一見すると市販のおもちゃに見えるにもかかわらず、実際には発射機構を持つ拳銃と同等の性能があるとして、警察では「リアルギミックミニリボルバー」という商品を所持している人々に対し、最寄りの警察署への持ち込みを呼びかけています。
海外製の玩具拳銃「リアルギミックミニリボルバー」 警察が回収「真生拳銃と同様の発射機能」 パッケージに「対象年齢12歳以上」の文字【画像5枚】
※当該報道では「真生拳銃」と表記されていますが、これは誤記であり、正しくは「真正拳銃」です。当サイトでは法令上の正確な表記に基づき、「真正拳銃」として訂正しております。
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「リアルギミックミニリボルバー」の特徴は?
問題となっているこの製品『リアルギミックミニリボルバー』は、回転式シリンダーを備えた小型の製品で、本体カラーは各色あり、銃本体には「S」「F」「OPEN」などの刻印が確認されています。

新たに判明した玩具と称した真正拳銃 引用元FNN
パッケージには「対象年齢12歳以上」「プラスチック弾8発付属」との表記があります。
なぜおもちゃが実銃扱いなのか?
今回、問題とされたのは「弾丸の発射威力」ではなく、「弾丸の発射機構」です。
リアルギミックミニリボルバーの外観は玩具ですが、警察の鑑定では、“実銃と同様の発射機能”と見なされ得るメカニズムを有しているのです。
今回、違法性が問われたポイントは以下の3点です。詳しく見ていきましょう。
1、「撃針を有し、薬莢の雷管部分を打撃して弾丸を発射する撃発機構を有している」

撃針がプラスチックでもアウトです。
2、「銃身および弾倉が貫通している」

抜けてます。プラスチックでもアウトです。
「弾倉または薬室に実包の装てんが可能である」
先に挙げた写真のとおり、弾倉内にインサートがありませんから、実弾を装填可能です。
このように、日本では金属ハイキャパのように材質のみならず、内部構造が実銃に近いかどうかが銃刀法の判断基準となります。
そしてこれらの特徴は自動式拳銃タイプの玩具銃よりも、回転式拳銃タイプの玩具銃によく見られる傾向です。
たとえ「威力がないに等しい」製品であっても、撃発構造や弾倉構造が極めて実銃に近い設計であれば、銃器として規制対象となるのが、日本の警察の取り締まり方針です。
リアルギミックミニリボルバー誰が売ってた?
朝日新聞の報道によれば、国内の輸入元となった企業がゲームセンターの景品として約1万5800丁を輸入していたということです。
31道府県にある小売店など78企業に卸され、16日時点で約450丁を回収したということです。
https://www.asahi.com/articles/AST7K248ZT7KUTIL017M.html
また、「メルカリ」などのフリマサイトなどで大量販売された形跡があります。
リアルギミックミニリボルバー買った人は逮捕?
現時点では「回収の猶予期間中」であり、逮捕されません。
所持は原則として処罰の対象になりますが、警察当局では現在、2025年12月31日までを回収の猶予期間とし、この期間中に限っては違法性を問わず自主的な提出を受け付けるとしています。
記事では該当品を所持している方は、速やかに地元の警察署に相談・提出してするように呼びかけられ、安全のため、絶対に自宅などでの保管を続けないよう強く呼びかけられています。
2022年にも同様の騒動が発生
なお、同種の玩具銃を巡っては2022年、「スカイマーシャル事件」が起きています。
「スカイマーシャル」は、著名ユーチューバーの紹介動画をきっかけに大きな注目を集めた玩具拳銃でした。
しかし、見た目や宣伝文句こそ“玩具”であっても、構造的に実弾や金属弾の発射を可能とする機能を持ち得ることが明らかになり、警察当局は即座に回収対象として告知しました。
なお、この「スカイマーシャル」については、すでに回収のための猶予期間は終えており、現時点で所持している場合は違法となります。
スカイマーシャルに関しては、エアソフトガンに詳しい販売業者やユーザーの一部から、「この製品には問題があるのではないか」「規制上の基準に抵触する可能性がある」といった懸念の声が上がっていました。
一方で、知名度の高い一部のエアソフトガン系YouTuberなどが、当該製品を購入し、動画内でレビューを行っていたことも確認されており、そのような行為については、識者の間で疑問視する意見も見られました。
終わりに
今回問題となっている「リアルギミックミニリボルバー」も、見た目は12歳以上対象とされる普通のトイガンである一方、その機構は真正の銃に類する性能を有するとされており、3年前の「スカイマーシャル」の状況と極めて酷似しています。
「スカイマーシャル」「「リアルギミックミニリボルバー」、どちらにも共通しているのは、「消費者側が普通に売っている市販の玩具だと信じて購入していたにもかかわらず、結果的に銃刀法違反に問われ、警察の回収対象になる」という事実です。
「スカイマーシャル」の一件を経てもなお、こうした高リスクな製品が市場に流通している背景には、輸入ルートのグレーゾーンや輸入業者の認識の甘さがあります。
とくにネット通販や動画紹介を通じて流行する商品には、購入者がその法的性質を理解しきれないまま所有してしまうリスクが付きまといます。
そして、正当にエアソフトガン、モデルガンを楽しんでいる愛好家にとって、新たなる規制が行われるきっかけになる可能性も排除できないという声も一部で聞かれます。
現時点では所持していても、ただちに逮捕はされませんが、警察の回収呼びかけは、あくまで猶予措置であり、放置すれば所持者が法的責任を問われる可能性もあります。
たとえ大物ユーチューバーがお勧めしていても、最終的には違法で回収となるのが実情です。すでに購入された方は、すみやかな提出が求められます。