東京五輪警備で警視庁自動車警ら隊に配備された「GLOCK45」の一斉回収は『二つの不安要因が原因』との一部指摘あり

2025年5月追記

2025年、現在開催中の大阪関西万博にて、警備に当たる大阪府警の制服警察官がグロックを携行している様子がSNSに投稿されている。

2021年に開催された「2020東京オリンピック」は、前例のない社会情勢での開催となったが、大会は大きな混乱もなく終幕を迎えた。

ところが、表舞台である競技に注目が集まるのとは裏腹に、その舞台裏で展開された警察当局による厳重な警備体制に、一部では注視が集まっていた。

ある投稿者不詳の写真に写り込んだ制服警察官の装備品である。写真には腰部に装着されたグロック17(第5世代)らしき拳銃が確認され、多くのマニアに衝撃を与えた。

「テロ対策」という大義のもと、近年では日本の警察官の装備が従来とは異なる欧米化の様相を見せることも増えていたが、地域警察官が標準装備としてグロックを携行していた事実は、従来の「日本警察のけん銃事情」の変化を象徴する出来事と言えそうだ。

アメリカ警察特集コラム第3回『米国警察における拳銃装備の実情──なぜグロックが圧倒的支持を受けているのか』

これまで「日本の公的機関にグロックは存在しない」とする通説は根強かった。銃器所持者・鈴木英雄氏がかつて語った「日本にグロックなんて絶対に多分ねえ!それはエアガンだ!」という発言が記憶に残るが、今やこうした認識は完全に時代遅れとなりつつある。

事実、日本警察のグロック導入の兆候は20年以上前から確認されていた。2000年代初頭には、警視庁特殊急襲部隊(SAT)の訓練映像にて、隊員がグロックを運用している姿が報じられており、2010年には警視庁警備部のSP(セキュリティポリス)が実動訓練中に使用する様子も公表されている。

【警備部の装備トレンドは?】警視庁SPの使うけん銃にP2000など登場

つまり、今回の“制服警察官とグロック”は端から唐突なものではなく、日本警察におけるけん銃装備の段階的更新が、ついに『制服のお巡りさんの腰道具』として可視化されたものである。

特にグロック第5世代については、装弾数、作動安定性、安全機構など信頼性が高く、現場での信頼性確保に資するとの見方が強い。

国家的行事の影で見えた小さな変化は、日本の警察装備体系の“静かな進化”を象徴している。

RADARホルスターに収まるけん銃はグロック19Xの民間モデル『グロック45』だった

当初、この装備について、SNS上では銃種に関する議論が巻き起こった。「あれはG17ではなく、グロック45(G45)ではないか」との声が複数寄せられているのだ。

確かに、写真で確認できる拳銃は、やや重心が下寄りで、バランスに違和感のあるシルエットを呈している。グロック45とは、9×19mm口径のピストルで、スライドはG19と同サイズ、グリップはG17と同サイズという構成を持つモデルだ。

見た目としてはコンパクトな上部と長めのグリップ部のアンバランスさが特徴的で、今回の画像に映る銃の形状とも合致する。

なお、モデル名に「45」とあるものの、.45口径ではないことは注意が必要だ。あくまで9mm口径モデルであり、アメリカ市場でも「操作性と携行性の両立」を謳って2018年に登場した比較的新しいモデルである。

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こちらがG19。サブ・コンパクト・ピストルというカテゴリーである。

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こちらがG17。フルサイズのオリジナルモデルとなる。

G45、その原点は軍用トライアルモデルにあり

米国における警察装備の現場で静かに存在感を増すグロック45(G45)。このモデルが注目される理由は、“見た目以上のパンチセット”にある。外見こそコンパクトなG19と同等のスライドサイズを持ちながら、フルサイズのG17と同様の17発装弾を誇るその構成は、実用性と携行性のバランスに優れる「クロスオーバー」モデルとされる。

