カナダでは、時折、緑色のフラッシュライト(ストロボライト)を装着した車両が目に入ることがある。
しかし、カナダのパトカーや消防車などの公的緊急車両は赤や青のライトを使用しており、緑色のライトは公式には用いられていない。
では、カナダにおいて、この緑色のライトを点灯させている車両には誰が乗っており、何を意味するのか。緊急走行は可能なのか。
緑色のライトを使うのはボランティア消防士の自家用車
結論を言うと、緑色のライトは、ボランティア消防士が自家用車に装着しているものである。
カナダのボランティア消防士とは、民間人が会社勤めなどを続けながら、非常時に消防士として活動する制度であり、日本の消防団員に相当する。
実際、予算の限られたカナダの小さな街では、ボランティア消防士が地域防災を支えている例が少なくない。
スティッツビルは、何十年もの間、低コストでありながら非常に効果的なボランティア消防団に恵まれてきました。
出典 車両の点滅する緑色のライトの道のり–それは礼儀です
この動画はオタワにおける消防行政当局が行なっているグリーンライトキャンペーンの啓発動画。
自宅で食事をしながらくつろいでいるボランティア消防士の彼女は突然の急報を受け、自家用車に急ぎ乗り込みエンジンをかける。
そして彼女はあるスイッチを「オン」にした。フロントガラス内側に取り付けられたグリーンのライトが点滅する。




画像の出典 GREEN LIGHT AWARENESS CAMPAIGN
ライトを点灯させる彼女の車が後方からやってくるのに気がついた前走車は、すみやかに路肩へ停車し、彼女へ進路を譲った。その脇を彼女はそれほど早くはないスピードで追い抜いていく。
ではこのグリーンライトをつけた自動車は消防車のように緊急走行ができるのであろうか。
カナダでは、消防車や救急車は赤色のフラッシュライトを使っており、フラッシュライトとサイレンを適切に使用することで一般車両より走行の優先権を得られるのは日本と同様だ。
点滅する緑色のライトは通行の優先権など特権を与えない
しかし、この緑色のライトと言えど、正規の消防車両の赤ストロボと違って、通行権はまったく優先されず、スピードの超過や一時停止の免除も与えない。
緑色のライトは、ボランティア消防士が出動中であることを他のドライバーに示すための目印であり、消防車の警告灯のような法的な優先通行権は付与されない。
また、緑色のライトのみで、サイレンはない。
緑色は緊急走行用のライトではない
緑色のライトを点滅させる目的は、他のドライバーが緊急事態に向かうボランティア消防士を認識し、礼儀として道を譲ることを支援することである。通常の消防車両に道を譲る義務とは異なり、譲るかどうかは任意である。
例えば、オンタリオ州の自治体では、「緑色ライトを点灯していても、交通法上の特別な優先・免除(赤灯やサイレン付き緊急車両のような)は与えられていない」と明記されている。
すなわち、道を譲らなくとも法的な罰則は存在せず、『義務』と『礼儀』の違いが際立つ。
消防署長のDenys Prevost氏も、緑色のLEDフラッシャーを見かけた際に車を止めることは義務ではなく礼儀であると述べている。(出典 Welland Tribune)
義務ではないものの、緑色のライトを装着したボランティア消防士の自家用車が後方から接近した場合は、可能な限り道を譲ることがマナーとして広く推奨されている。
オンタリオ州では19,000人以上のボランティア消防士が自家用車に礼儀ライトを装着しているが、点滅する緑色ライトの使用は州内の消防署専用であり、ボランティアが使用する前には、安全およびリスク管理コースを受講し、理解度試験に合格する必要がある。
緑色ライトは、消防車やパトカー、救急車などの緊急車両と同等の権利を付与するものではない。(CTV News)
また、交差点では混乱を避けるため使用を控えるよう指導されている。
グリーンライトはボランティア消防士のレスポンスタイム改善につながる
このように、カナダにおける緑色のフラッシュライトは、ボランティア消防士が現場へ向かう際に自家用車で使用するものである。
緊急車両のような優先権は付与されないものの、善良なドライバーによる礼儀的な通行譲渡は、現場への到着時間を短縮する効果があり、消防当局もその重要性を広く啓発している。(Stittsville Central, Southwold Fire Dept)
もしカナダを訪れる際には、緑色のライトを装着した車が、人命救助のために現場へ向かうボランティア消防士であることを理解しておくと、現場での行動や自身の安全に役立つであろう。








































































































