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シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

地デジ用のアンテナで航空無線のUHFがほとんど受信できない理由!

画像の引用元 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00486121

今年の2月ごろは、白菜と鶏もも肉でよく鳥の水炊きを作って、週に三回は一人でちびちびと飲んでましたが、いやあ、白菜も高かったですよね。ある日、スーパーで白菜が98円だったので「おっ、安っ!」と思ってよく見たら、めちゃくちゃ薄く切ってましたね。1/6のカットくらいですかね?普段は4分の1カットですけど。こういうの、ステルス値上げですよね?ステルスは戦闘機だけで結構ですよホント。

まあ、それにしてもアンテナもいつの間にか値上がりしていますね。気軽に「新しいアンテナを一本買ってみようか」とはなかなか思えません。

そこでふと自宅の屋根を見上げると……おや、意外と大きなアンテナが鎮座しているではないですか。そう、テレビ用のUHF受信アンテナです。

「UHF用だから、航空自衛隊のGCIとか航空管制のUHFも受信できるんじゃないか?」と思うのも自然な発想です。なんとなく“受信できそうな気”もします…でも、果たして本当にできるのでしょうか?

航空自衛隊の戦術用周波数『GCI』とは

最近、航空自衛隊で増加しているという女性戦闘機パイロットの声を屋根のテレビ用アンテナで遠方からキャッチしてウホッ!……いや、うち、そういうサイトじゃないから(笑)

実際、航空無線やアマチュア無線のUHF帯を受信しようとすると、そう簡単にはいきません。

ここからは、なぜ地デジ用アンテナでは航空無線のUHFがほとんど受信できないのか、その理由をマニア目線でじっくり探ってみましょう。

地デジ用のアンテナで航空無線のUHFがほとんど受信できない理由!

テレビの地デジ用アンテナをそのまま航空無線のUHF受信に流用できると思っている人もいるかもしれませんね。しかし現実はほとんど無理です。

理由を整理してみましょう。

テレビ用UHFアンテナは470~770MHz帯を対象に設計されている

いきなり、つまづきそうですが、事実そうなのです。

航空自衛隊のGCIやGCAは、概ね220~300MHz帯。この差は単なる“ちょっとした違い”ではなく、アンテナの利得や受信感度に直結してしまいます。

設計帯域から外れると、アンテナは信号を十分に捕らえられず、遠距離や微弱信号はほぼ、ガクーン!と完全に落ち込みます。

航空機の無線は比較的低出力

次に、航空無線の信号は必ずしもテレビ放送のような強力な送信ではない、ということなんですね。

空自の戦闘機の無線は比較的低出力であり、さらに障害物や地形による減衰も加わるため、地デジ用アンテナでキャッチできるのは奇跡的な条件下だけですな。

理論的には、広帯域特性を持つテレビアンテナや偶然のハーモニックによってかすかに受信できることもある。

しかしこれは例外であり、航空無線を本格的に聴くには220~300MHz帯対応アンテナが不可欠。モービルホイップや八木アンテナを使えば、微弱な管制通信もクリアに受信できます。

結論として、地デジアンテナで航空無線UHFを狙うのは“おまけ”程度に考えるべきですね。マニアなら、専用アンテナへの投資こそが、真の受信体験への近道でしょう!

だが、希望はある

従来型のVHFテレビ用アンテナは、一般的に90MHz~300MHz付近までの電波を受信できる設計となっています。

かつてのアナログテレビ放送では、VHF帯の90MHz~222MHzが使用されていたため、これらの周波数に対応するアンテナであれば当時の放送波を受信可能でした。

理論的には、この帯域をカバーする旧型のVHFアンテナが屋根に残っている場合、航空無線のUHF下端域に近い周波数(おおむね300MHz前後)の信号を、微弱ながら受信できる可能性があります。

ただし、GCIやGCAの送信周波数はおおむね220~300MHz帯であり、旧型VHFアンテナの設計範囲外にかかる信号は感度が大きく低下します。さらに、航空無線は送信出力や地形、距離によって受信条件が変動するため、受信できたとしても実用的な聴取は限定的です。

結論として、旧型VHFアンテナの一部利用で航空無線の信号をかすかに拾える場合はありますが、本格的な受信を目的とする場合は、220~400MHz帯に対応した専用アンテナの使用が推奨されます。

この点を踏まえれば、屋根に残る旧型アンテナは、あくまで限定的な受信体験の可能性として活用できるかもしれません。

まとめ

結論として、地デジ用アンテナで航空無線UHFを聞くのは難しいです。

🧭 記事の要点まとめ

  • 周波数帯域の違いテレビの地上デジタル放送は470~770MHzのUHF帯を使用し、航空自衛隊のUHFはおおむね220~300MHz帯であるため、帯域が重ならない。

  • アンテナ設計の最適化テレビ用アンテナは、設計周波数帯で最適な利得を得るように調整されており、形状や要素間隔はその帯域に最適化されている。

  • 受信できる可能性理論的には、テレビアンテナでもUHF帯の一部が偶然のハーモニックや広帯域特性により受信可能なことがあるが、これは条件次第であり、受信保証ではない。

  • 実際の受信状況実際にVHF/UHF広帯域アンテナや一部の八木アンテナでは、航空無線の信号をかすかに受信できるケースも報告されているが、条件(距離、送信出力、障害物など)次第の現象である。

  • 結論テレビ用アンテナで航空無線UHFを本格的に聴取するのは困難であり、航空無線受信用には専用アンテナ(300~400MHz帯対応のモービルホイップや八木アンテナ)が推奨される。

たとえ受信できても信号は弱く、距離が離れるとほとんど聞こえなくなることも多いです。航空無線の送信出力は放送波より圧倒的に低いので、なおさらですね。

とはいえ、上述の地デジ用アンテナでもUHF帯の一部が偶然広帯域特性やハーモニックで拾えることがあります。実際、VHF/UHF広帯域アンテナや一部の八木アンテナでは、航空無線の信号がかすかに入ることもあります。しかしこれは「ラッキー受信」に近く、条件次第で変わる現象です。

ただ、470~770MHz帯の無線の受信は理論上できるので、近いのは430MHz帯のアマチュアバンドですとか、450MHz帯のデジタル・タクシー無線、467MHz帯のデジタル簡易無線などは意外と感度がいいかもしれませんね。

というわけで、当サイトで馬鹿にしている“受信機付属のクソアンテナ”の方がマシですん!

広帯域受信機の付属アンテナで受信しないでください

無難に、航空無線受信用に設計されたUHF帯対応のモービルホイップや八木アンテナを使うのがベストです。

アンテナを使い分けて、VHFとUHFの世界を効率よく楽しんでみてください!

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