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おすすめハンディ広帯域受信機の機種比較

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この記事では、各メーカーから発売されている広帯域受信機について、特徴や違いをご紹介いたします。

広帯域受信機には大きく分けて二つのタイプが存在します。

一つはハンディタイプで、もう一つは室内に据え置いて使用するデスクトップタイプです。

外出先でも手軽に運用できる点がハンディタイプの受信機が選ばれている理由の一つといえるでしょう。

ICOM(アイコム)

アマチュア無線機ならびに業務機大手のアイコムでは受信機のIC-R6が売れ筋です。

IC-R6(受信改造済み)

おさらいですが、IC-R6は以下の点が優れています。

エアーバンドメモリー 書込み済&受信改造済 フルカバータイプ アイコム IC-R6 エアーバンドスペシャル

アイコム IC-R6公式製品ページ

プロ・アマを問わず、エアバンド受信ユーザーから高い支持を集めているのが、IC-R6です。

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項目仕様
受信周波数範囲0.100 ~ 1309.995 MHz(AM/FM/WFM)※ノーマル機は歯抜けあり
受信モードAM / FM / WFM
メモリーチャンネル数1300チャンネル(通常メモリー)+バンク・スキャン用100バンク
スキャン速度最大約100チャンネル/秒
スキャン方式バンクスキャン / プログラムスキャン / プライオリティスキャン など
アンテナ端子SMA型
電源単三電池2本(アルカリまたはニッケル水素)
電池持続時間約15時間(ニッケル水素使用時・スケルチON)
外形寸法58(W)× 86(H)× 30(D)mm(突起物を除く)
重量約200g(電池・アンテナ含む)
備考受信改造により、GCIの受信が可能

IC-R6は、受信という基本性能を重視して設計された広帯域ハンディレシーバーであり、テンキーを省略したシンプルな操作性も特徴のひとつです。

目標の周波数帯へ移動するときは、↑キーを押しながらダイヤルを回して大まかなバンドへ移動し、その後にダイヤル操作で微調整していく操作です。

テンキーによる直接入力よりも、スキャン主体の受信スタイルに適していると感じるユーザーも少なくありません。

さらに、

  • 高い受信感度
  • VFOモード時で100ch/秒の高速スキャン
  • 胸ポケットにも入るコンパクトサイズ
  • 単3形電池2本での長時間駆動

といった特徴を備えており、発売から年数が経過した2026年現在でも根強い人気があります。

一方で、ノーマルモデルは一部周波数帯が受信できない仕様となっており、ショップにて「受信改造」が行われることもあります。

特に、UHF帯ミリタリーエアバンドを広く受信したいユーザーの間では、『受信改造済み』モデルを選ぶ傾向が強いです。

2026年現在、受信改造済みのIC-R6では、比較的幅広い無線通信を受信できます。

代表的なものとして、

  • VHF航空無線(航空管制、航空路管制、カンパニーラジオなど)
  • 防災航空隊・消防ヘリのアナログ運行管理通信
  • 国際VHF(船舶無線)
  • UHF帯ミリタリーエアバンド
  • 420MHz帯特定小電力無線
  • 50MHz / 144MHz / 430MHz帯などのアマチュア無線(AM / FMモード)
  • 一部の業務無線・簡易無線

などが挙げられます。無線以外には、AM短波放送、FM放送も受信できます。

特にIC-R6は、AMモードの航空無線受信性能に定評があり、エアバンド用途で長年支持されてきました。

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受信感度の高さ、1秒間に100チャンネルスキャンできるスピード、胸ポケットに入るコンパクトなサイズ、そして満充電のエネループ(単3×2本)で約20時間稼働するバッテリー持続時間など、現在でもベストセラーであり続ける理由がよくわかります。

ただし注意点として、ノーマル機はアイコムが加盟する業界団体の自主規制により、“歯抜け受信機”となっているため、GCIやGCAを含む『UHF帯ミリタリーエアバンド』の歯抜けのない受信には受信改造(受信拡張)が必要になる場合があります。

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周波数メモリーは直接入力も可能ですが、ICOM CS-R6#11 クローニングソフトウェア USBメモリタイプで大量の周波数を一括でパソコンからメモリー可能。

なお、PCとIC-R6を接続する専用のICOM OPC-478UC-1 アイコムプログラミングケーブルも必要。

IC-R6(受信改造済み)でも受信できない無線は?

