【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

【航空無線受信テク】どの空港のATISが聞きやすい?実際の周波数例も!日本の主要空港 ATIS周波数受信ガイド(2025年版)

ATIS(Automatic Terminal Information Service)とは、空港ごとに常時流れている自動音声の情報放送です。

ほかの航空無線とは違い、相互交信ではなく、一方的に流れる「対空送信」 に分類されます。いわば、ラジオ放送のような感じです。

普通の航空無線と同じAMモードのVHF帯なので、何の問題もなく受信できます

航空機の撮影を行うファンにとっては、夜間に風向が変わったり、滑走路が切り替わったりすると、撮影で活用できる“先読み情報”になります。

ATISの特徴

ATISの内容は空港の「今の状況」をパイロットに効率よく伝えるためのものです。

  • 送信元の空港名

  • 情報名(A~Zのアルファベットで管理)

  • 使用中の滑走路

  • 天候(風向・風速・雲量・気温・気圧・視程)

  • 運用上の注意事項(工事中の誘導路、鳥の出没など)

  •  デパーチャー(出発用)の周波数

こうした情報が、空港の管制官に代わって英語で録音されて、空港の運営時間中ずっと自動的に繰り返し放送されています。

空港によってATISの更新間隔や運用時間が異なります。チャートや管制資料に記載されている場合も多いので、事前チェックが安全です。

ATISはエアバンド受信の入門にピッタリ!

ATIS(Automatic Terminal Information Service)は全空港に標準装備されているわけではありません。特に地方空港では、交通量や運用規模に応じて設置されていないケースもありますが、少し調べれば意外と聞きやすい空港も見つかります。

航空無線を聞いたことがある人なら、
「こちら羽田情報、時刻〇〇時現在……使用滑走路はRWY 34R、風は北西〇ノット……」
といった淡々とした音声が延々ループしているのを聞いたことがあるかもしれません。

これは一見退屈に思えるかもしれませんが、航空ファンにとっては宝の山。
「今どの滑走路を使っているか」が分かれば、スポッティング(飛行機撮影)の効率も上がりますし、気象情報からその日の運用傾向を読むこともできます。

また、内容は 全部英語 なので、航空無線を勉強しとる人には うってつけの教材 になります。
ただし、上空を飛ぶ航空機からの電波とは違い、ATISは地上局の電波 のため、空港から遠くなると受信が難しくなるでしょう。

どうしてもATISを受信したいなら……

🗻 高い山の山頂 で複数の空港のATISを狙う
✈️ 思い切って空港まで行く

そんなときに おすすめなのが「アイコム IC-R6(受信改造済み)」です。

非・受信改造済みIC-R6を買うと後悔する理由とは?

 

IC-R6の受信感度の高さは証明済み なので、遠くのATISもキャッチできる確率がグッと上がります。


自衛隊・軍事基地では「METRO(メトロ)」と呼ばれる気象放送も

実は、自衛隊や在日米軍の航空基地にもATISに相当する気象情報の自動放送があります。
ただし呼び名が違っていて、こちらは 「METRO(メトロ)」 と呼ばれているんです。

民間空港のATISが「空港の今」を知らせるのと同じく、METROも航空機の安全運用に欠かせない情報源です。

米軍方式との違い

米軍のMETROは、日本のATISと比べると少し独自のフォーマットを持っています。
それでも基本的な内容―たとえば:

  • 使用中の滑走路情報

  • 天候データ(風向・風速・気温・気圧)

  • 運用上の注意点

こうした点は大きく変わりません。
特に気象に関する部分は共通性が高いでしょう。

関連リンク 【解説】自衛隊の無線周波数と役割(HF・VHF・UHF)


METROで聞ける“軍用っぽい”情報

METROが面白いのは、台風や気圧の大きな変化があるとき。
場合によっては、風速や突風のデータが詳細に放送されることもあります。

これは、戦闘機や大型輸送機の運用に直結するため、より精度の高いデータが必要とされるからでしょう。
受信していると「おっ、民間ATISよりも具体的だな」と感じる瞬間があり、軍用無線局の面目躍如です。

航空自衛隊の戦術用周波数『GCI』とは


英語の壁

ただし米軍基地のMETROは、当然ながら 英語のネイティブ発音
慣れていないと最初はスピードに置いていかれ、「単語が聞き取れない!」ことも。

けれど逆に言えば、リスニング教材としては格好の素材。
何度も受信していると、航空用語や気象用語が耳に自然と馴染んできます。

自衛隊・米軍基地のMETRO周波数一覧(参考: Wikipedia日本語版)

