パトカーや消防車、それにガス会社や電力会社の緊急車両を運転するための「緊急自動車運転免許証」というものは存在しませんが、運転年数による「要件」は定められています。
四輪自動車の場合、大型免許・中型免許・普通免許・大型特殊免許のいずれかを取得してから通算3年以上(普通自動車の緊急車両を運転する場合は2年以上)経過していることが必要とされています。
これらの要件を満たしていない場合でも、公安委員会が実施する緊急自動車運転資格審査を受けて合格すれば、緊急車両の運転が認められます。
また、各公的機関や民間企業、自治体などでは、それぞれ独自の運転講習を設けており、その講習を修了した者にのみ、緊急車両の運転を認めている場合があります。
警察における緊急車両運転資格制度
警察の場合、パトカーを運転するためには、独自の部内資格制度が存在します。
パトカーを運転するために必要な「青免」とは?
警察車両の運転員になるためには、厳しい研修である**「パトカー運転員養成専科」を受講しなければなりません。

パトカーや覆面パトカーを運用するには『青免』がゼッタイに必要。
この研修を修了し、検定に合格すると、「青免」**と呼ばれる警察の部内資格が与えられます。
パトカーや覆面パトカーを運用するには、この「青免」の取得が絶対条件です。
つまり、警察官は単に公安委員会発行の「自動車運転免許証」を持っているだけではパトカーの運転は認められません。
「自動車運転免許証」に加えて、警察の部内資格であるパトカー用運転免許「青免」の2つが必要となります。
また、「青免」のほかに、ミニパト向けの「黄免」も存在し、こちらは女性警察官が多く取得しています。
ミニパトの運転にも部内資格が必要
警ら活動や交通取り締まりを行うパトカーは、通常、警察官2人で乗車するのが基本。しかし、交番のミニパトに関しては例外で、一人乗車が多くなっています。

ミニパトも部内資格が必要。警らや交通取り締まりを行うパトカーは警察官の二人乗車が基本だが、イレギュラーな場合もある。交番のミニパトにおいてはこの限りではなく、一人乗車が多い。
この「青免」および「黄免」の検定には3つのランクがあり、最低ランクでは夜間や雨天時の緊急走行ができないなど、限定条件が付されます。
また、これらの資格には定期的な考査があり、毎回合格しなければ資格は取り消される仕組みです。
このようにパトカーの運転には、厳格な適性検査が求められるというわけです。
当然ながら、この「青免」や「黄免」は警察内部でのみ有効な部内資格であるため、一般のドライバーが取得することはできません。
ない、機動捜査隊員の選抜には運転技能も評価されます。