グロックのクロスオーバーという発想は、自動車業界でいうところのSUVとセダンの長所を兼ね備えた構成に似ている。単なるサイズ変更ではなく、現場での使用実態を踏まえた「戦える携帯性」を志向した結果といえるだろう。

そしてその原点は、実はアメリカ軍の次期制式拳銃選定(MHS:モジュラー・ハンドガン・システム)トライアルにまでさかのぼることができる。グロック社がこの軍用トライアルに提出したのが、“グロック19MHS”である。

この19MHSモデルは、グロック19をベースにしながらも、フルサイズのグリップやアンビセーフティ(両利き対応安全装置)など、軍用要件に即した仕様を備えていた。惜しくもトライアルではSIG SAUER P320(米軍制式名:M17/M18)に軍制式の座を譲ることになったが、その構成が法執行機関や民間市場のニーズに合致し、後にG19Xとして商品化、そしてさらにG45として正式展開されるに至った。

市場での評価

つまり、G45は「軍用構想から生まれた警察向け拳銃」といえる。その“パンチセット”は、制服警察官が直面するさまざまな状況においても、コンパクトでありながら確実な火力を保証するツールとして支持を集めている。

G19XとG45の最大の違いは、G19Xがサンドカラー仕様+セーフティ付きなのに対し、G45は黒色でセーフティレス仕様という点で、法執行機関の運用ニーズに特化した構成となっている。

日本国内で今回、RADAR製ホルスターに装着したG45と見られる拳銃を携行している警視庁の地域警察官の姿が確認されるようになり、警察けん銃の“世代交代”が着実に進んでいることを示唆している。

by This Is Why the U.S. Army Chose Sig Sauer Over Glock for Its New Handgun https://www.youtube.com/watch?v=mxOBy4xzg7Y

「捨てる神あれば拾う神あり」。米軍には採用されなかったこの仕様が、民間や警察などの法執行機関から熱烈に歓迎され、G19MHSはその後、民間向けに色調をコヨーテタンに統一した「Glock 19X(19X)」として商品化される。

by GLOCK official「GLOCK 19X」 https://www.youtube.com/watch?v=TX0rA1apy-A

G19Xは軍用仕様の名残としてマニュアル・セーフティ(AMS=アンビ・マニュアル・セーフティ)を備えていたが、これが一部からは不評を買うことに。特に米国内の警察関係者からは「グロックにマニュアル・セーフティなんて不要で、むしろ扱いづらくなる」との声が相次ぎ、採用例はごく限られたものにとどまった。現状では、シンガポール警察や南アフリカ警察など、ほんの一部の機関が制式採用しているに過ぎない。

「日本の警察がSIGに後付けセーフティを要求したらしい」といった噂も海外では話題となり、「グロックにも同じ要求があったのではないか」と疑問視する声も聞かれる。SNSなどでは、韓国の法執行機関マニアによる「日本の安全思想は独特だ」といった投稿も散見される。

そのような評価を受けて、グロック社はG19Xの操作性を残しつつ、より法執行機関向けに特化したモデル「Glock 45(G45)」を発表。これはマニュアル・セーフティを廃したブラックカラーで、グリップはフルサイズ、スライドはコンパクトという“クロスオーバーモデル”の完成形となった。

この構成は「フルグリップでの制御性」と「コンパクトな装備性」を両立し、携行と即応を重視する現場の警察官から高い支持を受けている。

事実、全米の約1万8,000の法執行機関のうち、実に3分の2が何らかの形でグロックを導入しているとされ、今やG45や19Xはその中心的存在になりつつある。

特に、従来のG19ではグリップが短すぎて、平均的なアメリカ人の手には合わないという不満もあった。コンパクトモデル特有の「小指が余る問題」は命中精度や射撃時の安定性への影響も顕著であり、より大きなグリップを求める現場の声に応える形で、クロスオーバー構成が浸透していった。

