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シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

体験記:北海道総合通信局でアマチュア無線局免許状を直接受け取ってみた

体験!総合通信局でアマチュア局免許状の直接受け取り

新たなアマチュア無線機を購入したことをきっかけに、今回は「アマチュア無線局免許状(通称:局免)」を郵送ではなく、総合通信局の窓口で直接受け取ることにしました。

使用した申請手段は、総務省が提供している電子申請システム『電子申請Lite』です。今回は技適マークの付いた市販の無線機に変更するための「変更申請」を行いました。変更申請では、手数料はかかりません。

申請から数日後、電子申請Liteの管理画面でステータスを確認すると、「受付処理中」から「審査中」へと進んでいるのが確認できました。

念のため、北海道総合通信局の公式サイトにある問い合わせフォームから、自分の名前と受付番号を明記して事前確認の連絡も行いました。

後日、通信局から電話連絡があり、次のように案内を受けました。

平日の8時から17時までの間であれば、いつでもお越しいただけます。身分証をご持参ください。」

このように親切な対応を受けたこともあり、申請後の進捗状況を見て、無事に審査完了となったタイミングで北海道総合通信局へ直接赴くことにしました。

もちろん、局免は通常であれば郵送で受け取ることも可能です。しかし、今回のように「自分で直接受け取る」という体験は、制度への理解を深めるうえでも貴重な機会でした。

この記事では、その一連の流れや実際の所要日数、通信局での対応の様子などを実際の体験談としてまとめています。

これから申請を考えている方や、電子申請を活用してみたい方の参考になれば幸いです。

北海道総合通信局の入る札幌第一合同庁舎へ

アマチュア無線局の免許状を直接受け取るため、札幌市北区北8条西2丁目にある「札幌第1合同庁舎」を訪れました。

このビルには国の複数の出先機関が入居しており、北海道総合通信局もそのひとつです。

札幌駅からも近く、アクセスは非常に良好です。建物に近づくと、大きく掲げられた官庁名の看板が目に入ります。

そのたたずまいは、いかにも「公的機関」といった重厚感があり、初めて訪れる人にとってはやや緊張感を覚えるかもしれません。

なにしろ、庁舎内には通信局だけでなく、「北海道厚生局麻薬取締部」という捜査機関も入っています。いわゆる麻薬取締官です。

麻薬取締官が『警察官には認められない連射が可能なオートマチック』を使う理由とは?

ビル周辺では、偽装型ユーロアンテナを装着した車両が駐車しているのも見かけました。所属は不明ですが、捜査車両である可能性が高いと考えられます。

覆面パトカーのアンテナの種類と進化論──ユーロ偽装から車内秘匿化への進化論…アンテナの歴史を追え!

あっ、自分と同じようなマニアが局免取りに来ただけだったりして……。

「自分はただ、趣味のアマチュア無線に必要な無線局免許状を受け取りに来た。」

そう自分に言い聞かせながら、意を決して少しの緊張とともに札幌第1合同庁舎の中へ足を踏み入れました。はい。

札幌第1合同庁舎に入ると、まずは入り口にいる警備員に行き先を尋ねられます。

今回は「北海道総合通信局」と伝えると、セキュリティチェックとして金属探知機を通過し、首から下げるタイプの入館証を受け取ってからエレベーターで指定の階へ向かいました。

免許状の直接受け取りへ──総合通信局窓口での手続きの流れ

総合通信局のオフィスに着き、受付で「アマチュア無線局の免許状を受け取りに来ました」と伝えると、すぐに案内され、応接スペースに設置された椅子に通されます。

その際、本人確認のため「無線従事者免許証」の提示を求められました。

証明書を提示すると、職員の方から「少々お待ちください」との案内。ここでしばし待機する時間が生まれます。

その間に目に入ったのが、椅子にかけられたカバー。なんとそこには、アニメ風のキャラクターが描かれていました。

「電波りようこちゃん」と名乗るそのキャラクターは、アンテナを模した髪飾りをつけた女性のイラストで、どうやら電波利用を啓発する広報用のマスコットのようです。

やや意表を突かれつつも、ポスターやパンフレットなどにも登場しており、通信局内ではすっかり馴染みの存在のようでした。

ちなみに、庁舎内には他にも麻薬取締部などの組織も入っていることから、「もしや隣の部門には“まとりこちゃん”的キャラが…?」などと、つい余計な想像もしてしまいます。

