画像の引用元 朝日新聞
2010年のことを思い出すと懐かしい。あの頃は選びたい放題、落とし放題。
何のことかって?それは、自衛隊の募集の話だよ。気づけば2025年、現在では自衛隊の募集難が深刻化している。
自衛隊を舞台にした初のドラマ『テッパチ!』の視聴率が全話平均4.8%でワースト5位にランクインしたのは驚いた。自衛隊が撮影全面協力しての結果がこれだ。一説によるとフジサンケイグループが改憲派なんで、自民党に媚び諂ったみたいだよ(笑)
自衛隊という男臭くて血みどろな世界をテーマにしたドラマだと思ったら、地上波基準でそれらは完全に消し去られてしまって、残ったのはまるで“迷彩服の高校生(笑)”。これじゃ視聴者の興味を引くどころか、逆に鼻につくだけだろう。
一方で、自衛隊が全面協力した90年代の映画『右向け左!』は、若い自衛官たちの日常をギャグとして描きながら、時には心に響くような本気の姿を見せて、爆笑させるだけでなく、涙を誘うシーンもあった。同作は自衛隊映画の金字塔となり、3作が制作されることになったが、あれを超える自衛隊ものはもう出ないだろうよ。
それにしても、なんで教官役が白石麻衣(てか誰?)なんだろう?『電車男』時代の白石“美帆”(陣釜美鈴)なら、あのノリの自衛隊ドラマにピッタリだったのに。
結局、海保に続き自衛隊まで利用しようとしたフジテレビだけれど、結果的にコケて、中居にも笑われる羽目になっている。ま、時代が変わったのは間違いない。
「自衛隊に入って弱者男性だった僕がお料理スキルでレンジャー訓練でカエルを茹でて食べて無双して寄生虫のスライムがお尻からピュッと出たなんたら」みたいな青春ドラマなんて、そんな時代はもう終わってるってこと。それは“なろう系”だろ間抜け(笑)
ジ・エンド!ゲッタウェイ!
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脱柵(だっさく)ってのは、自衛隊からの脱走を意味するスラングだけど、やっちまうと完全にアウトだ
映画俳優のスティーブ・マックイーンの話しようか。彼は海兵隊時代、週末休暇の後も無断で離隊して、ガールフレンドの家に二週間も滞在していた。結局、憲兵に捕まって41日間も営倉にぶち込まれたって知ってる?規則より愛を選んだのよ。
マックイーンみたいに自衛隊でも“大脱走”する奴っていると思う?いるよ。もちろん。「脱柵」って言うんだけど。“鉄条網の向こうの彼女”ってやつ。逆もあるよね。
駐屯地や基地、演習場なんかは、ガチガチに鉄条網が張り巡らされてる。それは外部からの侵入を防ぐためってだけじゃなくて、「脱柵防止」にも一役買ってるのが実情なんだよ(笑)
でも、実際「脱柵」って言葉も、ただの俗語で公式には「所在不明隊員」っていう、なんともロマンのない言い回しが使われてるんだ。出勤しなかったら「欠勤」、もし夜中にフェンスを越えて逃げたのか、休暇中にバイク事故で崖から落ちたのか、それとも北朝鮮行きになっちゃったのか、それは誰にもわからない。だから、こう呼ばれるんだ。「所在不明隊員」ってね。
結局、脱柵ってのは、自衛隊のことなんて、なーんにも知らない筆者にとってはただの謎だ。
脱柵の理由は?
