警視庁など一部のみ、ショカツも白バイを運用する。
全国的にみると、白バイは各警察本部交通部の交通機動隊や高速道路交通警察隊に配備されているが、警視庁では各所轄署交通課においても白バイが配備され、交通取り締まりに従事しており、このような運用は全国的に見ても珍しい例と言える。
さらに警視庁には所轄署地域課にもグリーンエースと呼ばれる「警らバイク部隊」があり、通常の制服の警察官が乗務。
こちらもサイレンと赤色灯を搭載した白色塗装で交通機動隊の白バイと似ているが、交通機動隊や交通課と異なり、もっぱら警ら活動に使用され、交通取り締まりを行わないのでストップメーターを装備しないのが特徴だ。交機に配慮して狩りで競合せず棲み分けをしていると言えそうだ。
白バイ隊員はやはり運転技術が高い警察官が選抜されている。
ところで白バイは夜に走らないというのは本当だろうか? いいえ。夜でも白バイは走っており交通取り締まりに従事している。
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白バイは昔、赤バイだったって本当?

これは本当だ。日本の警察で初めて警視庁がオートバイを導入したのが、1918年(大正7年)1月1日。当時、取締りに使用されたのはなんと赤色のバイクだったのだ。そして「白バイ」になったのが1936年(昭和11年)。これは欧米の警察で利用されているバイクが白だったので、それに倣った措置であった。

ネッ!ピーポくん。
白バイの車種と装備

交機や高速隊で配備される白バイは警察庁が規格を統一しており、都道府県警察でほぼ同じ。長らく日本警察の白バイでは750ccを主流としていたが、昨今では1300ccの大型も増加。ホンダとスズキが大半だが、ヤマハも配備中だ。アメリカの警察機関では広く配備されているカワサキだが、日本警察ではカワサキの白バイはなぜか存在しない。

白バイはスピーカーや回転灯をマウントしたガードバンパーを両サイドに配置する。回転灯については、警視庁で2014年に配備された新型白バイにLEDタイプのフラッシュライトが搭載されたモデルも配備されている。
なお、所轄交通課の白バイにはパニアケースの「警視庁」の文字の下に数字が入らない。
そのほか、コンパネ中央部にはデジタル表示式のデスプレイが装備されており、速度や燃料、測定速度などを表示する。測定結果が記されたシートもディスプレイ付近から排出される。後部には後方用赤色回転灯が高めに設置されているほか、車載通信系用アンテナが立ち、白いボックスが付加されている。この箱は俗に「弁当箱」とも呼ばれるが、中身はデジタル無線機が収められている。
両サイドボックスはパニアケースと呼ばれ、中には地図、さらにお守り、カッパ、タオル、熱中症対策として水筒も入っている。こういった基本装備や個人装備が搭載されているため、白バイは二人乗りができない。
参考ブログ
http://www.autoby.jp/blog/2012/08/post-3a53.html
白バイ隊員のヘルメット
白バイ隊員のヘルメットはもちろん、法律でバイクの乗車に規定されているヘルメットが配備されており、SHOEIという有名メーカーの「SP-16」が納入されている。

JIS規格で卓越した空力特性を持っており、大型のバイザーが乗員を保護する。しかも本製品は警察との共同開発となっている。
白バイの訓練は滅茶苦茶厳しい

警察の訓練が厳しいのは当たり前だが、中でも交通系で行われるオラオラ節の二輪操縦訓練は苛烈を極める。
白バイ隊員として乗務を目指す者は、各都道府県警察に設置されている白バイ隊員養成所に入校して教育訓練を受けるのだが、テレビで警察の広報番組を見た限りでは訓練中、教官の意にそぐわない動きをした隊員には、教官から即座に蹴り(体罰)が飛んできたのを確認した。
その後、厳しいオラオラ節に耐えて心に刃をのせ、晴れて訓練を修了できれば、交通機動隊などに配属され、怖いパイセンとペアで走りながら指導を受けて修行を積んでいく。
皇宮警察や自衛隊でも白バイが配備されている
皇宮警察では天皇陛下や皇族の移動時における警衛にともなう交通統制で、白バイが運用されている。交通統制と交通取り締まりは異なり、一般市民を普段一切守らず、天皇皇族方を警衛するためだけに存在する皇宮警察では、白バイが普通の白バイのように交通違反を取り締まることはない。
そのため、ストップメータなど取り締まりに関する機器は一切ない。一般の警察用白バイと異なる点はパニアケースのサイドに「皇宮警察」、旭日章の代わりに桐紋がつく点だ。
なお、皇宮警察ではサイドカーも配備されている。
また自衛隊の中の司法警察機関である警務隊にも警察とそっくりの白バイが配備されており、自衛隊の中で警察活動を遂行している。

