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【検証】SAT・SP・SFGpが使用したH&K USPとは?日本特殊部隊の拳銃事情

警備部
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日本の政府機関では警察と自衛隊双方にドイツの名門銃器メーカー、H&K(ヘッケラー&コッホ)社の製造するSFP9が配備されているのは広く知られているところだ。

一方で、同社の「USP」が配備されているのはあまり知られていないかもしれない。

ここで掲載している情報は表現の自由における一般的な報道・評論の範囲に留まります。また、この記事には特定のけん銃モデルの説明文において、可能な限り出典を明示しておりますが、一部に個人の主観的表現やフィクション作品の例を用いた修辞が含まれている場合があります。

USPとは?世界の法執行機関・軍が採用

ドイツH&K社が1990年代に世に送り出した名拳銃

USPは1990年代にH&K社が開発した自動拳銃で、ドイツ国防軍では従来のP1(ワルサーP38)に代わり、「P8」の名称で正式採用されている。

スライドは金属製、フレームとマガジンは高強度ポリマーで構成されており、軽量ながら高い耐久性を持つ。

バリエーションには、セミ・コンパクトのUSPコンパクト、競技仕様、タクティカル仕様などが存在する。

使用弾薬も、9mmパラベラム(9×19mm)、.40S&W、.45ACPと多岐にわたる。

なお、アメリカ軍で採用されたMk 23は、同じくH&K社が開発した拳銃であるが、米特殊作戦軍(USSOCOM)の要求仕様に応じて開発された大型拳銃であり、USPの派生型ではない。

豊富な口径バリエーションと前後に伸びた豊満なグリップ

9mmパラベラムをはじめ、より大口径の.40S&Wや.45ACPといった複数の口径バリエーションが用意され、ダブルカラム仕様では9mmで15発、.40S&Wでも13発を装填可能という怒涛のハイキャパシティを誇るUSP。

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ドイツのH&K社が開発したUSPを再現したエアコッキング式のハンドガンです。
項目諸元
正式名称Heckler & Koch USP (Universal Self-loading Pistol)
設計・製造H&K(ドイツ)
開発年1993年
口径9×19mm パラベラム
.40 S&W
.45 ACP
作動方式ショートリコイル式・リンクレス・ロッキングブロック
全長約 194 mm(標準型)
銃身長108 mm(標準型)
重量約 748 g(空マガジン時)
装弾数9mm: 15発
.40S&W: 13発
.45ACP: 12発
安全装置・マニュアルセイフティ(手動セーフティレバー、バリアントにより位置と動作が違う)
・デコッキング機能(セーフティレバー兼用)
・ファイアリングピンブロック(撃針ブロック、安全プランジャー)
・ハンマーセーフティ(コック&ロック可能)

ただし、その大容量設計が仇となった面もある。ダブルカラム化によって前後に伸びたグリップは、男性でも握りにくいとの声が少なくなかった。

高い信頼性を備えながらも、万人向けのフィット感にはやや課題が残った。

この問題はUSPを小型化したUSPコンパクト、さらにUSPを改良した「P2000」でも顕著で、配備されたドイツ連邦警察の女性警察官にも苦痛であった。

バリアントごとの違い

USPはバリアント(各種派生型)が10タイプまである。

射手の利き腕によっても、非常に細かな設定を選択できるのが特徴だ。

バリアント操作系統特徴
バリアント 1セーフティ+デコッキング(右利き用)コック&ロック(コックしたままセーフティ)可能。デコックも可。
バリアント 2セーフティ+デコッキング(左利き用)操作レバーが左側に配置された左利き用。
バリアント 3デコッキングのみ(右利き用)手動セーフティなし。デコッキングのみ可能。
バリアント 4デコッキングのみ(左利き用)バリアント3の左利き版。
バリアント 5セーフティのみ(右利き用)デコッキング機能なし。手動セーフティのみ。
バリアント 6セーフティのみ(左利き用)バリアント5の左利き版。
バリアント 7セーフティ・デコックなし(DAO専用)常にダブルアクションオンリー。外部セーフティやデコックは存在しない。
バリアント 9セーフティのみ(右利き用、DA/SA)デコッキング機構なし。セーフティのみ。DA/SAトリガー。
バリアント 10セーフティのみ(左利き用、DA/SA)バリアント9の左利き版。

