アメリカ警察特集コラム第2回『安全な法執行器具・テーザー銃とは』

アメリカの警察というと、すぐに被疑者制圧のためにけん銃を発砲するイメージがありますが、事実、日本とは比べ物にならないほど躊躇がありません。

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それはともかく、現在のアメリカの警官たちは通常の銃以外にも、火薬の力で電撃針を飛ばし、容疑者の皮膚に食い込ませた上で電流を流すテーザー銃、防犯用品としてお馴染みの催涙ガススプレー、さらには日本の警察も配備している「催涙コショウを詰めた模擬弾をCO2で発射するガス銃」なども装備し、状況を見極めて使い分けているのが実情です。

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上記のCO2で発射するガス銃を販売するメーカーでは「ノンリーサル(非致死性)」と明記しています。

テーザー銃とは?

とくに全米どの警察でもスタンダードな装備といえば、テーザー銃です。ただ、テーザー銃に関しては死亡例があるため、完全なノンリーサル(非致死性)とするのは語弊があるとされています。

テーザー銃は引き金を引くと、細いワイヤーのついた針が発射され、被疑者の体に食い込むと同時に電撃による衝撃を与えます。それまでのスタンガンに飛び道具的な優位性を持たせたものです。当初は火薬によって電極針を射出していましたが、現在の発射ソースは圧縮窒素になっています。

死亡例も

極めて低確率ですが、テーザーの使用により、被疑者が命を落とした事故が全米で発生しています。

日本国内での規制

「針が飛ばないスタンガン」であれば、購入や自宅敷地内で所持することは合法です(それ以外の場所で隠し持つと罪に問われる場合があります)。

しかし、テーザーは火薬または圧縮ガスによる発射タイプ、いずれも発射される電極針が金属製であることから、日本国内では銃刀法による規制のため、輸入等での購入、所持もできません。

90年代、日本国内でも販売されたことがあります。女子高校生が男にテーザーを撃たれ、怪我を負ったことが大々的に報じられ、即座に販売が規制されています。

まとめ

アメリカの警察でテーザー銃が普及した現在、銃の発砲よりも電撃針を被疑者に飛ばすことも多いようです。しかし、電撃によるショック自体もときには被疑者に重大な後遺症を与えたり、死亡させるに至る例もあるほか、警官が被疑者と対峙した際、銃とテーザー銃を間違えて誤射する事故も度々発生しており、必ずしも被疑者の身体に安全な器具ではないようです。

海外から個人輸入等で日本国内で購入しないように注意が必要です。