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シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

【無線用語集】ラジオ放送受信とBCL関係の用語集

本記事では、ラジオ放送受信とBCL関係の専門用語をわかりやすくまとめました。

気になる用語から各種記事にリンクで飛べますので、知識を広げながら無線ライフをより楽しんでください。

  • 🚫 免責事項

    本用語集に記載された解説や説明は、あくまで無線受信・アマチュア無線に親しむ個人の主観に基づくものであり、公式規格や学術的定義とは異なる場合があります。受信環境や機材、地域によっても解釈や体感は変わり得るため、参考程度にご覧ください。実際の運用や制度に関しては、必ず関連法令・公的資料をご確認ください。

✅ラジオ放送受信とBCL関係

BCL

『Broadcasting Listener』の略で、短波放送を中心に海外・国内のラジオ放送を聴取する趣味や、その愛好者を指す。1970年代から1980年代にかけて特にブームとなり、多くの中高生や社会人が世界中の放送を受信して楽しんだ。当時はインターネットも衛星放送もなく、海外情報の収集手段として短波放送は重要な窓口となっており、BBC、VOA(アメリカの声)、モスクワ放送、ラジオ・オーストラリアなど各国が対外放送を積極的に行っていた。

専用ラジオの普及ソニー、ナショナル(現パナソニック)、松下電器などから高性能な短波ラジオ(BCLラジオ)が発売され、若者の憧れのアイテムだった。

代表例はソニーの「スカイセンサー」シリーズ、ナショナルの「クーガー」シリーズなど。

現在のBCL短波放送は縮小傾向にあり、かつての全盛期ほどではないが、中国国際放送(CRI)、ラジオ・台湾国際、KBSワールドラジオ、BBCなど、今でも受信できる国際放送は数多い。加えて、アマチュア無線やユーティリティ通信(航空・船舶通信など)、乱数放送を聴く「BCL的活動」も一部マニアに受け継がれている。

ベリカード

受信報告書を放送局に送ると、「ベリカード(QSLカード)」と呼ばれる受信証がもらえる。これを収集するのもBCLの大きな楽しみとなっている。

💡 補足:北朝鮮の放送局はベリカードのほか、卓上カレンダー、ペナント、冊子類などかなり豪華な返礼品だったという。

SSB対応BCLラジオ

短波ラジオの一種。本来はAM短波放送を受信することを主眼に作られている「短波ラジオ」にSSBモードを搭載した、少し高価な機種。

このため、短波帯でSSBモードで行われるアマチュア無線や洋上管制、海上通信、軍事系通信の受信もできる利便性がある。上述の1970〜80年代のBCLブームで国内メーカーの製品が人気となったが、BCLブームの下火とともに国内メーカーは製造撤退。

代わりに最近では Tecsun や XHDATA などの格安中華系SSB対応BCLラジオがマニアに人気で、高価なオールモード受信機がなくても平均価格1万円程度で楽しめる。

💡 補足:代表的なヒット機種がXHDATA D-808

中波DX

BCLの中のジャンルの一つで、国内外の中波ラジオ局を長距離で受信する趣味分野。季節と時間帯の条件が重要。DXは「distance(遠距離)」の無線用語から。夜になると中波はスキップ現象で遠方まで飛ぶため、深夜の受信で海外や地方局を狙うのが定番。中波DXerは、短波やFMには目もくれず「AMラジオ一筋」という濃い人たちが多い。

💡 補足:北海道内では深夜に関東圏の放送局である『文化放送』が聞こえるでしょ?

💡 補足:言ってみれば「魚釣り(BCL)」の中の「へらぶな専門のへら師(中波DX)」みたいなもの。

ワイドFM

日本における90〜95MHzのFM放送をワイドFMと呼ぶ。元々70〜80MHzで始まったFMラジオ放送だが、1991年から一部地域でAMラジオの難聴地域対策として90MHzでのFM放送が始まった。2028年のAMラジオ放送廃止後、こちらに移行される予定。単に「AM局のFM化」というだけでなく、周波数資源のやりくりや受信機側の対応など、電波利用の仕組みにも関わる。

いわゆる「ラジオ放送受信」のジャンルに属しつつも、周波数帯の利用や変調方式といった技術的な背景があるため、放送ファンと無線技術派の両方から話題にされる存在である。

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