IC-R6はアナログ方式のAM、FM、NFMモードのみ受信及び復調可能です。

また、アナログでも3-30MHzのHF帯で行われるアマチュア無線、洋上管制や米軍のHFGCSで使用され、地球の裏側まで届くSSBモードはIC-R6では復調できません。

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さらに、電波形式以外にも、ある理由でIC-R6は受信NG。

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そこでHF帯のSSB受信にはSSB対応BCLラジオがおすすめ。実はIC-R6の約半額という嬉しさ。

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ただ、誤解していただきたくないのはSSBモードが聞けないだけで、AM短波ラジオとしてのIC-R6のHF感度自体はとても優秀であるということです。

深夜は気分転換に世界中の短波を聞けるのも、IC-R6の大きな魅力。様々な国の言葉を楽しめます。

国内では3920kHz(夜間)でオンエアされている『ラジオ日経第1』が有名です。

IC-R15(受信改造済み)

2026年現在でも、航空無線の音声通信は依然としてAM方式が主流であり、エアバンド受信市場は根強い人気を維持しています。

近年のアイコムは、カラーバリエーション版IC-R6や「無線ガールズ」展開などからもわかるように、エアバンドユーザー層への訴求を強めている印象があります。

そんな中、2023年12月に登場したのがIC-R15です。

希望小売価格は65,780円。実売価格は5万円を少し切るくらいと、アナログ波専用ハンディ受信機としては比較的高価格帯に位置しており、現在の受信機市場ではかなり特徴的で、アイコムの思い切った戦略的製品と言えるでしょう。

IC-R6は実勢価格2万円台前半で購入できるため、その差額は約2万7千円にもなります。

では、その価格差はどこに使われているのでしょうか。

まずIC-R15最大の特徴は、従来の“エアバンド中心の単純な受信機”から一歩進み、「大量のチャンネルを効率的に監視・管理する受信機」へ進化している点です。

デジタルは興味ないけど、まだ残っているアナログの航空無線を2波同時受信で聞きたいという方はおすすめです。

特に大きいのが、

  • デュアルワッチ対応
  • 大幅に強化されたメモリー管理
  • microSDカード録音
  • USB Type-C対応
  • 高速サーチ性能
  • ノイズ除去機能
  • 大型化されたディスプレイ
  • 操作体系の近代化

といった部分です。

対応周波数は108〜500MHz。AM/FMモードでの受信に対応します。UHF帯のエアバンドにあたる225〜400MHzには一部歯抜けがありますが、受信改造済みモデルが各ショップで販売されています。

何といっても、2波同時受信・録音機能・Bluetooth接続といった機能はいずれもIC-R6にはないものです。

IC-R6は、良くも悪くも「ダイヤルを回して受信する昔ながらのレシーバー」です。一方のIC-R15は、複数系統を監視しながら録音・ログ化し、あとから解析する“半モニタリング機材”的な方向へ進化しています。

たとえば空港受信でも、

などを跨いで長時間監視する用途では、IC-R15の真価がかなり見えてきます。

そう、いわゆるGCI関連通信を含むUHF帯ミリタリーエアバンド受信では、本機の強みが発揮されやすいと言えるでしょう。

逆に言えば、

「とにかく軽快にエアバンドを聴きたい」
「胸ポケットに入れて移動運用したい」
「ダイヤル主体で十分」

という用途では依然としてIC-R6の完成度は非常に高く、“安い下位機種”という単純な存在ではありません。

実際、2026年現在でもIC-R6の支持層が極めて厚いのは、この「起動の速さ」「軽快さ」「操作の単純明快さ」による部分が大きいと言えるでしょう。

録音機能のない受信機で無線を録音する方法は以下の方法で。

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ただし本機はHF帯(3〜30MHz)には対応しておらず、受信範囲はVHF/UHF帯を中心とした構成となっています。

