自衛隊に配備された小火器各種

自衛隊に配備された小火器、それに試作で終わり採用されなかった一部も掲載!グリースガンから20式小銃まで。

自衛隊では国産の64式または89式を陸海空の制式小銃としているほか、昨今では特殊部隊や狙撃手に限り、より高性能の銃器を配備している。

小銃

自衛隊における小銃は曹士隊員の基本装備であり、隊員は射撃検定の各級を取得している。2020年には新たに「20式5.56mm小銃」が制式化され、2021年から陸上自衛隊の水陸機動団など一部の精鋭部隊を皮切りに調達が始まった。

20式5.56mm小銃

2021年度から部隊への実戦配備が始まった豊和工業の最新小銃。20式には、ある明確な設計思想がある。以下の記事で批評した。

20式5.56mm小銃は『ある目的』を想定して開発された

89式5.56mm小銃

陸上自衛隊普通科等における現行主力小銃。64式の後継モデル。1989年に制式化。海上自衛隊でも一部配備されるが、限定的。航空自衛隊はまったく配備しない。

89式5.56mm小銃は軽量小銃?”近接戦闘(CQB)仕様” とは?

64式7.62mm小銃

89式の一世代前のモデルで3自衛隊で現役の自動小銃。豊和工業製。ただし陸上自衛隊ではすでに後方職種へ配備されている。海上自衛隊と航空自衛隊では最前線で使用されているが、海自は近年になり89式を導入しているため、実質的に現在のメインユーザーは空自。なお、警察の特殊部隊や海上保安庁でも使用されている。

HK416

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防衛省が公開した調達情報の公告内にある平成20年度調達予定品目に「研究・評価用弾薬等購入(HK-416用弾薬(フランジブル弾等)」という記載があることから海上自衛隊での試験取得が判明。

株式会社JALUXの技術指導の契約金額が2,265,795 円となっている。

典拠元 https://www.mod.go.jp/gsdf/gmcc/hoto/hzyo/hzyo210722.htm (リンク切れ)

HK-416はコルト社のM4カービンをベースに独Heckler & Koch社(H&K社)が開発したM4のエンハンスド(Enhanced 強化/改良)モデル。基本性能の高さはM4譲りだが、コルトのパテントが切れたことから、H&K社で独自に改良されており、各種細部が同社製品に換装されたほか、銃身寿命も2万発に向上。ピカティニーレールシステムを標準搭載し、各種オプションが装着可能となった。銃身長などの違いにより複数のバリアントが存在し、コンパクトで取り回しの良いHK416Cや、民間仕様のセミオートモデルも存在する。

H&K社では米軍のM4の後継を狙ったが、価格がネックとなり、特殊部隊や海兵隊などへ少数が配備されたのみ。

日本での配備先は特殊部隊たる海上自衛隊特別警備隊(SBU)と見られるが、国内ではSBUによる公開訓練でHK-416を装備している姿は未だ公にされていない。しかし、環太平洋合同演習『RIMPAC 2018』ではSBUと見られる濃紺で識別章や国籍章の確認できないBDUを着用し、バラクラバで身元を隠したアジア系と見られる兵員がHK-416を構える姿が公務中の米軍兵により撮影されている。

防衛省がHK-416カービン用の弾丸として『フランジブル弾』を取得したこと自体も非常に興味深い。フランジブル弾は金属粉を圧縮させ固めたもので、人体など比較的ソフトな対象は貫通しても、壁など硬度が高い物に命中すると砕け散る特殊な弾丸だ。このため、通常弾に比べ跳弾を防ぎやすく、閉所戦闘ではより安全だ。

ハイジャック防止のため、旅客機に秘密裏に乗り込んでいる警視庁や千葉県警の航空機警乗警察官『スカイマーシャル』も飛行中の航空機に穴を開けないための措置として、フランジブル弾の装てんされた拳銃を隠し持っていることが2004年11月に警察庁長官が行った記者会見で明らかになっている。

スカイマーシャル(航空機警乗警察官)とは?

