。リアトレイの「パトサイン」までしっかり描写されており、さすがのこだわり。
一方で、主人公・後藤喜一警部補が乗るゲタ車は、軽自動車のミニパトという潔さ。それがまた、「ひねくれてて逆にかっこいい」と好評で、アニメにして唯一、黄色ナンバーがかっこいいと賞賛された伝説の1台となっております。
本作は、警察組織の内部事情や現場捜査のリアリズムを意識した設定で、当時としては非常に斬新で、コアなマニア層からはカルト的人気を誇っているのは説明不要です。
レイバー操縦士であり警察官である主人公の泉野明、篠原遊馬らが所属する「特車二課」は実際の警視庁警備部機動隊の中の特科車両隊の中の架空の大隊という設定がアツイ。
ちなみに、『踊る大捜査線』の本広克行監督も同作のファンであり、「踊る」は本作から多大な影響を受けたと公言しています。
……なるほど、どうりで体育会系特有の内輪ノリのような寒~い会話が延々と続くわけです。ちょっとついていけません(笑)熱かったり寒かったり、どっちなんだお前(笑)
未来警察ウラシマン(1983)
ロボットアニメにおける「変形」を「普通の車から覆面パトカーへの“変身”」に託した昭和の近未来警察アニメ!?
タイムスリップと近未来SFを合体させた、タツノコプロによる異色ポリスアクション。1983年を生きる少年「ウラシマリュウ」が、2050年の「ネオトキオ」にウラシマ効果で迷い込み、未来の警察官にスカウトされるという、「浦島太郎×警察×バディもの」です。

この作品においても、覆面パトカーがちゃんと登場。とはいえ、そこは未来世界の設定なので、乗り物デザインもひと味違うスタイルでした。
細部の演出に、当時のクリエイターたちの本気が垣間見えます。
余談ですが、タツノコといえば『光の伝説』という作品もありましたが、あれはまあ……コケたなあ……。
降りしきる雨がフロントガラスを叩く中、リュウは愛猫ミャアを助手席に乗せ、ひたすら逃げていた。
――彼の背後には、赤色灯を回転させながら迫る無数のパトカー。
「俺はあんな大それたこと、やっちゃいねぇ!」
震える声を張り上げながら、ハンドルを握るリュウ。しかしカーラジオからは、あろうことか自分の指名手配情報が流れる。
「俺のほうが訴えてやる!」
根拠なき怒りをぶつけながらも、無免の彼に逃げ道はなかった(なお年齢設定は16歳)。
そして運命の分かれ道――リュウの愛車、1960年代式のフォルクスワーゲン・ビートルは工事中のバリケードを突破し、そのまま崖下へと転落。
瞬間、車体は謎の光の空間に飲み込まれ、時空を超える。
――たどり着いたのは、67年後の未来都市「ネオトキオ」。
時空のトンネルを抜けたビートルは、見知らぬ高速道路上に出現し、直後にエアカー型覆面パトカー「スポイラー」に追突。その相手こそ、後に相棒となる交通管制隊員・クロードだった。
そのままリュウは逮捕され、取り調べを受けるが、そこへ突然、謎の犯罪組織ネクライムの襲撃が起こる。
混乱の中、リュウは見事な身体能力と反射神経を発揮し、初対面の警官たちの目を見張らせる。
その能力を見込まれたリュウは、機動メカ分署『マグナポリス38』に預けられる。分署長は渋みあふれる叩き上げ、権藤警部。
配属されたチームは、元修道女のソフィア、そして例のクロードといった、クセの強い布陣。
こうして、リュウは未来世界の機動刑事として再出発を果たす。まぁ、やたら人員の少ない機動捜査隊ですなぁ。
そして忘れてはならないのが、リュウと共に時空を超えた彼の愛車――1960年代式ビートルの存在。
このクラシックカーはリュウの手により、未来技術と1980年代流のセンスが融合された「マグナビートル」へと超進化。
その仕様は以下の通り:
-
ルーフから自動展開する赤x青の警光灯
→ 現実の交通取締用覆面パトカー同様、ボタン操作で露出。 -
サイドドアに浮かび上がる“POLICE”マーキング
→ 通常走行時はマーキングが消えており、警光灯とともに表示。 -
通信装置、その他の装備など
→ 車載AIとのリンクポイント、他車両とのテレビ電話、偵察ドローン「アイポッド」とのリンク
この“旧車+未来技術”というギャップこそが、マグナビートル最大の魅力。
なお、リュウのやってきた2050年の未来社会では、もはやハイブリッドカーや電気自動車どころの話ではありません。
すべての車がタイヤのない「エアカー」となり、地上から数十センチ浮かんで走るうえ、自動運転が当たり前の、究極のハイテク・エコカー交通安全社会が実現していたのです。
もちろん、パトカーもタイヤがありません。しかし、リュウは「タイヤがついてない車は嫌だ」という個人的な理由から、エコ社会に逆行してタイヤのついたビートルに乗り続けています。
銃も、わざわざ骨董品倉庫から偶然見つけたM36チーフスペシャルをカスタムし、自作の「マグナブラスター」として使用する超アナログなリュウ。
そんな時代でも、交通取り締まりは健在です。
なにせ、未来社会でも覆面パトカーという概念がまだ存在するのです。
ただ、アメリカの一部警察のように、交通取り締まりに関しては覆面での活動が禁止されている地域もあるのかも。
さて、物語が始まってすぐの頃こそ、リュウの「マグナビートル」がパトライトを屋根に出すシーンが登場しますが、中盤以降になるとパトライトは常時設置状態に。
そのため、捜査上の秘匿を目的とした私用車を装った覆面パトカーとしての意味は失われ、単なるパトカーとして運用されていくようになってしまいます。
それでも第30話の「荒野の悪徳保安官」では私用車形態で潜入捜査も描かれたりもします。