この点については、ある国の警察がリボルバーのグリップに“ツノ”のような小指のかかりのよいオーバーサイズのグリップを取り付けていたという逸話も示唆的である。

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「握れるかどうか」も任務遂行の鍵──法執行機関と拳銃グリップの関係性

拳銃の性能は、単に「当たる」「壊れない」だけでは語れない。実際の運用現場では、「握れるか」「構えやすいか」といった物理的な適合性も、極めて重要な性能要件の一つである。

たとえば、グロック19X/G45といった“クロスオーバー型”拳銃が広く支持されているのは、スライドが短くて素早く抜け、かつグリップはフルサイズでしっかり握れるという点が、特に現場の警察官たちに歓迎されたからに他ならない。

一方で、グリップの形状やサイズが操作性に与える影響は、他の拳銃でも実例がある。ある国の警察では、H&K USPコンパクトを採用したものの、特に女性警察官から「グリップが太すぎて握りにくい」との声が上がったという。銃を手にしながらのその表情は、「まるで東洋水産のカップ麺を食べる女性のようだった」と冗談交じりに語られることもあったという。

その後、同国の法執行機関では、よりスリムで手に馴染むH&K P2000へと移行。グリップの設計を変更し、様々な手の大きさに合わせてバックストラップ交換が可能という仕様は、まさに現場の多様性に配慮した決断といえるだろう。

また、装備の一部として「ランヤードリング(けん銃落下防止の紐を取り付けるリング)」の存在も、実用面では議論の的となる。ある警察ではこのリングがグリップの根元に大きく張り出して設けられており、これが射撃時に指に干渉するという意見が挙がった。近年の実戦用拳銃ではあまり見かけない大ぶりなランヤードリングである。

もちろん、けん銃を落とさない工夫は大切だが、現場での射撃姿勢や携行性に支障をきたしては本末転倒だ。実戦現場では、細部の設計がそのまま使いやすさに直結することを示す一例といえる。

その点、グロック19X/G45の「握りやすく、扱いやすい」設計は、多くのプロフェッショナルからの信頼を集める理由のひとつである。もはやその性能は、カタログスペックではなく、現場の信頼という実績によって裏打ちされている。

「警察に売れたから民間でも売れる」・・・実際に売れ行き好調のグロック45

そんな全米警察に人気のG19Xが民間ユーザーの要望に応えて登場した美人コマーシャルモデルがグロック45である。日本警察もご採用の逸品。

by Checking out the Glock G45 https://www.youtube.com/watch?v=AF52-roLXYw

スライドはグロック19(コンパクトサイズ)
グリップはグロック17(フルサイズ)
色はオールブラックのみ(グロック渾身のタンカラーはぶっ込んでこなかったんや)
マニュアルセーフティなし(誤射でダンスっちまうのは安全確認が足りないんですよ)
前後のスライドセレーション追加(滑り止め)
最新のGen5仕様(マグウェル拡張など)

グロックG45──“クロスオーバー”の最適解へ進化したGen5モデル

グロック19Xで確立された「コンパクトスライド+フルサイズフレーム」というクロスオーバー設計。それをさらに洗練させたモデルが、グロックG45である。見た目こそ19Xに酷似しているが、そこにはGen5世代ならではの数々のアップデートが詰まっている。

最大の外観的特徴といえば、やはりスライド前方のセレーション(前部刻み)だろう。

これは近年の運用実態に合わせて追加されたもので、スライド上部に光学照準器(ドットサイト等)を搭載した場合の操作性を考慮したものだ。後部だけでなく、前部をつかんで引くプレスチェック(薬室に弾薬が装填されているか確認する動作)がやりやすくなるなど、運用面での配慮が随所に見られる。

一方で、かつての第3世代(Gen3)に存在したフィンガーチャンネル(指の凹み)は廃止された。理由はシンプルで、「実用性が低い」との声が多かったからだ。グロック社もそのフィードバックを受け入れ、よりシンプルかつ汎用的な旧型モデルに近いグリップ形状に回帰している。