 

コルトM4カービン

対外有償軍事援助(FMS)で日本政府が米国政府から購入した米国製カービン銃。日本人米兵によるダットサイト不正輸出事件で陸上自衛隊特殊部隊への配備が明らかになるも、自衛隊は同事件を「事実無根」と否定。配備の行方は?

陸上自衛隊の『一部』で配備されるM4に関する「ある事件」とは?

拳銃

自衛隊における拳銃の支給基準は長らく、曹士隊員以上の幹部自衛官および砲手、機甲科の車両操縦手、警務官等となっていたが、2000年初頭からはそれ以外の隊員にも広く支給されている。

11.4mm拳銃

The Colt M1911 .45 Automatic Pistol: M1911, M1911A1, Markings, Variants, Ammunition, Accessories (Classic Guns of the World Book 4) (English Edition)

ジョン・M・ブローニングが開発した口径は45ACPで装弾数7+1発。マンストッピングパワーに優れた軍用拳銃。いわゆるコルト・ガバメントM1911。

コルト社がパテントを持っていたが、戦時中はコルト社だけでは生産が追いつかず、同業他社でライセンス生産も。

日本では戦後の国家地方警察と自治体警察の2警察時代、拳銃不足の事情から米軍に供与され、その後の都道府県警察再編まで使用された。機動隊のサイドアームとして使用されたほか、愛知県警察の一部では昭和50年代まで制服の地域警察官がコルト・ガバメントをフタ無しホルスターに入れて携行していた。

参考文献 http://heiwadou.militaryblog.jp/e390344.html

式典における警察予備隊の様子。幹部隊員の腰に米軍から供与されたと思われるホルスターに納められたM1911らしき拳銃が確認できる。出典 冷戦・第3次世界大戦―1946-1956 (毎日ムック―シリーズ20世紀の記憶)

自衛隊では前身組織である警察予備隊創設時から保安隊を経て配備されており、82年にP220の国産ライセンス生産品である後継の9mm拳銃が配備されるまで使用された。一部では9mm拳銃配備後もなお配備されていた。

米国では『フォーティー・ファイブ』や『1911』の愛称で実に70年もの間、米軍で使用されてきたM1911だが、1985年にベレッタM92Fが米軍の新制式拳銃に採用されたことで一線を退いたかに見えた。

しかし、海兵隊や特殊部隊では今なお継続使用されており、アメリカ海兵隊の精鋭部隊ではM1911を原型とする「MEU(SOC) pistol」をオフィシャルで使用していることから、45口径の絶大なる信頼性は今日でも不変であることが伺える。またM1911はパテントが切れたことも相まって、史上もっともバリエーションが多い拳銃で、幾多のカスタムメーカーや有名銃器メーカーから独自に改良されたM1911モデルが発売された。

陸上自衛隊でも大口径拳銃の必要性を研究しており、平成24年にはモデル不明ながら「11.4mm大口径拳銃」なる銃を試験的に調達したことを公告にて公表している。

ただ2016年になると、アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド(MARSOC)では9mm口径のグロック19を45口径の現用拳銃に代わる形で配備を開始。これは予算の問題と、連邦捜査局が近年になって.40S&Wから9mmへ回帰したことも影響しているものと見られている。

9mm拳銃

1982年に11.4mm拳銃から更新され制式配備された。オリジナルは『SIG SAUER P220』で、国内精密大手のミネベアミツミ(旧・新中央工業)にてライセンス生産されている。口径9mm普通弾を使用し、装弾数9発の半自動式拳銃。単列弾倉であり、複列弾倉が標準的な現代オートに比べ装弾数が少ない。

自衛隊の9mm拳銃(P220)とは?