とはいえ、リュウたちがほぼ毎回対峙する相手は、ネオトキオを支配しようと企む「ネクライム」という組織。そして、その精鋭集団であるスティンガーウルフ。
すでに彼らメカ分署の存在も顔も知られています。したがって、一般的な街頭犯罪にほぼ対応しない彼らは覆面パトカーに乗る必要が薄れていったのかもしれません。
ヒーロー作品における「変身」シーンが重要な見せ場であるように、車の「変形」もまた、作品の大きな魅力のひとつ。
『未来警察ウラシマン』は、当時の子どもたちをワクワクさせる、メカやギミック満載の近未来感覚アクションアニメだったものの、覆面パトカーならではの演出や活用を、もう少しだけ描いてほしかったという惜しさも残ります。
ところで、クロードのスポイラー、見た目はカウンタックっぽいシャープなデザインですが、浮いてる姿を見ると、ちょっと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンっぽい香りも。
それにしても、1980年代に制作された未来を舞台としたアニメ作品は数多くありますが、「ドローン(アイポッド)」のようなガジェットを先取りしていたのは、この『ウラシマン』だけかもしれません。
ちなみに、「逮捕しちゃうぞ!」というフレーズも、本作の次回予告が元祖なのです。たまげたなあ。
『ゴルゴ13 劇場版』(1983年)
劇場版では、アメリカの警察が使う覆面パトカーが登場しますが、日本式の反転式警光灯が取り付けられており、少し違和感があります。
当時のアメリカでは、着脱式の「コジャック灯」が主流で、その後、車内設置が主流になっており、米国警察において「反転式」は当時も現代も配備された実績はないと思われます。
『ルパン三世』シリーズ
80年代のテレビシリーズでは、銭形警部がアメリカ式の覆面パトカーで登場します。青い警光灯を自分の手で屋根に載せるという、お決まりの演出が。
『ライディング・ビーン』(1989年)
園田健一氏原作のOVA『ライディング・ビーン』でもアメリカの警察が描かれており、主人公を追う刑事たちの覆面パトカーには、ダッシュボードの上に警光灯があらかじめ設置されています。
『トランスフォーマー アニメイテッド』
アメリカ版『トランスフォーマー』シリーズに登場するオートボット「バンブルビー」は、覆面パトカーの形態を持つという設定です。
子ども向けおもちゃとしての見映えを意識してか、屋根にパトライトが載っており、アメリカの覆面パトカーとしては珍しく、日本の覆面に近い見た目になっています。
『ガジェット警部』(1983年)
最後にご紹介するのは、1983年に制作されたアニメ『ガジェット警部(INSPECTOR GADGET)』です。
ドタバタとハイテクが融合した世界観の中で、覆面パトカーの描写も独特でした。
『ガジェット警部』と覆面パトカーの演出
『ガジェット警部(Inspector Gadget)』は、1983年にフランスと日本の共同制作で誕生したアニメ作品です。
まずはフランスなど海外で放送され、日本での放映はそれから3年後の1986年、NHK衛星第2テレビジョンの「衛星アニメ劇場」枠で行われました。
こうした放映経緯のため、日本国内での知名度はそれほど高くはありませんが、海外では根強い人気を誇る作品です。
実際に、1999年には実写映画化、2015年にはNetflixで新作CGアニメシリーズの『ガジェット警部の事件簿』が配信され、その国際的な支持の高さがうかがえます。
本作の主人公である「ガジェット警部」は、かつて一度命を落としたものの、サイボーグとして復活したロボット刑事です。
ただし、その事故の原因はといえば、映画『ロボコップ』の主人公・マーフィー巡査のような殉職ではなく、「バナナの皮で滑って頭を打つ」という非常にコミカルなもの。
こうした設定からも、本作のユーモアと脱力感のある世界観が伝わってきます。
ガジェット警部が乗車する車両「ガジェット・モービル」は、普段は私用車風のバン型車両として使用されていますが、事件発生時には車体が変形し、スポーツカータイプのパトカーへと変形。
変形後の車体デザインには諸説ありますが、Toyota Celica Supra P-Typeがモデルという説が有力で、1981年製のデロリアンをモチーフにしているという意見も存在します。
そういえば、先述の「ウラシマン」に登場するスポイラーにも似ていなくもありません。
変形後のガジェット・モービルは、車体サイドに「POLICE」の文字が現れるなど、まさに「隠れていたパトカー」が顕在化するギミック満載の仕様です。
こうした変形ギミックは、子ども向け作品としての演出だけでなく、覆面パトカーという存在の意外性やサプライズ感を視覚的に強調するための工夫と言えます。
なお、以下のリンク先には、この「ガジェット・モービル」についての詳細な解説が掲載されています。
https://thenewswheel.com/cartoon-car-spotlight-details-on-inspector-gadgets-gadgetmobile/
筆者自身、このアニメ作品の存在を長らく知らなかったのですが、ある外国人が日本の交通覆面パトカーを見て「まるでガジェット警部みたいだ」とコメントしたのをきっかけに、本作を知ることとなりました。
ちなみに、YouTubeで「SNEAKY UNDERCOVER JAPANESE COP CAR!!」という動画に登場する、反転式のパトライト付き覆面パトカーに対する外国人の反応は非常に興味深いものでした。
まとめ
いやぁー、ほんとにこのおじさん、今のアニメ知らないんだねーってのがよくわかる記事ですね。