アマチュア無線の不法無線局の取締りとは!


 

アマチュア無線のみならず、各種無線に妨害を与える迷惑な不法無線局とは、いったいどんな無線局でしょうか。

アマチュア無線でしてはいけないことってどんなこと?

上記の記事でも解説いたしましたが、無資格、無許可で無線局を運用したり、決められた法律を守らない悪質な無線局を不法無線局(アンカバー)と呼びます。

電波の番人であり電波行政を司っている総務省総合通信局は、業務無線一般やテレビやラジオの電波を掌握しており、私たち無線家には免許とコールサインを発給してくれるお役所ですが、不法無線局に対しては地道な調査と摘発に従事しており、場合によっては警察とも共同で不法無線局を摘発します。

アマチュア無線の資格試験の勉強をした人であればわかると思いますが、電波法の規定に違反して運用した無線局を認めた場合は総務大臣へ報告することが定められており、所定の手続きで報告します。

これは電波法第80条に定める報告書のことで、80条報告とも呼ばれます。

不法無線局の摘発事例

【平成24年6月29日発表】北海道月形町で無免許にてアマチュア無線を運用した運転手を摘発
http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/2012/0629.htm

無免許でアマチュア無線を使用することは違法行為です。書類送検や逮捕、さらには何十万円もの罰金も支払わなければなりません。免許を取ってから楽しむのは言うまでも無いことですね。

キャバクラの客引きがアマチュア無線を使って店とやり取りをして逮捕

こちらはなんと、東京・JR新橋駅近くのキャバクラ店の客引きが、仲間内の連絡にアマチュア無線を違法に使用したとして被疑者5名が電波法違反(無線局の無許可開設)などの疑いで逮捕されています。

当然、アマチュア無線は営業目的での利用はできませんから、キャバクラの客引きなどに使うのはもってのほか。

被疑者らは幾度も総務省から警告を受けていましたが、やめずに客引き業務での使用を続けたことが悪質と判断され、告発を受けた警察によってタイホされたようです。

電波法違反でキャバクラ店と客引きを摘発するのは全国で初めてとのこと。

記事参照元 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2506839.html

海外製無線機と”オフバンド送信”とは?

オフバンドとは、アマチュア局に許された運用規則や周波数使用区分(バンドプラン) から逸脱して電波を発射する不法行為です。これらに対しては、アマチュアガイダンス局と呼ばれる指導局が、注意喚起を行います。バンドプランは電波の形式と周波数の区分として1992年に法制化されているので、必ず守ることが求められています。

また昨今では、ネット通販で販売されている中国製の海外規格のアマチュア無線機を購入し”そのまま”使用している方もいますが、このような無線機は実勢価格が5000円以下と日本製の一般的なアマチュア無線ハンディ機よりも4分の1程度と安く、人気です。

しかし、この海外製品のアマチュア無線機には思わぬ落とし穴があり、日本国内で認められているアマチュアバンド以外の周波数で電波を発射できてしまう、いわゆるオフバンド送信になる場合もあります。例えば、アマチュアバンドの144MHzに近い周波数を使う各種公共機関の周波数帯域など。

当然、このような周波数で第三者が電波を出すと各種業務の無線通信に重大な妨害を与えかねません。実際に過去このような事例は相次いで起きており、摘発されています。

使っている本人(大抵は無資格者でしょう)は知識が無いため、アマチュア無線の周波数と思っているのでしょうが、実際はそれを逸脱した周波数となっている場合もあるわけです。

ただ、正規のアマチュア局でも、このような中華ハンディを購入して実験目的で使う場合もあります。その場合は、アマチュアバンド以外で使えないようにプログラムを修正し、保証機関のTSSから認定を受けたうえで、総務省から正規に免許を受けています。

ですが、初心者の方は基本的にこのような海外製の無線機は購入せず、もちろん使わないほうが良いでしょう。

参考サイト 警察と総合通信局との合同取締りの様子
http://www.hamlife.jp/2015/06/08/huhou-kyoku-torishimari-2015/2/

写真には”中華ハンディ“と俗に呼ばれる格安の中国製無線機が押収される場面もあります。

総合通信局の秘密兵器DEURASとは

DEURAS(デューラス)とは総合通信局の電波監視システムであり、不法局の所在地をたちまちにして突き止めてしまう高性能システムです。

また、総合通信局には不法電波局探索用の覆面パトカータイプの緊急車両が配備されており、総合通信局のDEURAS基地から指令を受けて、移動する不法無線局の場所まで緊急走行で駆けつけます。

しかし総合通信局の職員には司法警察権は付与されておらず、総通の職員がその場で110番し、駆け付けた警察官に口頭で告発したあとは、身柄の拘束などは警察が行います。

総務省の不法無線局探知システム「DEURAS」の概念図
(信越総通のWebサイトより引用)

http://www.soumu.go.jp/soutsu/hokkaido/K/huhoudenpawooe.html
DEURASによる聴取および移動監視で発見された通信妨害の事例

引用元 総務省総合通信局公式ページ
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/re/jyubou/

アンカバーと近代以前の日本のアマチュア無線事情

米国では大正3年にARRL(米国アマチュア無線連盟)が生まれ、3年後に会員数は実に4000名を突破するなど活発にハムが文化として根付き始めました。

一方、そのころの日本ではまだまだ「アマチュア無線家」は数えるほどしかいませんでした。それもそのはず、大正4年に無線電信法が施行されたものの、正式なアマチュア無線の免許制度はまだ存在していなかったのです。

当然、許可を得ない個人の電波の発射はアンカバーすなわち不法無線局となり、当局からの摘発対象となりましたが、日本で最初にアマチュア無線の免許が発効されたのは昭和2年9月ですから、これ以前の通信はすべてアンカバー扱いで、大正4年が正式なアマチュア無線の発足なのか、それとも後年の昭和2年なのかは議論の分かれるところです。

この当時のアンカバーであった無線家たちにはソニーの創業者である井深 大(いぶか まさる)氏や、放送局関係者など技術人たちがやはり多かったようです。その後、大正15年(昭和元年)になると日本でもJARL(日本アマチュア無線連盟)が発足することになります。

戦時中は当然ながら、国内でもアマチュア無線家の自由な通信は政府の方針によって厳しく規制され、アマチュア無線家たちの無線機には当局から封が貼られたとのことです。一方では、アマチュア無線家が「国防無線隊」として徴用され軍の演習に通信訓練で参加するなどの活動を行っていました。

参考文献 アイコム公式サイト

https://www.icom.co.jp/beacon/backnumber/electronics/002.html


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