新・9mm拳銃 SFP9

H&K VP9|UM3T-VP9-BK01(ガスブローバック・ピストル)

2019年、防衛省は9mm拳銃(P220)の後継として3種の拳銃からトライアルを行い、2020年にドイツH&K社のSFP9(欧州およびカナダ市場での名称はVP9)の制式採用を決定した。ライセンス生産ではなく、オリジナルの完成品を日本へ輸入するという。日本向けに細かな仕様変更がされているかは現時点で不明だ。

なお、自衛隊とは別に警察庁でも2,500丁あまりのSFP9がHKから納品されたというソースがある。これは東京オリンピックの警備用だとされ、同オリンピックのマラソン競技開催地である北海道内で警察官が装備している姿が目撃されている。

“東京オリンピック警備公式けん銃”!?日本警察が新配備のH&K SFP9(VP9)の性能は?

H&K USP(タクティカル)

本場ドイツ国防軍ではサービスピストル「P1(ワルサーp-38)」に代わって「P8」として90年代から配備されている。口径バリエーションには9mm(9×19mmパラベラム弾)、40S&W弾、45ACP弾の3種。スライドは金属でフレームとマガジンはポリマー。H&K社ではノーマルモデルの他にも、小型化された「USPコンパクト」や、競技用モデルなど複数のバリアントを用意している。

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陸自特殊作戦群で配備されているものと見られる。陸上自衛隊習志野駐屯地に来賓として招かれた元力士の水戸泉氏が、自らのブログで写真を公表したことで広く認知されたドイツH&K USP(Universal Self-loading Pistol)。

出典 「水戸泉メモリー」 2004年12月16日の記事
http://blog.livedoor.jp/nishikido/archives/10861092.html

少し画像が荒いが、よく見ると特殊作戦群で配備されているUSPはサイレンサーが装着できるように、バレルにネジが切られた『USPタクティカル』のようだ。さらにUSPのスライド上には、小型のダットサイトも取り付けられている。

あろうことか、USPの背後には「(特)戦群」とバンパーに書かれた高機動車までもが写っている。

当時、この写真は大きな話題を呼び、特殊作戦群の装備品として一気に世間に周知された。

警察では警視庁や神奈川県警特殊部隊SATで配備しており、さらにはUSPを発展改良させたP2000を警視庁SP用として配備する。

9.65mm拳銃

コルト・ディティクティブ38口径回転式拳銃。私服刑事用に開発された銃で、自衛隊では80年代まで警務隊用の拳銃として配備された。

警務隊が官品横流しに目を光らせている

対人狙撃銃

H&K MSG90

H&K(ドイツ)が開発した半自動式狙撃銃MSG90を海上自衛隊で取得している。同社の最高級狙撃ライフルPSG-1が警察用として開発された経緯と異なり、MSG90は軍用狙撃銃として開発されており、実質的にはPSG-1の廉価版である。

H&K社の日本総代理店は株式会社JALUXだが、アジア太平洋企業株式会社(法人番号:5020001057000)という企業によって納入された可能性もある。海自特殊部隊である特別警備隊への配備の可能性が高いものと見られている。

レミントン M24 SWS

平成14年度から陸上自衛隊のみに配備されているボルトアクション式対人狙撃銃。本銃は「自衛隊のスナイパー」のページで詳しく言及している。

陸上自衛隊の狙撃手

分隊支援火器

62式7.62mm機関銃

1962年から配備された。以下の記事で開発者の推した独特の趣向と製造元企業の問題点を解説している。

62式7.62mm機関銃の評価が概ね最悪である理由は?

