航空自衛隊の空中レーダー機、E-2CとE-767徹底解説
早期警戒機・輸送機・救難機

航空自衛隊の空中レーダー機、E-2CとE-767徹底解説

早期警戒機・輸送機・救難機
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航空自衛隊は、地上のレーダーサイトとは別に、各部隊が味方の戦闘機に対する管制を行うためのレーダーを搭載した航空機を運用しています。

これらの航空機は、広大な空域を警戒監視し、戦闘機の指揮統制を行う重要な役割を担っています。

その代表的な機種が、空中警戒管制機(E-767:AWACS)と早期警戒機(E-2C:AEW)です。

これらの機体は、いわば「空飛ぶレーダー基地」とも呼ばれ、空中からの情報収集と指揮統制を行います。

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✅ E-2C ホークアイの運用と配備

航空自衛隊は、1983年からE-2Cホークアイを運用しており、第601飛行隊(青森県三沢基地)と第603飛行隊(沖縄県那覇基地)が主に担当しています。

E-2Cは、全天候型のレーダーを搭載し、広範囲な空域の監視と、敵航空機の早期発見、味方機への指示・誘導などを行います。

その運用により、航空自衛隊の防空能力が大幅に向上しました。

✅ E-2CからE-2Dへの移行

航空自衛隊は、E-2Cの後継機として、E-2Dアドバンスト・ホークアイの導入を進めています。

E-2Dは、より高性能なレーダーと高度な通信機能を備え、より広範囲な空域の監視と指揮統制が可能です。

日本政府は、2023年3月にE-2Dの購入を承認しており、今後の配備が期待されています。

⚠️ 注意点と補足

  • E-2Cの配備状況:E-2Cは、主に三沢基地と那覇基地で運用されていますが、他の基地でも訓練や任務で使用されることがあります。
  • E-2Dの配備予定:E-2Dの配備は進行中であり、今後の運用開始に向けた準備が進められています。

総じて、E-2Cホークアイは航空自衛隊の防空体制において重要な役割を果たしており、E-2Dへの移行により、さらに強化されることが期待されています。

  • クルー構成:E-2Cのクルーは、パイロット2名、コパイロット1名、レーダーオペレーター3名の計5名で構成されています。この構成は、米海軍のE-2Cと同様です。
  • 哨戒飛行時間:E-2Cの哨戒飛行時間は、通常4時間程度ですが、状況により異なる場合があります。長時間の飛行には、燃料補給や機体の耐久性が関わります。

✅ レーダー性能と目標追尾能力

  • レーダーの回転と範囲:E-2Cの胴体上部に搭載された直径24フィート(約7.3メートル)のレーダードームは、毎分6回転し、360度の空域をカバーします。これにより、広範囲な空域の監視が可能です。
  • 目標追尾能力:E-2Cは、最大で250目標の同時追尾が可能とされています。これにより、複数の航空機やミサイルの監視・指揮が行えます。
  • 検出距離:E-2Cのレーダーは、最大で500km以上の距離にある航空機を検出できるとされています。これは、地上や海上のレーダーでは検出が難しい遠距離目標の早期発見に寄与します。

✅ 低空侵入機の早期発見と導入経緯

  • 低空侵入機の早期発見:E-2Cは、低空を飛行する航空機の早期発見に優れた能力を持っています。これにより、敵機の接近を早期に察知し、適切な対応が可能となります。
  • 導入の背景:E-2Cの導入は、1976年のソ連のMiG-25パイロットによる函館空港への強行着陸事件を契機に検討が始まりました。この事件では、低空飛行するMiG-25を地上のレーダーが捕捉できず、E-2Cの導入が決定されました。

✅ 捜索・救難および通信中継能力

  • 捜索・救難:E-2Cは、航空機の捜索・救難活動にも活用されます。広範囲な空域を監視し、遭難機の位置特定や救難活動の指揮を行います。
  • 通信中継:E-2Cは、通信中継機能も備えており、地上部隊や他の航空機との連携を強化します。これにより、情報の共有や指揮統制が円滑に行えます。

✅ E-2D アドバンスド・ホークアイの導入

  • 導入決定:航空自衛隊は、E-2Cの後継機としてE-2Dアドバンスド・ホークアイの導入を決定しました。E-2Dは、より高性能なレーダーや通信機能を備え、運用能力が向上しています。
  • 配備状況:日本は、E-2Dを複数機導入する計画を進めており、既に一部の機体が配備されています。今後、E-2CからE-2Dへの移行が進む予定です。

総じて、E-2Cホークアイは航空自衛隊の防空体制において重要な役割を果たしており、E-2Dへの移行により、さらに強化されることが期待されています。

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E-767(AWACS)の導入と性能

早期警戒管制機 AWACS エーワックス E-2Cホークアイも要撃管制可能ですが、その能力は限定的。

平成12年からは新型の「早期警戒管制機」として日本の空の目を担う、超高性能レーダー機E-767、通称AWACSが配備されました。

本機は敵機を機上レーダーで捕捉、さらに味方の迎撃機の誘導(要撃管制)機能がより強化され、機体を大型化かつジェット化したことにより、乗員の負担を軽減し長時間の哨戒任務を可能に。

  • 導入時期と機体:航空自衛隊は、2001年(平成13年)からE-767を導入し、早期警戒管制機(AWACS)として運用しています。
  • レーダー性能:E-767は、直径7.31メートルの回転式レーダードームを搭載し、約10秒で1回転します。これにより、360度全周の空域を監視可能です。探知距離は約300〜350kmとされています。
  • 乗員構成と任務:E-767の乗員は約19名で構成され、長時間の哨戒任務に対応するため、休息スペースや簡易キッチンも設置されています。主な任務は、敵機の早期発見と味方機への要撃管制です。
  • 機体構造:E-767は、ボーイング707型機をベースにしており、商用旅客機の構造を持ちながら、軍用のレーダーシステムを搭載しています。

⚠️ 注意点と補足

  • レーダーの電波強度と影響:E-767のレーダーは強力な電波を発射するため、地上での運用は制限されています。
  • 機体の窓の有無:E-767の機体には、乗員保護のためにコックピット以外の窓がありません。これは、強力なレーダー電波から乗員を守るための設計です。

総じて、E-767は航空自衛隊の防空体制において重要な役割を果たしており、AWACSとしての機能を有しています。

その高性能なレーダーシステムと長時間の哨戒能力により、広範囲な空域の監視と指揮統制が可能です。

ちなみに、長時間の任務にあたっては、乗員たちの食事の問題もありますから、機上食が用意されています。

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