そして、地味ながら大きな変更点が大型化されたマガジンキャッチ(マグキャッチ)。装填・交換のスピード向上を狙った改良だが、同時に「大きすぎて意図せず押してしまうリスクはないのか?」という声もある。

実際、アメリカの警察における職務質問からの突然の銃撃戦では、まれに「数発撃った直後、なぜかマガジンが抜けていた」という事例も報告されている。現場の緊張下でのミスか、それとも装備の設計上の問題か──その議論は絶えない。

もっとも、日本の法執行機関においてはそのような「咄嗟の撃ち合い」自体が稀だ。だが、「マガジンがスポーンと抜けたら笑うしかない」という声が出るあたり、日本でも警察装備への注目度は確実に上がっているといえるだろう。

もはやグロックは、ただのピストルではない。現代の戦術と警察活動を前提に設計された“実戦向けツール”として、進化を続けている。

グロック45を携行していたのは警視庁自動車警ら隊

G45は“10発の執行実包”とともに支給か──火力は圧倒的なのに…?

2021年、警視庁における地域警察官(制服警察官)へのグロック45の貸与は、それまでの回転式けん銃からの大幅な装備刷新として注目を集めた。最大装弾数17発というスペックは、いかにも「火力で制圧せよ」という強いメッセージを感じさせる。2002年のSAT訓練動画公開と同様に、今回もテロリストに対する強いメッセージ性がうかがえる。

実際、導入の背景には「テロ事案などにおいて、自ら隊が現場に駆けつけた際に多弾数の火力で初動を制圧する」運用目的があったとされる。

しかし、実際に支給された弾薬数は“一人10発”だという。17発フル装填が可能なG45を前にして、「あと7発、どうすんねん」という絶妙に腑に落ちない運用がなされている。

警視庁の警察官に配備されたオートマチック拳銃

日本は2015年、当時の安倍首相による「イスラム国」への発言により“事実上の宣戦布告”を受けたとされる過去がある。仮に小規模であっても、対テロ戦闘が日本国内で勃発した場合、「10発で足りるのか?」という声が上がるのも無理はない。

とはいえ、日本の警察運用は「単独による法執行」ではなく、「組織対応ありき」で構築されている。仮に現場で発砲事案が発生すれば、即座に大人数が動員され、圧倒的な集団警備体制が展開されることが予期されている。

しかし、そうであっても初動対応は地域警察官である。彼らの装備を5発装弾のサクラけん銃から10発装弾のグロック45に変更されたのは理にかなっている。

G45、まさかの回収──日本警察独特の運用ルールや現場実情との擦り合わせは、まだ発展途上か

そんなG45だが、東京オリンピック閉会後に“回収”が行われたという。情報の出典は、警察・装備分野の専門誌『ラジオライフ』の報道によるものだ。

自ら隊配備のグロック45で発生したトラブルとは

ただ、過去には数万丁単位で配備されているM360J(サクラ)けん銃の破損トラブルに関して、大手新聞社によって報道されたこともあるが、今回のグロックに起きたとされるトラブルについて、警視庁による公式な広報を確認できていない。

したがって、ラジオライフ編集部の現場独自取材または現職警察官からのリークと思われるが、ソースの裏付けには、さらに追加情報が必要と言えるかもしれない。

ともかく、同メディアに拠れば、問題となったのは下記2点のトラブルであるという。

トラブル、その1「ランヤード接続部に破損

まず一つ目は、「ランヤード接続部の破損」日本の制服警察官にとって、けん銃には必ずカールコード式のランヤード(盗難・落下防止コード)が義務付けられている。万が一の落下や奪取を防ぐための措置だ。

ところが、パトカーの乗車時にG45のランヤードが引っかかり、破損したという指摘だ。実際、金属製のリング部や固定部が破損する事例が報告され、結果として一斉回収に至ったとされる。

