公安警察の視察対象となる人は?共産党?マニア?反ワクチン?

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大規模な反政権集会や、厳しい身分差別からの解放と格差是正を求める労働者団体のデモが発生すると、必ずそのデモ隊を監視する私服警察官がいます。

これがいわゆる「公安」と呼ばれる存在です。

公安警察とは、各道府県警察の警備部公安課、または警視庁や警察庁の公安部を広義に指すものであり、正式な名称ではなく俗称です。

国側では、「公安警察」という名称の使用に慎重な姿勢を取っており、組織内部では地域警察、交通警察、生活安全警察、刑事警察、総務・警務警察、そして公安が含まれる大カテゴリーとしての警備警察といった表現は使われるものの、「公安警察」という名称は用いられていません。

そのため、「公安警察」という呼称は外部で用いられる俗称であり、正式な名称ではないのです。

そもそも、警視庁以外の道府県警察本部の公安は警備部の一部門であるため、包括的に捉えるのが一般的です。

日本警察が担う「警備」とは、単なる物理的な警備にとどまらず、思想的な領域にまで及び、その範囲は非常に広いものとなっています。

この警備警察の中で、公共の安全(パブリックセーフティ)と秩序の維持を目的とし、暴力によって日本国を転覆させることを標榜する国内外の団体、テロ組織、極左集団、さらには右翼団体に関する情報収集や摘発を行う役割を担う、知能を駆使した捜査官こそが公安警察なのです。

公安警察クイズ

ではクイズです。公安警察の視察対象となる人は以下のうちどれでしょう。共産党、反ワクチン、警察マニア。

公安警察の視察(調査・監視)対象については、一般的に「公共の安全と秩序を乱す恐れのある団体や個人」が基準となります。

結論から言えば、すべて対象になり得ますが、その「理由」と「深度」は全く異なります。

1. 日本共産党(組織的な対象)

これは明確に「正解」の一つです。警察庁および公安調査庁の公式見解として、日本共産党は「破壊活動防止法(破防法)」に基づく調査対象団体とされています。これは戦後の歴史的経緯や、党の綱領・活動方針が日本の体制に対してどのような立場を取っているかという観点から、長期にわたって継続的に監視されています。

2. 反ワクチン・特定の思想団体(動向の対象)

「反ワクチン」そのものが違法ではありませんが、公安警察は「社会的不安を煽り、大規模なデモや過激な行動に発展する可能性のある勢力」を常に注視しています。

  • 過激な言動を伴う抗議活動
  • 重要施設への乱入
  • 他団体との結びつき(反ワクチン活動が隠れ蓑にされている)

これらが認められる場合、公衆の安全を守るという名目で視察対象(情報の収集対象)となると考えられます。

3. 警察マニア

警察マニアは警察のリストに載っている可能性は極めて高いでしょう。ただし、監視されているか?と言えば、合理性から考えて、明らかに単に警察が好きでグッズを集めているだけという一般的な程度なら、監視される明確な根拠がないと思われます。しかし、以下のようなケースでは公安が動くことがあります。

  • 警察無線を傍受・解読しようとする行為(電波法抵触の恐れ)
  • 警察官になりすまして公務を妨害する、あるいは内部情報の流出を執拗に狙う行為
  • 警察車両や装備品を完璧に偽装し、違法な行為を行うこと

マニアが高じて「警察の運用に実害を与える」レベルに達した場合は、当然マークされることになると考えられます。

日本の公安警察

日本では戦時中、内務省警保局などの機関によって出版や表現活動に対する厳格な検閲が行われていました。こうした歴史的背景を踏まえ、現代における新たな法整備に対しても慎重な議論がなされています。

例えば、2024年に成立した「情報流通プラットフォーム対処法」はSNS上の誹謗中傷対策を目的としていますが、運用のあり方によっては表現の自由を損なうとの懸念も示されています。