5.56mm機関銃MINIMI

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1993年から自衛隊で配備された「5.56mm機関銃MINIMI」は米軍も採用するベルギーFN社のM249″MINIMI”を住友重機で国産化した銃だ。口径は5.56mmと、それまで自衛隊で配備されていた62式の7.62mmから小口径化。

短機関銃(機関けん銃)

11.4mm短機関銃 M3A1

画像の出典 陸上自衛隊北部方面隊第7師団公式サイト 

http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/7d/1tkgp/page_thumb13.html

米軍から陸上自衛隊に供与され、主に機甲科隊員に配備された。戦車の乗員と言えど、徒歩で前線へ向かい、敵情偵察(リコン)を行う場合もあり、その際はM3A1を抱えての出撃となる。

当時、自衛隊の制式拳銃であった11.4mm拳銃と同じ45口径で、弾薬の融通が効く利点があった。1982年に制式拳銃が9mm拳銃に更新されたため、M3A1もいずれ用廃になると見られていたが、9mm拳銃調達後も長らく現用装備であった。海上自衛隊でも配備されている。

昭和32年には安倍晋三元首相の祖父である岸信介首相(当時)が陸上自衛隊駐屯地内において、背広に紳士帽を被った姿でM3を手に取り構えるという、ギャングみたいな姿を披露している。

M3はジョージ・ハイドおよびフレデリック・シンプソンが開発した簡易なメカニズムと形状で大量生産が容易な短機関銃で、その特異な形状からアメリカ本国ではグリースガンという俗称がある。

M3では弾丸装填のため、レシーバーに外付けハンドル型の回転式コッキングレバーを備えていたが、M3A1ではこれを廃し、機関部内のボルトを直接コックする仕様に変更されたことでメカニズムをより単純化させた。通常は機関部への異物混入と安全装置を兼ねた蓋で閉塞され、閉塞状態下では発射不能となる機構が組み込まれている。

その後、陸自機甲科隊員の護身用銃器は次第にM3から折り曲げ式銃床の89式に順次更新されて激減。

MP5

法執行/軍事作戦向け9mm口径サブマシンガンの最高傑作であるMP5を海上自衛隊特別警備隊が配備。

何者かが撮影した「海上を疾走する11メートル級RHIB・特別機動船(SB)に乗り込む全身真っ黒のアサルトスーツで身を固めたSBU隊員のうちの一人が、MP5を胸の前で保持している写真」が存在する。

これだけでは根拠があいまいだが、自衛隊ではMP5型エアガンも”配備中”だ。マニアにサバイバルゲーム用のエアガン改造部品を製造販売し、警視庁交通執行課暴走族対策係などへ発射装置も納入しているPDI株式会社では「平成21年3月に海上自衛隊第一技術科学校へMP5型シミュレーター(ペイントボール発射タイプ)を納入」している。

出典 株式会社PDI会社案内
http://www.pdijapan.co.jp/pdi-new/kaisya.html

出典 入札情報
http://www.njss.info/bidders/view/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BEPDI/

となれば、実銃配備の可能性は高い。

警察や軍の特殊部隊向けの製品として成功を収めたMP5は世に出て50余年だが、現在では9mm口径の威力不足が指摘されるなか、MP7といった新ジャンルの銃器も開発されている。

4.6mm短機関銃(B)

VFC Umarex MP7A1 NAVY V2 リアルサイズ JPVer. ガスブロ BK(18歳以上)『4.6mm短機関銃(B)ヘッケラー&コッホ社製』として、陸上自衛隊特殊部隊へ少数が配備された”可能性”を防衛省が公告で示唆。”試験用”との記載は無い。また、取得は富士学校が妥当と思われるが、陸上自衛隊関東補給所になっている。このことから、陸上自衛隊特殊作戦群への将来的な配備のため、同部隊で直接運用試験が行われているのではないかと推測される。

MP7の参照元(防衛省公式サイト)

公告 第 輸調-343号 平成24年9月14日
公告 第 輸調-350号平成 24年9月14日

なお、2016年11月07日に公示された公告に拠れば、防衛装備庁により『4.6mm短機関銃(B)用普通弾15000発』が取得されたようだ。

自衛隊の公開情報に直接的なモデル名の記載はなく、あくまで『ヘッケラー&コッホ社製の4.6mm短機関銃(B)』としか公表されていない。

防衛省側としても秘匿したい装備品を公にしたくは無いが、情報公開の透明性を確保しなければ、一部市民団体から突き上げを食らうというジレンマがあるのだろう。そのため、名称の秘匿や納入ルートを直接の配備先部隊ではなく、他の部署に一旦迂回させることが行われていても不思議ではない。

