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捜査一課特殊班(SIT)が配備しているHK416そっくりの『Pepperball VKS』の機能とは

刑事部
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2020年7月1日、北海道札幌市で立て篭もり事件が発生。

出動した道警刑事部捜査1課特殊捜査班SITの突入により犯人の身柄は確保され、事件は早期に解決しましたが、今回のニュース動画では気になるものが。見ていきましょう。

複数のSIT班員は小型の盾、特殊警棒、ドアを破壊して突入路を開くためのツール「ドア・ブリーチャー」などを手にしていますが、SITの装備としてお馴染みの「ベレッタ92バーテック」を手にした班員はいません。

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しかし、ベレッタM92どころか、もっとヤバそうな装備品を手にしたSIT班員の姿が。

(写真の出典:HTBニュース)

それは、ダットサイトおよび前方にハンドルを備えたHK416に似た“小銃(カービンorライフル)”らしきもの。

参考画像 M4小銃

SATのみならず、SITの装備品で”長物”と言えば、すでに判明しているとおり、SIT専用と見られるセミオート・オンリーのMP5SFK(※「ストライクアンドタクティカルマガジン」が便宜上つけた非公式な名称)。

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しかし、MP5系と今回の道警SITの持つHK416のような銃器とでは明らかに全長、形状ともに大きく異なっています。

2007年、東京都町田市に出動したSITはセミオートオンリーのMP5を携行。出典 TBS News
 

2020年に自衛隊が制式化を発表した新型小銃・20式5.56mm小銃とも似ていることから、警察も配備したのではないかとの一部指摘も。

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しかし、太いバットストック、直線的なマガジンの形状、銃口側に白線など、明らかに20式と異なります。

しかし、日本警察がMP5を通り越して、配備の公式情報も漏れ聞こえない20式やHK416を軽度立てこもり事案に突然持ち出すなんてあり得るのでしょうか?

いったいこの銃は…?

正体は米国製のPepperball VKS

今回、北海道警察SITが携行していた装備は、米国PepperBall社製の「VKS」系統ランチャーとみられる非致死性装備でした。

(写真の出典:PepperBall社)

同種装備は他県警察でも確認例があり、日本警察における“対暴徒・対刃物事案向け制圧装備”として、近年徐々に存在が知られるようになっています。

PepperBall VKSシリーズは、アメリカの法執行機関向けに開発された圧縮ガス式ランチャーで、催涙成分入りのペッパーボール弾や硬質ゴム弾を発射可能な「Less-Lethal(低致死性)」装備です。

メーカー側も法執行機関向け装備として展開しています。

外観上の大きな特徴は、MIL-STD-1913規格、いわゆるピカティニーレールを標準装備している点です。光学照準器やライト類の装着を前提とした構造で、今回の道警SITの個体にも光学機器らしき装備が確認できました。

さらに、ストック後部に高圧ガスタンクを内蔵する構造から、一般的なAR系ライフルよりもストック部分が太く膨らんでいるのも特徴です。

今回のニュース映像では、

・長いトップレール
・大型のバットストック
・ストレート型マガジン
・銃口付近の白色ライン

など、PepperBall VKS系統と一致する特徴が複数確認でき、装備識別の決め手になりました。

なお、「PepperBall」という名称から民間用ペイントボール機材を連想しがちですが、実際には法執行機関向けの暴徒鎮圧・制圧用途を想定した専用システムであり、日本警察で言えば“非致死性制圧装備”に分類される性格の装備です。

PepperBall 非殺傷性ランチャーは、人命救助の使命を果たすために作られています。警官に非致死的な解決策を提供して紛争を緩和し、最小限の力で状況を解決するように設計されたこれらの製品は、日常のパトロール状況から群衆制御の交戦、戦術的な環境に適応する柔軟性を提供します。ランチャーの範囲は、標準的なパトロール ギアにシームレスに統合できるポータブルで軽量なハンドヘルド モデルから、アップグレードされたオプションと発射容量を提供するより堅牢なショルダー マウント オプションまで多岐にわたります。各ランチャーは二酸化炭素 (CO2)、窒素、または圧縮空気で駆動され、銃器として分類されることなく効果的な発射物展開を可能にします。

PepperBall® Launchers | Non Lethal Gun | Less Lethal Products
PepperBall non-lethal guns, also referred to as launchers, are designed for patrol, crowd control, and other situations …

発射出来る弾丸にはコショウの粉の詰まった弾丸や唐辛子の主成分であるカプサイシンと同等成分を含む粉末の詰まった弾丸、さらに無害な水の詰まった弾丸やインクの詰まったペイント弾があります。

また、ブラックライトで識別できるUV塗料の詰まった弾丸、窓ガラスを割るための硬質弾など特殊なものまで発射可能。

これら非致死性の弾丸は被疑者の人体や周囲に着弾すると破裂し、内容物の粉末または液体を撒き散らします。

同社製品のデモンストレーション動画では人の足元に発射する実演を公開。

連続で発射された弾丸の粉末により視界を遮るスモークが発生し、目くらましの効果も。被疑者の足元に向けて撃つだけでも行動抑止効果があるようです。

なお、Pepperball VKSは1マガジンに10発から15発の弾丸を装てん可能。

一方、発射威力は10〜28ジュールの間で調整可能。

日本で現在市販されている6mmBB弾を使う競技用エアガン(エアソフトガン)は俗に言う『1J規制』が行われ、法定最大値は約0.98ジュール。

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もし、被疑者が発砲を受けたなら、Pepperball VKSの最低圧力でも市販のエアガン(エアソフトガン)とは比べ物にならないほどのダメージを受けるはず。

ちなみに警察がこれまでに空気銃(警察側では発射装置という言葉を好んで使っているようです)で被疑者を撃つ事例としては、暴走族対策車や黒バイの例も。

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なお、Pepperball VKSが日本警察向けに10ジュール以下にリファインされたなどの公開情報は見つかりません。

したがって、高圧のガスで発射されるペッパー弾は人体への直接射撃でもストッピングパワーは充分でしょう。圧力調整はある程度可能かもしれません。

道警のほか、愛知県警でも配備が確認されています。

なお、アメリカの警察では「テーザー銃」が多用されていますが、現時点では日本の警察での配備は確認されていません。

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ただし、テーザーは死亡例があるため、非致死性ではなく、低致死性の装備品となっており、Pepperball VKSとは異なることに注意が必要です。

まとめ

SITの非致死性装備と言えば、閃光弾発射機であるブリュッガー&トーメ GL-06などのゴム弾および催涙弾発射筒の配備が確認済み。新たな装備が発覚した形です。

SITはSATと違い、交渉術(ネゴシエーション)によって被疑者に自ら投降させる解決法が主で、実弾を使った実力手段による目標排除は極めて限定的。相変わらずこのような非致死性の武器を好んで配備しているようです。

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