さて、2分ほどで担当職員が戻ってきて、ついに免許状が手渡されました。

「免許状、こちらになります」

書類とともに、赤い証票シールも同封されています。局免が“折られずそのままの状態”で渡されたことが、個人的にはとても新鮮に感じられました。

この段階で大切なのは、受け取った免許状の内容をしっかり確認することです。

呼出符号(コールサイン)は正しいか

氏名や住所に誤りはないか

有効期限に問題はないか

万が一、記載ミスがあればその場で申し出ることが重要です。後日の修正は余計な手間がかかるため、ここでの確認は慎重に行うべきでしょう。

すべての確認を終えたあとは、免許状を丁重にファイルへ収納。紛失しないよう、厳重に保管することをおすすめします。

パンフレットの中には「電波りようこちゃん」──啓発活動も身近に

最後に、受付で「電波りようこちゃん」のパンフレットを一部いただき、庁舎を後にしました。

「電波りようこちゃん」のパンフレット

免許状を受け取り、最後に手渡されたのは、通信行政に関する啓発パンフレット。表紙には「電波りようこちゃん」が描かれていました。

内容は、違法無線の使用を戒めるもので、「電波を正しく使いましょう!」というメッセージが端的に伝わってくる構成です。

法令遵守の重要性をやさしく伝えるこの手のパンフレットは、特に初心者や若年層にとって、親しみやすい印象です。

しかしながら、目を引いたのはやはりキャラクターのビジュアル。

どこか既視感のある、セーラー服風の衣装にツインアンテナの髪飾り。

説明よりも先に「これは何のモチーフだろうか?」と目が止まってしまう方もいるかもしれません。

とはいえ、行政の堅い印象を和らげるには十分な存在感です。

ともあれ、こうした親しみやすい啓発活動も、無線利用の健全な普及には欠かせない取り組みの一つでしょう。

ここまで、受け取りの流れでした。

札幌第一合同庁舎には地下食堂で昼食──庁舎内でのもうひとつの楽しみ

せっかく足を運んだ北海道総合通信局。手続きを終えたあと、「せっかくだから」と立ち寄ったのが、庁舎地下にある食堂【イペカムイ】です。一般利用も可能な公共食堂で、平日の14時まで営業しているとのこと。

食堂の利用には一応の手順があります。入館証を返却する前に、受付へ「食堂を利用したい」旨を伝えると、再入場の許可が得られます。この点は、一般開放型とはいえセキュリティの観点から必要な確認事項です。

地下へ降りてみると、予想以上に広々とした空間が広がっており、昼食の時間帯には様々な職種の人々で賑わっていました。

スーツ姿の役人っぽい人、作業服の技術職っぽい人、レゲエみたいなヒップホップみたいな人。麻取ですか?

そしてその中にまぎれて座る、アマチュア無線愛好家──筆者自身。なかなかカオスな客層になっております。周囲との対比がなんともユーモラスで、静かにシュールな感慨を覚えました。

メニューは定食や麺類、カレーなどバリエーション豊かで、価格帯は500円台から600円台と非常に良心的。筆者が選んだのは、税込580円の「カツカレー」。提供されたのは、いかにも“庁舎の食堂らしい”素朴で整った一皿です。

しかし、ひと口食べて驚きました。スパイスの効いた濃厚なルーに、揚げたてのサクサクしたカツ。いわゆる“業務用っぽさ”を想像していた味とは異なり、しっかりと作られており、満足度は高めです。もしかすると、職員たちの密かな癒しの場になっているのかもしれません。

まとめ──「免許状を直接受け取る」という特別な体験

このように、“無線局免許状の直接受け取り”を体験し、その流れを簡易的にまとめました。

今回の体験を通じて感じたのは、郵送では味わえない“公的な実感”です。

自ら申請したアマチュア無線局が正式に許可され、その証を手にする瞬間。

これは、やはり直接受け取りならではの感動です。啓発キャラクター「電波りようこちゃん」にも見守られながら、免許状を手にする──そんな一日でした。

もちろん、郵送の利便性も大きな利点ではありますが、時間に余裕があり、総合通信局へのアクセスが可能であれば、一度は「直接受け取り」の選択肢も検討してみる価値は十分にあります。

また、あわせて訪れた地下食堂も、意外な発見がある場所でした。

庁舎という、一般にはなかなか立ち入る機会の少ない場所での食事は、それだけでちょっとした非日常。

時間帯が合えば、手続きに訪れたついでに、ひと息ついてみるのもおすすめです。

なお、各通信局の対応は異なる場合がありますので、訪問前には事前確認が推奨されます。

あと、北海道総合通信局に行くときは、合同庁舎という特殊性にも注意してください。

筆者みたいに、麻薬取締部の看板にビビる可能性があります。

新制度発足!アマチュア無線の局免申請から受け取りまで

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