というのも、グロックのランヤードはグリップ後面の穴に引っ掛けるように装着します。そのため、ホルスターに差し込んだ時に上側に飛び出てしまうのです。

ここがパトカー乗車時に引っかかりやすく、ランヤードの接続部が破損した事例があったといいます。

引用元 自ら隊配備のグロック45で発生したトラブルとは https://radiolife.com/security/police/64298/

同サイトから写真を引用した。

引用元 ラジオライフ

グロックのユーザーがランヤードを装着する場合、本来はグリップ後部の丸い穴の部分に「Lanyard Clip(ランヤードクリップ)」という別パーツを組み込む。

画像の引用元 グロック公式サイト https://eu.glock.com/en/products/glock-accessories/lanyard-clips

実際の運用現場では、従来のニューナンブM60やS&W M360Jの運用に倣い、日本警察伝統の鉄芯入りカールコードおよび金属製脱落防止金具をそのまま流用し、グロック45に装着しているようだ。

都道府県警察では3種類の回転式および、2種類の自動式けん銃が主流

気になるのは、グロック社がこの破損にどう対応したかである。

仮に破損箇所が銃本体ではなく、消耗品扱いのオプションのランヤードクリップである場合、通常は「保証対象外」とされる可能性が高いのではないか。

グロック社の製品ポリシーは、耐久性と信頼性の高さを背景にしているが、それはあくまで「本体」構成部品に限られる。
後付けのポリマー製クリップが外的要因で破損した場合、ユーザー責任(misuse)として処理されるケースが多いと思われる

よって、警視庁側が独自に「紛失・破損用パーツとして、補修用のランヤードクリップを個別発注し交換対応を行った」と考える。

グロック純正のランヤードシステムは、あくまで一時的な脱落防止を目的とした軽量仕様であり、
・過剰なテンションがかかれば「抜ける」
・無理な衝撃が加われば「割れる」
という特性を備えていると推察される。

これは装備品を「消耗品」として割り切る欧米の法執行思想に基づくものではないか。

一方で、日本警察は「銃を絶対に奪われてはならない」という発想が極端に強く、実質的に強制係留装置のように扱っているのは、あの金属製部品を見れば分かる通りだ。この差は極めて大きい。

その結果、

  • グロック社の意図を超えた使い方をした

  • 結果的にパーツが破損した

  • しかし「使用方法に問題があった」として公式に表沙汰にしにくい

という「表に出しにくいトラブル」が現場レベルで発生したと考えられる。

おそらくグロック社としては、

  • 「すでに実績のあるミネベアもしくは関連業者が設計した金属製アダプタ」を日本警察用にOEM的に採用

  • もしくは「そもそもランヤード使用を前提としない」モデル運用へのシフト

などが今後の現実的な選択肢となるのではないか。

日本警察仕様の「G45JP」が登場する可能性も、今後の動向次第ではゼロではない。

トラブル、その2「パトカー乗ってるだけで、強制リロード」

第二の問題は、車両乗車中にマガジンキャッチが押され、弾倉が脱落するというものである。

Glock 45(Gen5ベース)は、操作性を重視し大型化されたマガジンキャッチを装備しているが、これがパトカー等の車両乗車中に座席や装備と干渉して押し込まれ、意図せずマガジンが脱落するケースがあった“らしい”とのことだ。

しかし、このボタンが乗車中に押されてしまい、マガジンの脱落があったらしいのです。

引用元 https://radiolife.com/security/police/64298/

ボ・・ボタンが乗車中に押されたあ?バスの降車ボタンやないんやど(笑)パト乗ってるだけで、強制リロードである。

以上、この二つのトラブルにより、グロック45は2021年の東京五輪終了後、実際に一部で回収措置が取られ、術科センターにて保管。その後は通常支給される「SAKURA」に戻ったという(出典:『ラジオライフ』)。