近年の広帯域ハンディレシーバーでは、用途をエアバンドやVHF・UHF通信に絞り込み、HF帯を搭載しない設計が主流となる傾向が見られます。

そのため、エアバンド受信の用途においては十分な割り切りがされている一方で、洋上管制などHF帯域を含む通信も楽しみたいというユーザーからは、HF受信への対応を求める声も一定数存在するかもしれません(先ほど挙げたSSB対応ラジオがおすすめです)。

IC-R30(生産終了)

2018年に発売されたアナログ・デジタル両対応の『IC-R30』は、非常に優秀な受信機でした。残念ながら2022年に突如として生産終了しています。

【生産終了】ICOM IC-R30、ここが凄かった!
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 アイコムファンから期待されていたデジタルハンディ受信機ですが、対応するデジタルモードは同年発売のAOR『AR-DV10』に比べるとやや少なめで、D-STAR、DCR、NXDN、dPMR、APCO P25の5種類。

とはいえ、『AR-DV10』が約12万円、『IC-R30』は約8万円と価格差があることを考えると納得の内容です。

特に、IC-R6では受信できない7MHz帯や洋上管制のSSBモード、そしてデジタル簡易無線(デジ簡)など幅広いジャンルの受信が楽しめます。

ノーマル状態ではIC-R6同様に“歯抜け受信機”ですが、筆者所有のIC-R30は販売店による受信改造済みモデルで、自衛隊のGCI受信も得意としています。

ラジオライフ 2018年6月号 には、IC-R30の受信改造方法も掲載されています。

事件や事故発生時に交信が増える160MHz帯のデジタル報道連絡波NXDN-VNにも対応しており、秘話コードが合致すれば受信可能ですが、IC-R30自体にはコード解析機能は搭載されていません。

【マスコミ無線】デジタル報道連絡波(放送連絡波)に対応する受信機は?
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IC-R30のバッテリーの持ちはIC-R6の約半分の10時間ですが、充電台に差しながらでも受信可能で、車内でもUSB充電が可能です。

残念ながらアイコムからは、2026年5月時点においてデジタル対応ハンディ受信機の後継機について公式な発表は行われていません。

アルインコ

アルインコでは、2023年にデジタル受信に対応した広帯域レシーバーDJ-X100が登場し、従来のアナログ受信機中心のラインナップから大きな転換点となりました。

同機は、デジタル無線の受信に対応した数少ないハンディレシーバーの一つとして注目され、受信機市場において話題となりました。

一方で、長らく同社のアナログ専用広帯域受信機の新製品投入は限定的な状況が続いていましたが、2024年にはアナログ受信機としてDJ-X82が登場しています。

DJ-X100

2026年現在、デジタル広帯域受信機ファンから熱い視線を浴びているのが、アルインコのフラッグシップモデル「DJ-X100」です。

アナログからデジタルまで幅広くカバーする本機の魅力を、徹底解説いたします。

1. 圧倒的なコストパフォーマンスとデコード能力

DJ-X100の最大の特徴は、なんといってもそのデジタル受信対応力にあります。

  • 価格のメリット: 実勢価格は約8万円。ライバル機であるAOR AR-DV10(約12万円)と比較しても非常に手頃ながら、秘話コード解読機能を含む高度なデジタル受信が可能です。
  • 隠された真の力: 実は本機、特定のコマンドを入力することで、封印されていたデコード機能や周波数帯域を解放できる「機能拡張」を持っています。その対応モードの豊富さは、デジタル受信の先駆者であるAORの担当者がTwitter(X)で悔しさを滲ませるほどでした。

ナイトクローラー」の世界が身近に。 デジタル化されたタクシー無線やマスコミ無線にも対応。事件現場の生きた情報をいち早くキャッチする感覚は、まさに映画の主人公さながらです(警察無線は非対応)。

【映画】『ナイトクローラー』で描かれた警察無線を検証
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2. 気になる「音質」と「感度」の評価