また、2025年5月に成立した能動的サイバー防御法により、政府はサイバー攻撃阻止を目的とした通信情報の監視・分析を行う権限を持つこととなりました。

政府はメール本文などは対象外としてプライバシー保護を強調していますが、この法運用がかつての管理社会のような過度な監視に繋がらないか、注視する議論も続いています。

日本社会が比較的穏健である理由については、戦後の教育制度や社会構造など多角的な分析がありますが、同時に、デジタル化に伴う国家の監視機能の強化が、かつての管理社会への回帰につながらないか注視する声も一部の専門家や市民団体から上がっています。

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公安警察の歴史

公安の歴史は、戦前の内務省警保局保安課および特別高等警察(特高)にまで遡ることができます。

戦後、GHQの指導により特高警察は解体され、多くの特高警察官が罷免されましたが、一部の幹部は戦後の警察組織に留まることを許されました。

その結果、特高警察が培った捜査手法やノウハウは、現代の公安警察に引き継がれているとされています。

また、公安部門は通常の警察指揮系統から外れ、警察庁警備局の直接指揮下に置かれています。

日本の公安組織の現状

日本の首都・東京の警察行政を担う警視庁は、警備部から独立した「公安部」を組織しており、国内最大です。

一方、道府県警察では公安課は警備部の一部門にすぎず、警視庁と地方警察本部では予算や規模、対応能力に大きな差が存在します。

そして、日本全国の公安警察の頂点に立つのが、警察庁警備局です。日本警察はもともと秘密主義的な組織ですが、全国の公安部門の指揮系統は他の警察部門と比べても異例の形態です。

通常、都道府県警察の各部署はそれぞれの警察本部の指揮命令で職務を遂行しますが、公安部門に限っては全国の警察が警察庁警備局の直接指揮を受ける仕組みになっているのです。

外事警察の役割

警備警察には、国際テロリズムなどの情報収集をはじめ、主に外国人に関わる警備犯罪の捜査を担う部門があり、一般に「外事警察」と呼ばれています。

公安警察が主に国内の団体を監視するのに対し、国際テロリズムなど外国のテロ事件に関する情報収集を担当するのが外事警察です。

この外事警察もまた警備警察の一部門であり、警察庁警備局の外事情報部がそのトップに位置しています。

なお、「外事警察」という名称もまた俗称であり、正式な呼称ではありません。

外事警察の業務には、外国の乱数放送の傍受などが含まれており、その活動の中枢を担うのが、警察庁警備局外事課の「外事技術調査室」に属する「ヤマ機関」と呼ばれる通信傍受施設です。

外事警察は、ロシアや朝鮮半島情勢に関する防諜活動をはじめ、近年ではイスラム過激派対策が重要な任務となっています。それぞれの課や係ごとに特定の地域や分野を担当し、情報収集や監視を行っています。

日本の警備警察の中でも、最も規模が大きいのは警視庁の外事課であり、第一課から第三課まで存在しています。

警視庁外事第一課(ソトイチ)

「ソト」は外事、「イチ」は一課を意味し、これが通称「ソトイチ」の由来です。外事第一課では主に極東ロシアに関する諜報活動の中でも、防諜(スパイ対策)を担当しています。

防諜とは、国内の公的機関の機密情報(防衛機密など)が外国の諜報機関によって流出するのを防ぐ活動のことです。

ボガチョンコフ事件

1999年から2000年にかけて発覚したボガチョンコフ事件は、日本における代表的なスパイ事件の一つです。海上自衛隊の三等海佐が、ロシア駐日武官であるボガチョンコフに騙され、海上自衛隊の内部資料を渡してしまいました。

ボガチョンコフの正体がロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の情報将校であることを突き止めたのは、神奈川県警警備部外事課でした。この事件では、三等海佐の家族の不幸につけこみ、親密な関係を築いた上で機密情報を引き出すという手口が用いられました。警視庁のソトイチと神奈川県警の合同捜査本部が捜査を進め、三等海佐は現行犯逮捕され、懲役10か月の判決を受けました。しかし、ボガチョンコフは外交特権を利用して逮捕を免れ、二日後に帰国しました。