日本の公的機関によるUSPの採用──警察特殊部隊や自衛隊での使用

確認されているH&K社製拳銃の配備事例は以下のとおりである。

  • 警視庁SAT(特殊急襲部隊):USPを配備。運用状況の詳細は非公開だが、2002年に訓練動画公開が行われたほか、長久手町事件など実戦投入例があるとみられる。
  • 警視庁SP:USPおよびH&K P2000を導入。P2000はUSPを小型軽量化した先進モデルで扱いやすく、現在はUSPよりP2000が主流と見られる。
  • 自衛隊特殊作戦群:民間人のブログによるリークにより、USPタクティカルと思われる拳銃が配備されていることが判明。サプレッサー対応バレルを備えている。


これらの拳銃は、海外メーカーから政府調達の形で輸入されたとみられ、国内商社を通じた一般的な輸入ルートとみられる(H&Kの正規輸入代理店の一社は双日である)。

日本警察が配備する拳銃の種類
日本警察が現在配備している拳銃は、「回転式拳銃(リボルバー)」と「自動式拳銃(オートマチック)」に分類されますが、その中でも、全国の地域警察官に広く配備されている主力は、現在でも回転式拳銃です。これは、日本警察が重視してきた「安全性」「信頼…

警察での配備例──訓練映像で明らかになったUSPの運用実態

2002年、警視庁が報道機関向けに公開した特殊急襲部隊(SAT)の訓練映像において、H&K USPを構える隊員たちの姿が初めて確認された。

映像では、いわゆる「アサルトスーツ」と呼ばれる黒の出動服に防弾ベスト・フェイスシールドつき防弾ヘルメットを装着した隊員らが、屋内戦闘訓練(CQB=近接戦闘)の手順に従い、標的の紙的などを銃器で排除していく様子が克明に収められていた。

その中で、隊員らの使用する複数の自動式拳銃のうちの一丁がH&K USPであることがスロー再生や静止画で判別可能となり、確定されたのである。

当時は、SATが保有する火器の詳細は、未だ非公開であり、型式や仕様は「特殊拳銃」といった曖昧な表現にとどめられることが多かった。

その後も、各種の報道や公開訓練で、USPを手にする隊員の姿が確認されているが、この訓練映像こそが、「SATの拳銃=H&K USP」を裏づける重要な初出例である。

H&K USPは、9mmパラベラム弾を使用する高精度・高耐久の自動拳銃であり、その信頼性と操作性から各国の特殊部隊でも評価が高い。

SATのような突入・制圧任務を担う部隊にとって、きわめて理にかなった選定といえるだろう。

また、一部のSPにも配備が行われているようだ。

SPもまた配備される拳銃のバリエーションが多いことが知られており、USPを発展改良させた「P2000」の配備も確認されている。

報道された当時の写真は以下の記事で引用の上で掲載している。

【警備部の装備トレンドは?】警視庁SPの使うけん銃にP2000など登場
この記事を読むと、警視庁SPのけん銃は過去25口径だったこと、そして38口径に変更された理由、さらに現在のSPで主力の最新式けん銃について知ることができます。2026年現在、全国の警察本部警備部では、地域警察官が主に使用するサクラやエアウェ…

陸自・特殊作戦群のUSP配備例

日本国内におけるH&K USPの運用は、警察だけではない。

今から約20年前、ある一枚の写真によって、自衛隊におけるH&K USPの配備が、世間に広く知られることとなった。

2004年12月16日、元大相撲力士の水戸泉氏が自身のブログ「水戸泉メモリー」に陸上自衛隊・習志野駐屯地訪問時の記録を掲載。

その中に登場した一枚の写真が、注目を集めたのである。

そこには、隊員と見られる人物がH&K社製USPタクティカルを手にしている姿が鮮明に写っていた。水戸泉氏自身が「本物の銃を見せてもらいました」と明言しており、エアソフトガンではなく、実銃であることが示唆されている。

とくに衝撃的だったのは、オリジナルのUSPではなく、ネジ付きバレルを備えたサプレッサー対応の「USPタクティカル」であり、実際にサイレンサーが装着された状態であった点だ。

サイレンサー使用時にフロントサイトが隠れないよう考慮された、純正の大型フロントサイトである点もUSPタクティカルの特徴として確認できた。

さらに、スライド上には小型のダットサイト(光学照準器)が搭載されている点などは、これまでの自衛隊の一般部隊とは拳銃の運用思想が異なることを示唆している。

余談だが、フィクション作品でありながら、“消音拳銃運用時のサイト改修”までをも装備設定として描いていたのが、『オメガ7』であった。

【考察】「オメガ7」自衛隊特殊部隊モノの原点──フィクションが先取りした“非公然作戦”のリアリティ
「もしも日本に非公然の自衛隊特殊部隊が存在していたら―」。その仮定は、ただの空想ではない。現実と地続きの危機管理の不在を映し出す鏡として、本作は今も読み継がれる価値を持っている。近年、自衛隊を題材とするフィクションがかつてない広がりを見せて…

