80年代アニメでアマチュア無線ものがあった! | ページ 6 | シグナリーファン

80年代アニメでアマチュア無線ものがあった!

アマチュア無線
引用元「ミームいろいろ夢の旅」
この記事は約3分で読めます。
スポンサーリンク
【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

高層マンションに苦戦

ともかく、今回の誤認騒動の原因は、どうやら近隣に乱立する高層マンション群にあったようです。子どもたちは、電波の伝搬特性そのものに翻弄されてしまったのでした。すなわち、この一帯では電波の反射・屈折・回折が複雑に絡み合い、信号の発信源を一点に絞り込むことが極めて困難な環境だったのです。

ここで思い出してほしいのが、物語冒頭でミームが語っていた、あの電波伝搬の基本原理です。一見すると前振りに過ぎない説明に見えましたが、実はあれこそが、本編全体を貫く最大の伏線でした。

そして物語は、その伏線を見事にここで回収します。伏線の張り方、使い方、そして収束のさせ方まで含め、まるで映像脚本の教科書をなぞるかのような構成です。単なる子ども向け作品とは言い難い、周到さが感じられます。

しかし、感心してばかりもいられません。誤認は、あくまで誤認です。誰かの権利を軽々と踏みにじりかねない“勇み足”が、こうした完成度の高い構成の中にあえて組み込まれているという事実は、決して軽いものではありません。物語は、正義が暴走する危うさを、きちんと描いています。

そんな中、科学探偵団が行き詰まる状況で、ただ一人、薬師寺ひろ子が静かに立ち上がります。彼女は「アマチュア無線技士」という国家資格を有する少女です。オカルト的な直感や遊びではなく、理論と技術に裏打ちされた、いわば国家認定の技術者としての視点を持っています。

混乱する仲間たちをよそに、彼女は電波の挙動を冷静に再分析し、ひとつの大胆な仮説にたどり着きます。

高層マンションの壁面を、巨大なパラボラアンテナのように利用すれば、特定方向からの電波だけを選択的に受信できるのではないか。

――建物そのものを使って、妨害電波の進行方向を逆算する。

それは、力で押し切る探索ではなく、環境と物理法則を味方につける、いかにも「技術者らしい」発想でした。

画像の出典「ミームいろいろ夢の旅」第73話  (C)日本アニメーション/TBS

この戦術には、さすがのミームですら舌を巻きました。ここから先、探偵団は本気です。一棟一棟、建物を丹念に当たり、受信状態を確認し、確かな手応えを積み重ねていきます。電波の“幻”に振り回されるのではなく、現実の観測結果を積み上げて真相へと迫っていく。その姿は、まさに科学の王道と言えるでしょう。

「アマチュア無線技士の国家資格を持つ少女が、専門知識を駆使して活躍する」。そんなアニメ作品は、ほかにほとんど例がありません。この種の題材は、ともすれば過剰なミリタリー描写や、いわゆる中二的設定へと傾きがちですが、本作は終始、現実の技術と理屈に立脚した描写に徹しています。

……などと手放しで称賛すると、大洗町方面から「……チッ」と低い声で、SNS越しに噛みつかれるかもしれませんが、ここはひとまず静観しておきましょう。

ラジオライフ誌の実用記事も確かに有用ですが、こうした物語作品が与えてくれるのもまた、電波趣味に対する別種の、しかし確かな洞察です。しかも、真面目な追跡劇が進行するその傍らで、妙にうれしそうな顔をして受信機にかじりついている視聴者がひとり。

「……えっ? あなた、何の電波を探しているの?」
「じ……GCIですから……」

――おいおい(笑)

そしてついに、古びた一軒家の屋根にアンテナを確認。探偵団の活躍と衝撃の結末は次のページに続く!

error: Content is protected !!