女性白バイ隊員はどのような活動に従事するのか?

もちろん、女性の白バイ隊員も多数いる。日本の警察に女性白バイ隊員が誕生したのは1985年のこと。しかし、多くの警察では現場で交通取り締まりを行う実動部隊としての女性白バイ隊員投入は見送られてきた。茨城県警では96年に初めて女性白バイ隊員が誕生したが、実際の取り締まり活動を行うようになったのは2015年のことだ。また、宮崎県警察では2016年にはじめて所轄警察署の交通課において女性白バイ隊員が誕生している。
女性白バイ隊員は取り締まりよりも交通安全啓発に主眼を置かれて編成されているようだ。
警視庁では女性だけの白バイ部隊「クイーンスターズ」が編成されており、赤いジャケットに白いパンツというかなり過激なユニフォームで主に交通安全イベントにおける安全教育指導などの任務に従事している。

一般の女性白バイ隊員は主に400CCの白バイを駆っているが、「クイーンスターズ」の女性隊員らはナナハンを操縦している。また、新潟県警にも交通機動隊の中に女性隊員のみの部隊「ゆきつばきレディース」を編成している。さらに兵庫県警では「ホワイト・ウェーブ」、神奈川県警にはWHITE ANGELS(ホワイトエンジェルス)、愛媛県警には「ホワイトロビンズ」など各県警察本部ごとに女性白バイ部隊が編成されている。
白バイのサイレン音はなぜパトカーと違う?
一般論で言った場合、バイクは車より加速力があり速度が早いため、遠く広く聞こえるように高音サイレンを採用している。
取り締まりをしない暇なとき、白バイは”バイク便”をしている

白バイ隊員が通常の訓練や取り締まりをしない暇なとき、何をしているのだろうか。実は警察施設間で書類などの輸送を行う”バイク便”に勤しんでいる。
警察の部内では文書等書類の輸送を警察車両で行う場合があり、これを逓送(ていそう)と呼ぶ。逓送は公用車により実施されているが、白バイも使う。
車より早いバイクは書類の配達などで重宝されるため、バイク便というサービスが一般に広く知られているが、これを警察内でも白バイでやっていたという事実があのだ。
この情報の元ネタは2014年2月22日にTBSで放映された警察関連の番組に登場した元白バイ隊員の証言だが、さすがに緊走で届けることはないだろう。
交番バイクって?
交番の警察官といえば、ケッタマシーンでの移動がおなじみだが、県警によってはスーパーカブ、アドレスV125などといった小型のバイクも使用する。いわゆる白バイに比べ排気量は小さいものの、小回りが利く。ただし緊急車両ではないのでサイレンと赤灯はない。
交番のバイクには通常、後部に書類ボックスが設置されている。なお考え方の違いなのか、北海道警察はチャリも交番バイクも配備しておらず、移動はもっぱら徒歩かミニパトとなっている。
覆面バイクって何だ?

RAI'S 1/43 ホンダ VFR800P 2002-2008 和歌山県警察 交通部交通指導課暴走族対策室交通取締用自動二輪車 2台セット
B00MHGITIK | ヒコセブン | 2014-08-28
その名のとおり、覆面パトカーのバイク版で黒バイとも呼ばれる。ガスでペイント弾を発射する発射機を搭載しており、暴走族検挙の専従部隊が使用されている。
なお、この黒バイに乗車する警察官の服装も真っ黒で夜間には目立たない。現在は和歌山県警察、福岡県警察、青森県警察、警視庁、宮城県警察において配備されている。