実際に使用してみると、アルインコの「進化」と「こだわり」が見えてきます。

  • 改善されたポップノイズ: 同社のアナログ受信機でユーザーを悩ませていたポップノイズは劇的に改善されました。ほぼストレスのない受信環境。
  • デジタルのアルインコ: デジ簡やデジタル消防無線を先行して手掛けてきたメーカーだけあり、デジタル復調時の音質の良さは「さすが」の一言です。
  • アナログ・エアバンドは及第点?: 一方、アナログ受信に関しては、名機アイコム IC-R6と比較すると感度は70%程度という印象。特有の「サーッ」というノイズも、人によっては気になるかもしれません。

3. 購入前に知っておきたい「受信範囲」の割り切り

多機能なDJ-X100ですが、あえて「絞り込まれた」スペックにも注目が必要です。

項目特徴
得意分野タクシー無線マスコミ無線デジタル簡易無線
受信(復調)不可デジタル警察・消防無線
周波数制限改造後も20MHz〜470MHz。HF帯や800MHz帯は非対応

なお、DJ-X100は受信改造後も拡張される範囲は20MHzから470MHzまでと限定的です。


【総評】デジタル時代の新スタンダード

DJ-X100は、「最新のデジタル無線を幅広く検証したい」という次世代型マニアに最適な一台です。

今後のソフトウェア・アップデートにより、受信できるモードがさらに増える可能性(あるいは制限される可能性も!?)を秘めており、今もっとも「目が離せない」デジタル受信機といえるでしょう。

DJ-X100 受信改造済みモデル

  • 価格: ¥79,200(税込・参考価格)
  • 特徴: CQオームオリジナル簡易マニュアル付きなど、ショップ独自の特典も人気。

デジタル波が飛び交う現代、未知の電波を探る相棒として、これほど刺激的な選択肢はありません。

ただし、デジタル警察無線やデジタル消防無線の受信は対応していません。

デジタル警察無線の受信機が市販されない理由|暗号通信と法的制約の仕組み
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DJ-X82

DJ-X82受信改造済みモデル ■液晶保護シートプレゼント■DJ-X81の機能を取捨選択し現代版に改良。アナログバンドに特化して受信性能を向上。テンキー付き。エアバンドファンにお勧め!(DJX82)

2024年8月に登場したアナログ専用機です。108~470MHz帯をAM/FMで受信可能。

前機のX81であった地上デジタル放送受信機能や、災害時の緊急警報放送(EEW/EWS)などはあえて非搭載。

同社によれば「アナログ通信が残るバンドに特化した分、受信性能を向上」させたとのこと。

なお、歯抜け受信機となっており、UHF帯ミリタリーエアバンド受信に使用するならショップオリジナルの受信改造機がおすすめです。

DJ-X81(生産終了)

はじめての受信機操作ガイド最新版 (三才ムック vol.699)

2013年に発売され、2020年に生産終了となったアルインコ製受信機「DJ-X81」は、定価39,744円・実勢価格約27,000円で販売されていました。

受信範囲は0.1〜1300MHzと広く、地デジ放送の音声受信に対応していた点が大きな特徴です。

また、津波や地震などの災害時には、電源オフ状態でも自動的に緊急警報放送(EEW/EWS)を受信できる機能を搭載しており、防災用としても高く評価されました。この機能は後継機DJ-X82では省略されています。

操作面では、ファンクションボタンやテンキーへの機能割り当てが可能で、メインダイヤルには押下機能を備えるなど操作性にも優れます。

2波同時受信は非対応ですが、メモリは1000チャンネル、バンクは11(各33〜179ch)と十分な容量を持ち、サーチバンドも50組登録可能です。受信モードはAM、ワイドFM、FMの3種類に対応しています。

ラジオライフ2016年 03 月号では、テンキーレス機より高価ながら、実勢価格差わずか約4000円でテンキー付きはコスパが高いと評価されました。

感度面では、VHF・UHFエアバンドの受信性能がIC-R6と比べても遜色なく良好とのことです。

ただし内部発信が多く、特にUHF帯に41波の内部発信が確認されており、GCI受信時に少々扱いづらい面があります。

スキャン速度はIC-R6の1秒100チャンネルに及びませんが、同クラスのVR-160の14チャンネル/秒よりはかなり速いと評価されています。

また、国際VHFの受信に力を入れており、16chへの自動復帰機能も便利です。

一方で、大人の事情で可聴周波数に歯抜けがあり、GCI狙いではショップによる受信改造が必要です。改造により反転秘話の解読も可能になります。

アナログ警察無線時代の音声反転式秘話とは? 現在も残る用途を解説
現在の警察無線はデジタル化され、音声圧縮技術や暗号化技術を組み合わせた高度な秘匿通信へ移行しています。これに対し、かつてアナログFM時代だった警察無線の時代には、音声反転式という秘話機能が使用されていました。これは、音声の周波数成分を反転さ…

