【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

【80年代アニメ】アマチュア無線を扱った衝撃テレビアニメがあった!

このエピソード、なかなか考えさせられる内容である。フォックスハンティング(電波の発信源を探す遊び)を題材にしつつ、「正義感の暴走」というテーマまで入ってるのだから。

高層マンションに苦戦

ともかく、今回の誤認騒動、その原因はどうやら近隣に乱立する高層マンション群にあるらしい。
電波の伝搬特性に翻弄されてしまったのだ。つまり、あの場所では電波の反射・屈折・回折が複雑に絡み合い、信号の出どころを正確に掴むのが難しかったわけである。

思い出してほしい。冒頭でミームが語っていた、あの電波伝搬の基本原理を。
あれこそが、まさしく本編中最大の伏線だったのだ。

そして見事に、それがここで回収される。伏線の張り方、使い方、収束のさせ方――まるで映像脚本の教科書をなぞるような展開だ。

だが、感心してばかりはいられない。誤認は誤認。誰かの権利を軽く踏みにじるような“勇み足”が、立派な構成の中に組み込まれていた、という事実は重い。

さて、科学探偵団が空転する中で、ただ一人、薬師寺ひろ子が静かに立ち上がる。
彼女は「アマチュア無線技士」の国家資格を有する少女である。つまり、オカルト趣味や遊びではなく、理論と技術に裏付けられた“国家認定の技術者”というわけだ。

電波の迷路に手を焼く仲間たちをよそに、冷静に電波の挙動を再分析した彼女は、ある大胆な仮説を立てる。

高層マンションの壁面を、巨大なパラボラアンテナのように使えば、ある一方向の電波だけを選択的に受信できるのではないか?
――建物を利用して、妨害電波の進行方向を逆算する。

画像の出典「ミームいろいろ夢の旅」第73話  (C)日本アニメーション/TBS

この戦術に、ミームですら舌を巻いた。ここからの探偵団は本気である。一棟一棟、建物を丹念に調べ上げ、確かな手応えを得ていく。電波の“幻”に振り回されるのではなく、現実の手がかりを積み重ねて真相に近づく姿は、科学の王道とも言えるだろう。

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