日本にだってブラック企業がゴロゴロしてる中で、やっと手に入れた国家公務員としての肩書きと安定した職。それを捨てても乗り越えたい城壁がある。結局、自衛隊もブラックだったってこと(笑)
まぁ、理由は人それぞれだろうけど、入隊したての若い自衛官候補生が「シャバ恋しい!」とか「ママに会いたい!」って実家にトンズラすることもあれば、ある程度年齢を重ねたベテラン陸曹が、レンジャー訓練の途中で「じゃ、あっしはこれにてドロンします」ってケースもあるんだよ(2015年の話だけど)。
結局、訓練がキツすぎるとか、職場の人間関係とか、腰がしんどいとか、いろいろな理由があるわけだ。
2006年には陸自の隊員が迷彩服のままで電車に乗って実家帰ったっていう珍事件もあったしな。
ある日の珍事:
陸上自衛隊第4師団司令部(福岡県春日市)は16日、第4後方支援連隊に所属する1等陸士(20)が、演習中に無断で所在不明になったとして停職16日の処分を発表した。その理由は「演習がきつくて嫌になった」とのことだ。警務隊は銃剣を演習場外に持ち出したとして銃刀法違反の疑いで書類送検したけど、1等陸士は迷彩服に銃剣や防護マスクを装備したまま無断で演習を離脱して、翌日には実家に戻っていた。目立ちすぎだろ(笑)。
脱柵後の捜索
で、脱柵(要するに無断で部隊から逃げた)したら、すぐに所属部隊の上官が「うちの隊員がいない!」ってことで捜索が始まる。私服の隊員が市内を歩き回って探すのが一般的で、まるで黒服から逃げる鬼ごっこのごとく。
まずはその隊員が所属している部隊の隊員による捜索が行われ、見つからなければ駐屯地内の全隊員が駆り出される。そして、同時に警務隊にも連絡が行くんだ。
警務隊ってのは、自衛隊内の“警察”。犯罪があるかどうかを見極めて、必要があれば警察や海上保安庁に捜査協力を頼むこともあるんだよ。
犯罪性がない場合でも、警務隊は行方不明者の捜索にしっかり協力する。
なぜなら、何か起きてからじゃ自衛隊の不祥事になっちゃうから。
不明隊員の捜索を行う部隊の長に対して、警務隊は専門的見地から適切な助言や援助を行うことが決まってるんだよ。
メルカリで戦闘糧食が流通してるのを監視してるだけじゃなくて、そういった対応もする(笑)
現在の戦闘糧食に「転売禁止」ってでかく書かれてるのを見たとき、笑ったよ。自衛隊でもこういうのは初めてじゃないかって(笑)
参考文献『所在不明隊員の取り扱い』
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1959/az19590508_00045_000.pdf
でも、警務隊が本格的に動き出したら、逃げ切るのはほぼ無理だよ!
迷彩服を着た警務隊員が、ブルーバードシルフィのMP仕様覆面パトカーに4人乗って、リアが沈みながら駐屯地周辺をトロトロ走り回る彼らの目つき、まじで怖い。「あ、出たな」って思うわけよ(笑)
入隊時に書いた実家や友達の家に先回りされるし、最寄り駅や警察にも連絡が行くから、もう逃げるのは不可能に近い。ククク…そこがカイジくんの甘いところだな。
さらに、捜索にかかった交通費や宿泊費は、脱柵した隊員に請求されるって噂もある……ってマジかそれ?(笑)
脱柵を描いた元自衛官たちの書籍…真実と誇張の境界線は?
脱柵について触れている元自衛官の書籍って意外と多いんだ。ほぼ鉄板のエピソードとして取り上げられてることが多い。
元自衛官の藤原さとし氏の『ライジング・サン』にも脱柵が登場する。制限時間内に行方不明になった女性自衛官候補生を探して連れ戻す、他の候補生たちの奮闘が描かれているんだ。
これはヤバい、すぐ点呼までに連れ戻さないと、大変なことになるからね。

その「脱柵」の説明を、WAC候補生のセリフを引用する。
捜索隊が編成されて実家はもちろん
友人知人の家や関わりのある場所は徹底的に捜索され…
その捜索費用は全額脱柵者に請求されるらしいわ典拠元:『ライジング・サン(2)』藤原さとし著
すぐに点呼までに連れ戻して、事なきを得なけりゃいけないよ。
この話以外にも、大宮ひろ志氏の『そこが変だよ!自衛隊』でも捜索費用請求の件が出てくるんだ。
不正な手段で”脱自”を企てる隊員には部隊総出で厳しく対処するという、自衛隊の規律がようく分かるわ。
まあ、この脱柵ネタ、元自衛官の著作には載っても、MAMORにはまず載らんでしょ(笑)
で、これが「真実」かどうかって言うと、ちょっと難しい話だ。
筆者は自衛隊と一切関わりもないし、部内情報を知る立場にはないから、いくらでも妄想を言えるけど、現職の自衛官は口が裂けてもそんなことは言えんだろう。
さっき言ったように、元自衛官の著書なんかから少しずつ漏れ出ることはあるが、実際のところは確証があるわけではない。
ただ、言えるのは、自衛隊法には「所在不明隊員の捜索にかかった費用をその所在不明隊員に請求する」なんて規定はないってことだ。
それに、民法的にもそれを請求するのは無理があるんじゃないかと思う。それってまさにブラック企業そのものだろう。
連れ戻されると懲罰を受けるのか
公務員が勤務中に勝手に職場を離れ、職務放棄するのは就業規則違反だし、自衛隊でも他の省庁と同じように、懲戒処分を受けるのがフツーだ。
その中でも最も多いのは、3日程度の停職処分だ。
一方で、ブログ『I LOVE 陸上自衛隊』では、ある脱柵の例が紹介されていて、脱柵した1士が頭を丸めて謝罪した後、幹部は不問にし、その後その1士は3曹に昇任したという話が載っている。
私の時の脱走隊員は、頭をお坊さんみたいに丸めて詫びを入れて一からやり直し、現在は心を入れ替えて3曹になったそうですが「脱走隊員のレッテルが貼られる中での訓練や勤務はツラかった。だからこそ二度とこのような過ちを犯してはならないと思った」と、その見つけ出した班長から人伝に聞きました。
引用元 『I LOVE 陸上自衛隊』様
http://ameblo.jp/himeno-osaka/entry-10602032134.html
つまり、脱柵=即クビというわけではない。更生の道があるどころか、出世のチャンスすら与えられるというのが、自衛隊という組織のもう一つの側面かもしれない。
逃げ切った場合は?
