【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、自衛隊の装備や部隊について防衛省の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、それらの調査結果に基づいて記事を構成しています。

陸上自衛隊を支えた多用途ヘリUH-1H/Jシリーズの実力

UH-1Hの特徴と運用

UH-1Hは、陸上自衛隊で長らく主力の汎用ヘリコプターとして運用されてきた機種です。

特徴としては、ベトナム戦争期にアメリカで開発されたUH-1シリーズを基にしており、シンプルで整備性に優れ、信頼性が高い点が挙げられます。

機体は単発タービンエンジンを搭載し、乗員は操縦士2名と数名の搭乗員を収容できる構造になっています。

最大で十数名の人員を輸送することが可能であり、貨物や装備品を積載することもできます。

陸上自衛隊では、UH-1Hは多用途に活用されてきました。主な任務は、隊員の空輸、物資輸送、偵察、連絡任務などです。

加えて、災害派遣においても重要な役割を担っており、被災地への救援物資輸送や負傷者搬送に活用されています。

機体のサイズが比較的コンパクトであるため、不整地や狭い空間への離着陸にも対応できる点が利点とされています。

機体諸元

UH-1Hは長胴型UH-1ファミリーの代表機で、単発ターボシャフト(Lycoming/T53系列)を上部に搭載する典型的な構成です。

主回転翼直径は約14.6m、全長は約17.4m、乗員は操縦士2名+乗員(状況により)で、貨物や要員輸送を中心に設計されています。

最大離陸重量や最高速度、航続距離などの代表値は機体仕様により若干変わるものの、実務上はおおむね「兵員11名程度の輸送が可能」「巡航速度は200km/h台」程度の性能帯にあります。

これらの代表的な諸元はUH-1系の総合的な仕様表にまとまっています。

設計上の特徴と飛行特性

UH-1Hは二枚ブレードの半剛性ローターを採用しており、構造は比較的単純で整備性に優れます。

そのため前線や地方駐屯地でも整備・運用しやすい「ワークホース」として評価されてきました。一方で二枚ブレードゆえに振動が大きめで、長時間高稼働の個体ではロータ/支持構造の疲労(たとえばリフトビーム周辺の亀裂など)に対する監視や補強が重要になります。

こうした動力系・動力伝達に関する設計上のポイントや対処は、UH-1の運用・整備史の中で繰り返し報告されています。

UH-1Jの特徴と運用

UH-1Hは導入から年月が経過しており、現在は後継となる「UH-1J」が配備されています。陸上自衛隊で運用されるUH-1Jは、UH-1Hをベースに国産化・改良された機体で、1970年代後半から導入されました。

UH-1Jは最大乗員4名+搭載人数13名程度の中型ヘリで、輸送、救助、偵察、消防支援など幅広い任務に対応します。

信頼性と運動性能が高く、悪天候下でも安定した飛行が可能です。

災害時には物資輸送や負傷者搬送、山岳救助などで活躍し、その多用途性から「自衛隊の万能ヘリ」とも呼ばれます。

機体後部にはホイストや担架を設置できるため、緊急時の人命救助にも適しています。

機体諸元

UH-1JはUH-1Hよりも高い安全性と運動性能を実現。

最大離陸重量は約4.3トン、最大速度は240km/h、航続距離は約510kmと、中型ヘリとしては十分なスペックです。搭乗可能人数は、操縦者2名+乗員13名程度で、山岳救助や災害支援に適した構成になっています。

機体には救難用のフックやカメラ、通信機器を搭載可能で、任務ごとに装備を換装できます。また、回転翼の構造や軽量化設計により、都市部や山岳地帯などの狭い環境でも運用しやすいのが特徴です。

操縦

UH-1Jの操縦は操縦席2名で行います。

地域での活躍

北海道や東北の広大な山岳地帯では、航空自衛隊航空救難団同様に雪崩や遭難事故の救助活動に投入されます。

航空救難団の任務と救難機

UH-1Jに搭載された救助用の機材。

後継機UH-2

2025年現在、UH-2(新多用途ヘリコプター)への更新が進められています。

しかし、UH-1Jは運用実績が豊富で整備ノウハウも蓄積されているため、長期間にわたって自衛隊の任務を支えてきた機体であると言えます。

お疲れ様でした★

退役した陸上自衛隊のOH-6D偵察(観測)ヘリ

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