また、古典的な手法として「ハニートラップ」が挙げられます。駐屯地や基地の近くの飲食店で働く外国人女性と親しくなり、関係を持った後に、写真や動画を撮影され、それをネタに内部資料の提供を強要されるケースも発生しています。

このような外国のスパイ活動を摘発するのが、スパイハンターの異名を持つ警視庁外事第一課、通称「ソトイチ」です。

なお、警視庁外事第一課は、東京都民への犯罪経歴証明書の発行も担当しています(他の都道府県警察では刑事部の業務)。犯罪経歴証明書は、外国政府へのビザ申請や永住許可申請などに必要な公文書であり、申請時には指紋の採取が行われます。また、封をした状態で交付されるため、開封すると無効となります。


外事第二課(ソトニ)

外事第二課は、アジア地域を担当し、北朝鮮や中国に関連する団体の監視を行っています。特に北朝鮮に関する情報収集や対策については、詳細な分析が行われています。

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外事第三課(ソトサン)

外事第三課は、国際テロ関連の情報収集を担当しています。特に中東地域を中心に、イスラム過激派組織の動向を監視し、関連団体の視察を行っています。

かつての勢力と比べて衰えたとはいえ、依然として世界各地でテロ活動を続ける「イスラム国(IS)」には、日本人も参加していたことが判明し、国内でも大きな問題となりました。

例えば、2014年には北海道大学の学生がイスラム国に感化され、その活動に参加しようとしたとして「私戦予備・陰謀」の疑いで警視庁外事第三課(ソトサン)の家宅捜索を受けています。

2019年7月の書類送検

2019年7月には、元北海道大学生を含む5人が「私戦予備・陰謀」の罪で警視庁公安部により書類送検されました。この5人には、元同志社大学教授でイスラム学者の中田考氏やフリージャーナリストの常岡浩介氏、さらに、渡航を呼びかけた千葉県の男性や、勧誘の張り紙をした古書店関係者などが含まれています。同罪が適用されたのは、これが初の事例でした。

ISに参加した初の日本人

日本人として初めてISに参加したとされるのは、立命館大学の元准教授モハメド・サイフラ・オザキ容疑者です。

オザキ容疑者はパキスタン出身ですが、日本人女性と結婚し、日本国籍を取得していました。2016年7月1日にバングラデシュのダッカで発生したレストラン襲撃事件では、日本人7人を含む22人が犠牲となりましたが、オザキ容疑者は実行犯らを過激派に勧誘した疑いが持たれています。さらに、彼は日本国内の若者を勧誘し、トルコを経由してISに参加させていたとされています。

2019年5月時点で、オザキ容疑者はイラクの刑務所に収監されているとみられています。


外事警察の諜報活動を支える「ヤマ」と技官たち

諜報活動とは、国家の安全を守るために行われる情報収集活動のことを指します。日本では、都道府県警察の公安部門のほか、外務省、内閣情報調査室、防衛省情報本部、公安調査庁なども諜報・防諜活動を行っています。

また、内閣情報調査室は、NHKやラヂオプレスといった民間機関に委託し、北朝鮮や中国の国営放送をモニタリングする「オープン・ソース・インテリジェンス(OSINT)」活動を行っています。

外事警察の日常業務の一環として、外国の通信を傍受する「シギント(Signals Intelligence=SIGINT)」にも従事しています。この活動は、警察庁情報通信局の技官と協力しながら行われ、外国の暗号通信や乱数放送の傍受が主な任務となっています。

特に、東京都日野市には「警察庁第二無線通信所」とされる施設があり、全国の傍受施設を統括する役割を担っていると考えられています。これは、公式には存在しない施設とされており、情報収集の拠点となっています。

