IC-R6には、設定初期化の方法として「オールリセット」と「パーシャルリセット」の2種類があります。
まず、パーシャルリセットは、主にメモリー内容や一部設定のみを初期化する方法で、基本的な動作設定や機器の状態は比較的維持されます。
日常的な運用では、こちらの方が影響範囲が小さいリセットです。
一方、オールリセットは、本体にあらかじめ登録されたプリセット・メモリーを全て削除して、工場出荷状態に戻す操作です。
いわば“完全初期化”であり、メモリーが全て消えてしまいます。受信環境を一から再構築する必要がありますのでご注意ください。
受信環境の再構築を行う場合は、どちらのリセットを実行したかによって、再設定の手間が大きく変わります。
そして、受信改造済みのIC-R6であった場合、オールリセットを実行すると、受信拡張で広がっていた歯抜けの部分も元に戻ってしまいます。
本記事では、オールリセットの手順と、リセット後に完全に歯抜けのない受信拡張状態を再構築する際の基本的な流れ、そして正常に動作しているかの確認方法を簡潔にまとめます。
IC-R6(受信改造済み)とは?
まずは、受信改造済みのIC-R6について、おさらいしましょう。

ノーマルのIC-R6は業界団体の自主規制により、特定帯域が受信できない『歯抜け』受信機です。
ノーマル機では、航空自衛隊のGCIなど『UHF帯ミリタリーエアバンド』の一部が受信できないなど、深刻な影響が出ます。歯抜けの理由など、詳しくは以下の記事で解説しています。

このため、販売店や個人は自己責任の上でIC-R6を分解し、基盤から抵抗を取り除き、さらに隠しコマンドの入力によって、受信可能範囲をフル拡張(フルカバー)させます。
それがIC-R6の受信改造です。
通常であれば、受信改造済みのIC-R6にオールリセットを必ずしも行う事はありませんが、プリセットメモリーが古くなっていたり、使わない空港の周波数だったりすることもあります。
したがって、自分の使いやすいようにカスタマイズするため、一度全てのプリセット・メモリーを消去してからバンクを作り、自分の地元の空港の周波数などのみを入力していくという作業も一般的です。
このオールリセットの副次効果により、受信拡張の一時的な復帰が起き、再び歯抜け受信機になってしまうのです。
IC-R6(ノーマル機および受信改造済み)のオールリセット方法
すでに実行済み状態の場合はこの項を読み飛ばしてください。
※オールリセットを行うと、プリセットメモリーが完全に消去され、手作業で戻すには長時間の入力が必要になりますので、ご注意ください。
本体横の『FUNC』および本体正面の『V/M』の各キーを「同時押し」しながら電源キーを押して起動
なお、別売ソフト「CS-R6」と純正ケーブルを使えば、アイコム公式サイトからダウンロードしたプリセットを簡単に再書き込み可能です。
IC-R6(受信改造済み)のオールセットから受信拡張状態に戻す方法
そして、IC-R6(受信改造済み)をオールリセット後の歯抜け状態から受信拡張された状態に戻す方法です。
IC-R6の電源を切り、本体左横の『FUNC』、『SQL』、『BAND』の3つのキー、さらに電源キーを全て同時押しで起動
すると液晶表示が左端から右端まで数秒間表示されます。
すべて表示され終えてから指をキーから離してください。
これで受信改造された状態に戻ります。
※液晶がすべて表示される前にキーから指を離してしまうと復帰がうまくできません。
IC-R6(受信改造済み)が“フルカバー”状態に戻っているか確認する方法
IC-R6(受信改造済み)が受信改造状態へ正しく復帰しているかを確認するには、以下の方法を行ってください。
261.895MHz~266.100MHzまで周波数を選択
この範囲は、メーカー団体の自主規制でノーマル機では“歯抜け”になっているため、選択できれば問題なく受信改造状態に戻っています。
※IC-R6(受信改造済み)は0.100 ~ 1309.995MHzまで、歯抜けなく連続受信できます。
IC-R6(受信改造済み)のオールリセットと受信改造状態復帰のまとめ
このように、IC-R6はオールリセットを行うと、工場出荷状態に戻ります。受信改造済みでも、受信範囲はノーマルに戻り、プリセットメモリーも全消去されます。
受信拡張はコマンド再入力で復帰できますが、メモリー再登録には手作業か、別売のCS-R6ソフト&純正ケーブルが必要です。
プリセットメモリーを消したくない場合、安易なリセットは行わないでください。
—関連記事—
・自衛隊GCI受信解説記事
なお、当サイトでは航空自衛隊GCIなどの傍受に最適な、販売店オリジナルのIC-R6(受信改造済み)をおすすめしています。



























































