とはいえ、推測できるのは同社の高性能個人防衛火器『MP7』だろう。MP7はコンパクトながら、セミ・フル切り替え式、伸縮式ストック、折りたたみ式ハンドル、レイルシステムを備えており、近代的な銃としてほぼ完成されている。

命中精度も非常に高く、警察や海上自衛隊特殊部隊でも配備済みのMP5を凌駕するが、MP7はすでに広く世間でも知られているFN社のP90と同じく、PDW(パーソナルデイフェンスウェポン)というカテゴリーに属し、短機関銃(警察では機関けん銃との名称)であるMP5とは別となる。PDWは主に軍の後方支援部隊の兵士が携行する個人防衛火器として開発されている。

サイレンサー装着時はMP5SD6よりも消音性に勝るとされ、反動も通常のMP5より少ないとされる。重量は1.2kg(マガジン込みで1.8kg)で小型であり、秘匿性も高い。MP5の後継機種というよりは、まったく別個の「PDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)」として開発されたMP7。その背景にはアメリカやNATOなどの西側諸国が、それまでポピュラーだった9mmけん銃弾の威力不足の懸念がある。

そこで大手銃器メーカーでは新たな種別の「PDW(パーソナル・ディフェンス・ウェポン)」の開発に着手。

まず、この分野で頭角を現したのがMINIMIで知られるFNハースタル社で、同社の開発した「P90」は世界の警察や軍隊が注目した。

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P90を抱える兵士。重本体に水平に装てんされた樹脂製ボックスマガジンに留意。

P90は威力の強い5.7x28mm弾を使用し、拳銃弾を想定した防弾チョッキを軽々と貫通させる威力を持つ。

一方、HK社でもベストセラーであるMP5の標準口径であった9mmを思い切って捨て、P90同様、敵兵のアーマーをプスプスとピアッシングする目的で4.6mm小口径高速弾を新規開発。このようなコンセプトからMP7と従来のMP5とは銃のカテゴリーも弾丸の威力も異なるのだ。

MP7はすでに世界各国の軍隊、法執行機関で採用され、ドイツ連邦軍、イギリスの一部の制服警察官(シングルファイヤのみのモデル)も装備するほか、米軍デヴグルが行ったウサマ・ビンラディン逮捕に関する一連の作戦において使用された逸話もある。

各国のエリートフォーセスから信頼されているMP7を陸上自衛隊特殊部隊が配備しても不思議は無い。

9mm機関けん銃

99年から配備された新しい装備。機甲の戦車乗員や指揮官用として配備されたが「従来の9mm拳銃や折り曲げ銃床式の89式の方がはるかにマシ」などという意見が……。

なぜ9mm機関けん銃の評価は分かれるのか?

散弾銃

Benelli M3T

Benelli M3はイタリアのメーカー「ベネリ」が開発した半自動式ショットガン(散弾銃)。散弾銃の装てん方式として一般的なそれまでのポンプアクション方式と発射の反動を利用して次弾を装てんするショートリコイル方式の二つを併せ持つ特殊な散弾銃で、世界各国の軍や警察の特殊部隊でも採用されている。

オリジナルモデルのM3は固定式ストックだが、海上自衛隊がチョイスした「M3T」は閉所でも扱いやすい折り畳み式のストックタイプ。

平成27年度調達予定品目(中央調達分)のなかに「散弾銃 M3」の記載がある。
典拠元 http://www.mod.go.jp/epco/supply/jisseki/choutatuyotei_pdf/27_yuchou.pdf