しかし、やはりコレも分厚いので携帯性に難があります。

DJ-X8(生産終了)

DJ-X8 アルインコ ワイドバンドレシーバー エアーバンドスペシャル! 1000chメモリー書込済み!0.1MHz-1299.995MHz
DJ-X8

2007年に発売された旧型のモデルで、現在は生産終了です。0.1~1300MHz受信対応で受信改造不要の歯抜けなし受信機でした。

本体カバーを装着することで、テンキーとテンキーレスを任意に選べる独特の機構は斬新。

DJ-X8の当時のライバルはアイコムがIC-R5、八重洲がVR-150でした。スペック上でこの2機種と比べた限りでは、とくに劣っていた機種とは言えません。

実際、スキャン速度に関してはIC-R5が1秒間に7.5ch、DJ-X8は同10ch、VR-150は15chでした。

なお、当時のアイコムのハイエンド・ハンディ機であったIC-R20でも1秒間に20chでした。

さらに感度についても、当時のラジオライフの受信レポートでは意外と良いという評価が下されています。

東名高速の海老名サービスエリア(神奈川県海老名市)で、約36km離れた羽田空港(東京都大田区)の「東京ATIS」128.800MHzを受信して、聞こえ具合を比較してみました。また、約5km離れた米海軍厚木基地/海上自衛隊厚木航空基地の「厚木ATIS」246,800MHzも受信しています。なお、いずれの受信機も付属のアンテナを使用しました。

その結果が表5です。「東京ATIS」ではどの機種もSメーター(受できている電波の強さ。受信機のディスプレイに表示される)が振れませんでしたので、明瞭度(メリット。音声がどれだけハッキリ聞こえるか)で評価しました。「厚木ATIS」は送言地が近いため、どの機種でも受言できるかと思いきや、微妙な差が現れました。

結果を見ると、厳しい条件でも良好な結果をたたき出したのはMVT-7300。DJ-X8がそれに続くといった感じです。

MVT-7300は音にノイズっぽさが少なく、また電波の強さによる受音の大小の差が少なく感じられました。

引用元 ラジオライフ2008年2月号「ゼロからのエアーバンド」

ただし、筆者が自裁に使った体験からすると、まず難点としてサイズが厚く、胸ポケットなどに気軽に入れられない点があります。

同社製品にはカードサイズの小型受信機「DJ-X7」もラインナップされていましたが、本機はそれよりも大きめです。

さらに筐体の質感は、まるで安価なマルハマ製品のようで、正直驚かされます。

この質感が最新モデルのDJ-X100にも受け継がれているのは、少し残念なポイントです。

おまけに、せっかくのテンキーモデルなのにキーの感触が柔らかすぎて「グニグニ」とした押し心地で、操作感にやや難があります。

録音機能を搭載しており、各種交信を記録できますが、トラック単位での削除ができないため、あくまで簡易的なものに留まっています。FMラジオ用のイヤホンアンテナ機能も内蔵されています。

電池の持続時間は乾電池使用で約13時間。IC-R5が約14時間だったので特に劣ってはいませんが、VR-150の約31時間には大きく及びません。

さらに、「耳障りな問題」が2点あります。ひとつはダイヤル操作時に発生する「パチパチ」という不快なノイズ。

もうひとつは、スケルチが開くたびに生じる「ポッ…」というポップノイズで、これは同社のアナログ受信機特有の問題です。

DJ-X11

ALINCO 広帯域受信機 ワイドバンドレシーバー DJ-X11
DJ-X11

DJ-X11は、デュアル受信機能や高い操作性を備えた、アルインコの最高級ハンディ・ワイドバンド受信機でした。現在は生産終了しています。

実売価格は4万円台と、一般的なエアバンド受信機より高価でしたが、その価値はHF帯対応という大きな強みにありました。

SSBやCWなどの各種電波形式に対応するほか、周波数ステップも細かく設定できるため、漁業無線、CB無線、洋上管制などHF帯のさまざまな無線通信を受信できます。

一般的なハンディ受信機がVHF・UHF帯を中心とするのに対し、DJ-X11は携帯型でありながら本格的なHF受信にも対応する、当時としては非常に意欲的なモデルでした。