ウィキペディアによる情報を基に構成しています。VHFおよびUHFで行う基地もあります。

空港/基地名(ICAO) 周波数(MHz) 備考(運用時間など)
横田基地(Yokota Air Base) 128.4 / 281.0 在日米空軍基地で最大
厚木基地(Atsugi) 246.8 海自・米軍とも近接。METRO運用あり
キャンプ座間(Camp Zama) 126.3 神奈川県にある在日米軍司令部。METRO名の気象放送あり
岩国飛行場(Iwakuni AB) 128.4 / 283.0 自衛隊米軍共同。航空祭などでも使われる
八戸飛行場(海自) 245.8 夜間帯運用あり(例:22:00~13:00 JST)
嘉手納基地(Kadena AB) 124.2 / 280.5 METRO 放送あり

👉 航空無線受信を趣味にしている人にとって、METROは「もう一段ディープな世界」への入り口。
ATISに慣れてきたら、ぜひ挑戦してみたいジャンルといえるでしょう。

国内各空港ATIS一覧と聞きやすさ解説

一覧にある空港の多くは「H24(24時間)」体制でATISが運用されています。特に成田、羽田、中部国際、大阪国際などは、夜間にも更新が行われています。

区分 空港名 周波数 (MHz) 運用時間 特徴・ポイント
地方空港 新千歳 (RJCC) 128.60 H24 北海道の拠点。天候変化が大きいので受信学習に◎
仙台 (RJSS) 126.45 H24 東北地方の主要ハブ。風情報が安定して取れる
新潟 (RJSN) 128.45 H24 日本海側で冬季の荒天に強い。勉強向け
広島 (RJOA) 127.25 H24 山間立地の空港。風や視程データが特徴的
福岡 (RJFF) 127.20 H24 九州の玄関口。トラフィック多く実用性高し
大分 (RJFO) 127.80 H24 地方でも安定したATISあり。初心者におすすめ
鹿児島 (RJFK) 127.05 H24 離島便も多く運用変化が楽しめる
国際線対応空港 成田国際 (RJAA) 128.25 H24 日本最大の国際空港。更新頻度が高く勉強になる
羽田 (RJTT) 128.80 H24 国内外の便数最多。受信機のテストにも最適
中部国際 (RJGG) 127.075 H24 海上立地で電波がクリアに飛ぶ
大阪国際 (伊丹 RJOO) 128.60 H24 市街地近くでアクセスしやすく初心者人気
夜間対応空港 成田・羽田・中部・伊丹など 各周波数 H24 夜間運用でもATIS更新あり。深夜の風向チェックに役立つ

✨ 受信のコツ

  • 地方空港から入門 → 国際線空港にステップアップすると効率よく学べる

  • 夜間の滑走路運用変更を狙うと ATIS の情報更新がよく分かる

  • 空港見学や飛行機撮影の “先読みツール” としても使える

  • 受信に慣れると「滑走路運用」「気象変化」が分かり、航空無線の楽しみが倍増

おすすめの空港と周波数(一例)

  • 成田空港(RJAA)

    • ATIS:128.25 MHz

  • 羽田空港(RJTT)

    • ATIS:128.800 MHz

  • 三沢基地(航空自衛隊)
    ※民間ではありませんが、米軍基地の一例として

    • ATIS:128.4 MHz

これらの空港や基地の近くにお住まいの方が、安定して受信しやすいATISの一例です。

また、ATISは航空図やアプローチチャートにも、周波数が記されています。パイロットだけでなく、受信趣味の方にとっても貴重な受信ヒントになります。

考察まとめ

ATISは、空港で常時送信されている自動情報放送。自衛隊・米軍基地にもATISに相当する METRO があります。
パイロットにとっては必須の情報源であり、受信者にとっても「空港の今」を知る“手がかり”で、受信体験にリアリティが増します。

つまりATISは、単なるバックグラウンド放送ではなく、
「航空無線の入り口」かつ「運用状況を知るための基本情報源」 といえるでしょう。

ラジオライフのような専門誌では、新しい受信機が発売されると、ATISの受信感度を聞き比べて、性能を比較することもあります。

このようにATISは24時間送信されているので、受信機のチェックも行える便利な無線局です。

地味ながら奥が深いATIS受信。
「航空管制の仕組み」を理解する第一歩になるはずです。

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