警備警察や公安警察についての詳細は、以下の記事で解説しています。

https://amateurmusenshikaku.com/security/kouan/

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公安警察と自衛隊の関係

警視庁は日本の新式軍隊である自衛隊が発足する以前、旧軍反乱兵によるクーデターを2度経験しています。

1932年(昭和7年)の五・一五事件では武装した海軍の青年将校たちが総理大臣官邸に乱入襲撃し、時の内閣総理大臣であった犬養毅を暗殺。

当時、官邸警備の任に就いていた警視庁の田中五郎巡査も撃たれ殉職。同事件では警視庁本部庁舎も襲撃を受け、日銀には手榴弾が投げ込まれています。

さらに4年後の1936年(昭和11年)には二・二六事件が発生。昭和維新を掲げた決起将校らが官邸などを占拠。

同事件でも警備に当たっていた5人の警視庁警察官が殉職しています。

こうした歴史的背景から、日本警察は軍部(現在の自衛隊)の野望と謀反の可能性に対して強い警戒心を抱いています。

防衛省にも自衛隊が行うオペレーションに必要な情報を収集する情報本部が編制されているほか、隊員の思想調査、さらには反自衛隊活動を行う市民団体などを監視する自前の機関「情報保全隊」もあります。

警視庁公安部には「マルジ」と呼ばれる自衛隊監視班が存在し、隊員の動向を監視しているとされます。

元・公安警察官の真田左近氏によれば、情報保全隊と警察の公安は割と良い関係にあるとされ、国粋主義が強く、謀反を企てそうな自衛官をマルジではクーデターのクの字を当て、『マルク』と呼んでいるとのことです。

また、防衛省情報本部には警察庁から出向した警察官僚が幹部として配属されており、公安警察と自衛隊の間には密接な情報共有が行われているといわれています。

公安調査庁との関係

警察とは別機関の「公安調査庁」は、国内外の過激派やテロ集団などの情報収集活動を専門に行っている法務省外局の情報機関です。

都道府県警察の公安部門と公安調査庁は、公共の安全を確保するという点では共通していますが、大きな違いがあります。

その物々しい名称から警察や検察のような法執行機関と思われますが、情報機関という位置づけであり、公安調査庁には捜査権がなく、あくまで調査活動が主な業務となっています。

その主な業務は、破壊活動防止法や団体規制法に基づき、特定の団体がこれらの法律の規制対象に該当するか否かを調査し(情報収集)、必要に応じて処分請求(団体規制)を行うことです。

同庁の職員は、時に命がけで情報を収集し、その成果は政府の上層部へ報告されます。特に1990年代には、オウム真理教による一連の事件への対応を通じて、その名が広く知られるようになりました。

それ以前は、主に左翼団体の監視活動を行っていましたが、現在では一部の国粋主義団体も監視の対象としています。

公安調査官は司法警察員ではないため、逮捕権を持たないほか、小型武器(けん銃)の使用を認める法律も存在しません。

しかし、公安調査庁は破壊活動防止法(破防法)や団体規制法に基づく立ち入り検査権を有しており、事実上の強制権を持っています。

刑事警察と公安警察の関係…刑事と公安はライバル同士なのか

一般に、刑事警察は事件の検挙を重視し、公安警察は監視・情報収集を重視するため、両者の間には意識の違いが存在します。

そして、公安捜査員は警察官ではあるものの、刑事部の捜査官とは異なる専門性を持っています。

警備部公安課(警視庁の場合は公安部)に所属する捜査員は、視察(監視)に重点を置き、「国家そのものに牙をむき、社会の秩序に広く脅威を与えうる」とされる過激派やテロ集団のみならず、国粋主義団体、さらには各種労働争議の組織実態の解明を担当しています。