DJ-X11はデュアル受信機

しかし、残念ながらDJ-X8同様、おかしなスケルチの開き方をするアルインコ独特のポップノイズを耳にしてしまい、4万円も出して買ったものの、即売却。

そのため、細かな受信性能を検証する前に手元を離れてしまったので、航空無線を一通り受信したほかは詳しくは未検証。

ベッドでまどろみながら深夜に受信していて、スケルチが開くたびに『ポッ・・ポッ・・』という耳障りな音を聴くアルインコ信者の苦行は筆者にはあまりに耐え難く、受信性能の検証ができなかったことを深くお詫び申し上げます。

おすすめできるのか?と問われれば、人によってはポップノイズが気にならない方もいらっしゃると思うので、耐えられるか否かと思います。

DJ-X11はデュアル受信機
かっこいいのに…。

『IC-R6ではSSBが選択できず、ステップも合わなくて漁業無線や洋上管制が聞けないから今日の漁獲高もわからんし、深夜の洋上を飛ぶアシアナ航空の機長の”ジェロジェロ”、”オヤスミナシャイ”が聴けなくて寂しい』という方には、DJ-X11を購入する選択肢はコスパ的にはアリでしたが、こちらも生産終了。

そういうのが聞きたい場合は一万円で買えるこちらがお勧めです。

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ALINCO アマチュア無線機 144/430/1200MHz ハンディタイプ 5/4.5/1W DJ-G7
DJ-G7

なお、ほぼ同じルックスのアマチュア無線機『DJ-G7』もありましたが、生産終了です。

AOR

通信機専門メーカー「エーオーアール(AOR)」の製品はプロ仕様が多く、広域電波監視業務、混信妨害調査、電界強度測定、通信頻度調査、電波発射状況調査、電波伝搬調査、エリアチェックや空間監視(違法電波、盗聴、盗撮対策)にも使用されており、米軍機にも搭載されています。

民生向けではハンディタイプのAR8200シリーズ、デスクトップの AR8600MARK2などが長く支持を得ましたが、すでに製造終了しており、現在は価格帯から考えると標準価格140,800円(税込)のAR-DV10(ハンディ)および、170,500円(税込)となるAR-DV1(デスクトップ)が一般(の受信マニア)向けと思われます。

AR-DV10

2018年発売のデジタル対応受信機。100kHz-1300MHzの広帯域周波数に対応し、アナログではCW/SSB/AM/FM/WFMは当然、世界初の10種類(DCR、APCO P-25(Phase 1+2)、DMR、Mototrbo、dPMR、NXDN、TETRA、D-STAR、C4FM、EJ47)のデジタル無線復調に対応しています。

AR-DV10 エーオーアール デジタル・レシーバー SDRデジタル受信機
AR-DV10 エーオーアール デジタル・レシーバー SDRデジタル受信機

『デジタルオートモード』と呼ばれる機能は周波数に合わせるだけでデジタル波を判別し、自動で適切なモードで復調できる他、秘話解読にも対応しています。

タクシー無線ではT-102モードは復調(かなりの時間を要する場合あり)できますが、T-61は未対応。HFのSSBにも対応しており、夜中の受信も楽しい。オールモード機の名にふさわしい機種です。

デジタル・タクシー無線の通信方式と仕様
この記事では、『DJ-X100(受信改造済み)』を用いて、デジタル・タクシー無線を受信する手順や設定方法を詳しく解説していきます。【注意事項】本記事は、デジタル・タクシー無線の技術的変遷や制度背景について、公開情報や専門誌の報道に基づき解説…

