【お知らせ】
シグナリーファン編集部では、無線受信や運用に関して総務省総合通信局の公開情報・公式資料・報道記事・学術文献を継続的に調査・分析しており、各種記事はそれらの調査結果に基づいて構成しています。

【無線用語集】デジタル変調方式の種類

本記事では、デジタル変調方式の種類の基礎知識について整理して解説します。

気になる用語から各種記事にリンクで飛べますので、知識を広げながら無線ライフをより楽しんでください。

  • 🚫 免責事項

    本用語集に記載された解説や説明は、あくまで無線受信・アマチュア無線に親しむ個人の主観に基づくものであり、公式規格や学術的定義とは異なる場合があります。受信環境や機材、地域によっても解釈や体感は変わり得るため、参考程度にご覧ください。実際の運用や制度に関しては、必ず関連法令・公的資料をご確認ください。

✅デジタル変調方式の種類

TDMA

時分割多元接続方式。複数の通信を時間でスロット分けして同じ周波数を共有する方式。携帯電話や衛星通信で使われ、デジタル無線の基本的な多重化方式のひとつ。例えば「自分の時間枠」でだけ送受信し、他の時間枠は別ユーザーが利用するという形で効率化している。

💡 補足:【外部リンク】東京消防庁の無線だけ互換性ないTDMA方式の理由(ラジオライフ公式)

CDMA

拡散スペクトラムの多元接続方式。日本語では「符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)」と呼ばれる携帯電話などで使われる通信方式。従来の方式(FDMAやTDMA)が「周波数を分ける」「時間を分ける」といった方法で複数の人の通話を区別していたのに対し、CDMAは「符号(コード)」を使って同じ周波数・同じ時間に複数の通話を重ね合わせるのが特徴。

それぞれの通話には固有の拡散符号が割り当てられ、受信側はその符号を使って自分に必要な信号だけを取り出すことで、周波数の利用効率が高まり、同じ帯域でより多くのユーザーが同時に通話できる。

また、電波が弱くても復調しやすい性質があり、山間部や建物の陰などでも比較的つながりやすい。1990年代後半から2000年代にかけて、au(KDDI)やソフトバンク(旧ボーダフォン)の一部機種で使われていた方式で、日本の携帯電話の発展を支えた技術のひとつ。

FDMA

周波数分割多重接続方式。複数の通信ユーザーが同時に通信回線を共有するための方式の一つである。利用者ごとに異なる周波数帯を割り当てることで同時通信を可能にする。具体的には、送信側は割り当てられた周波数で信号を送信し、受信側は対応する周波数を受信することで通信が成立する。

この方式の特徴は、周波数の干渉を避けやすく、シンプルな構成で安定した通信が可能な点である。一方で、利用可能な周波数帯が固定されるため、同時接続数が周波数帯域に制約されるという限界もある。

SCPC

Single Channel Per Carrierの略。1つの搬送波に1つの通信チャネルを割り当てるシステム。簡潔にいえば「一波一回線方式」であり、音声通話や専用線通信に多用されてきた。複数のユーザーが共有するマルチチャネル方式(TDMAやFDMA)と比較すると、回線品質は高いが周波数利用効率は低い。

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