なお、その“USPタクティカル”の背景には、「(特)戦群」と表示された高機動車のバンパーが映り込んでおり、場所を踏まえれば、この隊員が特殊作戦群所属である可能性は高く、つまり結果的にこれが特殊作戦群(SFGp)へのUSP配備を裏付ける根拠となっている。

特殊作戦群は、2004年3月に発足した陸上自衛隊の特殊部隊であり、装備の詳細は非公開とされているが、当時のこの写真は今でもその実態を垣間見る極めて貴重な証拠であり、一次資料だ。

従来の自衛隊制式拳銃である9mm拳銃とは一線を画す、USPタクティカル。

まさに特殊作戦での運用を強く示唆している。

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このように、H&K USPは警察だけでなく、自衛隊の中でも特殊任務を担う精鋭部隊において採用されていることが、噂の一人歩きではなく、いずれも根拠のある形で確認された。

特に「USPタクティカル」という仕様からも、自衛隊の特殊作戦用途を想定した配備であることがうかがえる。

一部文献に「国会議員のブログ」説?

一方、2014年3月に発行された『[イラストでまなぶ!世界の特殊部隊 ロシア・ヨーロッパ・アジア編』という文献では、「特殊作戦群のUSPが国会議員のブログで明らかになった」との記述も見られるが、これについては当該の国会議員とは誰であるか不明である。

少なくとも水戸泉氏は国会議員ではなく、元大相撲力士である。

USPの現在

こうした特徴を持つUSPは、現在までに日本国内の特殊部隊でも導入実績がある。

警視庁SATや神奈川県警および愛知県警SATが配備してきたが、近年の公開訓練での様子からSIG P226に移行していると見られる。

ここ数年の訓練映像や公開資料では、USPの姿を確認することはほとんどなくなった。

自衛隊でも近年は高性能な同社製のSFP9を3部隊の新型拳銃として制式配備しており、コック&ロックの優位性など、何か特別な事情でもない限りは特殊作戦群(SFGp)でUSPを今でも配備している可能性は低いのではないか。

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現在のH&K社自体が、USPシリーズよりも新世代のSFP9(欧州名VP9)を主力モデルとして前面に出しており、世界的に見ても、USPは登場から30年近くが経過し、もはや全盛期は過ぎている。

USPは1993年登場の古い設計で、ダブルアクション/シングルアクションのハンマー式、重厚な設計、外部セフティの操作系が特徴だった。

一方、2014年以降登場したSFP9(VP9)はストライカー方式のポリマーフレーム拳銃で、近年のトレンドに沿った軽量・シンプル・高精度・高操作性が売りとなっている。

欧州各国の警察や一部軍・法執行機関にも採用が進んでおり、実際H&Kの公式カタログやプロモーションでもSFP9系列が看板モデルとして大きく扱う戦略に移行している。

USPは今や過去の資産的な位置付けとなりつつある。

ただし、特殊用途のUSPタクティカルMark 23などは製造中止になったわけではなく、依然としてニッチな需要を持つため、製造は細々と続けている。

結論

まとめると以下の要点である。

陸上自衛隊・特殊作戦群がH&K USPタクティカルを採用していることは、写真付きの著名人ブログによって間接的に確認された。
警視庁SATや警護担当のSPでも同銃が導入されており、警察・自衛隊双方で広範に使用されている。

典拠:

  • Heckler & Koch社公式製品情報ページ
     https://www.heckler-koch.com/


  • 『Jane’s Infantry Weapons 2009–2010』ISBN: 978-0-7106-2900-5


  • Ian McCollum, Forgotten Weapons 「HK USP: Universal Service Pistol」動画解説


  • 米国防総省 USSOCOM調達報告(Mk 23 開発経緯、1995年)


  • 元力士・水戸泉氏のブログ「水戸泉メモリー」2004年12月16日 http://blog.livedoor.jp/nishikido/archives/10861092.html
🔎 日本警察の拳銃に関する記事は「銃器カテゴリー」にてご紹介しています。
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コメント

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