AR-DV1

デスクトップタイプです。デジタル復調モードはAR-DV1と基本的に同等ですが、TETRAトランキング(T-TC)にも対応しています。

AOR AR-DV1 SDRデジタルボイスレシーバー
AR-DV1 SDR

バーテックス・スタンダード

モトローラが株主の会社で、無線機部門はYAESU(ヤエス/八重洲無線株式会社)が販売しています。

バーテックス・スタンダード(ヤエス)もまた、売れる製品ばかり出している会社です。

VX-3は初心者から上級者まで超人気の広帯域受信機能付きのハンディ型アマチュア無線機で、防災アイテムとして誰もが勧める逸品。

上位機種で3アマ向けのVX-8Dはその決定版と言っても良いほどです。モービル機ではFT-7900も使いやすく、ベストセラーでした。

VR-160(生産終了)

当時おそらくIC-R6と双璧をなした人気のライバル受信機が『VR-160』でした。

VR-160 スタンダード(STANDARD) ワイドバンドレシーバー100kHz~1300MHz
VR-160 スタンダード(STANDARD) ワイドバンドレシーバー100kHz~1300MHz

受信改造不要の歯抜けなし受信機で、IC-R6よりもややコンパクトで手になじむ大きさと軽さもグッド。筐体のカチッとしたつくりと手触りも質感良く好印象。それもそのはず、アマ機のVX-3と筐体が同じです。

VX-3
画像はVX-3。VR-160はアマチュアハンディ機のVX-3と筐体を同じくしており、現行の広帯域受信機でダントツにサイズが小さく、薄くポケットに難なく入るコンパクトさがうれしい。

対応電波形式はIC-R6と同様、AM/FM/WFMの3種のみ。お勧めしたいのはラジオ放送を聴きながら無線交信を待ち受けして、受信するとラジオ放送から無線に自動で切り替わる『AF DUAL機能』。

ただ、他の受信機とたがわず、AMの受信感度はよくないでしょう。一方でFM放送はFBに聴取可能。現在はワイドFMのラジオ放送が普及しており、そちらを聴くのが良いです。

FMラジオ用のイヤホンアンテナ機能を内蔵しています。空港のデッキぐらいの距離なら、イヤホンアンテナでもOK。

バッテリーはリチウムイオン電池のおかげで本体を薄くでき、単三電池を2本使うIC-R6よりは短いながら長時間駆動。単3電池3本で駆動させるための専用電池カバーも用意され、出先や緊急時にコンビニで電池が入手できれば、災害時も頼もしいでしょう。

IC-R6と双璧をなした人気のライバル受信機が『VR-160』

バンクボタン長押しで60機能程度を呼び出せることができ、とにかく高機能。LEDライト機能からモールス練習機能まで詰め込むあたりはVX-3と同じく少し節操なく、無駄な機能が多いと感じるかも。キーはバックライト機能つきで夜間も大変心強く、バンドスコープも面白い機能です。

メモリースキャンでは登録した周波数帯域に絞るバンドサーチが便利。国際VHF、旧アナログテレビ放送、世界のラジオ局(短波ラジオ)、消防、特定小電力など各種プリセットメモリーの豊富さも魅力です。

とくに各国の短波放送の周波数がメモリーされており、ラジオ放送を楽しみつつ、各種無線をチェックできるのはIC-R6よりもアドバンテージがあります。ですが、エアバンドは未登録のため、エアバンダーは各ショップオリジナルのエアバンドスペシャルを購入するのが良いでしょう。

フルドットLCDにより、メモリーにはカナで名前を登録もできるので、表示が見やすいのも良い点です。

これらの点を見ると、IC-R6よりも頼もしいのですが、最大の欠点はスキャンの遅さ。これでは受信機として致命的です。

前述のとおり、IC-R6は100chのメモリーを一周するのに約1秒。対してVR-160は100メモリーを一周するのに約10秒と、実に10倍の差です。

したがって、IC-R6に慣れるとVR-160をメイン機にするとストレスがたまります。

また、IC-R6同様、テンキーレスモデルですが、IC-R6のキーのようにソフトな感触ではなく、硬すぎるため、手作業でVR-160に周波数をメモリーするのであれば、大変な作業です。