公安警察は逮捕の件数が少なく、微罪逮捕を通じて組織実態の解明を図るケースが多いという特徴があります。

このように、刑事は「検挙」、公安は「情報収集」という異なる目的を持つことから、両者の関係は必ずしも良好ではなく、対立する場面も多いとされています。

この構図は小説やドラマではすでに定番となっています。

とはいえ、警察庁長官狙撃事件の際には、刑事警察と公安警察が連携し、合同捜査を行ったことが知られているほか、連続企業爆破事件など、大規模な事件の際に公安部と刑事部の捜査員がともに投入されたことがありました。

しかし、公安部の捜査員は、同じ警察官であっても刑事部の刑事にすら明かせない機密を抱えているため、両者が共同で捜査を行うことは避けられる傾向にあります。

その理由として、内部からの情報漏えいのリスクが指摘されています。

しかし、状況によっては「検挙したい」刑事と「視察したい」公安が互いの技術を活かして連携し、協力することもあります。

例えば、オウム真理教事件の際には、刑事と公安がペアを組んで捜査活動を行ったとされています。

元刑事の小川泰平氏によれば、刑事は現場捜査を担当し、公安は情報収集を担うという役割分担があったといいます。

特に、刑事が驚嘆したのは公安捜査員の高度な尾行技術だったそうです。

警察の内部では、検挙ノルマを「数値目標」と呼びますが、公安捜査員にはこの「数値目標」が設定されていません。

そのため、公安捜査員が逮捕を行うことは年に数件程度であり、しかもその多くは公務執行妨害やビラ貼りといった比較的軽微な事件に限られます。

ただし、これは決して公安の捜査能力が低いというわけではなく、むしろ微罪逮捕を足がかりに対象者の身柄を拘束し、家宅捜索を行うための手法の一環です。

この微罪逮捕の手法は、スパイの活用と並び、組織の実態解明において非常に有効であるとされています。

地方警察では、各警察署の警備課に公安係が設置されており、公安捜査員が配属されています。

公安係の捜査員は、刑事課の人手が足りない場合には刑事事件の捜査を手伝うこともあり、さらには交通事故処理もこなすとされています。

そのため、公安捜査員が刑事としての技能を兼ね備えている場合もありますが、これについては意見が分かれています。

元静岡県警の公安警察官であった作家・真田左近氏は、公安捜査員が刑事や交通業務に精通していることに否定的な見解を示しています。

情報をとるだけの公安だから、一般の警察官に必要な盗難届や落とし物の届けなど必要な書類作成なんてできないんですよ

出典 https://www.chunichi.co.jp/article/feature/anohito/list/CK2017042102000239.html

同氏によれば、公安捜査員は情報収集に特化しているため、盗難届や遺失物の届出といった一般の警察官が日常的に行う書類作成業務には慣れていないといいます。

公安警察が普段行う作業は「視察」

「視察」は、調査対象団体の集会やデモ、あるいは拠点や対象人物の自宅や関係先を監視することです。

「視察」は公安警察の情報収集活動の中でも、最もベーシックな職務とされます。

Qアノン系反ワクチン団体が視察のトレンド

近年では極端な右翼主義者による政治活動「Qアノン」がアメリカで活発です。

FBIでは、この政治活動が擬似宗教であり潜在的な脅威であるとして、監視活動を行っています。

その「Qアノン」日本支部を自称し、「プーチン大統領とトランプ大統領は救世主」などという主張を行う反ワクチン団体「 Q会」を警察では公共の安全を脅かす脅威とみなし、その動向を注視しています。

2022年に同会の代表の男を建造物侵入容疑で逮捕したのが警視庁公安部でした。

さらに、同会の別の代表理事の男を生活保護費の詐欺容疑で逮捕したのが、やはり公安である大阪府警警備部でした。

裏公安「ゼロ」とスパイ獲得の実態

公安捜査においては、スパイ(協力者)の獲得が極めて重要な役割を果たします。

監視対象の組織に公安警察官が直接潜入することもありますが、その手法は非効率であり、発覚した際のリスクも高いため、一般にはスパイを獲得し、彼らを通じて情報を入手する方が安全かつ効果的とされています。