海上自衛隊の艦艇乗組員は航海中、銃の訓練を艦艇の上で行っており、標的として揚げた風船をベネリ散弾銃で狙う射撃訓練を行っている。

なお、海上自衛隊ではフカ警戒員という係りを配置させ、救助訓練中などの際には64式小銃を手にサメの警戒を行っているため、M3Tがサメにぶっ放される可能性もある。

また、海上自衛隊下総航空機基地でも別のモデルの散弾銃を配備している。

参考URL「下総航空機基地の装備」
http://plaza.rakuten.co.jp/simohusakai/7000/

ウイルソン・コンバット社の散弾銃

陸上自衛隊ではウイルソン・コンバット社の散弾銃(モデル不明)を特殊作戦群で取得している。

グレネードランチャー(榴弾発射筒)

20式自動小銃とともに配備となったベレッタ製のGLX160を配備。

その他の銃器(試験用や試作銃など)

M&P

ウェブに公開された防衛省の調達情報によるとS&Wの「新拳銃」を試験用に購入したという記載があった。これは9mm拳銃の後継を選定するトライアル用に取得されたものと見られる。同社が近年、軍隊や警察向けに発売した新型モデルといえば、M&Pしか該当は無く、やはり自衛隊が試験取得したのは同モデルだろう。

2019年に防衛省が公表した実際の評価試験での最終選考モデルは「ベレッタAPX」、「グロック17(Gen5)」、そして「ヘッケラー&コッホSFP9」の3種。M&Pは評価試験で早々に脱落したのかもしれない。

アメリカのS&W社と日本政府との深い関係と言えば、やはり日本警察だろう。海上保安庁でもM5906が制式配備されているが、自衛隊とは過去に銃の取引関係になかったはず。

M&Pはいわゆる現代オートの標準であるポリマーフレームを採用した次世代型オートで、すでに全米の多くの警察機関ではM&Pをこぞって導入しており、グロックの牙城を崩し始めている。

ところが、テキサスレンジャーが所属することでお馴染みのテキサス州公安局でもM&Pの採用が行われ、法執行官らに大量に配備されたが、2014年に不具合が多数発生したために以前使用していたSIG製品のP226に戻されたとのことだ。

なお、S&W社には「シグマ」というグロックの露骨な模倣製品をかつて製造販売しており、当のグロック社から告訴され、多額の賠償金(金額は非公開)を支払ったあげく、販売中止に追い込まれたという黒歴史もある。

ニューナンブM66

自衛隊の採用を当て込んで作られた新中央工業の試製短機関銃。

ニューナンブM57

自衛隊の採用を当て込んで作られた新中央工業の試製自動式けん銃。試作に終わる。かわぐちかいじの漫画で登場したことがある。

AR-18

いわゆる「アーマライト」M16と89式小銃の原型になった自動小銃。豊和工業でライセンス生産され、自衛隊にも試験的に15丁が納入された。

BAR自動小銃

M1918 Browning Automatic Rifle, BAR。自衛隊創設間もないころに導入されていた自動小銃。

M1

かつて配備されていたカービン銃。

信号拳銃

厳密には武器ではない。自衛隊には地上と海上での使用を主とする21.5mm信号けん銃と、主に航空機に搭載されている55mm信号けん銃の二つがある。どちらも装弾数は一発で、放たれた弾丸は6秒程度、強烈に燃焼し発光するので昼間でも識別が容易。発光色は赤、青、緑などがある。たまに素人がUFOと間違えて撮影しYOUTUBEに投稿する。自衛隊ではあくまで武器ではなく信号用の機材となるが、アメリカ軍やドイツ軍では武器として用いたこともあり、ドイツ軍にはグレネード弾が発射できる”カンプピストル”の例もあった。

自衛隊の小火器まとめ

このように3自衛隊では過去から現在まで、幅広い種類のけん銃や短機関銃、小銃、散弾銃を配備している。

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