さて、脱柵した隊員がたまに逃げ切ってしまうこともあるけれど、その場合はどうなるのだろうか?
状況に応じるようだ。誰が見ても明らかな場合は、懲戒免職または分限免職になる。
当該所在不明が当該隊員の意志によるものであることが、人的・物的証拠により明白であれば、懲戒免職処分が行われ、もし所在不明時の事情から分限免職を相当と認める場合は分限免職となる。
当該所在不明が当該隊員の意志によることが、人的物的証拠により明白である場合(十分推測できる場合を含む。)は、懲戒免職処分(所在不明 時の事情から分限免職を相当と認めるときは分限免職)を行うこと。
出典 http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1973/az19740221_00664_000.pdf
1ヶ月ほどで早々に決まるようだ。
諸外国軍における脱走兵は平時でも重罪。軍法会議や懲罰部隊も
アメリカ軍では、戦時・平時問わず脱走した場合、基本的には脱走兵として逮捕され、軍法会議にかけられる。
平時なら懲役刑、戦時や戦場での脱走なら「敵前逃亡」として扱われ、重罪となり、現場指揮官の裁量で即時に銃殺刑が執行されることも規定としてある。ただし、実際に銃殺が執行されることはほとんどないが。
また、国によっては懲罰部隊に送られることもあり、旧日本軍では陸軍教化隊がそれに該当していた。
さらに、旧日本軍では敵前逃亡で処刑された兵士の遺族は、1970年まで遺族年金を受け取ることができなかったという厳しい差別があった。
勝手に戦争に駆り出しておいて、この仕打ち。まさに国民いじめの日本政府。
自衛隊に軍法会議や懲罰部隊は無い
自衛隊には軍法会議も懲罰部隊も存在しない。仮に有事に敵前逃亡したとしても、自衛隊法違反にはなるが、刑罰は懲役か禁固刑のみだ。
第303ニート教化中隊も、絞首刑も、現場指揮官の即決で刑を執行することもない。
ただし、自衛隊法には、戦争中は退職できない場合があるという規定が存在する。
自衛隊の脱柵のまとめ
俺は元自の証言例を出しただけで、ネタなのか誇張なのか、正直わからない。
だが、自衛隊も他国の軍と同じく、規則や規律、束縛、義務がついて回る。だから戦争もしていないのに、ウクライナのように逃げ出すのが出てくることもあるわけだ。
とはいえ、ブラック企業のように「辞めます」と言った途端に「辞めたらお前のせいで業務に支障が出る!」とか、「親に損害賠償請求するぞ!」みたいな例のオハコがあるわけではない。辞めたければ、正規の手続きで依願退職するのがスマートだ。
それとも、実際にそういう対応があるのか?なら、退職代行サービスを使うしかないな。モームリですって(笑)
バブル時代には自衛隊の募集が大変だったし、2000年前後の超就職氷河期には国立大卒が使い捨ての任期制に必死に殺到していた。
しかし、現在は若者の自衛隊離れで募集が難しい時代だ。
結局、いつの時代も自衛隊員募集は景気の影響を受ける。
しかし、募集難の最も大きな要因は現代の不安定な国際情勢だろう。
敏感な若者は、「もう近い」と感じ取っているんじゃないのか?