スパイ獲得を担当するのが、警察庁警備局警備企画課内の「裏公安」、通称「チヨダ」と呼ばれる組織です。

「チヨダ」という名称は、警察庁の所在地である東京都千代田区霞が関に由来しますが、現在では「ゼロ」に改名されたとされています。

公安がスパイ候補者として選定するのは、単なる貧困に喘ぐ氷河期の非正規や借金に苦しむ使い捨ての人物ではなく、若く実直で、将来的に監視対象の団体で幹部になれるような素質を持った人物です。

昨今では斜陽の国内企業による『若者のやりがい搾取』という言葉に代表されますが、かつて疑う心を知らない純粋な心をオウムに利用された一頃の若者と似ています。

こうしたターゲットを見つけると、捜査官は身分を隠して趣味や思想を共有する「同志」を装って近づき、関係を深めます。

いまは『自然保護』『スピリチュアル』『反ワクチン思想』が利用されているのかもしれません。

そして、ターゲットとの信頼関係が醸成されたタイミングで公安の身分を明かし、協力を求めるという手法が一般的です。

ただし、昨今ではこの手法が広く知られるようになったため、ターゲットから公安の正体を問われることも少なくありません。

その場合、公安は早々に身分を明かし、正直に目的を伝える方が成功率が高いとされています。

しかし、すべてのスパイ獲得がこのような穏便な方法で行われるわけではありません。

海外の諜報機関でも採用されているように、捜査官がターゲットと親密に酒を飲む場面を別の公安捜査員が撮影し、それを組織に暴露すると脅すことで、強引にスパイとして取り込む手法もあるとされています。

このような非情な手法を用いるため、公安捜査員はターゲットに感情移入しないよう、極力情緒的な要素を排除するといわれています。

公安機動捜査隊とは

刑事事件の捜査では、初動捜査が重要視されており、その専門部隊として全国の警察本部刑事部には「機動捜査隊(機捜隊)」が設置されています。

機動捜査隊に課せられた『4つの任務』とは?
ひとたび凶悪な刑事事件が発生すれば、直ちに駆けつけ、初動捜査を担う執行隊。それが、各都道府県警察本部刑事部に属する「機動捜査隊(Mobile Investigative Unit:MIU)」です。機動捜査隊は刑事の最前線として、普段は私服警…

同様に、テロ事件の初動対応を専門とする部隊が警視庁公安部にも設置されており、それが「公安機動捜査隊(公機捜)」です。

公機捜の捜査員は、対テロ捜査の最前線で活動し、海外の諜報機関との連携を図る必要性から、高度な教養と専門知識、柔軟な思考能力に加え、英語をはじめとする語学力も求められます。

彼らはテロ事件が発生すると、専用のトヨタSAIの捜査用覆面パトカーで現場に駆けつけ、初動捜査を担当します。

公安警察を描くドラマの演出…公機捜ネタとUSPでロコツに「日本版24」をやりはじめてサムい

公安警察を題材としたドラマでは、これまで「外事警察モノ」が人気でした。

公安捜査の暗部を象徴するためか、作品では捜査員の性格やオフィスの雰囲気が意図的に暗く描かれることが多く、これが定番の演出となっています。

2017年には、警視庁公安部の公機捜をモデルとしたドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』が放映されました。

さらに2020年、本家アメリカ合衆国の連続ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』を日本でリメイクした『24 JAPAN』が制作されましたが、全くリアリティに欠けており、その評価は最悪です。

なお、法務省の情報機関である公安調査庁も公安と並ぶ情報機関ですが、司法警察権を持たず、けん銃の所持も認められていないため、ドラマの題材としては適していないと考えられているのかもしれません。

まとめ

このように、日本の公安警察は、独自の歴史と役割を持つ特殊な捜査機関であり、国家の安全保障において重要な位置を占めています。

自衛隊の諜報活動
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