ただし、純正のメモリー編集ソフトADMS-5があるため、エクセル感覚で入力可能。非常に重宝するでしょう。

ADMS-5 バーテックススタンダード データーマネージメントシステム(USB接続) VR-160用
ADMS-5

結論としては、スキャン速度が致命的に遅い欠点が惜しいものの、受信改造不要かつ、機能も豊富で悪くない受信機です。適宜バンクを切り替えて聞きたい周波数を選り分けて受信するなどの工夫を。

VR-150(生産終了)

こちらは未使用なので簡便な紹介のみにとどめます。VR-150は2019年に製造終了となりました。

ヤエス公式の製品説明ページでは「アウトドアレシーバー 上級バージョン登場」と記載されているとおり、筐体が頑丈。

ただし、スキャン・サーチ速度はVR-160同等のようです。さらに、VR-150はVR-160と違って歯抜け受信機なので注意が必要です。

ショップの受信改造機もありますが、今、中古で買うのであれば、IC-R6を買ったほうが無難でしょう。

広帯域受信機のおすすめ機種のまとめ

というわけで、広帯域受信機を購入する際は可聴周波数の範囲(歯抜けか否か)、対応電波形式、受信感度、スキャン&サーチ速度、携行性(サイズ)、バッテリーの種類や持ちなど、さまざまな面で熟考が必要というわけです。

ただ、基本的には『自分が何を聞きたいか?』を考慮して選んでいただければ幸いです。

では総括しましょう。

アナログ無線を手軽に楽しみたいなら

結論を言います

一般的なAM/FMかつ、VHF/UHF帯域の航空無線、業務無線などアナログ無線受信を幅広く2万円で気軽に楽しみたいなら、IC-R6(受信改造済み)です。

エアーバンドメモリー 書込み済&受信改造済 フルカバータイプ アイコム IC-R6 エアーバンドスペシャル

受信感度、抜群のスキャン速度、楽々バンク切り替え。なぜ2010年1月に発売されて14年経つ受信機がいまだに絶賛され、カタログ落ちしないのか、実際に使えば答えがわかるはずです。

アイコムが公式にIC-R6を萌えキャラ化
IC-R6と言えば、言わずと知れたアイコムの広帯域受信機。アマチュア無線、航空無線、消防・防災・鉄道無線、そして一部の"ナニ"な受信層にも愛され続ける、受信機界の名機や!そんなIC-R6が……まさかの萌えキャラ化!しかも、公式がやったとなれ…

アナログ&デジタルで聴きたいなら

まだまだ多く残るアナログ無線、そして最新のデジタル無線のどちらも受信したいなら、DJ-X100かAR-DV10の2択です。

いずれも警察や消防などを除いて一般的なデジタル業務無線には比較的多く対応しています。

ただし、DJ-X100は受信改造を施しても20MHz以下のHF帯の受信が不可。ギリギリ18MHzも無理。

今の時代、なかなか“一台で完結できる手軽なハンディ受信機”はないのが現状です。

というわけで、楽しい受信ライフを!おっと、受信機はマナーを守って使ってくださいね。

【まとめ】その受信、大丈夫?自衛隊基地・空港・公共施設…広帯域受信機ユーザーが注意したいトラブル事例
自衛隊や米軍基地で行われる一般公開イベント。一般的に基地祭や駐屯地記念祭と呼ばれ、飛行展示や装備品展示を間近で見られる貴重な機会として、多くの人でにぎわいます。もちろん、受信機があれば展示飛行の無線を楽しめる側面もあるのですが、警備上の理由…

HF無線を聴きたいなら

HF帯SSBの洋上管制、それに7MHzのアマチュアバンド、漁業無線などのアナログ無線を受信をしたい場合は高価なHF受信機を買うより、はるかに安価な以下の『ラジオ』がおすすめです。

【受信周波数リスト公開】XHDATA D-808のHF帯SSB受信ガイド
HF帯をXHDATA D-808で手軽に聴く!1万円しない価格で買えるお手頃なHF受信機。なんとVHF航空無線も聞けます!

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