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2025年、G45は大阪万博で返り咲く

一時は早期の退役や回収が伝えられ、惜しまれつつも現場を離れたかに見えたグロック45であるが、2025年開催の大阪・関西万博において、再びその姿が確認された。目撃情報によれば、グロック45は大阪府警により再び配備され、しかも警視庁同様、地域警察官による携行が確認されているという。

この再登場が一時的なものか、それとも新たな運用方針に基づいた再配備であるかは、現時点では明らかになっていない。府警内部における評価基準の変更、もしくは東京オリンピック同様、万博という国際的な大型イベントに対応するための特別措置の可能性も考えられる。

詳細な情報が入り次第、本稿に追記、または別記事とする予定である。したがって、「大阪府警のグロック45」について、本章は暫定的に“空白”としておきたい。

まとめ・・東京オリンピック公式けん銃「グロック」の配備は中止だ中止

数ある警察装備品の中において、けん銃はその信頼性と即応性が命に直結するものである。いかに優れた海外製装備であっても、日本国内の使用環境に合致しなければ、警察活動に支障をきたす恐れがある。今後は、運用現場の声を反映させた調達と、柔軟な装備設計の見直しが求められそうだ。

警察さんって射撃訓練で年間何十発くらい撃つんですかあ?

米国警察で高評価のグロック45だが、日本警察への配備は課題も

このように、米国において圧倒的な支持を得ている拳銃「グロック19X」の民間向けモデルである「グロック45(G45)」は、信頼性と操作性を両立した優秀な拳銃として高い評価を受けている。特に全米の法執行機関での導入実績がそれを裏付けており、その性能は事実として疑う余地がない。

一方で、グロックシリーズに共通する「マニュアルセイフティ(手動式安全装置)」の欠如を危険視する声も根強く存在する。米軍では次期制式拳銃の選定にあたりマニュアルセイフティを必須としたが、アメリカ国内の大多数の警察機関はその必要性を認めていない。すなわち、米国の現場では、迅速な対応と信頼性の確保を優先し、セイフティを省略する設計が支持されている。

ただし、ニューヨーク市警では過去に暴発事故が相次いだことを受け、あえてトリガープル(引き金の重さ)を重く設定するカスタム仕様を採用した事例もある。これは、グロックの特性に対する運用上の懸念が完全に払拭されたわけではないことを示唆している。

問題は、このような設計思想が日本国内の法執行環境に適合するか否かである。

日本警察では、地域警察官のけん銃運用は長らく回転式けん銃で統一されており、その期間は半世紀以上に及ぶ。そうした中、突如としてグロックのような自動式けん銃を携行せよと命じられても、現場でトラブルが発生するのも当然である。とりわけ、迅速な対応や日常的な取り扱いにおいて、マニュアルセイフティのない自動式けん銃の特性が必ずしも地域警察の任務に適しているとは限らないのではないか。

アメリカに比べ、日本の警察は小型武器(けん銃)の使用は極めて限定的であり、対象となるのも凶器を所持した被疑者、捜査員に車両を体当たりさせようとする被疑者など、突発的な事案が大半を占める。

市街地における銃撃戦などを前提としたグロックの運用設計は、必ずしも日本の治安環境に合致しているとは言い難い。

現時点では、グロック45が「高性能けん銃」であることは国際的に評価されているが、それを日本警察の現場に適用するには、より丁寧な検証と運用方針の見直しが求められるのではないか。銃は単なる装備品ではなく、現場の安全と命に直結するツールである以上、導入にあたっては実用性と環境適合性を慎重に見極める必要がある。

グロックは今、アメリカだけでなく、日本国の警察でも「実用性と即応性を重視する現場」で静かに評価を高め続けていると見られる。

しかし、17発装填できるモデルを選びながら、10発の弾丸支給とは何を意図してのものなのか、疑問点は多い。

『不具合を確認するためホルスターから銃を抜いた際に誤射』……北電泊発電所警備中の機動隊員が誤射した『自動式けん銃』とは?